日本特殊陶業ドローン活用の整備工場への部品配送で実証

Niterraグループ、日本特殊陶業(本社:名古屋市東区)は1月23日、フタバ(本社:熊本市)とTOMPLA(本社:新潟市)とともに1月15〜18日、熊本県御船町で自動車整備業界が抱える課題の解決とカーユーザーの利便性向上の可能性確認を目的として、自動車整備工場への部品配送をドローンで行う自動車整備業界初の実証実験を実施したと発表した。
自動車補修部品のサプライチェーンが抱える課題に向き合い、今後さらなる技術革新が期待されているドローンを活用し、一人の操縦士が複数のドローンを操作することで、少ない人員による安価なドローン配送システムをつくりあげること、また渋滞や地形に影響されない直線飛行によるスピーディーな自動車修理実現に挑戦していく。

岩谷産業 福島水素混合LPガス導管供給事業がNEDOに採択

岩谷産業は1月22日、相馬ガスホールディングス(本社:福島県南相馬市)、相馬ガス(本社:福島県南相馬市)と共同で、南相馬市の集合住宅80戸を対象に進めている水素混合LPガス導管供給実証事業が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/地域モデル構築技術開発」に採択されたと発表した。
同実証事業は、相馬ガスが供給しているLPガス事業エリアに使用可能な割合で水素を混合させて同感供給するもの。水素混合LPガスの供給は2025年1月までに開始を予定。助成事業期間は2026年3月まで。この事業での供給実績や得られた知見を通し、水素LP混合ガス事業の他の国内エリアへの拡大に向けた検討を行う。

群馬・前橋市で自動運転レベル4による路線バスで実証

MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損保およびMS&ADインターリスク総研と、日本モビリティの3社は1月22日、群馬県前橋市内で2月5日から実施される自動運転レベル4による路線バスの営業運行に向けた実証実験に参画すると発表した。実施期間は2月5日〜2月29日。上毛電鉄 中央前橋駅〜JR前橋駅間の往復(片道1km)。約1カ月間の安定運行と社会受容性の向上を検証する。

NEC 全国5自治体で自動運転支援路車協調Sの実証開始

NECは1月16日、国土交通省道路局の公募「自動運転実証調査事業と連携した路車協調システム実証実験」に基づき、全国5自治体でローカル5GやMEC(Multi-access Edge Computing)、路側に設置した4Kカメラを組み合わせて自動運転を支援する路車協調システムの実証を2024年1月中旬から順次開始する。
今回参加する5自治体は茨城県つくば市、群馬県渋川市、新潟県佐渡市、石川県小松市、鳥取市。国交省の公募では全国28自治体が採択されており、NECは今後、5自治体以外での実証も予定してい」。

栗田工業 鎌倉市と使用済み紙おむつの再資源化で協定

栗田工業(本社:東京都中野区)は1月16日、神奈川県鎌倉市との間で、同市が推進する使用済み紙おむつの再資源化の実現に向け、「使用済み紙おむつ資源化の推進に関する協定書」を1月10日に締結したと発表した。この協定に基づき同社は使用済み紙おむつ分別処理装置「クリタサムズシステム(R)」を活用した実証実験を開始する。
この装置は、従来焼却処分されていた使用済み紙おむつを殺菌・洗浄・分解し、プラスチック類とパルプ類に分別することにより、再資源化を可能にする。これにより、廃棄物量や焼却に伴うエネルギー消費量、CO2排出量の削減が見込まれる。

パナソニック スマートテレビでAmazon Fire TVと協業

パナソニックエンターテインメント&コミュニケーション(本社:大阪府守口市)は1月9日、Amazon.com Services LLCとFire TVのライセンス契約および両社の協業に合意したと発表した。これにより放送、録画、ストリーミングサービス、アプリ、ライブチャンネルなどあらゆるコンテンツとの出会いや楽しみ方を、一人ひとりに最適化されたホーム画面を備えたスマートテレビとして提供していく。

KDDIスマートなど 島根・津和野でドローン配送実証実験

島根県津和野町、KDDIスマートドローン(本社:東京都港区)、NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村)は12月25日、島根県津和野町で19〜21日、地域課題解決に向けたドローン実証実験を実施したと発表した。この実証は、池村地区で食料品や日用品などをドローンの配送を行うことにより「買い物難民」の課題解決を検証。また、災害時の道路の寸断時の緊急物資配送を想定し、非常食や防災用品をドローンの配送を行うことによる「災害時の孤立地域発生」の課題解決について検証を行った。

ホンダ トクヤマと実証 データセンター電源に水素電池 

ホンダは12月25日、化学大手トクヤマと連携し、データセンター向け電源に水素燃料電池を使う実証実験をを始めると発表した。車載用の使用済み燃料電池を定置用蓄電池に転換して使う可能性を探る。同実証実験はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業に採択されている。実証機関は2023年度から2025年度までで、事業性などを検証する。

