パナソニック子会社 電子部品で認証不正93件, 5,200種類

パナソニックホールディングス(HD)の電子部品子会社、パナソニックインダストリーは11月1日、電子部品向け材料で米国の製品安全認証を不正取得していた問題で、有識者による調査委員会の調査結果を発表した。不正行為は全体で93件を数え、対象製品は5,200種類に上った。
不正対象の製品は約4,000社に出荷したが、事故の報告はなく安全性に問題はないとしている。不正は遅くとも1980年代から行われ、国内外の55工場のうち、40工場で確認された。現場では管理職を含め、従業員の間で広く不正の存在が共有されていた。
今回の不正確認を受け、パナソニックインダストリーの坂本真治社長とパナソニックHDの楠見雄規社長が、いずれも月額報酬の50%を4カ月分、自主返上することを発表した。

東芝 タイで電動バイクタクシーのバッテリーサブスクで実証

東芝(本社:東京都港区)は10月31日、島根大学発のバッテリーテック・スタートアップのナチュラニクス(本社:東京都墨田区)とともに、3タイ・バンコクで30日から電動バイクタクシーのドライバー向けバッテリーサブスクリプションサービスで実証実験を開始したと発表した。この実証実験では同地で課題となっている高温環境下でのバッテリーの劣化について、長寿命特性を持つ東芝製リチウムイオン電池SCiB(TM)セルを使用することで、電動バイクタクシーの長期間の安定運用および利用料低減への貢献を目指している。また、環境負荷の低減にも寄与する。

東レ インドネシアのプルタミナ社にR0・UF膜を一括供給

東レ(本社:東京都中央区)は10月31日、インドネシアのプルタミナ社の東カリマンタン州RDMP(Refinery Development Master Plan)パリクパパンプロジェクト向けに、同社の逆浸透(RO)膜と眼外濾過(UF)膜を一括供給したと発表した。このプロジェクトはインドネシア最大の石油精製企業プルタミナ社の最大の案件の一つとなっている。
この案件の海水淡水化設備は、パリクパパンにあるプルタミナ社の石油精製所内でボイラー用水あるいは飲料水用途に使用される。処理能力は日量8万4,000㎥となり、2024年末に稼働開始予定。

元気寿司 バンコク セントラル・ワールドにタイ1号店出店

「元気寿司」などをチェーン展開するGenki Global Dining Concepts(本社:東京都台東区)のタイのフランチャイジー、GENKI SUSHI(THAILAND)が10月24日、バンコク都心の商業施設、セントラル・ワールド5階にタイ1号店を出店した。
タイ1号店「Genki Sushi Central World Store」の席数は102。寿司ネタはサーモン、マグロ、エビなどが中心。このほか、丼もの、うどんメニュー、ホットスナックなども取り揃えている。

TOYO 中国・南通市のポリアセタール樹脂プラントを受注

東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市、以下、TOYO)は10月31日、中国子会社TOYO Engineering Corporation(China)(Toyo-China)が、ポリプラスチックスの中国子会社DP Engineering Plastics(Nangtong)Co.,Ltd.(以下、DPE)から、中国・南通市のポリアセタール樹脂(POM樹脂)プラントの建設プロジェクトを受注したと発表した。
Toyo-Chinaは設計、調達、建設工事を担い、プロジェクトは2026年完工を予定。このプラントが稼働すると、DPEにとって世界最大のエンジニアリングプラスチックの生産施設となる。

川崎重工 水素3割混焼の大型発電エンジン安定運転に成功

川崎重工業は10月29日、工場内に電力を供給する大型ガスエンジンの燃料に、燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を3割混焼して安定的に発電することに成功した大型発電エンジンを公開した。
同社の神戸市の自社工場の設備は、燃料の3割を都市ガスから水素に置き換えて発電することができる。担当者が制御室で操作すると3分ほどで全燃料に占める水素が3割まで上昇。大型混焼発電エンジンの安定運転を実証した。
工場の建物の横に都市ガスと水素を混ぜる設備を設置したほか、着火しやすい特性のある水素が漏れた場合に、いち早く検出できるよう検知器を設置している。
同社のよると、水素を3割混ぜることで都市ガスだけの場合に比べて、年間のCO2排出量を420世帯分に相当するおよそ1,150削減できるとしている。

