積水化学 ペロブスカイト太陽電池をビル外装に実装 国内初

積水化学は10月5日、大阪本社(所在地:大阪市北区)が入居する堂島関電ビルに国内で初めてフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実装したと発表した。入居するビルは現在、大規模リニューアル工事を実施中で、当該工事に合わせてペロブスカイト太陽電池を壁面に設置することで、ビルの環境負荷低減に加え、ペロブスカイト太陽電池による発電量のモニタリングや経年変化など長期的な品質評価に活用する。

NTTと東大 ドローンの航法精度向上するミリ波RFIDタグ開発

日本電信電話(本社:東京都千代田区、以下、NTT)と東京大学(本部:東京都文京区)は10月2日、共同で周囲環境の情報を伝える標識として機能するミリ波RFIDタグを開発したと発表した。可視光に比べて天候の影響を受けにくいミリ波で読み取れるRFIDを用いることで、暗闇や悪天候による視界不良状況下でのドローンの航法精度を向上させる。
同技術を用いて、将来的には海域や被災地等の情報把握が困難だった未踏領域でも全日全天候下で空から環境を計測し続けるセンサーネットワークを構築し、気象予測や災害対応を高度化する。

石川県能美市で3社が「IoT高齢者見守りサービス」提供 日本初

石川県能美市は10月2日、シャープ(本社:大阪府堺市)、三菱電機(本社:東京都千代田区)およびAIoTクラウド(本社:東京都港区)の3社の協力のもと、同市在住の高齢者100名を対象にした「IoT高齢者見守りシステムサービス」の構築事業を2023年10月に着手し、2024年にサービス開始を目指すと発表した。
今回、同市が採択された「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE2)」の計画に基づき、電子情報技術産業協会(JEITA)とエコーネットコンソーシアムが手掛けるプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤およびエコーネットコンソーシアムが推進するメーカー共通API規格「ECHONET Lite Web API」を活用することで、複数メーカーのIoT家電を対象とした高齢者見守りシステムを国内で初めて構築する。

JR東日本「2024年問題」対応へ 新幹線で大量輸送の実証実験

JR東日本は9月28日、北陸新幹線を使って物流業界の「2024年問題」に対応しようと長野県の農産物を大量に素早く輸送する実証実験を行った。同日は午前7時半ごろ、長野市赤沼にある新幹線の車両センターに、シャインマスカットなどの農産物や精密機械などおよそ700箱が運び込まれ、停車している北陸新幹線の車両に積み込まれた。
今回の実証実験では、乗客を乗せない新幹線が使われていて、乗客がいる場合と比べてどこまで効率的に輸送できるかや、荷捌きのオペレーションを確認していた。JR東日本は大量に素早く輸送できる新幹線による新たな物流体制の構築を視野に、来年度以降の事業化を目指したいとしている。

東洋エンジ インドネシアの地熱の包括利用に係る共同研究で覚書

東洋エンジニアリングは9月29日、PT GeO Dipa Energi(ジオ・ディパ・エナジー、以下、DPE)と、9月20日付で地熱の包括利用に係る共同研究に関する覚書を締結したと発表した。これに基づき、両社は地熱クローズドループ技術をはじめ、地熱熱水に含まれるリチウム等の有価鉱物回収や地熱発電からのグリーン水素製造など、地熱包括利用に関する共同研究を行う。地熱発電はベースロードとなる再生可能エネルギーの一つであり、脱炭素社会に向けた取り組みの鍵となる。

大阪ガス 脱炭素へ台湾CPC社とe-メタン導入など共同検討開始

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は9月28日、台湾の国営石油・ガス事業者、台湾中油股份有限公司(以下、台湾CPC社)と、e-メタン導入をはじめとしたカーボンニュートラルに関する共同検討を開始するための契約を締結したと発表した。台湾CPC社におけるカーボンニュートラルに向けた取り組みとして、e-メタンを台湾に導入し利活用する検討や水素、アンモニア、バイオガス等の新エネルギー分野に関する検討を共同で進める。

テラモーターズ EV充電器 25年度までに東京に1,000カ所設置

電気自動車(EV)用インフラを手掛けるテラモーターズ(本社:東京都港区)は9月26日、総事業費100億円超を投じ、2025年度までに東京都内に超急速充電器を1,000カ所設置すると発表した。都内のエンジン車用ガソリンスタンド(GS)とほぼ同数の拠点を設置し、都内におけるEV社会に求められる環境を整え、EVユーザーの利便性を高める。今回披露した超急速充電器はわずか6分の充電で100km走れる高性能という。

