トヨタ22年3月期の営業益2.9兆円 日本企業で過去最高

トヨタ自動車が5月11日発表した2022年3月期の連結決算(国際会計基準)は営業利益が前期比36%増の2兆9,956億円だった。2016年3月期の2兆8,539億円(当時は米国会計基準)を上回り、6年ぶりに最高を更新した。同社自身の記録を塗り替え、日本企業で過去最高となった。
売上高は15%増の31兆3,795億円。純利益は27%増の2兆8,501億円となり、2018年3月期の2兆4,939億円(当時は米国会計基準)を上回り、4年ぶりに最高となった。

トヨタ 国内8工場を最長6日間稼働停止 上海市封鎖で

トヨタ自動車は5月10日、新型コロナウイルスの感染再拡大による中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)に伴う部品調達難で、16~21日に日本国内の8工場・14ラインの稼働を最長6日間停止すると発表した。5月の世界生産台数はこれまで75万台程度としていたが、今回の稼働停止の影響で70万台程度となる見込み。

JR東日本10月から山手線で初の営業列車の自動運転実証

JR東日本は5月10日、山手線にATO(自動列車運転装置)を導入すべく、乗客を乗せた列車で自動運転の実証運転を行うと発表した。実証時期は今年10月ごろから2カ月程度の予定。
ATOは線路周辺の機器と列車の相互通信により、列車の加速、減速を制御する。運転台に乗車する人間の操作は基本的に、発車時にボタンを押すだけ。現在地下鉄を中心に普及している。
JR東日本は2021年3月に常磐線各駅停車に初導入。次いで2025年から2030年にかけて、山手線と京浜東北線にもATOが順次導入される計画となっている。
今後、2023年春ごろから、車両をATO対応にする改造工事を開始。2028年ごろまでに導入予定。また列車の制御システムも、信号による閉塞方式から、列車の間隔を相互に検知して制御する「ATACS(無線式列車制御システム)」に切り替えられる予定。

SBロボティクスG 業務用屋内サービス売上世界No.1に

ソフトバンクロボティクスグループ(本社:東京都港区)は5月10日、米国Grand View Research社の調査により、業務用屋内サービスロボット売上世界No.1になったと発表した。
同グループでは2019年に発売したAI清掃ボット「Whiz」シリーズを皮切りに、2021年に配膳・運搬ロボット「Servi」を発売。また、2022年にKeenon RoboticsやGaussian Roboticsとのグローバルパートナーシップを締結し、配膳ロボット「Keenbot」や床洗浄ロボット「Scrubber 50」を提供するなど幅広い業務用屋内サービスロボットを提供している。
現在世界12カ所に拠点を構え、ソフトバンクロボティクスの製品は70カ国以上で活躍しており、Whizシリーズは、世界出荷販売台数が2022年4月に累計約2万台に達している。

三井物産 エフピコと食品容器LSSPI社の全株式取得

三井物産(本社:東京都千代田区)は5月9日、食器容器製造大手のエフピコ(本社:広島県福山市)とともに、東南アジアを中心に機能性食品容器の製造・販売を手掛けるLee Soon Seng Plastic Industries Sdn.Bhd.(リースセンプラスチックインダストリーズ、本社:マレーシア・ジョホール州、以下、LSSPI社)の全株式を親会社のSCGM Bhd.(エスシージーエム、本社:マレーシア、以下、SCGM社)より取得することで合意し、売買契約を締結したと発表した。総取得価額は約160億円で、出資比率は三井物産60%、エフピコ40%。
両社は、三井物産の東南アジア地域における出資・提携先を活用した販売拡大に加え、エフピコが持つ生産効率向上ノウハウや各種製品開発技術を導入することにより、安全・安心と市場ニーズに対応する形で環境にも配慮した製品開発を推進する。これにより、LSSPI社のさらなる成長と、食品容器を通じたアジアの食生活やその利便性向上による豊かな社会を創造する企業に向けて取り組んでいく。

商船三井 LNG燃料自動車船4隻の追加建造決定

商船三井(本社:東京都港区)は5月9日、日本シップヤード(本社:東京都千代田区)および新来島どっく(本社:愛媛県今治市)との間で、環境負荷の低いLNG(液化天然ガス)を主燃料とする7,000台積み自動車船4隻の新造船建造について合意したと発表した。
これは2024年に竣工予定のLNG燃料自動車船4隻に続く第二弾となり、2024年から2025年にかけ順次竣工する予定。この結果、商船三井が建造を決定しているLNG燃料自動車船は計8隻となる。
商船三井グループは、2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目指し、2030年までにLNG燃料船を約90隻投入する予定。

