デンソー ベトナムで地場企業と低温物流で協業の覚書

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、デンソー(本社:愛知県刈谷市)はこのほど、ベトナムでコールドチェーン構築を目指し、ベトナム法人が現地の電動バイク製造や充電バッテリーのサブスクリプション事業を展開するスタートアップ企業のセレックスモーターズ(以下、セレックス)と、実証事業を実施することで覚書を締結した。
今回の実証では、デンソーがヤマト運輸と開発した小型モバイル冷凍機をセレックス製の配送事業者向け電動バイクに提供し6カ月間、低温物流に関する需要の確認やデータ収集を行う。今回搭載される小型モバイル冷凍機は、電動バイクのバッテリーを電源として活用できる点が強み。

トヨタ 26年までに欧州でEV6車種販売 ZEV規制呼応

トヨタ自動車は、2026年までに欧州で電気自動車(EV)を計6車種販売することを明らかにした。欧州連合(EU)は脱炭素に向け、2035年にガソリン車など内燃機関車の販売を禁じ、走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」にすることを決めており、この規制に沿って対応する。
ただ、同社はEVのみには絞らず、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)との組み合わせで展開する従来の方針は維持するとしている。

IATA 23年の航空旅客42億人に コロナ前水準に回復

世界の航空会社が加盟する国際航空運送協会(IATA)は12月6日、2023年の航空旅客が2022年比10%増の42億人に回復する見通しだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大前の水準にほぼ戻る。これに伴い収益も改善し、2023年には世界の航空会社の最終損益が新型コロナ後初めて黒字化する見通し。

ヤマハ 中国・広汽乗用車2車種にスピーカーS採用

ヤマハ(本社:静岡県浜松市)は12月6日、車載オーディオ事業で、中国の自動車大手、広汽乗用車有限公司の「M8」と「EMKOO」の2車種に、同社のスピーカーシステムが初採用、搭載されたと発表した。両車種とも車両の音響特性に合わせたチューニングをすることで、スピーカーシステムの持つ音質の良さを十分に引き出している。この2車種は中国で販売される。

三井物産 台湾「ららぽーと台中」23年春全面オープン

三井不動産(本社:東京都中央区)は12月6日、台湾で初となる「三井ショッピングパークららぽーと台中」のグランドオープンが2023年春に決定したと発表した。なお、これに先駆け同施設の南館(約40店舗)は2023年1月17日にプレオープンする。
同施設全体では約300店舗の規模で構成され、出店店舗には日本国外第1号店となるスーパーマーケット「LOPIA」や、「UNIQLO」「GU」の大型店舗など日系店舗も多く含まれる。

東レ 漁網由来のケミカルリサイクル繊維製品を販売

東レ(本社:東京都中央区)は12月5日、再資源化事業を手掛けるリファインバースグループ(本社:東京都千代田区)が回収漁網からつくる再生樹脂などを原料に、東レ独自の解再重合技術を活用したナイロン6ケミカルリサイクル(以下、N6CR)繊維製品(原糸、テキスタイルなど)の国内販売を開始すると発表した。
2023年3月から販売開始し、2023年度で約8億円、2025年度で約12億円の売上高を目指す。東レは2022年に名古屋事業場で新たに漁網由来再生樹脂の原料投入設備や、再生ラクタムの貯留槽などを導入、石油由来バージン原料と識別する生産体制を整えている。

日本製紙 CNF配合天然ゴムのサンプル提供開始

日本製紙(本社:東京都千代田区)は12月5日、繊維幅がシングルナノサイズのTEMPO酸化セルロースナノファイバー(CNF)を、同じく木材成分由来の天然ゴム中に均一分散することで、タイヤ用途で弾性率と燃費性能を両立させたゴムマスターバッチ「Cellenpia Elas(TM)(セレンピアエラス)(TM)」の開発に成功し、サンプル提供を開始したと発表した。セレンピアエラスは直接、各種ゴムとドライ混練することができ、ハンドリングよくゴム製品の物性を向上させることができるという。
CNFは、木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで生まれる最先端のバイオマス素材で、様々な分野・用途で用途開発が進められている。

