トクヤマ 韓国・SKGC社とIPA製造・販売で合弁設立

トクヤマ(本社:東京都千代田区)はこのほど、韓国の石油化学製品製造・販売のSK Geo Centric Co.,Ltd.(以下、SKGC社)との折半出資により、電子工業用高純度イソプロピルアルコール(以下、高純度IPA)の製造・販売を手掛ける合弁会社を韓国に設立すると発表した。合弁新会社の資本金は6,000万米ドル相当。2022年7月に設立予定。合弁契約締結日は2021年12月28日、事業開始日は2024年7月の予定。
5G、IoT、AI、DX等の進展により半導体市場は今後中長期的に拡大すると見込まれ、それに伴い半導体製造プロセスで使用される高純度IPA需要も漸増する見通し。また、半導体の微細化の進展に伴い、高品質化と安定供給に対する顧客企業からの要求がますます高まってきている。こうした需要とニーズに応える。

独メルセデス 走行距離1,000kmのEVコンセプト車 25年発売

独メルセデス・ベンツは1月3日、満充電で1,000km以上走れる電気自動車(EV)のコンセプト車「ビジョンEQXX」を発表した。この車両をベースにした市販車を2025年ごろ発売する。ガソリン車と比べ給電インフラが未整備な中、消費者がEVに対して抱く走行距離への不安を払拭し、脱炭素社会の実現に向けEVへの買い替えを促す。
駆動システムの効率を大幅に改善、電池のエネルギーを車輪の駆動に変える際のエネルギー損失は5%と、現在の5分の1に減らす。電池のエネルギー密度も高め、走行距離784kmの同社の旗艦車種「EQS」の電池パックと比べて体積は半分、重量は約3分の2に減らしている。この結果、ガソリン車の燃費に相当する電費(電池の消費効率)では、10KW時あたり100km以上を実現した。

大阪ガス 京大と寒波や猛暑発生予測 ガス・電力需要把握へ 

大阪ガスはガスや電気の安定的な供給につなげるため、寒波や猛暑の発生を予測する研究を京都大学防災研究所と2021年12月から共同で始めた。大阪市此花区の大阪ガスの研究拠点で、気象予報士の資格を持つ社員と、京大の研究者が過去のデータから寒波などの発生のメカニズムについて分析を進めている。将来的には2週間前から数カ月前に寒波などの襲来を予測し、ガスや電気の供給量を増やす態勢を整えることを目指す。

米テスラ 21年のEV販売87%増の93.6万台と過去最高を更新

米テスラが1月2日発表した2021年の電気自動車(EV)の年間販売台数は、2020年比87%増の93万6,172台と過去最高を更新した。世界的な半導体不足で競合他社の減産や操業の一時停止が相次いだ中、EV業界では突出した、高い稼働率を維持し、頭抜けた強さを示した。この結果、前年比5割増の75万台超としていた当初の販売目標を大きく上回った。
21年通年の販売台数を車種別にみると、小型車「モデル3」と小型SUV(多目的スポーツ車)「モデルY」が合わせて2.1倍の91万1,208台となり、全体の97%を占めた。

21年日本企業のM&F15%増の4,280件 過去最多 レコフ

M&A助言を手掛けるレコフのまとめによると、2021年に日本企業が買い手か売り手のどちらかに関わったM&A(合併・買収)件数は、前年比15%増の4,280件と過去最多となった。新型コロナウイルス禍で浮き彫りになった供給網の弱さを補うM&Aほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)や脱炭素の加速を目的とする例が目立った。

イオン 100円ショップ キャンドゥのTOB成立 22年1/5子会社に

イオンは12月28日、100円ショップを展開するキャンドゥへの株式公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。キャンドゥ株を保有する同社社長らの資産管理会社も子会社化することで、イオンが保有する株式比率は51.16%となる。これにより、キャンドゥは2022年1月5日にイオンの連結子会社となる。キャンドゥの名称変更の予定はない。買収総額は約212億円。

キリンHD 国内全9ビール工場に大規模太陽光発電設備導入

キリンホールディングスのグループ会社、キリンビールは12月27日、国内全9工場で大規模太陽光発電設備を導入すると発表した。2016年に先行して導入した横浜工場に続き、2021年2月よりPPAモデルによる、北海道千歳、仙台、取手、名古屋、滋賀、神戸、岡山の各工場に順次、太陽光発電電力の導入を進めてきたが、今回福岡工場への導入をもって、国内全工場で再生可能エネルギーの導入となる。実質の稼働は2022年3月ごろを予定。
これにより、年間約5,800トンのGHG(温室効果ガス)排出量を削減するとともに、キリンビール全体の使用電力の再生可能エネルギー比率は、2020年時点の約18%から約34%に向上する。今後もキリングループの国内外事業拠点での再生可能エネルギー導入を推進し、将来的にはキリングループの事業で用いる電力のすべてを再生可能エネルギーに」置き換える。

