住友商事,総合車両 フィリピン南北鉄道304両受注

住友商事(本社:東京都千代田区)と総合車両製作所(本社:横浜市金沢区)は3月18日、フィリピン運輸省より、マニラ首都圏と周辺都市を南北に結ぶ南北通勤鉄道の延伸事業向け鉄道車両納入プロジェクト(304両、契約金額約725億円)を受注し、同日契約を締結したと発表した。
同プロジェクトは国際協力機構(JICA)とフィリピン政府との有償資金協力に基づき計画された日本の政府開発援助(ODA)事業。クラークからカランバまでの全線を走る鉄道車両304両(8両×38編成)を設計・製造し、2028年ごろまでフィリピン運輸省への全車両の引渡しを予定している。

スズキ インドで1,5000億円投資 EV生産,電池新工場も

スズキがインドで約1,500億円投資し、電気自動車(EV)と車載用電池を生産することが分かった。インド西部グジャラート州の工場で、2025年をめどに生産を開始する。また、同工場の近隣でEV向けの車載用電池を生産する新工場を建設する計画だ。
2021年公表した中期経営計画では2021~2025年度の5年間の研究開発費を1兆円、設備投資を1兆2,000億円とし、その大部分を電動化関連に充てる予定。
スズキはインド自動車市場でトップシェアを握っており、EVなどの電動車の強化を急ぎ、加速する電動車競争を乗り切りたい考えだ。

東芝 計測距離1.5倍の300mの高性能センサー

東芝(本社:東京都港区)は3月18日、「LiDAR(ライダー)」と呼ばれる技術で、レーザー光の反射を利用して、計測距離を従来比1.5倍の300m先まで伸ばした高性能センサーを開発したと発表した。
ライダーは夜間でも進路の歩行者や車を検知でき、自動運転での採用を見越して各社が研究開発を進めている。カメラとは違って、降雪時や霧の中でも高精度で状況を把握でき、東芝は道路や線路などインフラ監視にも役立てられるとみる。早期に製品化し、拡大する需要を取り込む。東芝は小型無人機(ドローン)やロボット、無人搬送車(AGV)への搭載も想定する。
LiDARの市場規模は急速に拡大しており、2030年には車載用のみで4,200万台/年の市場規模に達すると予想されている。

トヨタ 宮城・福島地震の影響 国内11工場停止で2万台

トヨタ自動車は3月18日、16日に発生した宮城・福島地震の影響で部品調達が困難になり、21~23日に国内工場の一部を一時的に停止すると発表した。停止するのは主力の元町工場(所在地:愛知県豊田市)など11工場18ライン。取引先部品メーカ-が被災したためで、影響台数は約2万台という。

2月の薄型テレビ国内出荷13%減 巣ごもりの反動続く

電子情報技術産業協会(JEITA)は3月18日、2月の薄型テレビ国内出荷台数が前年同月比13.1%減の40万4,000台だったと発表した。減少は8カ月連続。国内市場は小・中型機種を中心に、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要の反動が続く結果となった。
サイズ別にみると、29型以下は前年同月比33.5%減の5万3,000台。30~39型は同8.9%減の8万8,000台、40~49型は同14.2%減の12万1,000台。50型以上の大型機種は同3.5%減の14万2,000台と落ち込み幅が小さい。大型機種が中心で高単価な有機ELテレビは同2.5%増の4万4,000台だった。

タカラバイオ 新型コロナの抗原簡易検査キットの承認取得

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は3月17日、新型コロナウイルスをイムノクロマト法により検出する抗原簡易検査キットの、体外診断用医薬品としての製造販売承認を同日取得したと発表した。同キットは綿棒、検体処理液、テストカセットからなり、綿棒で鼻腔(鼻の入り口から2~4cm程度)を拭った後、採取した検体を検体処理液で処理し、処理液をテストカセットに滴下してから15分で判定できるという。

長谷川工業,YADEA 共同開発の公道走行電動キックボード

はしご・脚立のパイオニアメーカー、長谷川工業(本社:大阪市西区)は3月17日、電動モビリティ販売実績世界一のYADEA(ヤディア)と日本国内の公道で走行可能な電動キックボードのモデル「KSS PRO」を共同開発、3月28日より発売開始すると発表した。主な販売先は、応援購入サービス「Makuake」で、価格は18万2,600円(税込)。
YADEAは電動モビリティを世界80カ国以上で取り扱いがあり、累計5,000万台、4年連続世界一の販売実績を誇る。

