日機装 水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功 世界初

日機装(本社:東京都渋谷区)は10月4日、水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功したと発表した。モータ一体型ポンプが液化水素(−253℃)により満たされた極低温の状態(浸漬状態)で、小型電動モータによる高速回転を実現し、液化水素を送り出すことに成功したのは世界初という。
日機装は、水素航空機の研究開発を進める川崎重工業(本社・神戸市)から、液化水素ポンプ開発の委託を受けており、2025年度に納入することを目指している。

英スナク首相 主要都市結ぶ高速鉄道計画縮小を発表 費用高騰で

英国のスナク首相は10月4日、マンチェスターで開かれた保守党大会で、2009年に発表された英国の主要都市を最高時速360kmで結ぶ高速鉄道「HS2」計画について、「HS2は時代遅れの合意の、究極の例だ」と述べ、費用の高騰を理由に縮小することを発表した。これにより、計画されていた第2期の着工はせず、代わりに地方の交通網の整備を進める方針を明らかにした。
同計画では首都ロンドンから中部バーミンガムに向かう第1期が建設中で、車両の製造や保守を日立製作所のグループ会社などが受注している。第2期ではさらに北部のマンチェスターなどを結ぶ予定だった。インフレの影響もあり、建設費用がかさみ続け総額1,000億ポンド、日本円換算で18兆円を超えるとも試算されていた。

EU 中国製EVの調査開始 国の補助金で市場競争歪めている

欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は10月4日、中国製の電気自動車(EV)を巡り、同国の補助金が欧州市場における競争を不当に阻害し、歪めていないか、正式に調査を開始したと発表した。フォンデアライエン欧州委員兆が9月、調査する方針を表明していた。調査の結果、問題が認められれば制裁関税も検討する。

米モデルナ コロナとインフル混合ワクチン 初期・中間治験

米国モデルナは10月4日、同社が開発を進める新型コロナウイルスとインフルエンザの混合ワクチンの初期・中間臨床試験(治験)で、安全性と効果が確認できたとする中間報告を発表した。年内にも最終段階の治験を始め、2025年の承認取得を目指す。この治験は50歳以上が対象。メッセンジャーRNA(mRNA)と、英国のグラクソ・スミスクライン社製のインフルエンザワクチンを接種し、免疫反応を調べた。
mRNA技術を使った混合ワクチンは米国ファイザーとドイツのビオンテックも開発を手掛けている。

ペロブスカイト太陽電池 事業化へ技術連携コンソーシアム発足

桐蔭横浜大学発スタートアップのペクセル・テクノロジーズ(所在地:川崎市)と麗光(所在地:京都市、マクニカ、MORESCOの4社は10月4日、次世代型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池(PSC)」の国内生産に向けて技術連携コンソーシアムを発足したと発表した。2024年春をめどに試作品を開発し、今後3年以内にPSCの事業化を目指す。同コンソーシアムには三菱ケミカルが技術協力する。
PSCは、国内では積水化学工業、東芝、パナソニックなども実用化を目指しており、政府も量産化を支援する方針を掲げている。

ユーグレナ ブルーインパルスに国産SAF「サステオ」を初給油

ユーグレナ(本社:東京都港区)は10月2日、同社が製造・販売する国産SAF(Sustainable Aviation Fuel)「サステオ」を航空自衛隊松島基地の第4航空団に所属する第11飛行隊、通称”ブルーインパルス”のT-4中等練習機に給油し、F1日本グランプリ決勝戦での展示飛行に使用されたと発表した。ブルーインパルスにSAFが使用されるのは初めての試み。
サステオは原料に、使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナから抽出されたユーグレナ油脂等を使用して製造した純バイオジェット燃料を、従来の石油系ジェット燃料と混合して製造した環境負荷の低い燃料。

中国電力 ベトナムの再生可能エネ発電事業4社に各35%参画

中国電力(本社:広島市中区)は10月2日、ベトナムの再生可能エネルギー発電事業へ初めて出資参画することで9月29日、BB Power Holdings Joint Stock Company(本社:ベトナム・ハノイ市、以下、BB PH)等の既存株主との間で、太陽光発電事業会社3社および水力発電事業会社1社にそれぞれ35%出資する契約を締結したと発表した。太陽光の発電規模は各5万KW、水力発電の規模は4.5万KW(いずれも稼働中)。
なお同事業への出資参画は、同社の台湾における水力発電事業のパートナー会社、Foxlinkグループと合わせて実施する。