Jフロント「脱・百貨店」へ非商業施設の不動産開発強化

大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングの好本達也社長は、高級マンションやホテルなど非商業施設の不動産開発を強化する方針を明らかにした。
新型コロナウイルス禍で大きな打撃を百貨店事業に依存する経営体質からの脱却を図るため、不動産開発のノウハウを持つ外部との資本業務提携も選択肢に含めて検討していく。百貨店周辺の物流センター跡地や、余剰となった百貨店の「別館」などの保有資産を活用していく。現在、松坂屋がある名古屋市でマンションを開発中だ。

川崎重工 液化コスト低減目指した水素液化機の大型化開発へ

川崎重工は12月28日、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業」の「革新的液化技術開発」に係る採択を受け、水素液化機の大型化・高効率化開発を開始したと発表した。
今回の開発では、100%子会社の日本水素エネルギーを幹事会社として、同様にNEDOの公募として採択された「液化水素サプライチェーンの商用化実証事業」と連携しながら、2021年6月18日に経済産業省が関係省庁と策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に示されている2030年30円/N㎥(船上引渡しコスト)、および2050年20円/N㎥(同)の水素供給コストを実現するための技術開発を行う。
現時点では日量5トン~25トンの水素を液化できる技術を確立しており、今回の開発を通じてこれらの技術をさらに発展させることで、商用運転規模までの水素液化機の大型化および液化の効率化を図る計画。

トヨタ,JERAなど神戸市で25社・団体が蓄電池再利用で連携

トヨタ自動車、JERA、神戸市など25社・団体が車載などの使用済み蓄電池のリユース・リサイクル技術の実用化に取り組む「神戸関西圏電池リユース・リサイクル協議会」を設立した。トヨタとJERAが協議会の幹事となる。
自動車の電動化に伴い大量発生が予想される中古蓄電池を有効活用するため、加盟者が様々な実証実験に取り組んでノウハウを蓄積する。設立を呼び掛けた神戸市が実証実験の場所の提供などで取り組みを支援する。
既述の幹事2社のほか、関西電力、三菱商事、川崎重工、GSユアサ、あいおいニッセイ同和損害保険など幅広い企業や団体が参加している。すでにトヨタとJERAが神戸市内で2021年度から、トヨタのハイブリッド車などから回収した32台分の蓄電池を連結して定置型の蓄電池として再利用する実験を始めている。

ANAグループ 23年度新卒採用と22年度キャリア採用を再開

ANAグループは12月27日、2023年度入社の新卒採用、ならびに2022年度入社のキャリア採用を再開することを決定したと発表した。対象会社・職種・採用人数は、新型コロナウイルスの影響を見極め、必要最小限に留める観点に立ち、決定していく。また、多様な経験や専門性を有した人財の活躍を推進するため、従来以上にキャリア採用に注力する。なお、客室乗務員の採用再開は見送った。

東京海上HD シンガポールのスマートシティ計画で業務提携

東京海上ホールディングス(本社:東京都千代田区)は12月27日、現地子会社のトウキョウ・マリン・ライフ・インシュアランス・シンガポールを通じて、シンガポールの政府系電力・ガス会社SPグループと、同国西部テンガに建設予定のスマートシティ計画に関する業務提携を締結したと発表した。
SPグループは、テンガで約4万世帯、10万人以上が居住するスマートシティを建設しており、2023年9月に入居開始の予定。
東京海上HDは、住民や事業者に対しグループのシンガポールの損害保険会社の商品を提供することから始め、今後はスマートシティーや管理アプリの実現に合わせ、より個別最適化した保険商品・サービスの開発・展開を検討する。

タカラバイオ 12/28からオミクロン株の検査試薬を発売

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は12月27日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を検出するPCR検査試薬の出荷開始を当初、2022年1月7日としていたが、予定より繰り上げ12月28日からとすると発表した。これにより、とくに人の移動が多くなる年末年始のオミクロン株をはじめとした新型コロナウイルスのスクリーニング調査に貢献する。

住友商事 ケッペルO&Mの子会社とアンモニア燃料事業で提携

住友商事(本社:東京都千代田区)は12月27日、シンガポール政府系コングロマリット(複合企業)のケッペル・コーポレーションの油田開発用リグ・造船部門ケッペル・オフショア・アンド・マリン(ケッペルO&M)の子会社と、同国での多様なアンモニア燃料事業の実現に向けた戦略的提携の覚書を締結したと発表した。
両社は、2020年代半ばの事業化を目標として、シンガポールでの船舶向けアンモニア燃料供給事業に取り組む。すでに2021年3月から事業化に向けた共同検討を開始しており、今回の提携により関係当局との協議などを加速させることで、国際海運の脱炭素化に貢献していく。両社は、シンガポールが抱える大規模な再生可能エネルギーの導入という課題への解決策の一つとして、アンモニアを用いた洋上火力発電などの導入を検討する。これにより、アンモニア燃料のバリューチェーンの構築を目指す。

