関空国際線の22年旅客数 前年の9倍も19年の9%

関西空港を運営する関西エアポートによると、2022年に国際線を利用した旅客数は約235万人と、1994年の開港以来最も少なかった2021年に比べて9倍以上に増えた。ただ、過去最多を記録したコロナ禍前の2019年比では、わずか約9%にとどまっている。
新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和された2022年10月以降、韓国、台湾などを中心に航空需要の回復が進んでいるものの、コロナ禍以前に全体の3割近くを占めていた中国からの利用者はいぜんとして低調で、その先行きは全く見通せない。

22年世界粗鋼生産4.2%減 ゼロコロナの中国で減少

世界鉄鋼協会は1月31日、2022年の世界粗鋼生産量(速報値)が前年比4.2%減の18億7,850万トンだったと発表した。最大生産国の中国で、「ゼロコロナ政策」のもと10億1,300万トンと2.1%減少したほか、世界的な半導体不足により自動車の減産も響いた。
世界2位のインドは1億2,470万トンと5.5%増えた。日本は7.4%減の8,920万トン、米国は5.9%減の8,070万トンだった。

中国BYD 日本でEV乗用車 第1弾SUVから販売開始

中国の電気自動車(EV)大手、BYDは1月31日から日本でEVの乗用車の販売を開始した。同社は2022年7月、日本の乗用車市場への参入を表明。第1弾として31日からSUV(多目的スポーツ車)タイプのEVを、年内に小型車とセダンタイプの合わせて3車種のEVを投入する計画で、日本市場でのシェア獲得に乗り出す。
販売開始したSUVタイプの価格は440万円、航続距離およそ480kmで、航続距離が同程度の国内メーカーのEVより100万円程度安く設定されている。自動ブレーキなど最新の安全技術も装備している。
BYDは世界70余の国と地域でEVの販売を手掛けており、EV市場では米国のテスラに次ぐ世界2位。

グローリー ベトナム・ダナン市に現地法人設立

グローリー(本社:兵庫県姫路市)は1月30日、ベトナム・ダナン市に1月16日付けで「Glory Software Vietnam Co.,Ltd.」を設立したと発表した。資本金は200億ベトナムドンで、グローリーが全額出資する。海外市場向け通貨処理機の遠隔管理と店舗DXを支援するデジタルサービス「UBIQULAR(ユビキュラ―)(TM)」等のソフト開発を担う。

東京・渋谷の東急百貨店本店,立川高島屋 営業終了

東京で半世紀以上、営業を続けてきた2つの百貨店が1月31日、営業を終了した。渋谷の東急百貨店本店と立川高島屋だ。
東急百貨店本店は1967年11月にオープン、街のシンボルだった。東急グループの大規模な埼葛の一環で、55年にわたる歴史に幕を下ろした。立川市のJR立川駅前に1970年6月に開業した立川ショッピングセンターも同日、売り場の約3分の1を占めた百貨店区画の営業を終えた。百貨店部分を閉める理由について、開業当時とは環境や主要顧客層が変わった点を挙げ、「年々増える子育て世代の顧客層にマッチする商品を提供するため」としている。

メディカロイド 手術支援ロボの保険適用を拡大

メディカロイド(本社:神戸市中央区)は1月30日、手術支援ロボット「hinotori(TM)(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」(以下「hinotori(TM)」)が2022年12月1日より消化器外科および婦人科で保険適用となったと発表した。
すでにヒノトリにより2022年11月以降、藤田医科大学で胃がん切除、札幌医科大学で大腸がん、神戸大学で子宮体癌、鹿児島大学で婦人科のそれぞれ手術が実施されている。

