トヨタ モビリティ企業へ「ウーブン・シティ」今秋始動

トヨタ自動車の豊田章男会長は1月6日(米国時間)、静岡県裾野市で建設中の「ウーブン・シティ」を2025年秋にも始動すると発表した。同シティの一部に人が入居し、自動運転車やロボット、人工知能(AI)など様々な次世代技術を試す実証実験を実施する。
自動車メーカーの競争軸がこれまでの製造・販売から、多様なソフトウェア・サービスに広がっており、これらを網羅する”モビリティカンパニー”になれるか、の試金石になるとみられる。

日鉄 USスチール買収 法廷闘争へ 米大統領らを提訴

日本製鉄は1月6日、USスチールの買収計画へのバイデン米大統領の禁止命令は違法な政治介入だとし、同大統領ら米政府に対し、命令と審査の無効を求める訴訟を米連邦控訴裁判所に起こしたと発表した。USスチールも原告に加わっている。日本の大企業が米大統領を訴えるのは異例。
日本製鉄、USスチールの両社はまた、USスチールと競合する米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスと、両社の従業員が加わる全米鉄鋼労働組合(USW)の会長に別の訴訟を米連邦地裁に起こした。今回の買収計画に対する「違法な妨害」をやめさせる命令のほか、損害賠償を求めている。
日本製鉄の橋本英二会長は7日記者会見し、今回の大統領令について「違法な政治的介入により、CFIUS(対米外国投資委員会)の審査手続きも適正に実施されないまま行われたのであり、到底受け入れることはできない」とし、「決して諦めることはない」と、あくまでも買収の実現を目指す方針を改めて強調した。

ソニー・ホンダEV「アフィーラ」米国で1,400万円で先行受注

ソニーグループとホンダが設立したソニー・ホンダモビリティは1月6日(日本時間7日)、開発中の電気自動車(EV)ブランド「アフィーラ」の第1弾の先行受注を開始すると発表した。価格はセダンの「アフィーラ1(ワン)」で8万9,900ドル(約1,423万円)から。ソニー・ホンダモビリティのウェブサイトを通じて販売する。2026年から出荷し、その後、日本でも販売する方針。同社の水野泰秀会長が明らかにした。

富士通 富士通ゼネラルをパロマ・リームHDに売却

富士通は1月6日、エアコンなどを手掛けるグループ会社の富士通ゼネラルを、給湯器や空調の大手を傘下に持つパロマ・リームホールディングス(HD)に売却すると発表した。富士通はITやAI関連事業に経営資源を集中させ、事業の拡大を目指す。
パロマ側は7月上旬をめどに株式の公開買い付けをするなどして完全子会社化する。買収総額はおよそ2,500億円になる見通し。

バイデン米大統領 米USスチール買収阻止, 日鉄は提訴

バイデン米大統領は1月3日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を中止するよう命じた。かつての米製造業医の象徴であり、製造業を支える鉄鋼メーカーが海外企業に買収されれば、安全保障上の懸念が生じると判断。原則として30日以内に買収計画を「完全かつ永久に放棄」する措置を講じるよう求めた。
これに対し、USスチールの本拠、地元自治体を含め買収計画に合意している日本製鐵とUSスチールは、今回の決定について「失望している。決定はバイデン氏の政治的な思惑のため下されたものであり、法令に明らかに違反している」と批判。さらに「法的権利を守るため、あらゆる措置を講じる」との声明を発表した。

24年EV世界販売 米テスラに中国BYDが2.4万台差に肉薄

2024年の電気自動車(EV)の世界販売台数で米テスラと中国の比亜迪(BYD)が熾烈な競争状態にあることが明らかになった。米メディアによると、テスラの2024年の世界販売台数は前年比1%減の178万9,226台だった。テスラが前年実績を割り込んだのは初めて。これに対し、中国EV最大手BYDが2024年に販売したEVは12%増の176万4,992台。EV販売でこれまで世界首位を誇ってきたテスラに、約2万4,000台差まで迫った。