スズキ 25年からトヨタにインドで生産EVをOEM供給

スズキとトヨタ自動車は10月30日、両社の協業を発展させ、スズキが2025年春からインドで生産開始予定の電気自動車(EV)を、トヨタ自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)で供給すると発表した。スズキがトヨタにEVを供給するのは初めて。
供給する新モデルはインドのスズキ・モーター・グジャラート社が生産し、日本をはじめインドや欧州、アフリカ、」中東で販売予定のSUV(スポーツ用多目的車)「eVX」。トヨタの販売地域や車名は未定。トヨタは2026年までに新型EVを10車種投入する目標を掲げており、このうちの1車種となる。

カワサキモータースとパナソニックサイクルテックが協業

川崎重工業グループの二輪車大手カワサキモータース(所在地:兵庫県明石市)と、自転車製造を手掛けるパナソニックサイクルテック(所在地:大阪府柏原市)は10月29日、モビリティ(移動体)開発で協業することで合意したと発表した。モーターサイクルの設計思想と、電動アシスト自転車の駆動ユニットを組み合わせたモビリティの共同開発を進める。

トヨタの4〜9月世界生産7%減の470万5,000台 4年ぶり減少

トヨタ自動車の2024年度上半期(4〜9月)のの世界生産台数(レクサス含む)は、前年同期比7%減の470万5,037台だった。同社の世界生産が前年実績を下回るのは4年ぶり。車の量産に必要な「型式指定」の認証不正に伴い、約3カ月にわたり国内工場で生産停止があったこと、電気自動車(EV)へのシフトが進む中国市場における販売不振が響いた。

東北電 宮城県女川原発 13年7カ月ぶり再稼働 被災地で初

東北電力は10月29日、女川原子力発電所(所在地:宮城県女川町、石巻市)2号機(出力82.5万KW)を13年7カ月ぶりに稼働させた。2011年の東日本大震災後、被災地の原発が再稼働するのは初めて。東京電力福島第1原発と同じ沸騰型軽水炉(BWR)の再稼働も初。11月7日に発電を再開し、12月にも営業運転を開始する。

東電 福島第1原発 デブリ取り出し再開 中断1カ月超

東京電力は10月28日、福島第1原子力発電所2号機で焼け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出し作業を再開した。原子炉格納容器内の放射性物質を遮断する隔離弁を開くなどした。今後、釣り竿状の装置の先にある爪状の器具を格納容器の底部に垂らし、最大3グラムの小石状のデブリの採取を試みる。
これらの作業は、取り出しに使う装置の先端に取り付けたカメラが不具合を起こし、1カ月以上中断していた。原発事故後、初めてとなるデブリの採取を改めて目指す。

CCC 27年度までにジムを200店舗に拡大 ウェルネス強化

「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は10月28日、ヨガやピラティスができるジムを、現在の10店舗から2027年度までに200店舗に拡大する方針を示した。同社は2017年にウェルネス事業を開始。今後、書店などの既存店舗に併設させるスタイルを含めてジムの出店を拡大していく。CCCが主幹事業とするレンタルビデオ店は、動画配信サービスの普及により大きく減少している。このため、レンタルビデオに代わる事業の柱として育成していく方針。

出光, サントリー 使用済みPETボトルキャップリサイクル実証

出光興産(本社:東京都千代田区)とサントリーホールディングスは10月24日、使用済みPETボトルキャップやラベルの容器・包装の再資源化に向け、キャップについてのケミカルリサイクル実証実験を開始したと発表した。
実証実験は、サントリーが提供した使用済みPETボトルのキャップを原料として、2023年4月に設立した出光興産の子会社、ケミカルリサイクル・ジャパンが油化ケミカルリサイクル技術により、CR油(ケミカルリサイクル油)を生産した。出光興産ではこのCR油について、石油化学製品や燃料油の原料としての有用性を確認した。

