JERA マイクロソフトと提携 発電所の運営をAIで効率化

火力発電を中心とする電力会社、JERAは9月11日、米マイクロソフトと提携したと発表した。生成AI(人工知能)を使い、熟練運転員の知見や経験を若手が活用できるようにする。発電所の運営を効率化して、現在より3割少ない人員でも安定して電気を供給する体制を整える。2024年度からまず姉崎火力発電所(所在地:千葉県)で運用し、効果を検証したうえで他の発電所にも広げる。

NEC 共同輸配送プラットフォームの運用実証を開始 4社が参加

日本電気(本社:東京都港区、以下、NEC)は9月12日、複数企業の荷物を同一トラックで運ぶ共同輸配送の取り組みを容易かつ効率的に実現するため、デジタル技術を活用した共同利用型の「サービスプラットフォームの運用実証を、2023年9月から2024年3月まで実施すると発表した。同実証には花王、日通NECロジスティクス、三井倉庫サプライチェーンソリューション、横河電機が参加する。
これにより、AIを活用した共同輸配送のグループ候補の自動抽出や、条件調整および最適化による運行計画の自動作成などを行い、デジタル技術の活用と輸送オペレーションの両面から運用上の課題点の抽出や検証を行う。

大阪モノレール 24年春より全18駅でカード等のタッチ決済乗車へ

大阪モノレールなど6社は8月31日、2024年春より大阪モノレール全18駅でクレジットカード等のタッチ決済による乗車を開始すると発表した。大阪モノレール(本社:大阪府吹田市)、三井住友カード(本社:東京都江東区)、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(本社:東京都千代田区)、ジェーシービー(本社:東京都港区)、日本信号(本社:東京都千代田区)、QUADRAC(本社:東京都港区)の6社が参画する。
大阪モノレールは、日本のモノレールで一番長い総延長28km・18駅を結び、1日13万人の顧客に利用されている。大阪空港駅は、大阪国際(伊丹)空港に直結しており、空港利用者の空の玄関口となっている。

三井物産等 大阪臨海工業地帯拠点の水素・アンモニア供給網で協働

三井物産など4社は8月30日、大阪の臨海工業地帯を拠点とした水素・アンモニアサプライチェーンの構築に向け共同検討することで覚書を締結したと発表した。三井物産のほか、三井化学、IHI、関西電力の4社が参画する。
この覚書に基づき、大阪の臨海工業地帯でのアンモニアの受け入れ、貯蔵、供給拠点の整備などに関する検討や、関西・瀬戸内地域での利活用先の拡大に向けた調査などに取り組む。

東武鉄道と日立 生体認証の共通プラットフォーム立ち上げで合意

東武鉄道と日立製作所は8月29日、安全で手軽な決済、ポイント付与、本人確認などを可能にする生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォームを2023年度中に立ち上げることで合意したと発表した。
同プラットフォームは、スマートフォンやICカードを用いることなく、デジタル空間に保存されている個人の属性情報であるデジタルアイデンティティに、生体認証を活用して安全にアクセスすることで、業種を横断して決済、ポイント付与、本人確認などのサービスをワンストップで実現する。第一弾として東武ストアでは、2023年度中に同プラットフォームに対応したセルフレジを複数店舗に導入する。
なお、ジェーシービー(JCB)が生体認証を用いた決済のガイドライン策定への助言などを通じ、検討に参画する。

NECとNXHD 物流倉庫でのフォークリフトの自律遠隔搬送S開発

日本電気(NEC)とNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は8月28日、2020年10月から開始した価値共創に向けた探索プロジェクトを通じて、物流における商品の運搬や積み下ろしなどフォークリフトを活用した倉庫内の作業の効率性と安全性を向上させる自律遠隔搬送ソリューションを共同で開発したと発表した。
同ソリューションはアクチュエータ、カメラ、センサなどを既製のフォークリフトに後付けすることで、シミュレーションによる状況に応じた搬送ルートの自動設計や安全性を確保したフォークリフトの自律遠隔搬送を可能とする。今後両社は同ソリューションの早期事業化を目指す。

日置電機とマクニカ 脱炭素で自動運転EVバス導入へ実証運行

電気計測器開発、生産、販売でサービスのHIOKI(日置電機、本社:長野県上田市)と、サービス・ソリューションプロバイダーのマクニカ(本社:横浜市)は8月29日、カーボンニュートラルを目指し、自動運転バスの導入に向け、HIOKI本社工場(所在地:長野県上田市)とその周辺の公道で、自動運転EVバスの実証運行を開始すると発表した。
実証運行は8月29〜9月2日(HIOKI社員向け)、9月8〜9日(上田市民向け)、実証運行時間は10時〜16時。実証運行には上田市、上田電鉄、上田バス、千曲バスが協力する。