NTTと東大 ドローンの航法精度向上するミリ波RFIDタグ開発

日本電信電話(本社:東京都千代田区、以下、NTT)と東京大学(本部:東京都文京区)は10月2日、共同で周囲環境の情報を伝える標識として機能するミリ波RFIDタグを開発したと発表した。可視光に比べて天候の影響を受けにくいミリ波で読み取れるRFIDを用いることで、暗闇や悪天候による視界不良状況下でのドローンの航法精度を向上させる。
同技術を用いて、将来的には海域や被災地等の情報把握が困難だった未踏領域でも全日全天候下で空から環境を計測し続けるセンサーネットワークを構築し、気象予測や災害対応を高度化する。

スズキ 四輪車の世界累計販売台数で8,000万台を達成

スズキ(本社:静岡県浜松市)は2023年8月末までに四輪車の世界累計販売台数8,000万台を達成した。この内訳は国内2,890万台、海外5,127万台。地域別では日本36%、インド32.6%、欧州10%、アジア13.5%、その他(北米、中南米、大洋州、中近東、アフリカ等)7.8%となった。8,000万台の中で「アルト」が20%を占めている。
同社は1955年10月に日本初の量産軽四輪車「スズライト」を発売。海外販売は1959年に「スズライト」の輸出販売開始。1975年にパキスタンで四輪車で初めて現地生産開始。1983年にインド、1992年にハンガリーなど海外生産拠点を拡充、世界10カ国に15の四輪車生産拠点を展開し、現在に至っている。

東洋エンジ タイ・GC社の省エネ, 脱炭素コンサル2件を受注

東洋エンジニアリングは10月3日、タイのPTT Global Chemical Public Campany Limited(以下、GC社)から、既存の大型パラキシレン製造プラントおよびフェノール製造プラントの2件のエネルギー効率化・温暖化ガス削減の検討業務を受注したと発表した。これはGC社の既存プラントのエネルギーを効率化するための設備改造計画を作成するもの。
このうち第1弾のパラキシレン製造プラントの実現可能性調査(FS)はすでに完了。蒸気使用量は約20%削減、温室効果ガス排出量を年間約5万5,000トン削減を実現している。

武田薬品のデング熱ワクチン「QDENGA」接種 WHOが推奨

世界保健機関(WHO)は10月2日、武田薬品工業(本社:大阪市中央区)が開発したデング熱ワクチン「QDENGA(開発コードTAK-003)」に付いてデング熱が大規模流行している地域で6ー16歳の子どもへの接種を推奨すると発表した。QDENGAは初回接種3カ月後に、2回目を受けるようWHOは求めている。9月下旬に開かれた専門家による諮問委員会の協議結果を踏まえて決定した。蚊が媒介するウイルス感染症のデング熱は近年、感染者および確認地域も拡大している。

関西の9月百貨店売上高 各店舗大幅増 阪神, オリックスVセール寄与

関西の百貨店各社の旗艦店の9月の売上高は前年同月比いずれも増加した。プロ野球の阪神、オリックスのリーグ優勝に伴う記念セールが寄与した。阪神梅田本店は58.6%伸びた。阪急うめだ本店も阪神梅田本店との買い周りが増えたことに加え、秋冬物の婦人服が好調で26%伸び、9月として過去最高を記録した。オリックスの優勝記念セールを行ったあべのハルカス近鉄本店は22.7%、大丸心斎橋店は54.5%、高島屋大阪店は28.6%それぞれ増えた。

JR西日本 赤字の芸備線一部区間 国に存廃協議を要請 全国初

JR西日本(本社:大阪市北区)は10月3日、広島県と岡山県を走る芸備線の一部区間について、国に存廃を含め今後のあり方を関係者が話し合う「再構築協議会」の設置を要請したと発表した。対象区間は備後庄原(所在地:広島県庄原市)ー備中神代(同 岡山県新見市)の68.5km。同区間の1日当たりの2019年度の「輸送密度」はわずか48人で、民営化された1987年と比べると90%以上減少している。
これは、10月1日に施行された改正地域公共交通活性化再生法に基づくもので、国への要請は全国で初めて。

