NEC 25年万博 店舗決済と入場管理に顔認証システム導入

日本電気(NEC、本社:東京都港区)は5月23日、2025年大阪・関西万博で、会場での顔認証による店舗決済と入場管理に顔認証システムを導入すると発表した。これにより、手ぶら決済による利用者の利便性向上と、なりすまし防止による安全・安心で効率的な万博運営を実現する。
このサービスは生体情報の使用に同意し登録した顧客が利用できるもので、預かった顔画像などの個人情報は日本国内のプラットフォーム内に安全に保存される。

大阪ガス 舞洲工場でメタネーション実証設備の竣工式

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は5月17日、大阪市や大阪広域環境施設組合の協力のもと、大阪市此花区にある同組合のゴミ焼却工場(以下、舞洲工場)の敷地内にメタネーション実証設備の竣工式を執り行ったと発表した。
同事業は再生可能エネルギー由来の水素と地域の未利用バイオマスを活用して製造したe-methane(以下、e-メタン)により、二酸化炭素(以下、CO2)排出量の低減を図り、エネルギー地産地消型モデル構築を目指す。製造したe-メタンを都市ガス機器で利用する。
2024年7月ごろまで舞洲工場で実証を行った後、メタネーション実証設備の移設や試運転を経て、2025年4月から大阪・関西万博の会場内で実証を行う予定。

JR東海,ENEOS,日立 水素動力車両導入へ供給網構築で合意

JR東海、ENEOS(エネオス)、日立製作所の3社は5月16日、JR東海が進める水素動力車両導入に必要な水素サプライチェーン(供給網)を構築することで基本合意したと発表した。エネオスが製造した水素を、JR東海と日立が液体水素などに転換して運搬する仕組みなどを想定している。JR東海は将来的に、ディーゼル車両を水素動力車両に転換して、脱炭素化を推進する考え。

日建設計 脱炭素へ一般建物の構造材木質化技術を公開

日建設計(本社:東京都千代田区)は5月16日、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、建物の床や壁面などにおける構造材を中心に新たな木質化促進技術を開発し、実用化したと発表した。今回開発した技術のうち「木質合成床」「高耐力高靱性型CLT耐震壁」は、すでに設計段階にある商業建物に適用中だ。また、「耐火木材用柱梁接合部」も、適用が必要なプロジェクトであれば導入可能という。
同社の試算では、今回開発した木質合成床や耐火木材用柱梁接合部の技術を用いることで、例えば地上11階の建築であれば、鉄骨造に比べて建物全体で約10%(躯体では約20%)のCO2排出量を削減できる見込み。

飛島建設とナイス 非住宅建築分野の木造化で合弁会社

飛島建設(本社:東京都港区)とナイス(本社:横浜市)は5月15日、非住宅建築分野における木造・木質化の取り組み拡大に向けて同日、合弁会社を設立する契約を締結したと発表した。新会社「ウッドエンジニアリング」(本社所在地:横浜市)の資本金は1億円(出資総額は2億円)で出資比率は飛島建設、ナイス各50%。6月3日付で設立し、9月2日に事業開始の予定。
新会社は両社の持つ強みを融合し、材料調達、事業化提案、設計、施工、管理までワンストップで顧客の要望に応えるとともに、脱炭素社会の実現に貢献する。

日立建機 アタッチメント着脱S受注開始 多用途に活用可能

日立建機(本社:東京都台東区)は5月14日、油圧ショベル1台で多用途に活用できるアタッチメント着脱システム「P-Line(ビーライン)」を、日本国内向けに2024年10月から受注開始すると発表した。対象となる機種は1.7〜40トンクラスの油圧ショベル。
都市土木、解体、管工事など幅広い業種で、P-Lineを活用することでオペレーターは運転席にいながら、1人でアタッチメントを交換し従来、複数の機械や人が担っていた作業を、油圧ショベル1台で行うことが可能になる。これにより、施工現場の安全性や生産性が格段に向上する。