TOPPAN HD ちとせグループとバイオエコノミー構築で協業

TOPPANホールディングス(本社:東京都文京区)は10月25日、バイオエコノミー事業を手掛けるちとせグループの統括会社CHITOSE BIO EVOLUTION PTE.LTD.(本社:シンガポール)と、化石資源に代わると期待される藻類などの生物資源やバイオテクノロジーを活用し循環型の経済活動を行うバイオエコノミーの実現に向け、3D細胞培養事業や微細藻類事業で協業すると発表した。両社は10月に資本業務提携を締結している。両グループは保有する技術・知見を相互に融合させることでバイオエコノミーの実現を共同で推進する。

丸紅 日本初の陸上養殖アトランティックサーモン販売開始

丸紅(本社:東京都千代田区)は10月25日、Proxmar Seafood AS(以下、Proximar)との間で2022年4月に締結した独占販売契約に基づき、Proximarが静岡県小山町で生産した日本初の陸上養殖アトランティックサーモン、ブランド名「FUJI ATLANTIC SALMON」の本格販売を開始したと発表した。主要販売先は鮮魚専門店、量販店、百貨店。
これは閉鎖循環式陸上養殖(以下、RAS)により、99.7%の水を循環させて養殖する環境に配慮した事業。養殖規模は出荷ベースで年間5,300トンと日本最大級。鮮魚販売する場合、最短で水揚げ当日に首都圏へ配送可能という。

外食ワタミ 日本サブウェイを買収 新たに250店舗出店

外食大手ワタミは10月25日、米大手サンドイッチチェーン「サブウェイ」の日本事業を買収し、国内でフランチャイズ展開を開始すると発表した。同社は同日付で日本サブウェイを完全子会社化した。買収額は非公表。
ワタミは今後10年間、国内でサブウェイを展開できる契約で、現行の178店舗のほかに、新たに259店舗の出店を目指す。コロナ禍を経て居酒屋での宴会需要が伸び悩む中、ファストフード事業に本格参入し、”脱居酒屋”を加速させる。

セブン&アイHD 30年度の売上高30兆円超 1.7倍に拡大

セブン&アイ・ホールディングスは10月24日、投資家向けの説明会を開いた。この中で井阪隆一社長は、海外のコンビニエンスストア事業について「企業価値の向上が見込める段階に至っている」と話し、2030年度のグループ全体の売上高を2023年度の約1.7倍の30兆円以上に拡大させる目標を明らかにした。

東芝ES インドネシアの地熱発電所向け発電設備を受注

東芝エネルギーシステムズ(本社:神奈川県川崎市東区、略称:東芝ES)は10月24日、インドネシア最大の地熱発電事業者、スターエナジーグループ傘下のスターエナジー・ジオサーマル(ワヤン・ウィンドゥ社)が拡張を計画する西ジャワ州の地熱発電所3号機向けの発電設備を受注したと発表した。受注したのは蒸気タービン、蓄電器1セット。今回の拡張工事のEPC一括契約会社の東洋エンジニアリングの子会社IKPT(略称)から受注した。同地熱発電所の稼働開始は2026年の予定。
東芝ESがスターエナジーグループが運営する地熱発電所向け機器を受注するのは初めて。

岩谷産業 国内初の旅客用水素燃料電池船「まほろば」完成

岩谷産業は10月24日、2025年大阪・関西万博で会場の夢洲(所在地:大阪市此花区)とユニバーサルシティポート(同北区中之島)の約11kmを結ぶ交通機関に一つとして使われる、水素燃料電池船「まほろば」が完成したと発表した。まほろばは、全長約30mで、定員は150人。船内に水素タンクを備え、空気中の酸素を化学反応させることで発電して動く仕組み。航行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代の船舶だ。旅客用の水素燃料電池船は国内初という。
万博時、使用される際、運航は京阪グループの大阪水上バスに委託する。