日立 現場データ収集,生成AI活用の「現場拡張メタバース」

日立製作所は12月18日、現場データの収集技術や生成AIを活用して開発を進めてきた技術を組み合わせ、産業分野での活用を想定した「現場拡張メタバース」を発表した。同社は日立GEニュークリア、日立プラントコンストラクションと連携、原子力発電所をはじめ、様々な産業領域の顧客企業と協力し、現場作業を効率化することでグローバルな社会インフラの持続可能な運用や管理に貢献していく。

「ライドシェア」24年4月から開始 全面解禁は議論継続

岸田首相は12月20日開いたデジタル行財政会議で、一般ドライバーが有償で顧客を送迎する「ライドシェア」を2024年4月に条件付きで開始すると表明した。タクシー会社が運行管理し、車両不足が深刻な地域や時間帯に絞って限定解禁する。政府は、アプリ事業者らの新規参入を含む全面解禁の議論は継続し、2024年6月までに結論を出す。

ANA, Joby. 野村不 空飛ぶクルマの離着陸場開発で覚書

ANAホールディングス(本社:東京都港区)、Joby Aviation(本社:米国カリフォルニア州Santa Cruz、以下、Joby)および野村不動産(本社:東京都新宿区)は12月8日、日本における電動エアモビリティeVTOL(空飛ぶクルマ)の離着陸場(以下、バーティポート)開発に向けた共同検討に関する覚書を締結したと発表した。3社は日本国内の都市部を中心とした利便性の高いバーティポート開発に向けた事業的・技術的検討、社会受容性を得るための取り組み、戦略的パートナーシップ構築に向けた検討等を進めていく。

KDDI, JALなど 医薬品をドローンのレベル4飛行輸送実証

KDDI(本社:東京都千代田区)、KDDIスマートドローン(本社:東京都港区)、日本航空(本社:東京都品川区、JAL)、JR東日本(本社:東京都渋谷区)、ウェザーニューズ(本社:千葉市)、メディセオ(本社:東京都中央区)は12月8日、東京都西多摩郡檜原村で12月14〜20日まで、日本で初めて医薬品をドローンのレベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)で輸送する実証を実施すると発表した。
この実証は、東京都の「ドローン物流サービスの社会実装促進に係る実証プロジェクト」に基づき、都内におけるドローン物流サービスの早期の社会実装を目指すもの。西多摩郡檜原村の、檜原診療所と特別養護老人ホーム、桧原サナホームの往復約4.8kmを結ぶ。

日本調剤 ドローン・地上配送ロボ連携による個宅配送実証に協力

全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤(本社:東京都千代田区)は12月7日、ダイヤサービス(本社:千葉市)を実施主体とした共同企業体が実施する千葉市におけるドローンと地上配送ロボットが連携して医薬品をマンション個宅まで運ぶ実証実験の実施に協力すると発表した。これは国土交通省の補助事業「無人航空機等を活用したラストワンマイルの配送実証事業の一環。
報道機関向け公開実験日は12月20日、12時〜13時30分(予備日、12月22日)。実証場所は幕張ベイパーククロスタワー&レジデンス(マンション内外)および若葉3丁目公園。千葉市のドローン宅配構想として、東京湾臨海部の物流倉庫から幕張新都心まで東京湾上空飛行を行い、海上から花見川を遡上し、若葉住宅地区のマンション個宅の玄関前まで配送することを目指している。

タカラバイオ 等温核酸増幅法による遺伝子の迅速検出試薬を発売

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は11月29日、等温核酸増幅法による遺伝子の迅速検出が可能な試薬(研究用)を、12月18日より販売すると発表した。ウイルスや細菌の検査で広く用いられているPCR法が、結果が得られるまでに一般的に1時間以上要するのに比べ、この等温核酸増幅法では15〜30分間で結果が得られるという。DNA、RNAいずれも検出可能。希望小売価格は100回分で5万円、500回分で20万円(いずれも税別)。

センコーG HD アパレルと協働 一体物流活用の資源循環事業

センコーグループホールディングス(本社:東京都江東区)は11月29日、大手アパレル3社と協働、12月1日から本格的に廃プラスチックの回収・再生する資源循環事業に本格的に乗り出すと発表した。
同社はこのため8月1日からグループの一体物流輸送網を活用し、効率的に廃プラスチックを回収し、再生する資源循環プラットフォームの実証事業を約4カ月間にわたり実施。この結果、推進した枠組みで事業としての採算性が確保できることを確認できたとしている。
協力するアパレル企業はオンワード樫山(本社:東京地中央区)、三陽商会(本社:東京都新宿区)、シップス(本社:東京都中央区)。参加企業はセンコー商事(本社:東京都江東区)、東京納品代行(本社:千葉県市川市)、アクロストランスポート(本社:東京都江東区)、テラレム(本社:東京都中央区)、豊通ケミプラス、ナクシス(本社:東京都渋谷区)など。回収対象は納品時のハンガーカバー、ニット・カットソーなど包装プラスチック(透明PE)。

