全企業の7割超が「人手不足」医療・飲食は9割超

東京商工リサーチが実施した全国の企業を対象とする「人手不足」に関するアンケート調査によると、企業の7割超(構成比72.4%)は「人手不足」と回答した。また、大企業の人手不足は深刻で中小企業を上回る8割(同80.6%)に達することも分かった。
業種別にみると、新型コロナ感染者の診療などで異例の対応が続く「医療業」が95.6%で人手不足トップ。次いで「飲食店」(93.1%)、「職業紹介・労働者派遣業」(90.3%)も9割を超えた。このほか、「総合工事業」(84.5%)、「道路貨物運送業」(82.8%)、「社会保険・社会福祉・介護事業」(80.7%)など13業種で8割を超えた。
調査は2023年2月1日〜8日、インターネットによる調査を実施し、有効回答4,852社を集計・分析した。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。今回が初の調査。

鹿島 インドネシア大規模複合施設 環境省の事業に採択

鹿島は2月15日、インドネシアの大規模複合施設「スナヤン・スクエア」の空調設備更新・太陽光発電システム新規事業が環境省の「二国間クレジット制度資金支援事業」のうち設備補助事業に採択されたと発表した。すでに運営フェーズにある大型複合施設開発事業が採択されるのは初めて。
スナヤン・スクエアは、同社がインドネシア政府から借り受けた敷地面積約19万㎡の国有地に商業施設、オフィス、アパートメント、ホテルを開発した大規模複合施設。同社が開発・設計・施工・運営までを担う40年間BOT(一括事業請負後譲渡方式(Build-Operate-Transfer)事業で、BOT期間の終了する2036年まで施設運営を継続する。

日本工営,マクニカ 茨城県で自動運転EVバスの実証

日本工営(本社:東京都千代田区)とマクニカ(本社:横浜市)は2月15日、共同で芙蓉総合リース(本社:東京都千代田区)および芙蓉オートリース(本社:東京都千代田区)から提供された自動運転EVバスを活用した実証実験を、茨城県常陸太田市で実施すると発表した。将来的な常陸太田市中心市街地への自動運転EVバス導入を見据え、同地区における自動運転EVバスの活用可能性について検証するもの。
実証実験期間は2月17〜23日。常陸太田市役所とJR常陸太田駅を往復するルート(片道約1,3km)。乗車人数は最大7人。自動運転レベルはレベル2(緊急時は同乗のドライバーが手動介入)。ハンドル・アクセル・ブレーキのないNAVYA社製自動運転EVバス「ARMA(アルマ)」を運行するとともに、常陸太田市役所内に設置するディスプレイで遠隔監視を試行的に実施する。

「ロッテリア」外食大手ゼンショーGに売却へ

大手ハンバーガーチェーン「ロッテリア」を傘下に持つロッテホールディングスは2月16日、牛丼チェーン「すき家」などを運営する外食大手、ゼンショーホールディングスに4月1日付で全株式を売却、譲渡すると発表した。
売却の理由について、ロッテホールディングスは「グループの成長戦略を見直した結果、今後の持続的な成長や価値の最大化のため」としている。ロッテリアは1972年に東京・日本橋に1号店をオープン。以来、全国に店舗展開しており、2023年1月時点で店舗数は358店に上っている。

エア・インディア 米欧に470機発注 最大の10.6兆円

米欧航空機大手の発表によると、インド財閥タタ・グループ傘下の航空会社エア・インディアは米航空機大手のボーイングと欧州航空機大手のエアバスに、航空機を計470機を発注することで合意した。インドメディアによると、契約総額は約800億ドル(約10兆6,000億円)で、民間航空史上最大規模になるという。
エア・インディアのチャンドラセカラン会長は、航空機の新たな大型導入により、「世界的な航空網を劇的に拡大する」との声明を出した。

NTTデータ,積水化学 ペロブスカイト太陽電池で実証

NTTデータは2月13日、積水化学と共同でフィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験を2023年4月から開始すると発表した。建物の外壁面に設置した実証実験としては日本初の事例。
積水化学が開発したフィルム型の太陽電池を活用し、都心の既存設備で再生可能エネルギー発電、利用することで、再生可能エネルギーの地産地消を実現し、これらの課題解決を目指す。
設置場所は積水化学工業開発研究所(所在地:大阪府三島郡島本町)とNTT品川TWINSデータ棟(所在地:東京都港区)。実証実験期間は、積水化学は2023年4月ごろ〜2024年3月ごろ、NTTデータは2024年4月ごろ〜2029年3月ごろ。

