江崎グリコ 40年ぶり社長交代 ASEANで事業拡大 

江崎グリコ(本社:大阪市西淀川区)は3月24日、社長交代を発表した。40年にわたって同社を率いてきた江崎勝久社長(80)が代表権のある会長に退き、長男の悦朗専務(49)が社長に就任する。同社の社長交代は1982年以来40年ぶり。
江崎悦朗社長は今後の運営について「日常的な生活の中で利用していただけるブランドや商品を開発していく」とし、主力の菓子以外にパスタや飲料など日常的に消費される食品に力を入れていく考えを示した。
また、インドネシアで新工場を稼働させるのをはじめ、積極的に東南アジア諸国連合(ASEAN)全体に事業を拡大していく姿勢を強調した。

東洋紡 三菱商事と機能素材事業で海外見据えた新会社

東洋紡(本社:大阪市北区)は3月24日、三菱商事(本社:東京都千代田区)と機能素材事業を手掛ける新会社を設立すると発表した。出資比率は東洋紡51%、三菱商事49%。2023年1月の事業開始を予定。
電気自動車(EV)の普及を支える高機能プラスチックやリチウムイオン電池用の接着剤など、海外での成長が見込まれる分野で商社の知見やノウハウを取り入れる。新会社の売り上げ規模は1,000億円前後を見込む。

塩野義のコロナ飲み薬 政府が承認後100万人分購入で合意

後藤厚生労働相は3月25日、塩野義製薬(本社:大阪市中央区)が開発した新型コロナウイルスの飲み薬の購入について基本合意したと明らかにした。薬事承認されればまず100万人分を確保し、その後も一定数量を調達する。国内企業が開発した軽症者向け飲み薬の購入は、今回が初めて。
塩野義製薬は2月にこの飲み薬について承認申請し、現在は医薬品医療機器総合機構(PMDA)が審査している。

住友商事 ベトナムBRGとの食品スーパー50店舗へ

住友商事(本社:東京都千代田区)は3月24日、ベトナムの複合企業BRGグループと共同展開するベトナムにおける食品スーパー「フジマート」の出店を加速、現在の3店舗を2028年までに50店舗へ増やすと発表した。
住友商事が日本で首都圏を中心に約120店舗を展開する食品スーパー、サミットのノウハウを活用した日本式スーパーマーケットのオペレーションを基盤に、現地のニーズに合わせた商品構成や売場づくり、鮮度管理などを行う。
ベトナムでの売場面積は1,000㎡前後が中心で、新たに出店する地域は主にハノイ市周辺を想定。

クボタ,神鋼など5社 カンボジア上水道事業を受注

クボタの100%子会社のクボタ建設(旧クボタ工建、本社:大阪市浪速区)は3月23日、神戸製鋼グループの神鋼環境ソリューション(本社:神戸市)などとのコンソーシアムが、カンボジア南部カンダール州タクマウ市の上水道拡張事業を受注したと発表した。発注元はプノンペン水道公社(PPWSA)で、受注額は28億8,000万円。
今回同事業を受注したのは既述の2社のほか、北九州の外郭団体、北九州ウォータ-サービス、建設技研インターナショナル(所在地:東京都江東区)、TECインターナショナル(所在地:東京都千代田区)の5社で組織する共同企業体。
DBO(設計・建設・運営)方式で、浄水施設や取水施設の整備、導水管や配水ポンプの設置などを進める計画。処理能力は日量3万㎥。稼働後は約8万人に浄水を供給する。工期は約33カ月間。運営期間は10年。同事業は国際協力機構(JICA)で初の「事業・運営権対応型無償資金協力」の対象事業。」

三菱重工エンジ フィリピン都市鉄道の改修工事完了

三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(本社:横浜市西区)は3月24日、フィリピン・マニラ首都圏の都市鉄道Manila Metro Rail Transit System 3(以下、MRT3号線)のリハビリ(改修)工事を完了したと発表した。住友商事をパートナーとして、2018年12月にフィリピン運輸省から受注したもの。
MRT3号線は三菱重工グループが、住友商事をパートナーにメンテナンスを請け負っていたが、両社の手を離れて以降、システムの老朽化やメンテナンスパーツの調達遅延などにより、同路線の稼働率が低下し社会問題化していた。

