日医工の事業再生ADR成立 最大985億円の債権放棄

後発薬大手の日医工(本社:富山市)は12月28日、私的整理の一つ、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の手続きが成立したと発表した。同日開かれた債権者会議でADRと事業再生計画案に対し、関係する15の金融機関すべての同意を得た。これにより、金融機関は最大で債権の6割強にあたる985億円放棄することになる。
日医工は企業再生ファンド、ジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)と医薬品卸のメディパルホールディングスの支援を受け、経営再建を進める。2026年3月期の最終損益黒字化と債務超過の解消を目指す。

大和ハウス・フジタ 花粉対策リフレッシュ空間 開発

大和ハウス工業(本社:大阪市北区)とフジタ(本社:東京都渋谷区)は12月27日、エアシャワーと室内コーティングを組み合わせた花粉対策空間「リフレッシュエアルーム」を開発したと発表した。これは花粉などを除去するエアシャワーとアレル物質の不活化効果がある吸着性光触媒コーティングを組み合わせたもの。ホテルや商業施設などのエントランスホールやエレベーターホールに設置することを想定している。
この商品は2023年1月1日、フジタグループの藤田商事(本社:東京都文京区)が販売開始する。

LCCのピーチ 関空ーバンコク 12/27定期路線開設

関西国際空港を拠点とするLCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションは新たにタイ・バンコクとを結ぶ定期路線を開設し12月27日夜、最初の便が出発した。当面週6便運航する予定。ピーチ・アビエーションは感染拡大前は17の短距離の国際線の定期便を運航していたが、中距離路線の定期運航は初めて。
同空港第2ターミナルでは同夜、記念のイベントが開かれ、タイの民族舞踊が披露されたほか、乗客に記念品が贈られた。

三菱電機と三菱重工 発電機分野の事業統合に基本合意

三菱電機と三菱重工業は12月26日、両社の発電機事業を統合して新たに合弁会社を設立するべく、具体的検討に入ることで基本合意したと発表した。両社の対象事業をそれぞれ集約・統合するもので、合弁会社は三菱電機がマジョリティ出資者となることを想定している。
これを機に両社は、従来以上の強固なパートナーシップを構築し、発電機事業をよりグローバルに拡大していくことで、カーボンニュートラルの実現に貢献していくとしている。

福島県昭和村と凸版印刷 高齢者見守りで実証実験

福島県昭和村と凸版印刷(本社:東京都文京区)は12月26日、センシングとAIを活用した介護業務支援サービス「LASHIC+(ラシクプラス)」を活用して、昭和村内の独居高齢者の見守り支援の実証実験を12月下旬から開始すると発表した。
ラシクプラスは、2021年より凸版印刷が提供している温度・人感等のセンシングが可能な簡易センサーと、それらの取得情報を統合解析できるAIにより、プライバシーに配慮した形で施設入居者の公道を把握し、介護従事者の業務負荷の軽減を実現するサービス。
今回の実証はラシクプラスの自治体向けの活用として昭和村における後期高齢者の独居住まいを対象に行う。

昭和電工 インドで酢酸ビニルモノマーの生産を開始

昭和電工(本社:東京都港区)は12月26日、米国のエンジニアリング会社KBR社との提携により、インドの大手塗料会社Asian Paints社に対し、酢酸ビニルモノマー(以下、VAM)の製造に関するライセンス供与を決めたと発表した。併せてAsian Paints社がVAM生産時に使用する触媒についても供給する。
Asian Paintsは、インド国内に年間10万トンのVAM製造プラントを建設する予定。生産したVAMは酢酸ビニルエチレンエマルジョン(VAE)などの原料となる予定。

住友電工,三菱UFJ銀など CO2吸収技術商用化で協業

住友電気工業(本社:大阪市中央区、以下、住友電工)、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、関西イノベーションセンターの4社は12月23日、住友電工が開発を進める新しいCCUS(CO2の回収・有効利用・貯留)技術(特許出願中)を活用したソリューションの提供で協業していくことで基本合意したと発表した。
この協業の一環として、CO2吸収装置の実演とCO2を原料に含むセラミックスの展示商談会を開催する。

トヨタ 22年世界販売3年連続首位へ VW引き離す

トヨタ自動車の2022年の世界新車販売が3年連続で世界首位になる見通しとなった。同社が12月26日、発表した1〜11月の世界販売台数は前年同期比横ばいの956万台だった。これに対して、しのぎを削るドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、前年同期比9%減の742万台にとどまった。両社の差は214万台あり、トヨタの首位が濃厚となった。

商船三井・関電 CCSバリューチェーン構築で覚書

商船三井(本社:東京都港区)と関西電力(本社:大阪市北区)は12月23日、CCS(CO2の回収貯留)バリューチェーン構築に向けた海上輸送等に関する調査の覚書を締結したと発表した。CCSは低・脱炭素社会を実現する有効な手段の一つとして個体されている。
この覚書に基づき両社は、関西電力が運営する火力発電所から排出されるCO2を対象に構築する「分離・回収、輸送、圧入・貯留からなるCCSバリューチェーン」について協業し、両社で液化CO2の貯留候補地への海上輸送等の調査・検討をしていく。