グーグル AI検索サービス開始 処理能力30倍「Gemini」も

米グーグルは5月14日、生成AIを使ったネット検索サービスを開始すると発表した。また、一度に処理できる情報量を30倍に向上させた生成AI「Gemini(ジェミニ)」の最新版の提供も始めることを明らかにした。AIの性能を高めながら、様々な既存の自社サービスと組み合わせ、サービス内容・質の向上を図っていく。

会話型 認知症診断支援AIプログラムの社会実装で3社協業

FRONTEO(本社:東京都港区)、塩野義製薬(本社:大阪市中央区)、スズケン(本社:名古屋市東区)の3社は5月13日、会話型 認知症診断支援AIプログラムの社会実装を目的とし、協業すると発表した。AIモデルを含めたプログラムを運用するFRONTEOと塩野義製薬が主体となって開発を行い、全国の医療機関等との強固なネットワークを保有するスズケンが日本国内で独占的に卸物流を担う。これにより、早期の市場浸透が期待される。

米オープンAI 新型「GPT-4o」を開発 従来の2倍高速に

生成AI「Chat(チャット)GPT」を開発した米新興企業、オープンAIは5月13日、新たに新型AI「GPT-4o(フォーオー)」を開発したと発表した。処理スピードを従来に比べて2倍に高速化した一方、運用コストを半減した。
新しいAIは日本語を含む50の言語に対応し、文字、画像、音声をすべて認識する。人と同じ反応速度で会話ができ、リアルタイムの翻訳も可能という。同社のAIの刷新は、2023年11月に発表した現行の「GPT-4ターボ」以来。

KDDI 米社と資本業務提携 全国1,000カ所にドローン配置

KDDI(本店所在地:東京都新宿区)は5月13日、人工知能(AI)を使った自律飛行型ドローン(小型無人機)開発・製造を手掛けるSkydio(本店所在地:米カリフォルニア州、スカイディオ)と7日、資本業務提携し、災害支援や橋、鉄塔などインフラ点検などを目的に全国1,000カ所にドローンを配置すると発表した。配置が完了すれば日本国内どこでも10分でドローンが駆けつける事が可能になるとしている。ローソンのほか、KDDIへの基地局設置も検討し、災害時に迅速な対応ができるようにする。米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」も活用する。

ソニーG 手術現場用マイクロサージャリー支援ロボ開発

ソニーグループは5月9日、手術器具の自動交換と精密操作が可能なマイクロサージャリー支援ロボットを開発したと発表した。これは、血管や神経といった微小な組織を、顕微鏡などを用いながら処置するマイクロサージャリーの支援を想定し、ソニーの研究開発組織が技術開発のために試作したロボット。「ICRA2024(横浜)」のソニーブースで試作機を初公開する。

東急不 国内初の洋上浮体式太陽光発電の技術実証開始

東急不動産(本社:東京都渋谷区)は5月9日、東京都政策企画局が主導する「東京ベイeSGプロジェクト 先行プロジェクト」に採択された、国内初となる洋上での浮体式太陽光発電の技術実証に向けて、同設備の海面への設置を完了したと発表した。これにより、中央防波堤エリアに設置した設備(約30m×約26m×約6m)での発電、蓄電池への蓄電、蓄電池の運搬・消費の実証実験を開始する。
実証実験は、SolarDuck B.V.(本社:オランダ・ロッテルダム)および京セラコミュニケーションシステムとの連携のもと進められる。

ニコン 高速産業用ロボットビジョンシステムを今秋発売

ニコン(本社:東京都港区)は5月7日、産業用ロボットビジョンシステムを2024年秋に発売すると発表した。同製品は人間の目のように状況を捉えるセンサー(カメラ)と、撮影した対象物を画像処理により認識して判断するエンジン(制御PC)で構成されており、ロボットアームに動体視力と頭脳の機能を付与する。独自のセンシング技術により、高速性・高い認識力・使い勝手の良さを備えており、製造業はじめとする多くの産業で省人化や生産性の向上に貢献する。