カネカ 22年1月からオミクロン株検出のPCR検査試薬発売へ

カネカ(本社:東京都港区)は12月27日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」を検出するPCR検査試薬を2022年1月7日に発売すると発表した。同社の検査試薬は、一度にオミクロン株とデルタ株の2つの変異ウイルスを特定できるため、所要時間を1時間程度に短縮できるという。価格は検査100回分で12万1,000円。医療機関や民間の検査センター向けに販売する。

ホンダ 埼玉・狭山工場の完成車の生産終了 2~3年内に閉鎖

ホンダ(本社:東京都港区)は12月27日、狭山工場(所在地:埼玉県狭山市)での完成車の生産を終えた、同工場は1964年の稼働開始以来セダンの「アコード」や「シビック」などホンダを代表する車種の生産を手掛けてきた基幹工場の一つ。完成車の生産終了は四輪事業の収益性改革の一環。今後は寄居工場(所在地:埼玉県寄居町)に生産機能を移管、固定費の削減や稼働率の向上を図る。狭山工場は当面は部品工場として存続し、2~3年内に閉鎖する。

保育の第一コーポがベトナムの保育・幼稚園に出資 海外初

首都圏で「みらいく保育園」を展開する第一コーポレーション(所在地:埼玉県川越市)は12月24日、ベトナム・ホーチミン市で保育・幼稚園を運営する「みらいくリトルハンズ(Miraiku Little Hands)」への出資契約を締結したと発表した。出資額等は非公表。第一コーポレーションにとって初の海外事業となる。同社は今年から、ホーチミン市で日本式の教育方法取り入れている「Little Hands Montessori園」を運営する会社と業務提携していた。

明電舎 PUBトゥアス水再生センターのセラミック平膜を受注

明電舎(本社:東京都品川区)は12月27日、シンガポール法人Meiden Singapore Pte.Ltd.(以下、明電シンガポール)がシンガポール企業、Koh Brothers Buildong&Civil Engineering Contractor(Pte.)Ltd.より、シンガポール公益事業庁(以下、PUB)のトゥアス水再生センター工業排水MBRプラント向けのセラミック平膜を受注したと発表した。このプロジェクトはシンガポール西部に新たに建設される水再生プラントで、2025年完成予定。
明電シンガポールはトゥアス水再生センター工業排水MBRプラントに、処理能力9万7,500㎥/日のセラミック平膜を供給する。今回納入する明電舎製セラミック平膜は省エネに貢献できるとともに、高耐久性、耐薬品性に優れ、長寿命という特長を持っている。

川崎重 マレーシアで5MW級ガスタービン用いたコージェネ受注

川崎重工は12月27日、Kawasaki Gas Turbine Asia Sdn.Bhd.(所在地:マレーシア・クアラルンプール、以下、KGA)を通じて、Sime Darby Energy Solution Sdn.Bhd.(所在地:マレーシア)より、Pacific Oleochemicals Sdn.Bhd.(所在地:マレーシア、パシフィック・オレオケミカル)向け5MW級ガスタービンコージェネレーションシステム「GPB50D」を受注したと発表した。マレーシアでの5MW級ガスタービンの受注は、今回が初めて。
パシフィック・オレオケミカルは、オレオケミカル(油脂化学)製品の生産・販売事業を展開するマレーシア企業。今回マレーシア南部のジョホール州に所有するPasir Gudan工場に生産ラインへの電力と蒸気の供給を目的とした高効率ガスタービンコージェネレーションシステムを新設し、エネルギーコストの削減を図る。同社のガスタービンコージェネレーションシステムは、マレーシアで20台以上の納入実績がある。

塩野義製薬 開発中のコロナワクチンの最終治験入り

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は12月27日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、ベトナムで最終段階の臨床試験(治験)を始めたと発表した。東南アジアなどで約5万人を対象に有効性を確認する。近く他社のワクチンとの比較試験も始める。取得したデータを基に、2022年3月末までの実用化を目指す。
2種類の最終治験を予定する。25日にベトナムで始めた治験では、プラセボ((偽薬)を投与した場合と症状の出方などを比較する。2022年1月にも始める別の最終治験では、数千人を対象に国内で承認されている他社のワクチンと有効性を比較する。