JAPEXなど3社 マレーシアのCCS事業化でペトロナスと基本契約

石油資源開発(本社:東京都千代田区、以下、JAPEX)、日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)および川崎汽船(本社:東京都千代田区)の3社は11月20日、マレーシア国営エネルギー会社ペトロナスの子会社PETRONAS CCS Ventures SDN BHD(以下、PCCSV)と、マレーシアにおけるCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素の回収・貯留)の事業化実現に向けた検討の実施に合意し、4社による基本契約を9月22日に締結したと発表した。
今後、2024年の基本設計開始と、その後の建設作業を視野に入れた具体的な準備作業に着手し、マレーシア国内および日本など海外で回収されたCO2を、2028年末に海底下への圧入・貯留を開始することを目指す。

東京理科大とユーグレナ トマトジュースでユーグレナを培養

東京理科大とユーグレナの研究グループは11月16日、食品として注目されるユーグレナの培養方法について研究を行い、市販のトマトジュースを水で希釈し、ユーグレナの生育に必須のビタミン2種(ビタミンB1、ビタミン12)を添加したのみの培地で、従来の培地と同じくらい良好にユーグレナを培養できることを見出したと発表した。
ユーグレナ含有食品の製造には、培養をはじめ多くの工程が必要。そこで今回の研究では、ユーグレナ含有食品をより安価で簡単に製造する方法を開発するべく、ヒトがそのまま摂取できる飲料中でのユーグレナの培養法を検討した。その結果、13種類の飲料を試験したところ、トマトジュースがユーグレナの生育に最適であることが分かったもの。

東京電力HD 都内再開発ビル全体にペロブスカイト太陽電池

東京電力ホールディングス(HD)は11月15日、積水化学が開発した、折り曲げられる太陽電池「ペロブスカイト型」を都内「内幸町一丁目街区南地区第一種市街地」の再開発ビルに導入すると発表した。同プロジェクトには、第一生命保険、中央日本土地建物、東京センチュリーなども特定目的会社に参画している。
2028年度に完成する地上43階建ての高層ビルの外壁および各階の床と天井の間にできる空間を埋めるようにフィルム型の太陽電池を敷き詰める。発電能力はビル全体で1,000KW超と、一般家庭約300世帯分の電気を賄える規模になる見込み。高層ビルへのこれだけの大規模導入は世界初とみられる。

竹中工務店 万博工事現場に「牽引式モバイルハウス」試験導入

竹中工務店(本社:大阪市中央区)は11月14日、大阪・関西万博の建設工事現場に生産性向上と執務環境の改善を目指した「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」を11月から試験導入したと発表した。
同ハウス導入により、既設の電源や通信設備、または電気や通信のインフラがない場所でも、ソーラーパネルと蓄電池および制御機器からなる自立電源システムと衛星インターネット(スターリンク)の搭載により、自立通信が可能だ。また、ソーラーパネルで発電した電気は蓄電津に充電され、モバイルハウス内の空調設備や事務機器などに必要な電気を供給する。このほか、工事敷地内での移動は、市販の駆動装置(ムーバー)を装備し、リモコンによる低速移動が可能という。
これにより、2024年4月からの時間外労働の上限規制の適用に向け、喫緊の課題となっている建設現場での作業・業務効率向上の要請に応える。

KDDI, やさしい手など 人手不足解消へ対話AI搭載型ロボで介護実証

KDDI(本社:東京都千代田区)、シャープ(本社:大阪府堺市)、日本総合研究所(本社:東京都品川区)、やさしい手(本社:東京都目黒区)の4社は11月13日、シャープのコミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」に対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」(Multimodal Intaractive Care Support System)を搭載した対話AI搭載型ロボットを活用した介護サービスの実証を実施すると発表した。実施期間は11月17日から12月18日まで。
この実証では自宅や、やさしい手が運営するサービス付き高齢者向け住宅で暮らす高齢者の居室に、このロボットを設置。ケアマネジャーの業務である高齢者の健康情報確認のほか、雑談を通じた日常の関心情報の収集が可能。4社はこの実証を通じてロボットによるケアマネジャーなどの業務負荷軽減や高齢者とその家族とのコミュニケーションの活性化への効果を検証し、介護人材不足の解決に貢献する。
「介護の2025年問題」と指摘される2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護人材が不足すると見込まれている。