ニプロ 中国四川省の透析用RO装置の純潔科技を買収

ニプロ(本店:大阪府摂津市)は12月26日、連結子会社の尼普洛貿易(上海)有限公司(本社:中国・上海市、以下、尼普洛貿易)が、中国四川省の透析用RO装置製造会社、純潔科技有限公司(所在地:中国四川省、以下、四川純潔)を10月16日付で同社の発行済株式の70%を取得、買収し、連結子会社としたと発表した。これによりニプロは、透析関連製品の品揃えを拡充し、拡大基調にある中国市場におけるプレゼンスの向上およびマーケットシェアの獲得につなげる。

東芝ES インドネシア・パトハ地熱発電所向け発電設備受注

東芝エネルギーシステムズ(本社:神奈川県川崎市幸区、東芝ES)は12月25日、インドネシア国営企業、PT.Geo Dipa Energi(Persero)(以下、GDE社)が拡張を計画するジャワ島西部のPatuha(パトハ)地熱発電所の2号機向け蒸気タービン・発電機(最大連続負荷60.3MW)を、この拡張工事のEPC契約者の東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市)の子会社、PT. Inti Karya Persada Tehnik(イカペテ社)から受注したと発表した。2号機の運転開始は2027年中を予定。
インドネシアの地熱発電所向け発電設備では、10月に公表したワヤン・ウィンドゥ地熱発電所3号機向けに続いて2件連続の受注となる

JFEエンジ, JOIN 印DPJの4道路運営子会社へ出資, 合弁設立

JFEエンジニアリング(本社:東京都千代代田区)と海外交通・都市開発事業支援機構(本社:東京都千代代田区、以下、JOIN)は12月24日、インドのDP Jain& Co.Infrastructure Pvt Ltd.(本社:マハラシュトラ州ナグプール市、以下、DPJ)の4つの道路運営子会社への出資、およびそれらの会社運営を支援する合弁会社を設立することで合意したと発表した。。JFEエンジニアリングとJOINは、日本で新たに設立する投資SPV「日印道路合同会社」を通じ、DPJが保有する4路線の道路PPP事業会社に出資および事業参画する。
日本の建設会社として、インドの道路PPP事業への出資および事業参画は初めてとなる。

スズキ元会長 鈴木修氏 死去94歳 中小企業を世界企業に

スズキの社長や会長を40年以上務め、世界的な自動車メーカーに育てた同社相談役の鈴木修(すずき・おさむ)氏が12月25日、悪性リンパ腫で死去した。94歳だった。葬儀は近親者で済ませた。喪主は、長男で社長の俊宏氏。後日、お別れの会を開く。
鈴木氏は岐阜県出身。1953年に中大法学部を卒業後、銀行勤務を経て、1958年に鈴木自動車工業(現スズキ)に入社。2代目社長・鈴木俊三氏の娘婿で、1978年に3代目社長に就いた。以後、約40年間で、3,000億円規模だったスズキの売上高を、会長退任後の2022年3月期に3兆5,600億円と10倍以上に拡大させた。そして、同社は2024年3月期に初めて5兆円を突破している。
鈴木修氏は約40年間に、軽自動車市場で「アルト」「ワゴンR」など人気車種を生み出し、軽自動車の隆盛を牽引した。また、海外にも目を向け、将来の市場性を見込み、国内自動車大手ではいち早くインド事業に着手。1983年から生産を開始し、現在同国でのスズキのシェアは約4割を占め、No.1ブランドとなっている。

金融庁 イオン銀に業務改善命令マネロン疑い取引を放置

金融庁は12月26日、マネーロンダリング(資金洗浄)対策で不備があるとして、イオン銀行に対し、銀行法に基づく業務改善命令を出したと発表した。同庁はイオン銀行に、2025年1月末までに業務改善計画を提出するよう求めた。マネーロンダリングを巡っては、国際機関から日本の取り組みが不十分と指摘されたことを受け、金融機関に検査や実施を求めてきたが、イオン銀行は取引を監視するシステムで異常を検知した取引の少なくとも1万4,639件について、マネーロンダリングの怖れがある”疑わしい取引”かどうかを判定せずに放置していた。また、疑わしい取引を同庁に届け出ておらず、必要な人員も配置していなかった。マネーロンダリングを巡る、金融機関に対する一連の検査を通して銀行に行政処分を出すのは初めて。