2月スーパー売上高6.1%増 巣ごもりで食品好調

日本チェーンストア協会(所在地:東京都港区)が3月24日発表した2月の全国スーパー売上高は(既存店ベース、速報値)は、前年同月比6.1%増と6カ月連続のプラスとなった。オミクロン株の感染急拡大による「まん延防止等重点措置」の適用などで巣ごもり消費が広がり、カップ麺や冷凍食品などが好調だった。食料品は4.4%増だった。中でも惣菜は8.7%増となった。

シャープ 「AIoT」家電を24年度に国内白物の7割に

シャープは3月23日、国内で販売する白物家電について、AI(人工知能)を搭載し、多様な機器を通信でつなぐモノのインターネット(IoT)に対応させる「AIoT」製品を、2024年度に金額ベースで7割以上に高める目標を明らかにした。
AIoT家電を2024年度に白物家電の販売額に占める割合を、国内では現在の30%から70%以上に、米国や欧州など海外では50%以上とするのが目標。
同社のAIoTは、最新の洗濯機では天気や花粉の量などに応じた洗い方の提案や、洗濯が終わったことを冷蔵庫やテレビで通知する機能がある。また、冷蔵庫では音声のやり取りで、購入した食材を登録したり、好みに合うメニューをスマートフォンなどに送ってくれたりする。

みずほFG グーグルとDX分野で提携に合意

みずほフィナンシャル・グループ(FG)は3月23日、金融サービス強化に向けてグーグル・クラウド・ジャパンとデジタルトランスフォーメーション分野における戦略的提携で合意したと発表した。
総合的な金融サービスの提供力と、クラウドサービスの提供力を融合し、新たな金融サービスの協創に「取り組む。グーグルの人工知能(AI)技術を活用して取引データを分析し、それぞれの顧客に合った投資信託などの商品を提案していく。

JX金属 40億円投じタイ拠点の30%以上の生産能力増強

JX金属(本社:東京都港区)は3月22日、電子部品のコンデンサーや半導体の配線材料に使われる機能性タンタル粉末の増産に向けて、総額40億円を投じタイの関係会社TANIOBIS GmbHが、操業する工場の生産能力を増強すると発表した。これにより生産能力を現行より30%以上高める。2025年をめどに順次、新体制で稼働を予定。
今回の設備投資計画では、生産能力の増強を図るとともに、分析棟を新設することで品質管理体制の強化を図る。また、開発・試作に関する関する設備を新設し、顧客のニーズに迅速に応える体制を強化していく。

三菱自 商用EV普及へデータ管理でDeNAと協業

三菱自動車(本社:東京都港区)は3月23日、商用の電気自動車(EV)の普及に向け、IT大手ディーー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、以下、DeNA)と協業すると発表した。両社は物流車両、営業車、自治体の公用車、カーシェア・レンタカーなどを対象に、EVの走行データをDeNAが管理し、効率的な使い方や車載電池の劣化の予測などに役立てる。

三井不動産「ららぽーと高雄」23年着工,26年開業

三井不動産(本社:東京都中央区)は3月23日、台湾・高雄市鳳山区でリージョナル型ショッピングセンター「三井ショッピングパークららぽーと高雄」(仮称)を開発すると発表した。2023年の着工と2026年の開業を目指す。
敷地面積は約4万3,000㎡、駐車場を含む延床面積は約19万7,000㎡、店舗面積は約7万4,000㎡。地上6階、地下1階建てで、店舗数は約250店舗を予定。日系を含むファッションブランドや飲食店、フードコート、大型専門店やエンターテインメント施設を導入する。
台湾におけるららぽーとは3施設目で、同社が台湾で展開する6施設目の商業施設となる。

ENEOSとトヨタ Woven Cityを起点としたCO2フリー水素を共同で推進   

ENEOSとトヨタ自動車は3月23日、静岡県裾野市でトヨタが建設を進めるWoven City(ウーブン・シティ)で、CO2フリー水素の製造と利用を共同で推進するため、共同開発契約を締結したと発表した。
両社は①ENEOSによるWoven City近隣での水素ステーションの建設・運営②ENEOSが水素ステーションに設置する水電解装置で再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)を製造し、Woven Cityに供給。トヨタが定置式の燃料電池発電機(以下、FC発電機)をWoven City内に設置し、グリーン水素を使用③Woven Cityおよびその近隣における物流車両のFC化の推進とFCEVを中心とした水素需要の原単位の検証およびその需給管理システムの構築④Woven Cityの敷地内に設置予定の実証拠点における水素供給に関する先端技術研究-などについて検討する。

