大型フェリーでバイオディーゼル燃料の実証航海

商船三井(本社:東京都港区)、ユーグレナ(本社:東京都港区)は3月29日、茨城県大洗港で、商船三井グループの商船三井フェリー(本社:東京都千代田区)が保有・運航するフェリー「さんふらわあ しれとこ」で、ユーグレナが販売する次世代バイオディーゼル燃料を使用した実証試験航海を実施したと発表した。
今回使用した次世代バイオディーゼル燃料は、バイオマス(生物資源)を原料とし、船舶のディーゼルエンジンに対して内燃機関を変更せずに使用が可能。旧来使用されている重油に比べて、硫黄分を含まないためSOx規制に対応している。また、このバイオ燃料は燃焼段階ではCO2を排出するが、バイオマス原料が成長過程で光合成によってCO2を吸収するため、使用した際のCO2 の排出量が実質的にはネットゼロとなるカーボンニュートラルのい実現に貢献すると期待されている。

阪大と島津製作所「培養肉」を自動製造技術開発

大阪大学(本部:大阪府吹田市)、島津製作所(本社:京都市中京区)、シグマクシス(本社:東京都港区)の3者は3月28日、3Dバイオプリント技術の社会実装に向け協業する契約を締結したと発表した。
また、これに先立ち大阪大学と島津製作所は、3Dバイオプリント技術を応用したテーラーメード「培養肉」を自動生産する技術を共同開発する契約を締結した。牛から取り出した細胞の培養や、肉の形を自動で整えるシステムの構築を目指す。
シグマクシスは、コンサルティング事業を通じて培った高いプログラムマネジメント能力と、フードテック・コミュニティをはじめとした多様な企業とのアライアンスネットワークを生かし、3Dバイオプリント技術の実装に向けたプログラム・マネジメント・オフィスとしての役割を担う。

ネクストミーツ 話題の代替肉をスーパーなどで展開

代替肉の研究開発、製品の製造・販売を手掛けるネクストミーツ(本社:東京都新宿区)は3月25日、話題の代替肉「NEXTカルビ2.0」を4月1日よりスーパーやドラッグストアなど全国の小売店で展開していくと発表した。これに先駆け3月26日より全国のイトーヨーカ堂127店舗(2月末現在)で先行発売する。
NEXTカルビ2.0は2021年10月にオンラインで販売展開したところ、テレビや雑誌で話題となり、多い日にはネットで1日に1,000食以上も売れ、人気商品となった。
先行発売するのはNEXTカルビ2.0が80g1パック298円(税別)、NEXTハラミ80g1パック298円(税別)。いずれも動物性不使用で、100%植物性の食品。

IHI ,興和 インドのアダニとアンモニア混焼で覚書

IHI(本社:東京都江東区)は3月22日、興和(本社:名古屋市)およびインドの電力大手アダニ・パワーとともに3社共同で、アダニがグジャラート州に保有するムンドラ石炭火力発電所にアンモニア混焼技術を適用するための検証を進めていくことでMoU(覚書)を締結したと発表した。
まず既設の石炭焚きボイラーへのアンモニアの20%混焼に向けた各種技術の調査を、2022年のできるだけ早い時期に開始。2024年に検証開始を目指す。検証事業では興和は事業の普及促進を、IHIはアンモニア混焼の技術面をそれぞれ担う。将来的には、アンモニア専焼まで混焼率を高めていくことも検討していく。インド国内の石炭火力発電所からの二酸化炭素(CO2)の排出量削減を目指す

スズキ「空飛ぶクルマ」事業化へスカイドライブと提携

スズキ(本社:静岡県浜松市)は3月22日、「空飛ぶクルマ」の事業化を目指し、当該事業のスタートアップ、スカイドライブ(本社:愛知県豊田市)と提携したと発表した。両社で機体の共同開発や量産体制の構築で協業の検討を始める。スズキが圧倒的シェアを誇るインドなど海外で空飛ぶクルマの展開も視野に入れる。
スカイドライブは2018年、元トヨタ自動車の技術者らが立ち上げたベンチャー企業で、伊藤忠商事などが出資している。日本国内の空飛ぶクルマの開発で先行している。

3社が「メタン酸化触媒システム」のAiPを取得 世界初

日立造船、商船三井、ヤンマーパワーテクノロジーの3社は3月16日、一般財団法人 日本海事協会より、LNG燃料機関から排出されるメタンを酸化させることでメタンスリップを削減する「メタン酸化触媒システム」に関する基本設計承認(Approval in Principle、以下、AiP)を取得したと発表した。同システムのAiP取得は世界初となる。
これは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発」において、「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」として採択されたプロジェクトの一環。
2021年度から2026年度までの6年間で同コンセプトの設計の実機実証を行うとともに、メタン酸化触媒とエンジンの改良を組み合わせるることで、LNG燃料機関のメタンスリップ削減率70%以上を実現し、LNG燃料船のさらなる環境負荷低減を目指す。