高齢者と遠隔家族をつなぐデジタル同居サービスの研究開発開始

パナソニックホールディングス(本社:大阪府門真市)は9月26日、国際医療福祉大学、善光総合研究所(本社:東京都港区)とともに、高齢者と遠隔家族をつなぐデジタル同居サービスの研究開発を開始すると発表した。
これは内閣府総合科学技術・イノベーション会議が府省・分野の枠を超えて自ら予算配分し、基礎研究から出口(実用化・事業化)までを見据えた取り組みを推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期(2023〜2027年度)における「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」課題の研究テーマの一つとして採択されたもの。
老親(高齢者)と離れて暮らしている家族とがデジタル技術を用いて、あたかも同居しているようなつながりを実現し、高齢者の孤独感や遠隔家族の負担を軽減、双方のWell-being-最大化を目指す。

ソフトバンクと東大 量子コンピューターの社会実装で共同研究

ソフトバンク(本社:東京都港区)と東京大学(所在地:東京都文京区)は9月20日、量子コンピューターの社会実装に向けた共同研究を開始したと発表した。これに伴いソフトバンクは東京大学が運営する「量子イノベーションイニシアティブ協議会」(以下、QII協議会)に加盟した。
今回の産学連携により、密に情報交換を行うことで量子ビット数増加の効果と、それによって解決可能になる課題の検証など、ソフトバンクが進めている量子コンピューターの社会実装に向けた研究をより一層加速することを目指す。

メディカロイド 手術支援ロボS シンガポールで販売承認取得

メディカロイド(本社:神戸市中央区)は9月20日、シンガポール現地法人Medicaroid Asia Pacific Pte.Ltd.が、手術支援ロボットシステム「hinotori(TM)サージカルロボットシステム」(以下、hinotori(TM))について、9月13日付でシンガポールの健康科学庁より販売承認を取得したと発表した。
hinotoriは国産の手術支援ロボットシステムとして2020年8月に厚生労働省より製造販売承認を取得」。以来、国内の臨床現場での実施症例は2,000例以上に上っている。

茨城県つくば市で”断層のずれ”再現する実験装置が完成

茨城県つくば市の防災科学技術研修所に、地震を引き起こす”断層のずれ”を再現する実験装置が完成した。これは長さ7mほどの2つの岩石を重ねて圧力を加えるなどしてつくった装置。9月12日に公開された実験では垂直方向などから最大300トンの圧力を加え、1分40秒の間に1ミリ滑る、断層のずれを再現した。
同研究所では、装置は世界最大規模で今後、蓄積したデータからより詳細な地震のメカニズムの解明につなげたいとしている。

ホンダ BMW, フォードと北米でEV活用のエネルギーサービス新会社

ホンダは9月12日、米国現地法人、アメリカン・ホンダモーターとBMWグループ、フォード・モーターの3社がEV(電気自動車)を活用し、電力ネットワーク安定化に貢献するエネルギーサービスを提供する新会社「ChargeScape(以下、チャージスケープ)」の設立で合意したと発表した。3者均等での出資を予定しており、2024年初の稼働開始を予定。
新会社は、複数の自動車メーカーと米国およびカナダ内に数多く存在する電力会社とを結ぶ共通の情報プラットフォームを構築、提供する。これにより各自動車メーカーのEVが電力ネットワークと効率よくつながる、台数規模を生かした幅広い調達力で電力ネットワークの安定化を目指す。

JERA マイクロソフトと提携 発電所の運営をAIで効率化

火力発電を中心とする電力会社、JERAは9月11日、米マイクロソフトと提携したと発表した。生成AI(人工知能)を使い、熟練運転員の知見や経験を若手が活用できるようにする。発電所の運営を効率化して、現在より3割少ない人員でも安定して電気を供給する体制を整える。2024年度からまず姉崎火力発電所(所在地:千葉県)で運用し、効果を検証したうえで他の発電所にも広げる。

NEC 共同輸配送プラットフォームの運用実証を開始 4社が参加

日本電気(本社:東京都港区、以下、NEC)は9月12日、複数企業の荷物を同一トラックで運ぶ共同輸配送の取り組みを容易かつ効率的に実現するため、デジタル技術を活用した共同利用型の「サービスプラットフォームの運用実証を、2023年9月から2024年3月まで実施すると発表した。同実証には花王、日通NECロジスティクス、三井倉庫サプライチェーンソリューション、横河電機が参加する。
これにより、AIを活用した共同輸配送のグループ候補の自動抽出や、条件調整および最適化による運行計画の自動作成などを行い、デジタル技術の活用と輸送オペレーションの両面から運用上の課題点の抽出や検証を行う。

