国際航空運送協会(IATA)によると、2025年の世界全体の旅客数も産業全体の売上高も順調な伸びを予測する中、懸念材料として挙げられるのが、脱炭素で欠かせないはずの再生航空燃料(SAF=Sustainable Aviation Fuel)の普及の遅れだ。2024年の世界のSAFの生産量は13億リットルと2023年(6億リットル)の2.2倍となったが、IATAが6月に公表した2024年の見通し(19億リットル)には大幅に届かなかった。
2025年のSAF生産量は2024年比2.1倍の27億リットルを見込むが、ジェット燃料の生産量全体のわずか0.7%にとどまる。
25年の世界航空旅客数 6.7%増で初の50億人超え IATA予測
JFEスチール 700億円投じ自動車用超ハイテン鋼板ライン増強
出光興産など 建設現場で次世代バイオ燃料の実証実験開始
ダイハツ 滋賀竜王工場でバイオガス実証プラント稼働開始
ダイハツ工業(本社:大阪府池田市)は12月9日、滋賀・竜王工場第一地区で新たに建設したバイオガス実証プラントが本格稼働を開始したと発表した。これは持続可能な地域社会の実現に向け竜王町が推進する、耕種農業・畜産業(近江牛育成)・工業(自動車製造)の「耕・畜・工」が一体となり、地域のバイオマス資源を活用・循環する「竜王町バイオマス産業都市構想」の一環。
バイオマス産業都市高層とは、バイオマス原料の収集・運搬から製造・利用まで経済性を確保した一貫システムを構築し、環境に優しく災害に強いまち・むらづくりを目指す構想で、関係7府省により選定される。竜王町は2023年1月に滋賀県の市町村で初めて認定された。耕・畜・工が連携し、牛糞からバイオガス(メタンガス)を生成し、カーボンニュートラル燃料として利用するとともに、発酵残渣を用いて堆肥や液肥を製造し有機肥料として活用することで、竜王町内のバイオマス資源の循環を目指す取り組みだ。
コーセー タイの高級化粧品会社買収 中期計画で海外拡大へ
コーセーは12月10日、タイの高級化粧品ブランド「パンピューリ」を展開する企業PURI CO.,LTD(ピューリ社、本社:タイ・バンコク)を買収すると発表した。買収価額は非開示。株式譲渡実行日は12月30日の予定。
パンピューリは天然素材を活用したハンドクリームや香水、入浴剤など高級化粧品に強みを持つ。タイヤ香港で展開しているパンピューリのブランドを取り込むことで海外売上比率を高める。
コーセーは2030年までの中期経営計画で、グローバルサウス(新興・途上国)での販売増を目標としており、この一環。海外売上比率は2023年で37%だが、2030年までに50%以上に引き上げる。グローバルサウスの構成比率は3%から12%に高める。
ちなみに今回の買収ブランド、パンピューリを展開するピューリの2023年12月期の売上高は5.8億タイバーツ(約26億円)。2024年12月期は倍増を見込む。
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クボタ ドイツで小型建設機械の生産能力28年までに4割増強
クボタ(本社:大阪市浪速区)は12月6日、グループのドイツの建設機械製造・販売会社、クボタバウマシーネンGmbH(以下、KBM)が、中長期的に需要拡大が見込まれる欧州市場向けミニバックホーの生産能力を、2028年までに現状から約4割引き上げると発表した。KBMの既存の生産拠点に拡張の余地がないため、近隣で建設機械の製造に転用可能な土地、建物を取得し新工場を立ち上げる。
2026年から順次生産を開始し、2028年を目途にKBMにおける主力のミニバックホーの生産能力を約140%まで引き上げる。新工場の予定所在地はラインラント=プファルツ州ツヴァイブリュッケン市。敷地面積は約8.7万㎡。生産品目はミニバックホー、ホイールローダ。
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旭化成 EC, DMC技術ライセンスした中国プラントが運転開始
旭化成(本社:東京都千代田区)は12月5日、高純度エチレンカーボネート(EC)および高純度ジメチルカーボネート(DMC)を技術ライセンスした中国Jiangsu Sailboat Petrochemical Co.,Ltd.(本社:江蘇省連雲港市、以下、Sailboat)の新プラントが11月に商業運転を開始したと発表した。
これらの高純度カーボネートは、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池(LiB)の電解液溶剤に用いられており、二酸化炭素(CO2)を主原料とする大型高純度カーボネート類生産技術の確立とその工場の稼働は、CO2を化学製品の原料として消費する機会を大きく広げることにつがる。このライセンス技術は原料の約50%がCO2であり、年間数万トンのCO2を消費・吸収する技術として世界中から注目されている。
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スシロー 海外出店加速 アジア, 北米で26年320店舗に拡大
回転寿司チェーン「スシロー」などを展開するフード&ライフカンパニーズ(本社:大阪府吹田市)の新社長に10月1日付で就任した山本雅啓氏(47)が中期運営方針を明らかにした。
海外事業について、アジアに軸足を置き着実に伸ばしながら、北米へも挑戦するとし、海外展開を加速する考えを示した。海外事業の売上比率は2024年9月末時点で25%超で、スシローの店舗は中国やシンガポールなどアジアを中心に計174店。2025年は米国に1号店を出店し、2026年9月期までの3年間に2〜3店舗増やしたいとし、成長が見込める北米市場に進出する計画を示した。アジアではマレーシアにも初進出し、2026年9月期の海外店舗数を320店まで拡大する計画。
国内事業については、外食産業にとっては厳しい状況が続くとし、需要が大きい都市部に重点的に出店する考えを示した。