タカラバイオ 等温増幅法に最適化した検査用酵素発売

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は12月5日、遺伝子の等温増幅法による検査の際に使用される酵素を同日より発売すると発表した。等温増幅法は、一定温度で遺伝子を増幅できる方法で、遺伝子検査試薬や体外診断用医薬品として実用化されている。等温増幅法の利点は、新型コロナウイルス検査として一般的なPCR法のような精緻な温度制御が不要のため、検査装置の小型・簡易化が容易なこと。このため、クリニック、食品検査、野外検査など現場検査(オンサイト検査)における活用が期待されている。

三菱重工 インドネシアPGE向け地熱発電設備を受注

三菱重工業(本社:東京都千代田区)は12月5日、インドネシアの国営石油・ガス関連企業PT Pertamina(Persero)社の地熱発電子会社、PT Pertamina Geothermal Energy(PGE)社向けに、出力5万5,000KW級の蒸気タービンおよび発電機などを含む発電設備1系列を受注したと発表した。
このプロジェクトは三菱商事、中国の建設会社SEPCOⅢおよび現地の大手土建会社PT Wijyaya Karya(Persero)Tbkとともに、フルターンキーで遂行する。スマトラ地方に建設されるルムット・バライⅡ地熱発電所に納入する。商業運転開始は2024年の予定。

PPIH シンガポール・チャンギ空港に「DONKI」開業

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)は12月5日、グループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(シンガポール)(本社:シンガポール)が2022年」12月20日にシンガポールの玄関口であり、世界のハブでもあるチャンギ国際空港の大型商業施設「Jewel(ジュエル)」内に「DON DON DONKI Jewel Changi Airport」をオープンすると発表した。
同店ではフードコートを設置し、買い物とともに日本食を楽しんでもらう。シンガポール初導入の和食定食屋「選楽食堂(せんらくしょくどう)」では精米したての日本産の米と味噌汁、焼き立ての出汁巻き卵をベースに主菜と副菜を選べる和定食をはじめ、人気の「和牛串」、たこ焼きを揚げたてで、フルーツジュース&スイーツなどを提供する。

関西百貨店 11月旗艦店売上高は好調 外国人消費回復

11月の関西の百貨店各社の旗艦店の売上高はいずれも前年同月比で大幅に伸びた。秋冬者衣料品の販売が好調だったことに加え、外国人旅行客による消費の回復が主要因。
阪神梅田本店は全面改装効果で前年同月比48%増となったほか、阪急うめだ本店は阪急メンズ大阪との合計で11%増加した。このほか、大丸心斎橋店は29%増、近鉄百貨店・あべのハルカス近鉄本店は9%、高島屋大阪店も9%それぞれ増加した。
いずれの店舗でも水際対策の緩和や円安で外国人旅行者の消費が増えている。中でも阪急百貨店と阪神百貨店の全店での11月の免税売り上げは、コロナ禍前の2018年と比べておよそ9割まで回復したとしている。

ドローン「レベル4」解禁 市街地飛行OK 物流変える

ドローン(小型無人機)を市街地を含む有人地帯上空で飛ばせるようにする、「レベル4」の改正航空法が2022年12月5日、施行された。
これにより、新設された機体認証や操縦資格取得のほか、運航ごとの安全対策などに関する国土交通相の許可・承認を事前に得る必要があるが、操縦者が気体を目視できない状態で、飛行することも可能になる。これに伴い、飛行範囲が大幅に広がり、物流をはじめ警備や空撮などで利用拡大が期待される。
ただ、シェアが高い中国製ドローンをめぐる情報漏洩(ろうえい)の懸念があり、経済安全保障の観点も踏まえ、課題が指摘されている。
ドローンビジネスの市場規模は、2027年度に2022年度見込みの2.6倍の約8,000億円に拡大する見通し。