日産自・ルノー 15%の対等出資で近く合意へ

日産自動車とフランスのルノーは1月30日、両社の資本関係の見直しを含めた「本協議が重要なマイルストーン(節目)を迎えた」とする声明を発表した。
ルノーの日産自動車への出資比率を43%から15%まで引き下げ、資本関係を対等にする内容で協議が進んでおり、両社は近く合意する見通し。合意すれば両社の出資比率は15%で対等となる。ルノーは28%分の株式をフランスの金融機関に信託し、議決権を行使しない方針。
また、ルノーが欧州で設立する電気自動車(EV)新会社に、日産自動車が出資する方向で協議が進められている。

JTB 23年の国内旅行コロナ禍前の9割まで回復

JTBが消費者へのアンケートや国の統計「などをもとに行った2023年の旅行需要予測によると、今年国内旅行に出かける人はコロナ禍前の2019年の9割程度まで回復する見通し。具体的には1泊以上の国内旅行に出かける人は延べ2億6,600万人で前年より8.6%増え、2019年の91.2%まで回復すると見込まれる。政府の「全国旅行支援」なども後押しする。一方、海外旅行に出かける人は前年の3倍近くまで増えるものの、2019年比では40%程度に留まるとしている。
また、日本を訪れる外国人旅行者数2,110万人で前年比5.5倍に急増し、2019年比66%程度まで回復すると見込む。ただ、大きな比重を占めてきた中国人旅行者の動向が、同国政府の政治的要素で先行き不透明なことから見通せず、これによって振れ幅が大きくなりそうだ。

大阪本社の製薬3社が共同輸送開始 混載で効率化

大阪本社の小野薬品工業(本社:大阪市中央区)、塩野義製薬(本社:大阪市中央区)、田辺三菱製薬(本社:大阪市中央区)の3社は、1月から医薬品の共同輸送を開始したと発表した。医薬品の卸売大手、スズケンの子会社が全国に展開している物流施設を活用し、各社の工場で生産された製品をいったん施設に運び、この施設から卸売会社に運ぶ際、各社の製品を混載することで効率化を図るとしている。
今回の取り組みにより、トラックの運運行台数を従来の3分の1程度に削減できる見込み。物流を担うドライバー不足が伝えられる中、今後参加を希望する企業があれば、共同輸送の取り組みを拡充することも検討している。

エーザイ アルツハイマー病新薬 優先審査品目に指定

エーザイは1月30日、米バイオジェンと共同開発を進めている早期アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)から優先審査品目に指定されたと発表した。この指定を受けると、要する審査期間の短縮が見込める。同社は1月16日にレカネマブを国内で承認申請していた。

トヨタ 3年連続で世界販売首位 22年も1,000万台超

トヨタ自動車は2022年の世界販売台数が、前年比0・1%減少し1,048万3,024台だったと発表した。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の世界販売台数が826万2,800台にとどまったため、トヨタが3年連続で首位となった。
新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な半導体不足などの影響を受けたものの、アジアを中心に需要が堅調だったことから、2年連続で1,000万台の大台を突破した。

三菱ケミカルGと三井化学 共同物流へ検討開始

三菱ケミカルグループと三井化学は1月27日、社会・産業の基盤である化学品物流の標準化・効率化に向けた共同検討を開始したと発表した。
両社は早期に着手可能なテーマ、①中京エリアおよび他エリアへの共同配送②輸送ネットワークの相互活用③内航船の共同利用−−などで、2022年度内から段階的に実行。同様の課題を抱える化学業界の物流分野で、会社の枠を超えて横断的な取り組みをリードしていきたいとしている。

パナソニックHD 自動車部品国内外14拠点でCO2ゼロ

パナソニックホールディングス(HD)傘下のパナソニックオートモーティブシステムズ(本社:横浜市)は1月27日、自動車部品生産で2023年」1月までに世界14拠点(国内6、海外8)で二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを達成したと発表した。
①全拠点一丸となった省エネの取り組み②再生可能エネルギーへの切り替えほか、カーボンクレジットの購入を組み合わせ、工場からのCO2排出を相殺、排出が実質ゼロになった。CO2の排出を2022年度から前年度比で毎年3%減らす。パナソニックHD全体では2030年に実質ゼロを目指しており、今回の達成は傘下の事業会社としては初めて。

