塩野義 コロナ飲み薬で韓国企業とライセンス契約

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は9月16日、開発を進めている新型コロナウイルス感染症の飲み薬について、中国企業との合弁企業、平安塩野義(香港)有限公司(本社:中国・香港)と韓国の製薬大手Ildong Pharmaceutical Co.,Ltd.(本社:韓国・ソウル、イルドン ファーマシューティカルス)との間で、韓国における新型コロナウイルスの飲み薬の緊急使用許可申請および政府購入交渉に関するサブライセンス契約を締結したと発表した。イルドン社は韓国政府との販売交渉も担い、同国向け製造を担当する可能性もある。
塩野義製薬は同飲み薬について、中国当局に承認に向けたデータを提出しているほか、米国にも近く最終段階の臨床試験を始める。

IHI SAFの合成技術でシンガポールISCE2と共同研究

IHI(本社:東京都江東区)は9月15日、持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Aviation Fuel)の合成技術に関して、シンガポール科学技術研究庁の傘下の研究機関、ISCE2(Institute of Sustainability for Chemicals,Energy and Environment )と共同研究を開始したと発表した。
今回の共同研究ではIHIとISCE2が保有する触媒技術を活用して、CO2と水素からSAFの原料となる液体炭化水素を効率良く合成できる技術の開発を進める。

日本製紙,三井化 セルロース配合コンポジット開発で連携

日本製紙(本社:東京都千代田区)と三井化学(本社:東京都港区)は9月8日、木質バイオマス素材「セルロースパウダー」を高配合した新規バイオコンポジットの開発で連携すると発表した。日用品、容器、建材、家電製品、自動車部材など幅広い分野への展開を目指し、製品開発と早期の市場投入を計画している。

理研など光エネルギー再充電可能なサイボーグ昆虫開発

理化学研究所(理研)、早稲田大学、シンガポール南洋理工大学の国際共同研究グループは9月5日、光エネルギーで再充電可能な電源ユニットを含む電子部品を搭載したサイボーグ昆虫を開発したと発表した。昆虫の寿命が続く限り、電池切れを心配することなく、サイボーグ昆虫の長時間かつ長距離の活動が可能という。
今回同グループは厚さ4マイクロメートル(1マイクロメートルは1,000分の1ミリメートル)の柔軟な超薄型有機太陽電池を、接着剤領域と非接着剤領域を交互に配置する”飛び石構造”で昆虫の腹部背側に貼り付け、再充電と無線通信が可能なサイボーグ昆虫を実現。サイボーグ昆虫に実装した有機太陽電池モジュールは17.2ミリワットの出力を達成し、リチウムポリマー電池を充電し、無線移動制御モジュールを操作することができたとしている。
これらの研究は科学雑誌『npi Flexible Electronics』オンライン版(9月5日付)に掲載される。

三井化学.帝人 プラスチックのバイオマス化実現する製品展開へ

三井化学(本社:東京都港区)と帝人(本社:大阪市北区)は8月9日、日本初となるバイオマスビスフェノールA(以下、バイオマスBPA)とバイオマスポリカーボネート樹脂(以下、バイオマスPC樹脂)の市場展開に向けた取り組みを開始すると発表した。
この取り組みは三井化学がISCC PLUS認証(国際持続性カーボン認証)に基づいたマスバランス方式を用いてバイオマスBPAの市場供給を開始することに伴い、帝人が同BPAを用いて同方式によるバイオマスPC樹脂の開発・生産を開始するもの。

クラボウと東大 3Dプリンティング技術で共同研究

クラボウ(本社:大阪市中央区)と東京大学(所在地:東京都文京区)は7月13日、建設業界で問題となっている人手不足や生産性向上という課題解決を視野に、3Dプリンティング技術で共同研究を推進する。両者が4月に交わした共同研究契約に基づき進めている建設用3Dプリンティング技術で、産学連携によるメタマテリアル技術をセメント系材料で確立することを目指すと発表した。
7月から実際に建設用3Dプリンターを用いた造形物を製作するなど取り組みを本格化。造形物の内部構造をデザインして、強度や靭性を高めるなど新たな物性を獲得する研究に注力している。