カネカ 高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速

カネカ(本社:東京都港区)は3月16日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発」の助成金交付決定を受け、高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発を加速すると発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、高変換効率と低製造コストとの両立が可能な次世代型太陽電池として、近年世界的に注目されている。日本でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、既存技術では設置が難しい場所への太陽電池の導入に、その軽量性や柔軟性を活かすことができると期待されている。

三井化学 フルステムと幹細胞大量培養用不織布を共同開発

三井化学(本社;東京都港区)は3月16日、フルステム(所在地:沖縄県那覇市)と幹細胞の高密度大量培養に向けた高機能不織布の共同開発を開始したと発表した。両社は、三井化学が培った高分子材料や不織布成形の知見と、フルステムが持つ幹細胞の高密度大量培養技術・装置の知見を合わせることにより、次世代の肝細胞大量培養プラットフォーム技術を共同で開発し、再生医療の発展に貢献していく。

川崎重工 大型ガスエンジンで水素30%混焼技術を開発

川崎重工は3月16日、発電出力5MW以上の大型ガスエンジンにおいて、水素を体積比30%までの割合で天然ガスと混焼して、安定した運用を実現できる燃焼技術を国内ガスエンジンメーカーとして初めて開発したと発表した。
今回開発した混焼技術によって、発電出力や水素混合比率に応じて燃焼状態を適正に制御できるシステムを構築し、このシステムを搭載した単気筒機による実証運転により、水素混焼時でも安定した運用が可能であることを確認した。

植物由来原料でエチレン,プロピレンの事業化検討

三菱ケミカル(本社:東京都千代田区)および豊田通商(本社:名古屋市)は3月14日、バイオエタノールを原料とするエチレン、プロピレンおよびその誘導品の製造・販売を2025年度に開始することを目指し、事業化に向けた検討を開始したと発表した。
バイオエタノールを原料に100%植物由来のエチレン(以下、バイオエチレン)とその誘導品を製造し、そのバイオエチレンを原料として、国内初となる植物由来のプロピレン(以下、バイオプロピレン)および誘導品の製造・販売に向けた検討となる。

メタノールを燃料とする内航タンカー開発で提携

商船三井など6社が3月11日、国内初のメタノールを燃料とする内航タンカー開発に関する戦略的提携で合意したと発表した。提携に合意したのは商船三井、商船三井内航、田渕海運、新居浜海運、村上秀造船、阪神内燃機工業。
このプロジェクトは経済産業省、国土交通省の「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金(内航船の革新的運航効率化実証事業)」に採択され、2024年の竣工を目指している。
メタノールは重油と比較し、燃焼時の硫黄酸化物(SOx)排出量を最大99%、粒子状物質(PM)排出量を最大95%、窒素酸化物(NOx)排出量を最大80%、二酸化炭素(CO2)排出量を最大15%それぞれ削減できる。

富士通,東京医科歯科大 富岳とAIでがんの薬剤耐性を発見

スーパーコンピュータ「富岳」と「発見するAI」で、がんの薬剤耐性に関わる未知の因果メカニズムを高速に発見する新技術が開発された。富士通と東京医科歯科大学は3月7日、従来は実行困難だった2万変数のデータを1日以内で超高速計算することが可能で、1,000兆通りの可能性から未知の因果を発見できる技術を開発した。
両者は、がん医療と創薬の現場課題の抗がん剤の薬剤耐性を分析するために、がんの細胞株から得られた遺伝子発現量データにこの技術を適用した結果、これまでの研究成果では得られていない、肺がん治療薬の耐性の原因を示唆する遺伝子の新たな因果メカニズムを抽出することに成功した。これにより、患者一人ひとりに対応した効果的な抗がん剤創薬の実現に向けて、この技術の活用が期待される。

ISTとJAXA 小型ロケット用エンジンシステム技術で共創

インターステラテクノロジーズ(以下、IST)と宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は3月2日、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(以下、J-SPARC)」の枠組みのもと、小型ロケット用エンジンシステム技術の研究開発に関する共創活動を開始したと発表した。
両者のこれまで共創活動を通じ、主要コンポーネント技術の実用化へのめどが得られたことから、次の共創活動(フェーズ2)として、個々の技術をシステムとしてインテグレートした小型ロケット用エンジンシステムの研究開発に取り組むことになった。両者がそれぞれエンジンシステムを構成するコンポーネントの設計・製作をを行い、JAXAが角田宇宙センターでエンジンシステムとしての組立および試験を実施、得られた試験結果を両者で共有する。
ISTは低コストな小型ロケット用エンジンシステム技術をZEROの開発に活用し、早期の実機打ち上げを目指す。