ダイハツ マレーシアで「AXIA」9年ぶりに一新発売

ダイハツ工業(本社:大阪府池田市)は2月14日、マレーシアの自動車生産・販売の現地合弁、プロドゥア(所在地:セランゴール州)が、Aセグメントの国民車「AXIA(アジア)」を約9年ぶりにフルモデルチェンジし、同日発売したと発表した。
AXIAはマレーシアの顧客ニーズを徹底的に追求した5人乗りのコンパクトハッチバックとして、累計版台数は約57万台に上っている。希望小売禍価格は3万8,600リンギット〜4万9,500リンギット(約117万〜150万円)。

トヨタ 佐藤次期社長新体制 テーマは『継承と進化』

トヨタ自動車は2月13日、佐藤恒治次期社長の新体制として4月1日付の執行役員体制を発表した。新しい経営チームのテーマは『継承と進化』。新体制では、佐藤新社長を中心に「創業の理念を大切にしながら、商品と地域を軸にした経営」を実践するとしている。副社長は2名体制となった。北米と中国に本部長を置く。

高松市 廃棄うどん活用のバイオマス発電実証拡大へ

高松市は、2022年6月から進めてきた廃棄うどんを活用、汚泥に混ぜたバイオマス発電の効率を高める実証実験で、これをさらに拡大させるため2月13日、全国でさぬきうどんのネット販売などを展開している山田家物流と協定を結んだ。この協定で山田家物流は、うどんを製造する過程で廃棄される麺を1日およそ20kgを提供する。
高松市は市内の下水処理場で、汚泥センターで発酵させて発生するガスを活用したバイオマス発電を行っている。実証実験でこれまでにうどん製造会社2社の協力を得て、合わせておよそ10トンの廃棄うどんが投入され、順調に発電を続けており、今後うどんの投入量を増やしながら本格的な事業化を検討していく。

川崎重工など フィリピンの再生エネ拡大でMOU締結

川崎重工は2月13日、アイケイエス、フィリピンのAmber Kinetics,Inc.(以下、Amber)およびAboitiz Power Corporationと脱炭素社会の実現を目指したエネルギーシステム構築に関するMOU(覚書)を締結したと発表した。今後4社はフィリピンで、川崎重工が開発した仮想同期発電機ソフトウェアを搭載したインバータとAmberが開発したフライホイールを組み合わせることにより、系統安定性を損なわずに再生可能エネルギーの導入を実現するエネルギーシステムの調査および開発、案件組成に取り組んでいく。
また、ASEAN諸国およびオーストラリアに向けたシステムの水平展開に関する検討も実施する。

三菱UFJ銀 中国子会社がグリーン発展連盟と提携

三菱UFJ銀行は2月13日、全額出資子会社のMUFGバンク(中国)有限公司(以下、MUFGバンク(中国))が、国家級経済技術開発区グリーン発展連盟(所在地:天津経済技術開発区、以下、グリーン発展連盟)との間で、中国におけるカーボンニュートラルの促進に関する業務協力協定を締結したと発表した。日本の金融機関がグリーン発展連盟と協定を結ぶのは初めて。

脱炭素で住化,丸善石油,三井化3社が連携の覚書

住友化学、丸善石油化学、三井化学の3社は2月13日、千葉県の京葉臨海コンビナート内で、カーボンニュートラルの実現に向けた検討を共同で進めるための覚書を締結したと発表した。3社が連携して温室効果ガス排出量削減を目指した原燃料転換などの」取り組みについて検討を開始する。この取り組みについては3社に限定することなく、千葉県が主導する「千葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会」などを通じて、関連自治体や企業との連携も視野に入れ推進していく。

PPIH 海外事業仕入れ担当者と国内業者の世界商談会

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)は2月13日、国内加工食品事業者を対象とする、日本食の積極的な振興を掲げる同社の海外店舗用仕入れ担当者との「世界商談会」を開くと発表した。同商談会への参加企業を募集する。一次受け付け〜締め切り:2月13日〜2月28日(3月商談予定)、二次受け付け〜締め切り:3月1日〜3月31日(4月商談予定)。