三井化学とJiksak iPS細胞の高効率培養技術を共同開発へ

三井化学(本社:東京都港区)とJiksak Bioengineering(本社:川崎市幸区)、以下、Jiksak)は7月8日、ヒトiPS細胞由来神経組織の実用化に向けて共同研究を開始したと発表した。三井化学の高酸素透過培養容器の技術と、Jiksakが持つ創製に係る技術を融合させ、創薬分野や再生医療分野などで、今後必要とされる神経組織を、より簡便かつ高効率に培養するための実用化技術の開発を目指す。

ユーグレナ,理研 マレーシア泥炭地から耐酸性の新規藻類

ユーグレナ(本社:東京都港区)、理化学研究所微細藻類生産制御技術研究チームは6月27日、マレーシア工科大学、マレーシア日本国際工科院の研究チームとの共同研究により、マレーシアの泥炭地で採取した微細藻類の中から、脂質を生産する耐酸性の新規藻類、テトラスティココッカスの同定・単離に成功したと発表した。
テトラスティココッカスは酸性および弱アルカリ性のpH条件下で高い増殖率を示し、炭素数が16から18の長鎖脂肪酸を多く蓄積することを確認した。
この研究成果は学術雑誌『Journal of Applied Phycology』(2022年5月22日付)に掲載された。

脱炭素へ高炉使わない製鉄法開発へ 水素でCO2削減

日本製鐵、JFEスチール、神戸製鋼所、一般財団法人金属系材料研究開発センターでつくるコンソーシアムは、高炉を使わず、水素を活用して二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する製鉄法開発に共同で取り組む。これは国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に共同応募し、採択されたもの。

旭化成 EV電池原料にCO2 製造の排出量上回る削減効果

旭化成はリチウムイオン電池の材料を、二酸化炭素(CO2)を原料につくりだす技術を開発した。2023年度に実用化する。製造時のCO2排出量を上回る削減効果を実現できる。
欧州連合(EU)が2027年から排出量が多い電気自動車(EV)用電池の輸入を禁じるなど脱炭素の要請が強まっており、これに応える開発だ。日本経済新聞が報じた。

大阪ガス シェルとメタネーション,水素などで検討

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は6月6日、シェル・イースタン・ペトロリアム社(本社:シンガポール)と脱炭素社会実現に向けたメタネーション、水素、バイオメタン、二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)などの幅広い分野で、実現可能性調査を開始することで基本合意書を締結したと発表した。
また、メタネーション分野では東京ガスを含む3社で共同検討を進めることで合意した。

トヨタ ポータブル水素カートリッジを開発 実証へ

トヨタ自動車と子会社のウーブン・プラネット・ホールディングスは6月2日、手軽に水素を持ち運びでき、生活圏の幅広い用途で水素エネルギーを使用できるポータブル水素カートリッジのプロトタイプを開発したと発表した。プロトタイプのサイズは直径約180mm、全長約400mm、質量は約5kg。
静岡県裾野市で建設を進めるウーブンシティをはじめとした様々な場所での実証を通じて実用化に向けた検討を進める。2022年6月3〜5日、富士スピードウェイで開催されるスーパー耐久シリーズ2022第2戦で、水素カートリッジのプロトタイプの展示を行う。

川崎重工 舶用水素ボイラの基本設計を完了 世界初

川崎重工は5月31日、クリーンなエネルギー、水素を燃料とする舶用水素ボイラの基本設計を世界で初めて完了したと発表した。同ボイラは、これまでのLNG(液化天然ガス)運搬船の建造で培った舶用ボイラの技術やノウハウと、同社が保有する水素燃焼技術のシナジーを活用して開発した。
すでに実用化されている小型の陸用水素ボイラとは異なり、波の揺動や設置スペースの制限が伴う船舶特有の条件や運用面などを考慮した設計となっている。なお、同ボイラを搭載した液化水素運搬船の推進システムについて、一般財団法人日本海事協会から基本設計承認を取得済み。

スズキ 使用済みリチウム電池のリユース技術開発

スズキは5月23日、自動車リサイクル料金の収支余剰金を活用した自社公益事業として、市場の廃車から小型リチウムイオン電池をソーラー街灯用電源に二次利用(リユース)する技術を開発したと発表した。
これまで使用済みとなった小型リチウムイオン電池は、余寿命を残したまま処分されていたが、今回の技術開発により、廃車10台分の電池を1基のソーラー街灯の電源としてリユースすることが可能になる。この技術は将来、発生量が増加する使用済み小型リチウムイオン電池の有効利用に道を開くもの。開発技術は公開することで、技術の普及を図っていく。