パナソニック EV時代の住宅用V2Hシステムを受注へ

パナソニック エレクトリックワークス社(東京:東京都港区、大阪:大阪府門真市)は12月2日、電気自動車(EV)のバッテリーに蓄えた電力を家庭へ供給するV2H(Vehicle to Home)と蓄電池を連携させ、太陽光発電の電気を家庭で自家消費する住宅用V2H蓄電システム「eneplat(エネプラット)」の受注を、2023年2月21日より開始すると発表した。
また、家庭内の様々な家電や住宅設備機器を連携させるエネルギーソリューションの中核機器「AiSEG2(アイセグ2)」のバージョンアップを2023年夏に実施し、エネプラットと連携を図る。

積水化学,東京都 ペロブスカイト太陽電池の共同研究

積水化学は12月2日、東京都とフィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同研究を開始すると発表した。2023年春から森ヶ崎水再生センター(所在地:東京都大田区)にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置して、発電量のモニタリング、腐食耐久性の確認などを行う。
シリコン系太陽電池が重量などによる設置場所の制限が課題となっている中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金を活用し、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進め、2025年の事業化を目指す。

川崎重工,関電 液化水素サプライチェーン構築で協業

川崎重工業と関西電力は12月2日、2030年の液化水素サプライチェーンの構築に向けた海上輸送等に関する協業の覚書を締結したと発表した。この協業を通じて、液化水素の海上輸送をはじめ、海外での水素の製造・液化・貯蔵・姫路エリアでの受け入れに関する調査、検討を行う。

モリリン ECメタバース「メタストア」で3DECストア

繊維専門商社(本社:愛知県一宮市)は12月2日、クリエイタープロジェクト『#AAAA(#フォーエー)アーティスト・クリエイターズ』と協業し、ECメタバース「メタストア」で3D ECストアをオープンしたと発表した。今回3D CADの新たな活用方法として、メタバース空間での洋服や雑貨の3Dデータの展示、販売を開始した。

双日 インド高速鉄道車両基地建設工事を630億円で受注

双日(本社:東京都千代田区)は12月2日、インド最大のゼネコン兼総合エンジニアリング会社、ラーセン・アンド・トゥーブロ社と共同で、インド高速鉄道公社が実施するムンバイーアーメダバード間高速鉄道建設事業の一部である、サバルマティ総合車両基地建設工事を受注したと発表した。車両基地の設計・建設および保守関連機器の調達などを合わせた受注額は約630億円。
同事業は円借款によるODA(政府開発援助)として、インド・マハラシュトラ州ムンバイーグジャラート州アーメダバードを結ぶ508kmの区間でインド初の高速鉄道を建設するもの。現行の在来線特急で移動に約7時間要する同区間を約2時間に短縮できる見込み。2023年中に着工し、2028年の完成を予定している。

JR西日本「うめきた新駅」建設中の工事現場を公開

JR西日本(本社:大阪市北区)は12月1日、梅田の再開発エリア「うめきた2期」で建設中の「うめきた新駅」、大阪駅の工事現場を報道陣に公開した。案内板などの設置は残っているが、工事の進捗率は地下部分で9割を終えたという。新駅は2023年3月に開業予定。新駅には特急や一部在来線の乗り入れを計画している。

帝人 日揮HD,伊藤忠とポリエステルリサイクルで新社

帝人(本社:大阪市北区)は12月1日、日揮ホールディングス(本社:;横浜市西区)や伊藤忠商事(本社:東京都港区)と、ポリエステルのリサイクル技術をライセンス提供する新会社を12月中に設立すると発表した。新会社への出資比率は帝人および日揮HDが各45%、伊藤忠商事10%。ケミカルリサイクルにより、染色されたポリエステル繊維でも、染料や不純物を取り除きリサイクルする技術を他社に提供する。リサイクル事業に参入するアパレルメーカーなどを支援する。

TSMC 大阪市内に拠点開設 先端半導体の設計支援

半導体の受託生産で世界最大手の台湾のTSMCが11月30日、大阪市中央区に先端半導体の設計支援を担う拠点を開設したと発表した。12月1日から稼働する。
TSMCが日本国内に拠点を設けるのは横浜に次いで2カ所目。2026年時点で大阪と横浜の拠点で働く従業員を現状の2倍の400人以上に増員する。