東急不とENEOS 廃食油をSAFに活用する取り組みで合意

東急不動産(本社:東京都渋谷区)とENEOS(本社:東京都千代田区)は2月7日、廃食油を持続可能な航空燃料(以下、SAF=Sustainable Aviation Fuel)の原料として活用する取り組みに関する基本合意書を締結したと発表した。
具体的には2023年11月30日に開業した複合商業施設「COCONO SUSUKINO」(ココノススキノ、所在地:北海道札幌市)、東急不動産グループの東急リゾーツ&ステイが全国に展開、運営するホテルやゴルフ場29カ所で排出される廃食油を回収し、ENEOS和歌山製造所(所在地:和歌山県有田市)で事業化を進めるSAFの製造プラント(能力:40万KL/年)で原料として使用する予定。COCONO SUSUKINOは施設で発生する廃食油全量をSAFに活用することを目指しており、実現すれば全国で初の取り組みとなる。

日本製鉄 高炉水素還元技術の試験炉でCO2排出33%削減

日本製鉄は2月6日、東日本製鉄所君津地区の水素還元試験炉(内容積12㎥)で2023年11月から12月に実施した、加熱した水素を使用してCO2を削減するSuper COURSE50技術(CO2排出量50%以上削減)開発試験で、世界最高水準の更新となる高炉本体からのCO2排出量33%の削減を確認したと発表した。今後さらに実証試験を進め、大型高炉での早期Super COURSE50技術確立に取り組んでいく。
この実証試験はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金に採択され、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、一般財団法人金属系材料研究開発センターの4社でコンソーシアムを結成し、開発を推進しているもの。

マイナビ 介護経営支援事業に参入 ノバケアと連携

マイナビ(本社:東京都千代田区)は2月6日、新たに介護経営支援事業を開始すると発表した。新規事業でヘルスケア領域に特化したAIテック企業のノバケア(本社:東京都港区)とパートナーシップを締結し、2024年春に介護加算取得支援サービスの提供を開始する。これにより、介護事業者の経営と介護サービスのクオリティの安定化に貢献する。

IIJ, 村田製作所 インドネシアの交通輸送のIoTで開発協力

インターネットイニシアティブ(IIJ、本社:東京都千代田区)と村田製作所(本社:京都府長岡京市)は2月5日。インドネシア国立研究革新庁などと交通輸送を中心としたIoT分野での研究開発協力に関するMOU(基本合意書)を2月1日付で締結したと発表した。これに基づき、とくに交通輸送、地図情報の分野でIoT機器から取得したデータの分析や、アルゴリズムの開発などIoT関連の研究開発を共同で推進していく。

KDDI ローソンにTOB実施を発表 実店舗とネット融合

KDDIの高橋誠社長、三菱商事の中西勝也社長、ローソンの竹増貞信社長は2月6日、KDDIによるローソン株のTOB(株式公開買い付け)実施を発表した。親会社でローソンの株式50%を持つ三菱商事以外の株式を買い付ける。TOB実施後にローソンを三菱商事と共同経営する。
KDDIが持つデジタル技術を生かしてローソン実店舗とネットとの融合モデルや海外展開の基盤をつくり、最大手セブン−イレブン・ジャパン1強の市場に挑む。

TSMC 熊本に第2工場建設 トヨタも参画 27年稼働開始

半導体受託生産最大手のTSMC(台湾積体電路製造)は2月6日、熊本県に第2工場を建設すると発表した。同県菊陽町に2023年末に完成した工場の隣接地に建設するとみられる。第2工場は2024年末までに着工し、2027年末までの稼働開始を目指す。自動車向けなどの半導体需要を見据え、日本国内の供給体制を拡充する。
また、トヨタ自動車は同日、TSMCの子会社で工場を運営するJASM(所在地:熊本県菊陽町)に出資すると発表した。出資比率は2.0%になるという。トヨタの出資に合わせて、すでにJASMに出資しているソニーグループ、デンソーも追加出資する。