トヨタ 14年ぶり社長交代 後任は佐藤執行役員

トヨタ自動車は1月26日、4月1日付で豊田章男社長が会長に就き、後任の社長に53歳の佐藤恒治執行役員が昇格する人事を発表した。
豊田社長は交代の目的について「佐藤新社長を軸とする新チームのミッションは『モビリティーカンパニー』にフルモデルチェンジする」と述べ、「若さがあり、私にはできないこともできると思う」と語った。これを受け、佐藤執行役員は「車の本質的な価値を守り、新しいモビリティーの形を提案していきたい」と抱負を述べた。

日本製鉄など3社 海外CCSの協働で覚書を締結

日本製鉄、三菱商事、エクソンモービルの3社は1月26日、豪州などの海外アジアパシフィック圏内でのCO2回収・貯留(CCS)、およびCCSバリューチェーン構築に向け共同検討に関する覚書を締結したと発表した。
3社は日本製鉄の国内製鉄所から排出されるCO2の回収に関する調査や必要な設備開発の評価を行い、エクソンモービルによる豪州およびマレーシア、インドネシアをはじめとする海外アジアパシフィック圏でのCO2貯留先の調査、および三菱商事による海外へのCO2輸送およびCCSバリューチェーン構築に向けた評価を実施していく。
日本でのCO2回収・海外でのCO2貯留に関するCCSバリューチェーン構築の具体的な検討は世界で初めての取り組みとなる。

22年ロボット受注1.6%増 3年連続増加で最高更新

日本ロボット工業会(所在地:東京都港区)がまとめた2022年の産業用ロボット受注額(会員企業ベース)は、前年比1.6%増の9,558億円だった。3年連続で増加し、過去最高を更新した。生産額も同5.6%増の8,792億円となり、過去最高を更新した。
世界的な人手不足に伴う生産ラインの自動化需要はじめ、最近は物流や食品、医薬品分野などでも梱包や搬送を自動化する動きが広がり、需要が拡大している。

エーザイ 認知症薬「レカネマブ」欧州で申請受理

エーザイ(本社:東京都文京区)と米バイオジェン・インク(本社:米マサチューセッツ州)は1月27日、早期アルツハイマー病患者対象の治療薬「レカネマブ」について、欧州医薬品庁(EMA)が販売承認申請を受理したと発表した。同社はレカネマブについて、すでに米国で迅速承認を取得しており、欧州のほか日本でも承認申請している。年内承認を目指している日本で承認されれば、米・欧・日で揃って受理されることになる。
レカネマブは早期アルツハイマー病患者の、病気の原因物質の一つといわれる、脳内に蓄積するたんぱく質「アミロイドベータ」を除去し、悪化を27%抑制する効果があるとされる。

スズキ 電動車開発に30年度までに2兆円投資

スズキは1月26日、2030年度までに電気自動車(EV)など電動車開発に2兆円を投じると発表した。このうち5,000億円は電池関連を予定。同社の海外の主力市場のインドと日本でEVなど6車種を販売する計画。他社に比べ出遅れているEVで、資本提携するトヨタ自動車との協業を深めながら本腰を入れる。
スズキ本社、横浜研究所、スズキR&Dセンターインディア、マルチ・スズキが連携し、将来技術、先行技術、量産技術の領域分担をしながら効率的に開発を進めていく。

日本調剤 23年内全薬局の電子処方箋化へ運用開始

日本調剤(本社:東京都千代田区)は1月26日、2023年内早期のグループ全薬局での電子処方箋対応を目指し、同日より一部の薬局で運用を開始すると発表した。同社は全国47都道府県で調剤薬局を展開しており、2022年10月31日より電子処方箋を先行導入して開始。対応薬局を順次広げていく。