年末年始 ANA, JALとも国内・国際線予約好調 9連休で

航空各社のまとめによると、年末年始(12月27日〜25年1月5日)の予約状況が好調だ。最大9連休となる曜日配列やインバウンド(訪日外国人)需要の高まりも加わって、国内・国際線ともに前年を上回っている。
国内線の予約状況は全日本空輸(ANA)が前年比17.2%増の146万6,091人、日本航空(JAL)グループは同8.8%増の108万239人だった。国際線は、ANAが同16.2%増の24万1,323人で、JALグループ同24.2%増の22万6,089人となっている。
関西空港では期間中、国際線の1日あたりの予約は約7万5,200人で、コロナ禍前の2019年を上回り、過去最高となる見込み。

東洋エンジ インドネシア・パトハ地熱発電所建設P受注

東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市)は12月25日、インドネシア子会社、PT.Inti Karya Persada Tehnik(IKPT=イカペテ社)が、コンソーシアムパートナー、PT.Wasa Mitra Engineering(ワサ・ミトラ・エンジニアリング)とともに、PT.Geo Dipa Energi(Persero)(ジオ・ディパ・エナジー)より、Patuha-2(パトハ2)地熱発電所プロジェクトを受注したと発表した。建設地はインドネシア、ジャワ島西ジャワ州バンドン県。発電能力は60.3MW。IKPTは設計・調達・建設工事を一括受注し、2027年の完工を予定。

住友重工, 藤田医科大など次世代放射線技術を共同開発

住友重機械工業(本社:東京都品川区)は12月25日、藤田医科大学(所在地:愛知県豊明市)と次世代の放射線治療技術を共同開発すると発表した。
がん粒子線治療技術の一つ「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」に関する技術で、従来よりがん細胞を攻撃する能力が高い新規薬剤も同時に開発する。膵臓(すいぞう)がんなど、難治性がんの治療法につなげる。住友重工、藤田医科大やアトランセンファーマ(本社:大阪市)、ステラファーマ(本社:大阪市)、フジタ(本社:東京都渋谷区)の各社がこのほど、BNCTの研究開発推進に向けて覚書を締結した。
BNCTは、がん細胞がホウ素を取り込む性質を利用し、ホウ素と中性子の核反応でがん細胞を破壊する。陽子線や重粒子線といった従来の放射線治療と違い、1回の照射で治療が完了する。

積水化学 3,145億円投じ大阪/堺でペロブスカイト太陽電池量産

積水化学工業は12月25日、シャープの本社工場(所在地:大阪府堺市)の建物や設備などを取得し、新たにペロブスカイト太陽電池の工場を建設し、量産化に乗り出すことを明らかにした。新会社立ち上げ、製造設備の整備、2030年までの設備増強分を合わせ、総投資額は3,145億円で、このうち半分は国が補助するという。
2025年1月に製造・販売を手掛ける新会社を立ち上げ、2027年に100メガワット(MW)程度の生産能力を持つ工場を稼働させたいとしている。さらに2030年までに原発1基分に相当する1ギガワット(GW)程度まで生産能力を拡大する。

金融庁 イオン銀行に近く改善命令へ マネロン対策に不備

金融庁はイオン銀行に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策で不備があるとして、近く銀行法に基づく業務改善命令を出す方針であることが分かった。日米欧の金融・警察当局などでつくる「金融活動作業部会(FATF)」(本部・パリ)が2021年に公表した審査結果で、日本は3段階のうち2番目の「重点フォローアップ国」となった。金融庁は各金融機関への検査を実施し、2024年3月末までに対応を完了するよう求めていたが、イオン銀行のリスク管理体制が不十分と判断したとみられる。一連の検査を通し、銀行に行政処分を出すのは初めて。