経産省 キオクシアとWDの半導体工場に2,430億円を助成

斎藤健経済産業相は2月6日、半導体大手キオクシアホールディングスが同業の米ウエスタン・デジタル(WD)と共同運営する三重県四日市市と岩手県北上市の半導体工場の生産拡大を支援することを明らかにした。計約2,430億円を助成する。最先端の製品を量産する計画に補助金を交付する。

日立造船 桑原常務が社長に 10月の社名変更見据え新体制

日立造船(本社:大阪市住之江区)は4月1日付で桑原道常務が社長兼COO(最高執行責任者)に昇格し、現在の三野禎男社長が会長兼CEO(最高経営責任者)に就く人事を発表した。同社は今年10月に社名を「カナデビア」に変更することにしており、海外経験が豊富な桑原師を社長に起用し、新たな経営体制のもとで環境分野を中心に海外での事業展開を加速させていく考え。

23年インド向け塩ビ樹脂輸出41%増 全体の7割に拡大

貿易統計によると、建設資材や日用品に使われる塩化ビニール樹脂の2023年の輸出量は前年比12%増の65万2,662トンと4年ぶりに前年を上回った。この牽引役となったのがインド向けで、前年比41%増の47万7,621トンに上った。全仕向け先で突出した伸びを記録、輸出全体の73%を占めた。インドは2023年央、中国を抜き人口世界No.1を擁する国となった。経済成長とともに様々な需要が増大。塩ビ樹脂も農業インフラ関連などの需要が大幅に伸びているとみられる。

千代田化工とトヨタ 大規模水電解Sの共同開発で協業

千代田化工建設(本社:横浜市西区)とトヨタ自動車は2月5日、大規模水電解システムの共同開発および戦略的パートナーシップを構築していくことで合意し、協業基本合意書を締結したと発表した。トヨタが持つ燃料電池技術を用いた水電解セル・スタックの生産や量産技術と千代田化工が持つプロセスプラント設計技術や大規模プラントの建造技術を融合し、競争力のある大規模水電解システムを開発する。これにより、急激に拡大する国内外の水素製造市場に対応していく。
世界最小レベルのサイズでありながら、水素の製造効率が高い水電解システムの開発を目指す。5MW級を原単位として開発し、それらを組み合わせて標準パッケージとすることで、大規模水電解システムを構築する。

ソニーと日立 24年問題見据え4月から家電を共同配送

ソニーグループと日立製作所は2月5日、家電製品の共同配送を始めると発表した。両社のそれぞれ家電製品を手掛けるソニーマーケティングと日立グローバルライフソリューションズが、4月から北海道にある両社が保有する倉庫の管理を統合し、道内にある量販店の物流センターに家電製品を連携して運ぶ。
4月から時間外労働の上限規制で、トラック運転手不足が懸念される「2024年問題」に対応するため、配送業務で連携、協力する。

三菱自 生産拠点インドネシアからSUVの輸出を開始

三菱自動車工業(本社:東京都港区)は2月5日、インドネシアの乗用車生産拠点、ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(所在地:西ジャワ州ブカシ県、以下、MMKI)で生産する新型コンパクトSUV「エクスフォース」の輸出を開始したと発表した。今回の輸出先はベトナムだったが、今後フィリピンなど他のASEAN地域や南アジア、中南米、中東、アフリカにも順次展開していく。
同日、首都ジャカルタ市から北へ約10kmに位置するタンジュンプリオク港で開催した記念式典には、インドネシア、日本両政府をはじめ多くの来賓や関係者らが参列した。

23年全国生コン出荷4.3%減 5年連続マイナス 過去最低

全国生コンクリート工業組合連合会(所在地:東京都中央区)のまとめによると、2023年の全国生コン出荷量は前年比4.3%減の155万2,007㎥だった。全体の7割を占める民需は同2.5%、公共工事など官公需は7.9%、それぞれ減少した。前年を下回るのは5年連続。比較可能な1976年以降で過去最低だった。