大和PIパートナーズ シンガポールに現地法人設立

大和証券グループの大和PIパートナーズ(本社:東京都千代田区)は5月9日、シンガポールに現地法人「Daiwa PI Partners Singapore Pte.Ltd.」を設立し、営業を開始すると発表した。東京本社とシンガポール現地法人が連携し、東南アジアにおける投資活動をより一層強化していく。成長著しいアジアにおいて増加しているユニコーン企業をはじめとした未上場の成長企業への投資機会の獲得に努める。

中国 日系自動車企業 4月新車販売大幅減 コロナ響く

中国の日系自動車メーカーの4月新車販売が軒並み大幅減となった。トヨタ自動車の中国法人、豊田汽車(中国)投資は5月9日、4月の新車販売台数が前年同月比30.7%減の11万1,100台だったと発表した。このほか、ホンダの中国法人、本田技研工業(中国)投資は4月の新車販売台数が同36.3%減の9万5,216台、日産自動車の中国法人は同46.0%減の6万9,262だったと発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大により、半導体不足に加え、上海市のロックダウン(都市封鎖)やサプライチェーン(調達・供給網)が混乱し、中国各地の工場の稼働停止や生産調整などが影響した。

海運大手 記録的利益 日本郵船業界初の純利益1兆円超え

日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社の2022年3月期決算は、いずれも記録的な利益を計上した。コロナ禍による運賃の高騰が続いたことなどが、その要因。ただ、各社とも今の利益水準が長くは続かないとみている。
日本郵船の純利益は1兆91億円で、これまでの過去最高だった前年の1,392億円の7.2倍。海運業界での純利益1兆円越えは初とみられる。商船三井は7,088億円、川崎汽船は6,424億円の純利益を計上し、それぞれ過去最高額の3.7倍、5.9倍になった。

新電力小売 ISエナジーが破産手続き 価格高騰で

新電力の小売事業を手掛けていた大阪の会社、ISエナジー(所在地:大阪市中央区)が4月28日で事業を終了、利用客に対して他の電力会社への切り替えを促していたことが分かった。エネルギー価格の高騰に伴い、電力の調達コストが想定を超える幅での上昇により、採算が悪化事業継続が困難と判断した。このため4月28日、大阪地裁に破産手続きの開始を申したてた。負債総額はおよそ5億7,300万円に上る見込み。東京商工リサーチによると、新電力の会社が破産手続きの開始を申し立てるのは、今年に入って全国で2例目となる。

スシロー 10月から最低価格を1皿120~150円に

回転寿司チェーン最大手「スシロー」を運営するFOOD &LIFE COMPANIESは5月9日、10月から主力の「まぐろ」や「サーモン」などの最低価格を1皿120~150円(税込み)に引き上げると発表した。1984年の創業以来、税抜きで1皿100円としてきた最低価格を改定するのは初めて。原材料価格や輸送費の上昇や円安などを受け、価格を維持するのは難しいと判断した。
地域ごとの立地に合わせ「郊外型」「準都市型」「都市型」と3つに分類している各舗の最低価格を見直す。1皿の税込み最低価格は、郊外型で110円から120円に、準都市型は121円から130円に、都市型は132円から150円に引き上げる。
また、高価格帯のメニューもタイやホタテ貝柱などを10月から郊外型の店舗では、税込みで現在165円の皿は180円に、大トロやアワビなどを330円の皿は360円にそれぞれ改定する。

日本海洋掘削 マレーシアの海域掘削工事を受注

日本海洋掘削(本社:東京都台東区)は5月6日、マレーシアのサラワク沖海域の掘削工事案件を受注したと発表した。作業期間は4坑ファーム+6坑オプションで、2022年第3四半期に作業開始の予定。
今回の案件は、マレーシアのNABA Drilling Sdn.Bhd.(NABA社)が、同国の石油会社PETRONAS Carigali Sdn.Bhd.(PCSB社)より受領した発注内示に基づき、サラワク沖で実施される工事案件について、日本海洋掘削の連結子会社Hakuryu5,INcおよびNABA社がPCSB社に対し、セミサブマーシブル型リグ「HAKURYU-5」を使用する掘削業務を提供することに合意したもの。