石川県能美市で3社が「IoT高齢者見守りサービス」提供 日本初

石川県能美市は10月2日、シャープ(本社:大阪府堺市)、三菱電機(本社:東京都千代田区)およびAIoTクラウド(本社:東京都港区)の3社の協力のもと、同市在住の高齢者100名を対象にした「IoT高齢者見守りシステムサービス」の構築事業を2023年10月に着手し、2024年にサービス開始を目指すと発表した。
今回、同市が採択された「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE2)」の計画に基づき、電子情報技術産業協会(JEITA)とエコーネットコンソーシアムが手掛けるプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤およびエコーネットコンソーシアムが推進するメーカー共通API規格「ECHONET Lite Web API」を活用することで、複数メーカーのIoT家電を対象とした高齢者見守りシステムを国内で初めて構築する。

三菱ふそう 台湾でEV小型トラック「eCanter」新型モデル受注

三菱ふそうトラック・バス(本社:川崎市中原区、以下、MFTBC)は10月2日、台湾の合弁販売会社のダイムラー・トラック・アジア台湾社(本社:台北市、以下、DTAT社)が統一速達股份有限公司(本社:台北市、以下、統一速達社)から、EV小型トラック「eCbanter」の新型モデルを受注したと発表した。これが初の台湾市場進出。MFTBCは2024年に計画している台湾市場への本格投入に先立つ初の受注となる。

紀伊國屋書店, CCC, 日販 出版流通改革で新会社設立

紀伊國屋書店、蔦屋書店などを手掛けるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、出版取次大手の日本出版販売(日販)は10月2日、新会社「ブックセラーズ&カンパニー」(所在地:東京都新宿区)を同日付で設立したと発表した。新会社の資本金は5,000万円、出資比率は紀伊國屋書店40%、CCCが30%、日販30%。書店の数が減る中、委託販売制度を取らず、出版社から直接仕入れる仕組みをつくって流通網を改革する。

大同特殊鋼 子会社の大同興業がベトナムに販売拠点を設立

大同特殊鋼(本社:名古屋市東区)は10月2日、連結子会社、大同興業(本社:東京都港区)が、ASEANにおける新たな販売拠点としてベトナム・ハノイ市に9月に「Daido Kogyo Vietnam Co.,Ltd」を設立し、同日より営業を開始したと発表した。新会社の資本金は5,000万円。
ASEANの中で高い経済成長を続けるベトナムに新たな販売拠点を設立し、拡大が見込まれる同市場で特殊鋼鋼材の需要を捕捉するとともに、今後の高機能製品拡販に向けた販売体制を構築する。大同特殊鋼グループのASEAN、中国、インド等の拠点との連携により、販売ネットワークを拡充しアジアの成長市場における一層の販売体制強化を図る

9月日銀短観 大企業製造業の景況感 2期連続で改善

日銀が10月2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、前回の6月調査時のプラス5から4ポイント改善してプラス9となった。2期連続で改善した。半導体の供給不足が徐々に解消されて自動車の生産が回復傾向にあることなどが主な要因。

JR西日本 紅葉シーズン 10/21〜12/10 嵯峨野線の本数増便

JR西日本(本社:大阪市北区)は10月21〜12月10日の紅葉シーズン対応で、山陰線(嵯峨野線)の運行本数を増やすと発表した。嵯峨野・嵐山一帯で混雑が予想される紅葉シーズン需要に応える。
臨時列車を平日に18本、土休日に20本走らせるほか、通常よりも車両数を増やした列車を平日に60本、土休日に57本それぞれ運行する。また、土休日は特急「きのさき」など一部の特急列車を「嵯峨野嵐山」駅に臨時停車する。

東急 タイ初の「fitwel」三ツ星認証取得の分譲住宅事業に参画

東急は9月29日、タイ・バンコク都で同国大手財閥系企業サハグループとの合弁会社、サハ東急コーポレーション(以下、サハ東急)が、サハグループとともに分譲住宅事業に参画すると発表した。同プロジェクトはバンコク中心部より約10km南に位置する、今後発展が期待されるエリアで、総戸数222戸(地上52階建て)の「KingsQuare Residence(キングスクエア レジデンス)」。同プロジェクトは2023年5月、同国における住宅部門で初めて、建物のウェルネス認証「fitwel」の三ツ星をン認証取得している。