ルノーと日産自 インドで6億㌦投じ拠点輸出ハブに

ルノーと日産自動車は2月13日、インドで6億米ドル(約530億インドルピー)を投じ、拠点とするチェンナイを両社の国際的な輸出ハブへと高めていくなどの方針を発表した。
この骨子は①電気自動車(EV)2車種を含む6車種の新型車をインドで生産する②チェンナイのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社で最大2,000人の新規雇用を創出する③ルノー日産オートモーティブインディア社の工場は再生可能エネルギーの発電量を大幅に増やすことでカーボンニュートラル化していく。

三井不 宇宙産業育成へ新団体「クロスユー」設立

三井不動産(本社:東京都中央区)は2月13日、宇宙分野に力を入れる企業や有識者らが2022年9月に、産業育成する一般社団法人「クロスユー」を設立し、4月から活動を始めると発表した。4月にも新たな拠点「XーNIHONBASHI BASE(クロス・ニホンバシ・ベース)」を日本橋に開設する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも協定を結び、産官学で取り組みを進める。

中国BYD インドで1月中にSUVモデルのEV340台納車

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国の電気自動車(EV)大手、BYDはインドで1月にスポーツ用多目的車(SUV)「アット3」の納車を開始し、同月中に340台以上を納車したと発表した。ショールーム価格は339万9,000ルピー(約543万8,400円)からとなっている。同社は2022年10月に予約受付を開始して以来、2,000件以上の予約があったとしている。同社がインドに投入するEVの車種は多目的車(MPV)「e6」に続き2つ目。
アット3の販売台数は、すでに全世界で25万2,251台に上るとしている。アット3の主な性能は、バッテリー性能が60.48kwh、50分間で0%から80%までの充電が可能、1回の充電での航続距離は480km。

資生堂 NARSを加えインドでのブランド展開を拡大

資生堂は2月10日、グローバルメイクアップブランドNARS Cosmetics(以下、NARS、本社:米国・ニューヨーク)を、インドで展開すると発表した。
資生堂アジアパシフィックを通じて、インドでプレミアム&ラグジュアリー大型百貨店や小売店舗を運営するShoppers Stop Limited(本社:インド・ムンバイ)の100%子会社、Global SS Beauty Brands Limitedと、グローバル戦略的パートナーシップを2023年1月に締結。プレステージ領域ににおけるスキンビューティーブランドのポートフォリオを強化し、アジアパシフィックでの成長を加速させる。

丸紅 フィリピンで森林再生通じたカーボンクレジット

丸紅(本社:東京都千代田区)は2月10日、フィリピン環境天然資源省、大手財閥グループDMCI Holdings Inc.の親会社、DACON Corporationおよびフィリピン大学森林天然資源学部と、森林再生を通じたカーボンクレジットプログラム開発プロジェクトを推進することに合意し、覚書を締結したと発表した。
フィリピンでは初めて産学官が協働し、森林再生を通じたカーボンクレジットプログラムを開発する取り組みとなる。生物多様性の回復、地域コミュニティにおける雇用を創出し、森林による炭素回収・固定を通じたカーボンクレジットプログラムの確立を目指す。

JERA フィリピンAboitiz Powerと脱炭素で共同検討

JERA(本社:東京都中央区)は2月10日、フィリピンの大手財閥グループAboitiz Equity Ventures Inc.の子会社、Aboitiz Power Corporation(以下、Aboitiz Power)と、脱炭素化に向けた石炭火力発電所におけるアンモニア混焼の共同研究を開始することで、来日中のマルコス大統領の立ち会いのもと、覚書を締結したと発表した。
両社は今後、石炭火力発電所におけるアンモニア混焼の実現可能性を検討していくとともに、アンモニア混焼の対象発電所やアンモニア混焼率などを検討していく。

豊田合成 インドで22億円投じエアバッグ生産増強

豊田合成(本社:愛知県清須市)は2月10日、豊田合成ミンダインディア(本社:インド・ラジャスタン州ニムラナ)のエアバッグの生産工場を約22億円を投じ拡張、生産能力を増強すると発表した。現在約2万1,000㎡の建屋を約3万5,000㎡に広げる。2024年9月に新体制で稼働予定。スズキやトヨタ自動車などに供給する予定。
同社はエアバッグ生産を、2025年度までに2021年比5割増の約1億個に引き上げる計画を掲げている。