トヨタ 月80万台に4~6月世界生産台数を下方修正

トヨタ自動車は3月17日、4~6月の世界生産台数を平均で月80万台程度とする計画を発表した。国内全14工場28ライン中、4月は5工場7ラインで一時稼働停止を実施。4月のグローバル生産台数を75万台程度(国内25万台、海外50万台)を見込む。
半導体不足の影響など現実に即した無理のない計画に見直し、グローバルで15万台程度の見直し行った。今後予想されるリスクを十分反映させて見直し、生産計画の急変を避けることで仕入れ先の負担を軽減する。

JR東日本 東北新幹線の3月中の再開困難 影響大

JR東日本は3月17日、宮城県と福島県で震度6強を観測した地震により被害の大きかった東北新幹線の3月中の全線再開は困難と発表した。
被災したやまびこ223号は福島-白石蔵王間で、全17両中16両が脱線したほか、高架橋などに鉄筋が露出するほどの損傷が見つかっており、点検、修理に時間がかかりそうだ。
東北新幹線は18~21日も那須塩原-盛岡間の上下線で運転を取り止め、その他の区間では本数を減らして運行する。

ANA,JAL 新幹線の代替で東北臨時便を運航

地震による東北新幹線の運転見合わせを受け、航空各社が東北方面への臨時便を増やしている。全日本空輸(ANA)は3月24日まで、日本航空(JAL)は22日までのそれぞれ臨時便の運航を決めた。
ANAは18日に羽田-仙台線で3往復、19~24日には同路線で4往復の臨時便を運航する。JALは18日に羽田・伊丹両空港と仙台や花巻、山形の各空港を結ぶ臨時便を22日まで1日10便以上運航する。18日は18便を運航する。

白物家電 22年度の国内出荷額2兆5,014億円見込む

日本電機工業会は3月17日、2022年度の白物家電の国内出荷額が2兆5,014億円になるとの予測を発表した。前年度比0.2%減だが、過去10年平均の2兆3,451億円を上回る高水準を維持すると見込んでいる。ウィズコロナの生活、テレワークの普及、定着で在宅時間が増え利便性の高い家電類への需要は引き続き高いとみている。

フランスベッド アブラヤシの廃材活用したベッドフレーム

フランスベッド(本社:東京都新宿区)は3月17日、パナソニック(本社;大阪府門真市)が開発した業界初のアブラヤシの廃材を用いた再生ボード化技術「PALM LOOP(パームループ)」を活用したベッドフレーム「LT-101F PL LG」を2022年5月に発売すると発表した。
フランスベッドが加盟している一般社団法人アジア家具フォーラム(本部:広島市)が進めている、家具インテリア業界の持続的発展に向けた、環境保全やSDGsへの取り組みの一環。
フランスベッドは2003年より環境配慮型のマットレスを展開。これに次ぐ環境配慮型の商品として、基幹商品「ライフトリートメント」シリーズから、今回ベッドフレームを展開することになったもの。ベッドフレーム1台につきパームループボードを40%使用することで、1台あたり500mlのペットボトル約5,740本分と同じ体積に相当するCO2の削減がを期待できるという。年間生産量では約200万本分と同じ体積のCO2削減となる。

JR西日本「うめきた」新駅で最新技術活用し実証実験

JR西日本(本社大阪市北区)は3月16日、大阪駅の北側の梅田貨物駅の跡地に開発が進められている「うめきた」エリアに、2023年春開業する新駅で顔認証システムで改札を通過できるようにするなど、最新技術を活用した実証実験を行っていくことを明らかにした。
同社では、この新駅を「JR WEST LABO」と位置付け、①顔認証システムを取り入れた自動改札の実験②AI(人工知能)を搭載したロボットが駅員に代わって案内役を務める③利用客が環境負荷を軽減するための取り組みを行った場合に、ポイントなどを付与するサービスも検討している。今後、この取り組みに参加する企業などのパートナーを募ることにしている。
新駅は2023年春に開業し、商業施設が入る駅ビルは2025年の大阪・関西万博の開幕に合わせて全面開業する予定。