万博バス停にペロブスカイト太陽電池 公共施設で本格実装

2025年大阪・関西万博の運営主体の博覧会協会は12月24日、会場となる夢洲(ゆめしま)で、薄いフィルム状で軽くて折り曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」を設置したバスターミナルを公開した。発電した電気は蓄電池にためておき、ターミナルの夜間照明に使用される。
ターミナルの屋根に積水化学工業が開発したペロブスカイト太陽電池を設置した。バス停の約250mにわたり縦1m、横2mのパネル257枚を使用している。ペロブスカイト太陽電池は現在、様々な事業者が、様々な場所で実証実験を行っているが、これだけまとまった枚数のペロブスカイト太陽電池を、公共施設で本格的に実装するのは国内では初めてという。

日本郵便 配達委託見直し巡り協業のヤマト運輸を提訴

日本郵便は12月23日、薄型荷物などの配達で協業するヤマト運輸に、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。ヤマト運輸が日本郵便に配達委託の見直しを打診しことから、ヤマト運輸側に配達委託の履行義務があることの確認や、委託内容の変更による損害として120億円の支払いを求めている。
両社は2023年6月、「持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意」を締結。ヤマト運輸は2025年2月までに薄型荷物「クロネコゆうパケット」のすべての配達を日本郵便に委託する予定だった。ところが、ヤマト運輸は今年10月、段階的に委託を進める計画の見直しを申し入れ、11月には収益確保などを理由に2025年1月〜2026年3月の委託停止を提案したという。一方、日本郵便はこの申し入れを承諾しておらず、委託に向けた設備投資や、見込んでいた利益に対する損害賠償を求めている。

JR九州 日韓航路から撤退 博多港ー釜山 運航再開断念

JR九州は12月23日、博多港と韓国・釜山(プサン)を結ぶ旅客船の運航再開を断念し、日韓航路から撤退、運営してきた傘下のJR九州高速船を解散すると発表した。1991年の日韓航路の開設から33年。小回りの利く旅客船で両国を結んできたが、今回その旅客船「クインビートル」が、浸水を隠して3カ月以上運航を続けていたことが発覚。利用・乗船者の安全面や運行管理面から厳正な対応が必要と判断した。

オーケー 26年末までに大阪・兵庫で12店舗出店を計画

首都圏が地盤の格安スーパー、オーケー(本社:横浜市)は12月23日、大阪府内、兵庫県内に2026年末までに合わせて12店舗を新規出店すると発表した。2025年1月に開業予定の西宮北口店(所在地:兵庫県西宮市)を手始めに、2025年中に神戸市、尼崎市など兵庫県内に計5店舗を出店する。大阪府では、11月に大阪府東大阪市に関西1号店を開業しているが、2026年には大阪府内に7店舗出店する計画。短期間で数多くの店舗を出店し、関西での知名度アップと市場開拓を進める。
オーケーは地盤としている東京など1都3県に156店舗を出店している。

JERAと東邦ガス 知多火力発電事業で共同出資会社

国内発電大手のJERA(本社:東京都中央区」)は12月23日、東邦ガスと共同で知多火力発電所7、8号機(所在地:愛知県知多市)を開発・運営すると発表した。両社は2024年度中に事業を進める共同出資会社を設立し、2024年度中の運転開始を目指す。新会社への出資比率はJERAが75%、東邦ガス25%。建設や運営・保守はJERAが主に担当する。東邦ガスはLNG基地を保有しており、燃料の安定供給につなげる。

ホンダ 日鉄物産とタイで地産地消の水素利活用の調査事業

ホンダ(本社:東京都港区)は12月20日、保有する燃料電池技術で、タイでロジャな工業団地を運営する日鉄物産と協働し、タイにおける地産地消の水素利活用モデル確立に向けた調査事業に取り組むと発表した。同工業団地内の太陽光発電で製造したグリーン水素を定置用燃料電池(FC)電源や、燃料電池(FC)トラックへの活用を通じて入居企業へ普及させることを目指し、その事業制を調査する。
同調査事業は経済産業省が主導する「令和5年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択された。
ロジャナ工業団地は2024年6月時点で入居企業は400社を超え、うち約150社の多様な業種の日系企業が入居している。