帯広ガスとエア・ウォーター バイオメタン活用の都市ガスで実証

帯広ガス(本社:北海道帯広市)とエア・ウォーター(本社:大阪市中央区)は8月22日、北海道十勝地方の未利用バイオマス、家畜ふん尿から製造した液化バイオメタン(以下、LBM)を、帯広ガス供給区域の都市ガスとして利用する実証を行ったと発表した。7月19日に帯広市全域(大空町を除く)で実施した。
都市ガス利用の個人・一般顧客にLBMを供給するのは国内初の試み。LBMは、バイオガスをメタンと二酸化炭素に分離し、そのメタンを液化したものであり、既存の供給システムをそのまま活用することが可能という。

東レなど 循環型漁業目指す「漁網to漁網リサイクル」拡大

東レ(本社:東京都中央区)、日東製網(本社:東京都港区)およびマルハニチロ(本社:東京都江東区)グループの大洋エーアンドエフ(本社:東京都中央区)は8月21日、2022年11月に発表した循環型社会の実現と海洋プラスチック問題の解決を目指す「漁網to漁網リサイクル」に、今回新たに使用済みの漁網(廃棄漁網)を回収原料の一部とするナイロン原糸を使用した漁網を追加し、取り組みを拡大すると発表した。
2023年11月には廃棄漁網をリサイクルした原糸を使用した漁網を用いて、沖合まき網漁業での試験操業・実証を予定している。廃棄漁網をリサイクルした漁網が実際の漁業で使用されるのは業界で初めてという。

関電と東芝ESS EVリユース電池活用の蓄電池Sの実証開始へ

関西電力と東芝エネルギーシステムズ(以下、東芝ESS)は8月18日、使用済みのEV(電気自動車)電池(以下、EVリユース電池)を用いた蓄電池システムを新たに構築し、2023年度冬頃から実証を開始すると発表した。この実証では、蓄電池システムの利活用に関する各種サービスを検証し、2024年度中の提供を目指す。これは両社が2022年11月から取り組んでいる蓄電池事業の提携に向けた検討の一環として行うもの。

ドローンショーJ ドローン安全推進協と安全運用で基本合意

国内ドローンショー実績No.1のドローンショー・ジャパン(本社:金沢市)は8月10日、一般社団法人ドローン安全推進協議会(所在地:東京都港区)との連携によるドローンに関連する技術およびサービスにおける安全運用に関するガイドライン策定に向けて、協定を締結したと発表した。また、これに合わせ無線LAN規格における5GHz帯の屋外実験局免許を取得し、国内最大級となる1,000台規模のドローンショーの提供を開始した。
日本の電波法では屋外での利用制限がある5GHz帯の無線LAN通信で、ドローンショー分野で実験局を開局したのは国内初。

長瀬産業, ゼロボード ベトナムGHG排出実証事業がジェトロに採択

長瀬産業(本社:東京都千代田区)とゼロボード(本社:東京都港区)は8月9日、脱炭素に向け共同で取り組むベトナムでのGHG排出量報告システム構築の実施事業が、日本貿易振興機構(ジェトロ)の第4回「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」に採択されたと発表した。
同事業は、令和4年度補正予算で措置された経済産業省から日ASEAN経済産業協力委員会への拠出金に基づき実施するもので、事業実施事務局としてジェトロが事業の公募・採択・事業実施支援等を行うもの。

東急建設, 帝人 水素エネルギー実用化へ建設現場で水素発電機を検証

東急建設(本社:東京都渋谷区)と帝人(本社:大阪市北区)は8月9日、東京・渋谷で建設工事現場における電源として活用する水素燃料電池発電機の有効性と有用性に関する検証を実施したと発表した。
両社は建設工事現場への水素エネルギーの普及を目指し、東急建設が施工中の渋谷駅周辺開発に伴う建設工事現場で、帝人グループが開発した水素燃料電池発電機の、燃料電池ユニットと同ユニットに水素を供給する圧力容器ユニットを用いて、電気設備機器の電源としての水素燃料電池発電機の有効性と有用性を検証した。