大阪モノレール 24年春より全18駅でカード等のタッチ決済乗車へ

大阪モノレールなど6社は8月31日、2024年春より大阪モノレール全18駅でクレジットカード等のタッチ決済による乗車を開始すると発表した。大阪モノレール(本社:大阪府吹田市)、三井住友カード(本社:東京都江東区)、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(本社:東京都千代田区)、ジェーシービー(本社:東京都港区)、日本信号(本社:東京都千代田区)、QUADRAC(本社:東京都港区)の6社が参画する。
大阪モノレールは、日本のモノレールで一番長い総延長28km・18駅を結び、1日13万人の顧客に利用されている。大阪空港駅は、大阪国際(伊丹)空港に直結しており、空港利用者の空の玄関口となっている。

三井物産等 大阪臨海工業地帯拠点の水素・アンモニア供給網で協働

三井物産など4社は8月30日、大阪の臨海工業地帯を拠点とした水素・アンモニアサプライチェーンの構築に向け共同検討することで覚書を締結したと発表した。三井物産のほか、三井化学、IHI、関西電力の4社が参画する。
この覚書に基づき、大阪の臨海工業地帯でのアンモニアの受け入れ、貯蔵、供給拠点の整備などに関する検討や、関西・瀬戸内地域での利活用先の拡大に向けた調査などに取り組む。

東武鉄道と日立 生体認証の共通プラットフォーム立ち上げで合意

東武鉄道と日立製作所は8月29日、安全で手軽な決済、ポイント付与、本人確認などを可能にする生体認証を活用したデジタルアイデンティティの共通プラットフォームを2023年度中に立ち上げることで合意したと発表した。
同プラットフォームは、スマートフォンやICカードを用いることなく、デジタル空間に保存されている個人の属性情報であるデジタルアイデンティティに、生体認証を活用して安全にアクセスすることで、業種を横断して決済、ポイント付与、本人確認などのサービスをワンストップで実現する。第一弾として東武ストアでは、2023年度中に同プラットフォームに対応したセルフレジを複数店舗に導入する。
なお、ジェーシービー(JCB)が生体認証を用いた決済のガイドライン策定への助言などを通じ、検討に参画する。

NECとNXHD 物流倉庫でのフォークリフトの自律遠隔搬送S開発

日本電気(NEC)とNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は8月28日、2020年10月から開始した価値共創に向けた探索プロジェクトを通じて、物流における商品の運搬や積み下ろしなどフォークリフトを活用した倉庫内の作業の効率性と安全性を向上させる自律遠隔搬送ソリューションを共同で開発したと発表した。
同ソリューションはアクチュエータ、カメラ、センサなどを既製のフォークリフトに後付けすることで、シミュレーションによる状況に応じた搬送ルートの自動設計や安全性を確保したフォークリフトの自律遠隔搬送を可能とする。今後両社は同ソリューションの早期事業化を目指す。

日置電機とマクニカ 脱炭素で自動運転EVバス導入へ実証運行

電気計測器開発、生産、販売でサービスのHIOKI(日置電機、本社:長野県上田市)と、サービス・ソリューションプロバイダーのマクニカ(本社:横浜市)は8月29日、カーボンニュートラルを目指し、自動運転バスの導入に向け、HIOKI本社工場(所在地:長野県上田市)とその周辺の公道で、自動運転EVバスの実証運行を開始すると発表した。
実証運行は8月29〜9月2日(HIOKI社員向け)、9月8〜9日(上田市民向け)、実証運行時間は10時〜16時。実証運行には上田市、上田電鉄、上田バス、千曲バスが協力する。

帯広ガスとエア・ウォーター バイオメタン活用の都市ガスで実証

帯広ガス(本社:北海道帯広市)とエア・ウォーター(本社:大阪市中央区)は8月22日、北海道十勝地方の未利用バイオマス、家畜ふん尿から製造した液化バイオメタン(以下、LBM)を、帯広ガス供給区域の都市ガスとして利用する実証を行ったと発表した。7月19日に帯広市全域(大空町を除く)で実施した。
都市ガス利用の個人・一般顧客にLBMを供給するのは国内初の試み。LBMは、バイオガスをメタンと二酸化炭素に分離し、そのメタンを液化したものであり、既存の供給システムをそのまま活用することが可能という。