テラチャージ・インド 独シーメンスとEV充電事業で提携

EV充電インフラ事業「Terra Charge(テラチャージ)」を展開するTerra Charge(本社:東京都港区)は2月5日、インド子会社、Terra Motors Charging Solution Private Limited(本社:西ベンガル州コルカタ、以下、テラチャージ・インド)が、独SIEMENS(以下、シーメンス)と2月1日に業務提携契約を締結したと発表した。これにより、テラチャージの培った充電機制御ソフトウエア技術、シーメンスの持つ充電器開発能力および幅広いビジネスパートナーとのネットワークを組み合わせ、インドにおける充電事業のさらなる事業価値向上につなげていく。

三谷産業, KDDI 被災地の避難所へのStarlinkの設置で連携

三谷産業(本社:金沢市)とKDDI(本社:東京都千代田区)、KDDIまとめてオフィス(本社:東京都渋谷区)のKDDIグループは2月5日、被災地における避難所での通信支援を目的とした
Starlinkの設置に関するパートナー契約を2月2日に締結したと発表した。
KDDIはスペースXの日本法人Starlink Japan合同会社と協力し、衛星ブロードバンドStarlinkを石川県能登半島の避難所などに無償で提供している。今回の提携を通じて石川県の多くの企業や自治体と関わりのある三谷商事と連携することで自治体との連携を強化し、避難所へのStarlinkの設置や、電源の供給を加速する。

関空リムジンバス3月から200円引き上げ 15年ぶり改定

関西空港発着のリムジンバスを運行するバス会社17社は、3月1日から13路線のうち12路線で運賃を引き上げる。この結果、大阪駅前とを結ぶ路線では片道運賃が現在の1,600円から1,800円へ、京都駅八条口とを結ぶ路線では2,600円から2,800円へ、神戸・三宮とを結ぶ路線では2,000円から2,200円へ、JR和歌山駅とを結ぶ路線では1,200円から1,400円になる。
引き上げの理由は①運転手不足に伴う人件費の上昇②高速道路料金の値上げ③燃料費の高止まりーなどを挙げている。関空に乗り入れるリムジンバス料金の引き上げは、消費税の増税による改定を除けば2009年以来15年ぶり。

PPIHなど 二温度帯対応CAコンテナ海上輸送を共同で開始

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)は2月2日、オーシャンネットワークエクスプレス(以下、「ONE)、NAX JAPAN(以下、NAX)を合わせた3社が二温度帯対応CA(Controlled Atmosphere)コンテナの海上トライアル輸送を共同で開始したと発表した。
同コンテナの海上輸送利用は世界初で、生鮮を含む食品・非食品問わず少量多品種の同時輸送による輸送効率向上・コスト削減をはじめ、CO2排出量削減、在庫リスク軽減によるフードロス削減などが期待される技術。

経産省 84億円拠出 国産生成AI開発プロジェクトを支援

経済産業省は、国産の生成AIの開発力を強化するため、国内のスタートアップ企業や大学など7者が進めるプロジェクト「GENIAC(ジーニアック)」(Generator AI Accellerator Challengeの略)を支援、84億円を拠出する。米国のグーグルのクラウドサービスを借り上げる形で、AIのデータ学習などに半年間、無償で利用できるようにする。
同プロジェクトに参画するのはABEJA、Sakana AI、プリファード・エレメンツ、ストックマーク、Turingの国内スタートアップ企業、情報・システム研究機構、東京大学の7者。

KDDI 今春以降 個人向けに「スターリンク」を国内販売

KDDI(本社:東京都千代田区)は2月2日、米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」を国内で個人向けに販売すると発表した。auショップなど全国の直営店や電子商取引(EC)で販売する。スターリンクは従来、法人向け製品のみを取り扱ってきたが、ラインアップを拡大する。スターリンクは山間部や海上の「圏外」でも高速通信が可能で、災害時の通信手段の確保などの需要を見込む。