公取委 グーグルに排除命令 スマホアプリ優遇 独禁法違反

公正取引委員会が、米グーグルが自社の検索アプリをスマートフォンに優先的に入れるようスマホメーカーに圧力をかけたなどとして、独占禁止法違反でグーグルに対し、違反行為と取りやめなどを求める排除措置命令を出す方針を固めたことが分かった。公取委はすでに処分案をグーグル側に通知しており、今後グーグル側の意見を聞いた後に正式な処分を決める。公取委が巨大IT大手「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック=現メタ、アマゾン)に同命令を出すのは初めて。

トヨタ 中国・上海に「レクサス」EV新工場 単独出資で

トヨタ自動車は、中国・上海に高級車ブランド「レクサス」の電気自動車(EV)を製造する新工場を建設する方向で、中国当局と最終調整に入った。現地企業との合弁ではなく単独出資工場で、早ければ2027年ごろの稼働を目指す。認可されれば外資として、米国EV大手テスラに次ぐ2社目の単独出資工場となる。
トヨタは現在、中国で現地大手の中国第一汽車、広州汽車と合弁の車両工場を運営している。

シャープ SBに大型液晶工場の敷地の6割, 45万㎡を売却

シャープ(本社:大阪府堺市)は、8月に生産を停止した大阪府堺市のテレビ向け大型液晶パネル工場について、ソフトバンク(SB)に敷地のおよそ6割にあたる45万㎡を売却することを決めた。土地、建物の売却額はおよそ1,000億円という。SBはAI(人工知能)向けの大規模データセンターの建設を検討しており、今年度中にも正式契約を結びたい意向。

ヒルトン最上級ホテル 25年4/3うめきた新街区に 日本初進出

ホテルチェーン大手の米ヒルトンは2025年4月3日に、日本初進出となる最上級ブランドのホテル「ウォルドーフ・アストリア大阪」を大阪・梅田に開業する。大阪うめきたの新街区「グラングリーン大阪」に竣工する高層複合ビルの上層階に入居する。部屋数は252室。訪日富裕層の宿泊需要に応える。公式サイト・アプリでこのほど、宿泊予約の受け付けを開始した。
ウォルドーフ・アストリアは米ニューヨーク、英ロンドンなど世界の大都市で34店舗を展開しており、今回の大阪のほか、日本では2026年に東京・日本橋での出店が予定されている。

京都駅 29年度「特急はるか」山科発着 訪日客集中解消へ

JR西日本(本社:大阪市北区)は、2029年度以降、インバウンド(訪日外国人客)が集中している京都駅の混雑緩和の抜本的対策として、京都駅から東に約5.5km離れた東海道線「山科駅」に関空特急「はるか」の全列車を停止させるほか、京都駅の自由通路を増設することを決めた。また、1駅東隣の山科駅を「京の東の玄関口」と位置付け、人気観光スポットの東山方面や祇園など観光地への迂回ルートとする。
京都駅のJR在来線の乗降客数は、2023年度時点で1日約33万人で、コロナ禍前の8割まで回復。現在「はるか」1日上下60本のうち、滋賀県野洲方面に直通する5本を除いて55本が京都駅を始発、終着としている。このため、訪日外国人客の多くが京都駅で乗降し、ごった返し、身動きが取りにくい時もあるほか、接続する京都市営地下鉄や市バスの混雑にも拍車がかかっている。

ホンダ主導で26年統合へ 日産と基本合意 共同持ち株会社

ホンダと日産自動車は12月23日、2026年8月の経営統合を目指し、基本合意契約を結んだと発表した。この骨子は①新たに設立する共同持ち株会社を上場して、両社はそれぞれ2026年8月に上場廃止とし、新会社の完全子会社として傘下入りする②新会社の社長と取締役の過半数をホンダが指名する③両社のブランドは維持するーーなど。
両社は車台の共通化、研究開発の統合、生産体制・拠点の最適化、購買機能の統合ーーなどで1兆円の統合効果を見込む。両社で売上高30兆円、営業利益3兆円を超える業績目標を掲げた。
日産自動車が筆頭株主となっている三菱自動車も統合協議に参画し、2025年1月末をめどに合流するかを判断する。