関西3空港 年末年始の国内線予約コロナ前の8割超

航空各社は12月21日、12月28〜1月5日の期間に大阪・関西・神戸の3つの空港を発着する国内線の予約状況を発表した。全日本空輸(ANA)は前年同期比12%増の26万341人、日本航空(JAL)は同7.2%増の19万6,568人、LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションは同1.6%増の8万404人となっている。ANAとJALでは、コロナウイルス感染拡大前の3年前と比べて80%を超える水準まで回復している。
一方、3空港を運営する関西エアポートによると、国際線の年末年始の旅客数は、韓国をはじめ東南アジアとを結ぶ便を中心に23万人余りが利用する見通しで、これはコロナ感染拡大前の35%の回復状況という。

関電 原発電力活用の水素製造を公開 敦賀市と連携

関西電力(本社:大阪市北区)は12月22日、福井県敦賀市と連携して原子力発電で発電した電力を使い水素を製造する実証実験を報道陣に公開した。実証実験は敦賀市公設地方卸売市場の敷地内に設置している「水素ステーション敦賀」で進める。
原発を活用し、二酸化炭素(CO2)を排出せず、水素を製造する手法の実用化を目指す。同実験は2023年2月まで実施する。

シスメックス 微量の血液で認知症の兆候診断 承認取得

血液検査装置大手のシスメックス(本社:神戸市)は12月22日、アルツハイマー病の特徴の一つ、血液中のアミロイドベータ(Aβ)を測定する検査試薬の製造販売承認を、厚生労働省から取得したと発表した。エーザイ(本社:東京都文京区)と共同開発したこの試薬は、Aβの蓄積量を17分で簡便かつ安価に測定できるため、患者にかかる負担が小さい。2023年5月に国内での発売を目指す。

日本光電 フィリピン・マニラ市に販売支店開設

日本光電工業(本社:東京都新宿区)は12月20日、フィリピンにおける円滑な医療機器の登録申請および売上拡大を図るため、販売子会社、日本光電シンガポールの支店をフィリピン・マニラ市に開設し、2030年1月から業務を開始すると発表した。
海外事業のより一層の拡大を図るため、地域に密着した事業基盤の構築を進め、高品質かつ先端的な医療機器を提供し続けていく。

昭和電工・日本製鐵 6国立大と低濃度CO2技術で連携

昭和電工と日本製鐵は12月22日、6つの国立大学と連携し、工場排出ガスに含まれる低濃度CO2の分離回収技術開発を本格始動すると発表した。両社は大分大学、大阪大学、京都大学、千葉大学、名古屋大学、北海道大学の6つの国立大学と共同で進める事業が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」に採択され、10月より技術開発を本格始動。
この事業は両社と6大学が持つ技術を使って低圧・低濃度の排出ガスから効率的にCO2を分離・回収するもの。1トンあたり2,000円台という画期的な低コスト実現をターゲットに、2030年代後半の社会実装を目標にする。

商船三井 インド・GAIL社とパートナーシップ強化

商船三井(本社:東京都港区)は12月21日、インド石油・天然ガス省傘下のガス公社・ガス供給事業最大手のGAIL(India)Limited(本社:ニューデリー、以下、GAIL)と20日、商船三井100%出資の子会社を通じて、新造LNG船1隻の定期用船契約を締結するとともに、商船三井がGAIL社向けに用船している既存LNG船1隻を両社で共同保有することで合意したと発表した。新造船は2019年に両社で締結した既存船に続く2隻目の契約となる。

カシオ インドネシアで関数電卓活用の数学教育で覚書

カシオ計算機は12月21日、インドネシア教育事業でグループのカシオシンガポールと教育文化省教職員総局が、関数電卓を活用した高校数学授業の定着に向け協業することで合意し、覚書を締結したと発表した。これにより、関数電卓を使った高校数学の教材開発と教師のトレーニングを現地の教育関係者とともに進めていく。