東京メトロ 三井住友カードなどとカードタッチ決済活用の実証へ

東京メトロ(本社:東京都台東区)と、三井住友カード(本社:東京都江東区)、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(本社:東京都千代田区)、ジェーシービー(本社:東京都港区、以下、JCB)、QUADRAC(本社:東京都港区)は8月7日、東京メトロ線内で2024年度中にクレジットカードのタッチ決済および、QRコードを活用した乗車サービスの実証実験を開始すると発表した。東京メトロにとって、交通系ICカードを主軸としつつ、新たな乗車サービスを検証するのが目的。

コスモ石油などの国産SAF大規模製造が東京都の事業に採択

コスモ石油、日揮ホールディングス(HD)、レボインターナショナルの3社は8月3日、東京都の廃食用油回収促進に係る事業に、3社の日本初の国産SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)大規模製造に向けた共同提案が採択されたと発表した。
当面3社がコスモ石油堺製油所で建設中のSAF大規模製造実証設備において、都内各所から回収した廃食用油がプラントで受け入れ可能か、サンプル調査を実施する。具体的には天かすなどの不純物、水分、金属分の濃度等が受け入れ許容範囲内となっているか確認を行う。
3社は今回の東京都の採択事業を弾みとして、SAFのサプライチェーン構築に向けた事業展開を加速させるとともに、2025年に国産SAFを供給できる体制を整えていく。

第一交通産業など 再生エネ活用の次世代タクシー営業所の運用開始

第一交通産業(本社:福岡県北九州市)、三菱オートリース(本社:東京都港区)、三菱商事(本社:東京都千代田区)は7月31日、第一交通産業の子会社、北九州第一交通の門司営業所と門司港営業所を中心に電気自動車(EV)、太陽光発電設備およびエネルギーマネジメントシステムを導入し、EV中心の次世代型タクシー営業所の運用を開始したと発表した。
3社は門司営業所にEV12台、充電器、太陽光発電システムおよびエネルギーマネジメントシステムを、門司港営業所にはEV6台と充電器を導入する。同事業は地域交通の維持・発展、並びにタクシー事業の低・脱炭素化に向けた取り組みの一環。

パナソニックHD 届出制に基づく自動配送ロボの運用開始

パナソニックホールディングスは8月1日、2023年4月1日施行の改正道交法に規定された遠隔操作型小型車における届出制に基づく自動配送ロボットの運用を2カ所で開始したと発表した。これは、ラストワンマイル配送の課題を解決するためのサービスの実証。
7月31日から神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンで、8月1日から東京都千代田区丸の内でそれぞれ開始した。届出性に基づく自動配送ロボットの運用は日本初。

大和ハウスとNTTコム 物流施設のドローン活用の無人点検で協業

大和ハウス(本社:大阪市北区)とNTTコミュニケーションズ(本社:東京都千代田区)は7月27日、大和ハウスが開発したマルチテナント型物流施設で、ドローンとAI(人工知能)の先進技術を活用した定期点検を無人化するシステムを導入すると発表した。8月1日より協業を開始する。

大林組 100%バイオディーゼル燃料の活用で実証実験

大林組(本社:東京都港区)は7月13日、自社施設や一般家庭などから出た廃食用油を回収、100%バイオディーゼル燃料(以下、B100燃料)に精製し、同社が手掛ける2025年大阪・関西万博の建設工事で稼働する建設機械の燃料として活用する実証実験を行うと発表した。
この実証実験では松林(本社:京都府宮津市)、西尾レントオール(本社:大阪市)と協働し、大林組大阪本店および西日本ロボティクスセンターの食堂で使用した食用油を回収し、一般家庭などから出た廃食油とともに、製造委託先でB100燃料を精製、松林が配送を担当。大阪・関西万博の大林組が施工を担う工事で、西尾レントオールから借り受ける建設機械(油圧ショベル。発電機)に軽油に代わる燃料として使用する。

パナソニックと大林組 夢洲の万博建設現場の顔認証を導入

パナソニックコネクト(本社:東京都中央区)と大林組(本社:東京都港区)は7月11日、大阪市の人工島・夢洲の2025年万博の建設現場に世界最高水準の技術を応用した顔認証を本格導入したと発表した。
2025年2月末までの工事期間で、敷地面積155haに及ぶ工事エリアに入退場する、原則すべての建設作業員および工事関係者を顔認証する。ピーク時には1日5,000人以上の顔認証利用を想定している。工事全体の効率的な管理と確実な当人認証を両立し、建設作業員にとってもヘルメットやマスクを装着しながらスムーズな現場への入退場を可能にする。