建材の岡部 ジャカルタに資材仕入れ販売の新会社

金属建材メーカー、岡部(本社:東京都墨田区)は、インドネシア・ジャカルタ特別州に建設資材の仕入れ販売等を手掛ける新会社「PT.Okabe Hardware Indonesia」を4月28日付で設立したと発表した。資本金は1,250億ルピア。ASEANの中でも人口増加やGDP成長が著しく、購買力が高まるインドネシアでのさらなる事業展開を図る。

日本光電 インドに検体検査試薬の新工場を設立

医用電子機器を手掛ける日本光電(本社:東京都新宿区)は5月6日、約11億円を投じ子会社の日本光電インディアが、インドハリヤナ州で検体検査試薬の新工場を設立すると発表した。新工場の土地面積は約1万6,135㎡、床面積は現工場の約4倍の約8,900㎡。2024年春稼働開始の予定。
インドにおける検体検査機器の設置が拡大し、試薬の需要が増加傾向にあることから、新工場を設立し生産能力の増強を図る。

SBI シンガポールSC Venturesと業務提携で合意

SBIホールディングス(本社:東京都港区)は5月6日、世界的な総合金融グループ、Standard Chartered Bank(本社:英国、以下、SCB)のベンチャー投資&インキュペーションユニット、SC Ventures(本社:シンガポール)と業務提携に向け基本合意書を締結したと発表した。
同社は東南アジアにおける事業展開に強みがある一方で、影響力の弱い南アジア、中東、アフリカ地域に関して、SC Venturesとの提携に基づくグローバルアライアンスを構築し、事業拡大を図る。

トヨタG3社が インドに電動化で800億円超投資

インドで四輪車の製造・販売を手掛けるトヨタ自動車の子会社、トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)は5月7日、インドのトヨタグループ2社とともに、脱炭素に向け電動車関連で今後480億ルピー(約810億円)を投資すると発表した。インド政府がEV(電気自動車)の普及を掲げる方針に沿って、生産拠点のある南部カルナタカ州内のグループ3社の電動車部品の既存工場などが主な投資対象。

大京 全駐車区画にEV充電コンセントを標準仕様化

大京(本社:東京都渋谷区)は5月6日、今後開発する分譲マンションでは、ユビ電(本社:東京都渋谷区)の「WeCharge」の導入により、電気自動車(EV)充電コンセントを、空配管を含め全駐車区画に標準設置することを決めたと発表した。
同社では2010年より、開発する分譲マンションで駐車区画数の10%にEV充電コンセントを標準設置している。今回業界初の取り組みとして、設置率を50%に引き上げ、残りの駐車区画には将来的にEV充電コンセントの増設が可能な空配管を設置することを決めた。これにより、今後は同社開発物件の駐車区画すべてでEV充電を利用できる。

AGC 1,000億円超投じタイでクロール・アルカリの能力増強

AGC(本社:東京都千代田区)は5月6日、インドシナ半島におけるクロール・アルカリ事業の統合新社、AGC Vinythai Public Company Limited(2022年7月設立予定)のタイ2拠点の生産能力を増強すると発表した。稼働開始は2025年第1四半期を予定。投資総額は1,000億円以上を見込み、同社グループとして過去最大の金額規模となる。
この設備増強により、同社グループの東南アジアにおけるクロール・アルカリ製品の年間生産能力は、苛性ソーダ164万トン(現在142万トン)、塩化ビニルモノマー(VCM)170万トン(同130万トン)、塩化ビニル樹脂(PVC)160万トン(同120万トン)にそれぞれ拡大する。

JBIC,三井住友銀 エンケイのインド法人に3.6億ルピー融資

国際協力銀行(JBIC)および三井住友銀行は5月6日、エンケイ(本社:静岡県)のインド法人、ENKEIWHEELS(INDIA)LIMITED(以下、EKIN)との間で、総額3億6,000万インドルピーの協調融資を実施する貸付契約を締結したと発表した。内訳はJBIC分2億5,200万インドルピーを限度とし、三井住友銀行分が1億800万インドルピー。この融資はEKINが自動車部品の製造・販売事業を行うために必要な資金に充てられる。
エンケイは、1950年設立の四輪・二輪自動車メーカー向けのアルミホイールの製造・販売を手掛ける中小企業。インドでの事業拡大を企図しており、インドルピー建て融資で支援するもの。