帝人F ポリエステルの新リサイクル技術 環境負荷低減

帝人フロンティア(本社:大阪市北区)は5月18日、循環型社会の実現に向け、新たに開発した解重合触媒を使用することにより、着色されたポリエステル繊維を石油来の原料と同等の品質に再生が可能で、従来よりも環境負荷が少ない新たなリサイクル技術を開発したと発表した。
今回開発したリサイクル技術は、従来のBHET法に新たに開発した解重合触媒を用いることで、再生ポリエステル原料の変色を抑制することが可能。また、DMT法よりも工程数が少ないためにエネルギー消費量が少なく、さらには排水、排液、解重合触媒などを再利用することができるため廃棄物の削減が可能だ。
同社は5月に松山事業所内にパイロットプラントを設置して実証試験を進めていくとともに、さらに高品質なリサイクルポリエステル原料の生産と環境負荷低減を実現するリサイクル技術の開発に向けて改良を重ねていく。
また、持続可能なバリューチェーンの実現を目指し、パートナー企業や国内外のコンソーシアムなどと連携して、「繊維to繊維」のリサイクルを実現する仕組みを構築する。

三菱造船と日本郵船 液化CO2輸送船で安全性承認を取得

三菱重工業グループ三菱造船(本社:横浜市西区)と日本郵船(本社:東京都千代田区)は5月16日、共同開発中の液化二酸化炭素(CO2)輸送船について、日本海事協会(本部所在地:東京都千代田区)から設計に関する基本承認(AIP)を取得したと発表した。船体の構造などを検査・証明する第三者機関から設計の安全性が認められたことで、さらなる大型化を含むプロジェクトに適した船型の検討を進めるなど、今後さらにCCUSバリューチェーンへの参画を促進していく。

川崎汽船 シンガポールのアンモニア燃料船で覚書

川崎汽船(本社:東京都千代田区)は5月13日、シンガポールにおける船舶向けアンモニア燃料供給の実現に向けたコンソージアムに、新たなメンバーとしてシンガポール海自港湾庁とともに4月に加入し、共同検討の加速に向けた覚書を締結したと発表した。
同プロジェクトはFleet Management Limited、Keppel Offshore & Marine、住友商事などがコンソーシアムメンバーとして進めているもの。
2050年までに海運業界の脱炭素化を実現するには、官民の緊密な連携が不可欠。また、港湾および船上でのアンモニアの取り扱いには運用面、安全面、環境面、規制面の問題を並行して解決しなければならず、複数の関係者間の協力が不可欠。
今回のアンモニア燃料供給網構築のためのガイドライン・安全基準の策定に向けた国際的プロジェクトに参画することになる。

環境配慮の生分解性樹脂使用のバリア包装材を開発

三菱ケミカルホールディングスグループは5月11日、ナカバヤシ、王子エフテックス、MIB、長瀬産業、旭洋と共同で、同社グループの生分解性樹脂「BioPBS(TM)」を使用した、食品向けバリア包装材を開発したと発表した。ナカバヤシが展開する環境配慮製品のブランド「asue」のライアップとして2022年の夏ごろ販売開始の予定。
BioPBSは、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ない樹脂素材。また、他の生分解性樹脂に比べ、低温ヒートシール性・耐熱性・柔軟性などで優れた性能を持つ。

環境配慮の生分解性樹脂使用のバリア包装材を開発

三菱ケミカルホールディングスグループは5月11日、ナカバヤシ、王子エフテックス、MIB、長瀬産業、旭洋と共同で、同社グループの生分解性樹脂「BioPBS(TM)」を使用した、食品向けバリア包装材を開発したと発表した。ナカバヤシが展開する環境配慮製品のブランド「asue」のライアップとして2022年の夏ごろ販売開始の予定。
BioPBSは、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ない樹脂素材。また、他の生分解性樹脂に比べ、低温ヒートシール性・耐熱性・柔軟性などで優れた性能を持つ。

IHI インドネシア国営PLN傘下とアンモニア混焼・専焼検討

IHI(本社:東京都江東区)は4月25日、インドネシア国営電力PLN子会社、プンバンキタン・ジャワ・バリ(PJB)と、火力発電所でのアンモニアやバイオマスの混焼や、将来的な専焼に向けた技術検討を実施することで基本合意書を締結したと発表した。2022年度中に両社で協力してアンモニア専焼の発電を前提とした技術開発を進める。