アダストリア 中国・上海市に物流子会社設立

カジュアルファッションチェーン大手のアダストリア(本社:東京都渋谷区)は3月16日、中国・上海市浦東新区(自由貿易区)に全額出資の物流子会社を設立したと発表した。子会社の名称「賽愛思国際物流(上海)有限公司」。資本金は1億円。中国事業の拡大に向けた物流インフラの強化とグローバルビジネス全体のサプライチェーン(調達・供給網)の効率化を図る。

古河電工 フィリピンの電力海底ケーブル事業を受注

古河電気工業(本社:東京都千代田区)は3月16日、フィリピンの工事会社S.L.Development Construction Corporationとともに、同国の送電事業会社National Grid Corporation of the Philippines(NGCP)より、海底ケーブルプロジェクトを受注したと発表した。
同国セブ島のマンダウエ市とマクタン島を結ぶ海底ケーブルの敷設事業で、受注額は約43億円。2023年の完工を予定。両島の電力需要拡大に応え、安定的な供給体制を整える。

三菱自 120億円投じたタイの先進新塗装工場竣工

三菱自動車(本社:東京都港区)は3月16日、タイ・チョンブリ県のレムチャバン工場で、120億円を投じて建設した新塗装工場の開所式を開催したと発表した。式典にはタイのスリヤ・ジュンルンルアンキット工業相、梨田和也駐タイ日本国特命全権大使らが参列した。タイにおける自動車塗装工場としては最大規模。
新塗装工場は、先進的で環境に優しい技術の導入によって、揮発性有機化合物(VOC)の排出量を従来に比べ50%削減できるほか、逆浸透システムを採用し廃水を50%リサイクルすることで環境負荷に配慮した塗装工場としている。また、太陽光発電パネルへの投資も実施し、年間1,700トン以上の二酸化炭素(CO2)排出量を削減できるという。
安川電機製の塗装ロボット計66台を導入し、下地、中塗り、上塗り、クリアし上げなど塗装工程の90%以上の自動化を実現し、当該作業員は半減した。

3社が「メタン酸化触媒システム」のAiPを取得 世界初

日立造船、商船三井、ヤンマーパワーテクノロジーの3社は3月16日、一般財団法人 日本海事協会より、LNG燃料機関から排出されるメタンを酸化させることでメタンスリップを削減する「メタン酸化触媒システム」に関する基本設計承認(Approval in Principle、以下、AiP)を取得したと発表した。同システムのAiP取得は世界初となる。
これは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発」において、「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」として採択されたプロジェクトの一環。
2021年度から2026年度までの6年間で同コンセプトの設計の実機実証を行うとともに、メタン酸化触媒とエンジンの改良を組み合わせるることで、LNG燃料機関のメタンスリップ削減率70%以上を実現し、LNG燃料船のさらなる環境負荷低減を目指す。

カネカ 高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速

カネカ(本社:東京都港区)は3月16日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発」の助成金交付決定を受け、高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速すると発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、高変換効率と低製造コストとの両立が可能な次世代型太陽電池として、近年世界的に注目されている。日本でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、既存技術では設置が難しい場所への太陽電池の導入に、その軽量性や柔軟性を活かすことができると期待されている。

三井化学 フルステムと幹細胞大量培養用不織布を共同開発

三井化学(本社;東京都港区)は3月16日、フルステム(所在地:沖縄県那覇市)と幹細胞の高密度大量培養に向けた高機能不織布の共同開発を開始したと発表した。両社は、三井化学が培った高分子材料や不織布成形の知見と、フルステムが持つ幹細胞の高密度大量培養技術・装置の知見を合わせることにより、次世代の肝細胞大量培養プラットフォーム技術を共同で開発し、再生医療の発展に貢献していく。

川崎重工 大型ガスエンジンで水素30%混焼技術を開発

川崎重工は3月16日、発電出力5MW以上の大型ガスエンジンにおいて、水素を体積比30%までの割合で天然ガスと混焼して、安定した運用を実現できる燃焼技術を国内ガスエンジンメーカーとして初めて開発したと発表した。
今回開発した混焼技術によって、発電出力や水素混合比率に応じて燃焼状態を適正に制御できるシステムを構築し、このシステムを搭載した単気筒機による実証運転により、水素混焼時でも安定した運用が可能であることを確認した。