住友商事 ベトナムでコミュニティ型サービスインフラの実証

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、住友商事はこのほどベトナム・ハノイ市内のマンションで住民向けのコミュニティ型生活サービスインフラの実証実験を開始した。同社がベトナムの不動産大手BRGグループと進める北ハノイスマートシティ開発での導入を念頭に、子育て世代を主なターゲットとした検証を行う。
実証実験は5月27日まで実施される。マンション共用施設として、子どもが体を動かせる遊び場、気軽に健康診断を受けられる保健室、スキル・知識のシェアができるセミナールーム、健康的なメニューを揃えたカフェを設置。レジャー用品や運動グッズなどのシェアリングサービスも提供する。
国際協力機構(JICA)はこの事業をSDGsビジネス支援事業として採択。博報堂も実証実験に協力する。

丸文 AI搭載介護支援ロボをグローシップ本社ビルに導入

エレクトロニクス商社の丸文(本社:東京都中央区)は3月23日、ビルメンテナンスのパイオニア、グローシップ(本社:東京都港区)と、アイオロス社製AI搭載介護支援ロボット「アイオロス・ロボット」の夜間巡視機能や紫外線除菌機能をサービスとして提供するRaaS(Robot as service)契約を締結し、同ロボットをグローシップ本社へ導入したと発表した。同ロボットのオフィスビルへの導入は今回が初めて。
アイオロス・ロボットはオフィス内でグリッパ-を使った局所的除菌やランプを使った広範囲除菌、そして夜間巡回作業を担う予定。
丸文、グローシップ両社は、今後アイオロス・ロボット活用による清掃サービスや警備サービスの提供についての協業も視野に入れ、労働力不足の解消や生産性向上などの社会的課題の解決を目指す。

熊谷組,住友林業 耐震性の高い木質座屈拘束ブレース開発

熊谷組(本社:東京都新宿区)と住友林業(本社:東京都千代田区)は3月23日、木質材料によって座屈を拘束した鋼製ブレース「KS木質座屈拘束ブレース」を共同開発し、日本ERIの構造性能評価を取得したと発表した。今後この部材をオフィス、商業施設、集合住宅、宿泊施設や生産・物流施設など様々な鉄骨造に加え、中大規模木造建築にも積極導入していく。
KS木質座屈拘束ブレースはLVLと合板を組み合わせた木質の座屈拘束材をもちいて鋼製の芯材を補強、圧縮時にも耐力を損なうことなく変形性能を発揮し、従来の座屈拘束ブレースと同等以上の耐震性能を実現した。

大阪メトロ「オンデマンドバス」4月から運行エリア拡大へ

大阪メトロは3月23日、大阪市内で4月1日から「オンデマンドバス」の運行エリアを北区と福島区に広げていくと発表した。同日、大阪市内で記念の式典が行われた。
オンデマンドバスは、決まった運行ルートがなく、利用者が乗りたい場所や時間をスマートフォンで指定することで、人工知能(AI)が自動でルートを設定するもので、大阪メトロが2021年から生野区と平野区で運行している。
オンデマンドバスを利用するには、まずおよそ300m間隔で設定されているバス停の中から、乗りたいバス停や時間をスマートフォンの専用アプリなどで選ぶ。すると、エリア内を走る最大8台のバスのルートをAIが自動で設定して利用客を迎えに行く仕組み。運賃は1回300円。運行時間は午前6時から午後11時まで。

キオクシア 1兆円規模を投じ岩手にメモリ工場棟建設

キオクシアホールディングス(本社:東京都港区)は3月23日、岩手県北上市に4月から3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH(TM)」工場の新棟建設に着手すると発表した。総投資規模は1兆円規模で、米ウエスタンデジタル社と分担する。経済産業省の補助金の活用も検討する。同棟の建設により、同工場の3次元フラッシュメモリの生産能力は現状の2倍程度に増強される。
新棟の建屋面積は3万1,000㎡で、2023年の竣工と稼働を予定。建屋の建設投資は同社の営業キャッシュフローの範囲内で対応する。地震に揺れを吸収する免震構造を採用するほか、人工知能(AI)を活用した生産システムなども導入する。