エーザイ 中国当局に「レカネマブ」申請データ提出

エーザイ(本社:東京都文京区)とバイオジェン・インク(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)は12月23日、アルツハイマー病による認知障害治療薬候補、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体レカネマブについて、中国の国家薬品監督管理局に対して、生物製剤ライセンス申請のデータ提出を開始したと発表した。今後、中国規制当局の指示に基づき、臨床試験のフルデータ等も追加提出する。

スズキ インドの農村開発研究機関GIANと協業開始

スズキは12月23日、インドのGujarat Grassroots Innovation Augmentation Network(本部所在地:グジャラート州アーメダバード、以下、GIAN)と協業に合意したと発表した。インド農村部の課題解決や発展に貢献する商品やサービスの創出を目指す。
GIANは、農村地域におけるイノベーション文化の育成を目的にとして、グジャラート州やインド経営大学院アーメダバード校などの協力により1997年に設立された、農村課題の解決に特化したインドの研究機関。

ケアパートナー ベトナム人学生インターン受入開始

大東建託グループで介護・保育事業を展開するケアパートナー(本社:東京都品川区)は12月23日、10月より同社初となるベトナム人学生インターン、2名の受け入れを開始したと発表した。ケアパートナーとドンア大学(所在地:ベトナム・ダナン市)との提携により実現したもの。この取り組みを通じて、外国人が働くことが当たり前の風土・職場環境を構築するとともに、介護業界における人材不足解消に貢献する。

関西3空港 年末年始の国内線予約コロナ前の8割超

航空各社は12月21日、12月28〜1月5日の期間に大阪・関西・神戸の3つの空港を発着する国内線の予約状況を発表した。全日本空輸(ANA)は前年同期比12%増の26万341人、日本航空(JAL)は同7.2%増の19万6,568人、LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションは同1.6%増の8万404人となっている。ANAとJALでは、コロナウイルス感染拡大前の3年前と比べて80%を超える水準まで回復している。
一方、3空港を運営する関西エアポートによると、国際線の年末年始の旅客数は、韓国をはじめ東南アジアとを結ぶ便を中心に23万人余りが利用する見通しで、これはコロナ感染拡大前の35%の回復状況という。

関電 原発電力活用の水素製造を公開 敦賀市と連携

関西電力(本社:大阪市北区)は12月22日、福井県敦賀市と連携して原子力発電で発電した電力を使い水素を製造する実証実験を報道陣に公開した。実証実験は敦賀市公設地方卸売市場の敷地内に設置している「水素ステーション敦賀」で進める。
原発を活用し、二酸化炭素(CO2)を排出せず、水素を製造する手法の実用化を目指す。同実験は2023年2月まで実施する。

シスメックス 微量の血液で認知症の兆候診断 承認取得

血液検査装置大手のシスメックス(本社:神戸市)は12月22日、アルツハイマー病の特徴の一つ、血液中のアミロイドベータ(Aβ)を測定する検査試薬の製造販売承認を、厚生労働省から取得したと発表した。エーザイ(本社:東京都文京区)と共同開発したこの試薬は、Aβの蓄積量を17分で簡便かつ安価に測定できるため、患者にかかる負担が小さい。2023年5月に国内での発売を目指す。

日本光電 フィリピン・マニラ市に販売支店開設

日本光電工業(本社:東京都新宿区)は12月20日、フィリピンにおける円滑な医療機器の登録申請および売上拡大を図るため、販売子会社、日本光電シンガポールの支店をフィリピン・マニラ市に開設し、2030年1月から業務を開始すると発表した。
海外事業のより一層の拡大を図るため、地域に密着した事業基盤の構築を進め、高品質かつ先端的な医療機器を提供し続けていく。

昭和電工・日本製鐵 6国立大と低濃度CO2技術で連携

昭和電工と日本製鐵は12月22日、6つの国立大学と連携し、工場排出ガスに含まれる低濃度CO2の分離回収技術開発を本格始動すると発表した。両社は大分大学、大阪大学、京都大学、千葉大学、名古屋大学、北海道大学の6つの国立大学と共同で進める事業が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」に採択され、10月より技術開発を本格始動。
この事業は両社と6大学が持つ技術を使って低圧・低濃度の排出ガスから効率的にCO2を分離・回収するもの。1トンあたり2,000円台という画期的な低コスト実現をターゲットに、2030年代後半の社会実装を目標にする。

商船三井 インド・GAIL社とパートナーシップ強化

商船三井(本社:東京都港区)は12月21日、インド石油・天然ガス省傘下のガス公社・ガス供給事業最大手のGAIL(India)Limited(本社:ニューデリー、以下、GAIL)と20日、商船三井100%出資の子会社を通じて、新造LNG船1隻の定期用船契約を締結するとともに、商船三井がGAIL社向けに用船している既存LNG船1隻を両社で共同保有することで合意したと発表した。新造船は2019年に両社で締結した既存船に続く2隻目の契約となる。