フレイル関与の自律神経と腸内細菌叢の関係を発見

ファンケルと弘前大学の研究グループは12月21日、フレイルに関与する自律神経機能や生活の質向上に関する因子の関係を発見したと発表した。フレイルは適切な介入や支援を行うことで生活機能の維持向上を可能とし、予防することができると考えられている。人生100年時代といわれる昨今、生活習慣病の予防や腸内細菌叢の改善に着目して、自律神経機能の低下の予防や、QOLの維持に貢献する研究を続けていく。

三井化学など4社 オフィス用品の水平リサイクル実証

三井化学(本社:東京都港区)、プラス(本社:東京都港区)、協和産業(本社:埼玉県鴻巣市)および野村総合研究所(本社:東京都千代田区)の4社は12月21日、資源循環型社会の実現を目指し、今回オフィス用品、クリアホルダーにトレーサビリティ機能を実装した水平リサイクル実証実験を実施したと発表した。4社はいずれも加盟しているコンソーシアム「Pla-chain(プラ・チェーン)」とも連携し、業界の垣根を超えた循環型社会実現の動きを加速していく。

H2Oリテイリング 万代と東大阪市で輸入新会社設立

「関西スーパー」や「阪急オアシス」などを傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは12月20日、東大阪市を本拠とするスーパーの万代と共同で食料品の輸入などを行う新会社を、東大阪市に設立すると発表した。両社では共同調達によるコストの削減や品揃えの充実につなげたい考え。
東大阪市には、関西スーパーを傘下に収めるためH2Oと競った首都圏に基盤を持つスーパー、オーケーが関西進出の拠点を設けることを表明しており、熾烈な競争が繰り広げられる可能性が出てきた。

東京ガス・大阪ガス e-メタン技術開発で共同委設置

東京ガスと大阪ガスは12月20日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金(以下、GI基金)事業で、両社がそれぞれ開発に取り組む革新的メタネーション技術の社会実装に向けた検討に助言を受けるため、共同委員会「革新的メタネーション技術社会実装検討委員会」を設置したと発表した。
水素と二酸化炭素(CO2)を原料としたメタネーションより製造される「e-methane」(以下、e-メタン)は、既存の都市ガスインフラや消費機器が活用できるため、スムーズなカーボンニュートラルへの移行と追加的な社会コストの抑制の両立が可能となる。
両社は安価で安定的なe-メタンの供給に向け、GI基金事業で、それぞれ高効率な革新的メタネーション技術の研究開発を進めており、課題抽出および事業成立に向けた製造・供給シナリオ、社会実装モデルの検討等に共同で取り組む。

藤田医科大など サービスロボットによる院内実証実験

藤田医科大、川崎重工、SEQAENSE(シークセンス)、TISの4者は12月20日、藤田医科大で、サービスロボットを使った実証実験を開始したと発表した。医療従事者の負担軽減・業務効率化を目指す取り組みの一環。
4者は2021年10月以降、ロボットの種類や試験内容が異なる実証実験を続けている。最終段階のフェーズ3(2回目)の今回は12月16〜23日の日程で、TISが提供するマルチロボットプラットフォーム「RoboticBase(R)」を用い、ロボットとエレベータの連携を含む配送業務自動化を検証する。

白物家電の11月国内出荷額1.7%増 製品単価上昇で

日本電機工業会(JEMA)が12月20日発表した白物家電の11月の国内出荷額は、前年同月比1.7%増の1,998億円だった。前年同月を上回るのは5カ月連続。11月単月の過去10年平均(1,791億円)を大幅に上回った。円安や原材料価格の高騰で製品単価が上昇し、出荷額を押し上げた。
製品別にみると、出荷額に占める割合が大きいルームエアコンは6.2%増の410億円と、5カ月連続で前年同月を上回った。洗濯機は1.5%減bの338億円で、5カ月ぶりに前年同月を下回った。冷蔵庫も2.2%減の331億円となり、2カ月ぶりに前年同月を下回った。2022年度出荷額について、JEMAは2021年度とほぼ同水準になるとみている。