札幌市中心部で10階建て耐火木質ビル 住友林業, 熊谷組 

Beppo Corporation(本社:東京都渋谷区)は4月29日、札幌市中心地に地下1階・地上10階建ての耐火木質ビル「木 NINARU BLDG(キニナルビルディング)」(所在地:札幌市中央区)が開業したと発表した。このビルは鉄骨造で上層階には木質ハイブリッド集成材を使用。集成材を耐火被覆して木の温もりが感じられる仕上げとしている。
ビルの設計は主にアトリエオンド一級建築事務所(本社:札幌市中央区)、施工は熊谷組(本社:東京都新宿区)と住友林業(本社:東京都千代田区)がそれぞれ担当した。Beppoはこのビルを、北海道の産業と若者を支援し、新たな出会いや刺激を生み出す拠点にするとしている。

大林組 建設工事でGX建設機械の導入開始 脱炭素化を推進

大林組(本社:東京都港区)は4月25日、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、2024年度より国内建設工事で20t級のバッテリー式油圧ショベルをはじめとしたGX建設機械の導入を開始すると発表した。まず首都圏のトンネル工事でバッテリー式20t級油圧ショベルに続き、これまで採用実績がなかった移動式クレーンなどのGX建設機械の導入も予定している。

武田薬品,アステラス,三井住友銀 日本発医薬品創出で合弁

武田薬品工業(本社:大阪市中央区)、アステラス製薬(本社:東京都中央区)、三井住友銀行(本社:東京都千代田区)の3社は4月22日、日本発の革新的な医薬品の創出に向けた創薬シーズのインキュベーションを行う合弁会社を設立することで基本合意契約を締結したと発表した。新会社の所在地は神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク。資本金(準備金を含む)は約6億円で、出資比率は武田薬品、アステラス製薬が各33.4%、三井住友銀行33.2%。2024年中ごろ設立予定。
新会社は①グローバルの医薬品市場への日本発の革新的な創薬アイデアの展開②グローバルで競争力のある創薬技術のインキュベーションとアントレプレナーシップ(起業家精神)の育成③スタートアップ企業の創出による創薬エコシステムの活性化ーに注力する。

太陽誘電 1回の充電で最大1,000km走行可能な回生電動S

太陽誘電(本社:東京都中央区)は4月22日、1回の充電で最大1,000km走行可能な回生電動アシストシステム「FEREMO(フェリモ)」を開発したと発表した。今回ニデック(本社:京都市南区)が新たに開発した回生システム対応電動アシスト自転車向けモーターを採用。従来モデルと比較して回生電力を30%向上させたほか、太陽誘電の省電力技術や電源制御技術と組み合わせることで、1回の充電で最大1,000kmもの長距離走行を可能にした。

日本ガイシと三菱重 水素・窒素ガスから膜分離で水素精製

日本ガイシ(本社:名古屋市瑞穂区)と三菱重工業(本社:東京都千代田区)は4月18日、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解ガスからの膜分離水素精製システムの共同開発を行うと発表した。
今回の共同開発では、両社がこれまで培ってきた技術と知見を生かし、アンモニアを分解する際に生成される水素と窒素の混合ガスから膜分離方式によって、水素を精製する最適なシステムの構築を目指す。

メディカロイド 手術支援ロボ 胸部外科への適応承認取得

メディカロイド(本社:神戸市中央区)は4月17日、手術支援ロボット「ninotori(TM)サージカルロボットシステム」の胸部外科領域への適応について、4月15日付で厚生労働省より承認を取得したと発表した。
ninotoriは、2020年8月、国産の手術支援ロボットとして、泌尿器科領域における製造販売承認を取得。その後、2022年10月に消化器外科および婦人科にも適応領域を広げ、国内の医療現場で採用されている。今回の承認取得により、対象診療科をさらに拡大、新たな領域で手術をサポートする。

サントリー 東京ガスと水素でウイスキー原酒造りに成功

サントリーは4月11日、東京ガスと共同で燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を燃料に使いウイスキーの原酒造りに世界で初めて成功したと発表した。山崎蒸溜所(所在地:大阪府島本町)の研究開発用の小型蒸留釜で実験した。通常の都市ガスを使った場合と同じ品質の原酒を製造できたとしている。
今後は白州蒸溜所(所在地:山梨県北杜市)で、実際の製造に使う10〜15キロリットル規模の蒸留釜での実施ぃう実験を目指す。