11月コンビニ売上高7.4%増 9カ月連続増加 行楽で

日本フランチャイズ協会(所在地:東京都港区)が12月20日発表した11月のコンビニエンスストアの既存店売上高は、前年同月比7.4%増の9,078億円だった。前年同月を上回るのは9カ月連続。既存店の来店客数は1.1%増の12億4,606万人で、7カ月連続でプラスだった。
10月に続き、旅行需要の回復で行楽地の人出が増え、弁当や揚げ物、飲料などが好調だった。

SkyDrive 豊田市,足助病院と災害時医療で物流ドローン実証 

空飛ぶクルマおよび物流ドローンを開発するSkyDrive(本社:愛知県豊田市)は12月20日、JA愛知厚生連足助病院、豊田市と共同で、物流ドローン「SkyLift」を活用し、災害時に医療物資と食料品を空路で運搬する実証実験に成功したと発表した。
3者は19日、14時〜14時30分、地震が発生したとの想定のもと、豊田市足助支所から巴川対岸の香嵐渓広場まで約600mの飛行距離を5分10秒で飛行。医療物資(医薬品、医療材料)、食料品等約13kgを輸送、着陸し、これらの物資の荷下ろしを行った。

日産自・神鋼 低CO2高炉鋼材,アルミ板材を順次適用 

日産自動車(本社:横浜市西区)と神戸製鋼所(本社:神戸市中央区)は12月19日、2023年1月以降、神戸製鋼の低CO2高炉鋼材およびグリーンアルミニウム原料を用いたアルミ板材を、日産車へ順次適用していくと発表した。神戸製鋼の低CO2高炉鋼材「Kobenable Steel」の量産車への採用は初めて。

伊藤忠 UAEのEGA社と環境配慮型アルミ原料調達で合意

伊藤忠商事(本社:東京都港区)は12月19日、世界最大級のアルミニウム製造会社、Emirates Global Aluminium(本社:アラブ首長国連邦、以下、EGA社)と、EGA社が太陽光由来の電力を用いて製造した環境配慮型のアルミニウム原料を、神戸製鋼所(本社:神戸市中央区)へ販売することで合意したと発表した。太陽光由来の電力で製造されたアルミニウムの調達は、日本初となる。
アルミニウムは、製錬過程で大量の電力を消費するため、輸送用機械、建設業界を中心にCO2排出が少ない電力で製造する環境配慮型のアルミニウム原料への関心が高まっている。

損保ジャパン ドローン「レベル4」解禁で保険新商品

SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパンは、改正航空法で有人地帯で目視せずにドローン(無人機)を飛ばせる「レベル4」飛行が解禁されたことに対応し、産業用ドローン保険を拡充した。従来の機体損壊にとどまらず、荷物の捜索・回収費用もカバーし、需要が見込まれる物流会社などへの販売を見込む。

インドの11月乗用車販売は28.1%増 7カ月連続増

インド自動車工業会の自動車統計(出荷ベース)によると、11月の単月の乗用車(多目的車、バンを含む)の国内販売台数は、前年同月比28.1%増の27万6,231台で、5月以降、7カ月連続で前年同月を上回った。この結果、2022年4〜11月の乗用車販売台数は前年同期比36.9%増の250万4,084台となった。
このほか、二輪車、三輪車も売り上げを伸ばしており、自動車全体(乗用車、二輪車、三輪車)の11月単月の合計販売台数は前年同月比19.9%増の155万8,145台だった。
なお、11月のメーカー別乗用車販売をみると、首位のマルチ・スズキは前年同月比20.7%増の13万2,395台、韓国の現代は29.7%増の4万8,002台、地場のマヒンドラ&マヒンドラは56.2%増の3万292台などとなっている。

トヨタ 23年1月の世界生産70万台に 国内2ライン停止

トヨタ自動車は2023年1月の世界生産台数見通しについて、70万台程度(国内約20万台、海外約50万台)になると発表した。半導体不足の影響を受け、国内工場2ラインの稼働を6〜9日間稼働停止する。ただ、2023年3月期の920万台とする通期生産計画は据え置く。
停止するのは愛知県田原市の田原工場の1ラインと、日野自動車の東京都羽村市の羽村工場の1ラインの計2ライン。