大日本印刷と東京食品機械 プラ使用量を90%削減の紙トレー

大日本印刷(本社:東京都新宿区)と東京食品機械は2月7日、プラスチック使用量を抑えた環境配慮型の密封性を有する紙トレーの共同開発を開始したと発表した。パッケージと包装システムにおける両社の開発力を掛け合わせ、酸素バリア性と密封性を併せ持つ「密封紙トレー」を開発し、惣菜や冷凍食品などの業界に向けて提供していく予定。

日本板硝子 高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI」開発

日本板硝子(本社:東京都港区)は2月2日、耐熱性、電波透過性等のガラスファイバーの特性はそのままに、剛性と強度をさらに高めた新たなFRP・FRTP(繊維強化プラスチック)用補強材として、高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI(R)」を開発したと発表した。
産業製品部材の軽量化、薄型化ニーズの高まりに応え、MAGNAVIは従来のガラスファイバーやカーボンファイバーでは対応の難しいい分野にワンランク上のソリューション提供を目指す。すでにワンプルワークを開始し、2022年下期より津事業所(三重県)での生産体制を整備し、順次販売を拡大していく予定。

ゴールドウイン 環境配慮素材の製品開発でBioworksと提携

ゴールドウイン(本社:東京都渋谷区)は1月25日、石油由来の化学繊維に代わる環境配慮素材の製品開発で、植物由来で生分解性のバイオマスプラスチック、ポリ乳酸繊維「Plax Fiber」の改質剤を開発している素材のスタートアップ、Bioworks(本社:京都府相楽郡)と資本業務提携し、製品開発を推進すると発表した。
これまでBioworksで進めてきたPlax Fiberを使用した短繊維の製品開発に加え、今後は協業によりアウトドア・スポーツ用途などで活用が見込める長繊維の開発を進め、2023年から「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」「Goldwin(ゴールドウイン)」等、同社グループが展開するブランドからの製品開発を目指す。

ゴールドウイン 環境配慮素材の製品開発でBioworksと提携

ゴールドウイン(本社:東京都渋谷区)は1月25日、石油由来の化学繊維に代わる環境配慮素材の製品開発で、植物由来で生分解性のバイオマスプラスチック、ポリ乳酸繊維「Plax Fiber」の改質剤を開発している素材のスタートアップ、Bioworks(本社:京都府相楽郡)と資本業務提携し、製品開発を推進すると発表した。
これまでBioworksで進めてきたPlax Fiberを使用した短繊維の製品開発に加え、今後は協業によりアウトドア・スポーツ用途などで活用が見込める長繊維の開発を進め、2023年から「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」「Goldwin(ゴールドウイン)」等、同社グループが展開するブランドからの製品開発を目指す。

東洋エンジ タイで混合廃プラ油化技術の共同検討を開始

東洋エンジニアリングは1月19日、タイのSCGケミカルズとの間で、SCGケミカルズが60%出資しているCircular Plas Company Limited(CirPlas)が保有する混合廃プラスチックの油化技術の商業化に向けた共同検討に関する基本合意書を締結したと発表した。
CirPlasが保有するプラスチックのリサイクル技術は、触媒を使用することでプロセス温度を下げる省エネルギー・環境配慮型の油化プロセス。また、プラスチック廃棄物を再度プラスチック原料にリサイクルすることから、タイ国内のみならず他の国々のプラスチック廃棄物問題の低減にも寄与することができる。

帝人 廃棄ポリエステル漁網を食器に再生 海洋プラごみ削減へ

帝人は5月にも廃棄漁網のケミカルリサイクル事業を始める。各地の漁業協同組合と連携して廃棄されたポリエステル漁網を年間1,000トン程度回収。専用のプラントで溶解、食器や文房具といったプラスチック製品に再生する。漁業分野で資源を循環する体制を構築して、海洋プラスチックごみの削減につなげる。繊維子会社の帝人フロンティア(本社:大阪市)が販売したポリエステル原料などから製造した「巻き網」を回収する。日本経済新聞が報じた。

JAXA・三菱重工 次期主力ロケット「H3」打ち上げ再び延期

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発中の次期主力ロケット「H3」の打ち上げが延期となる見通しであることが分かった。これまで2021年度中を目指していた。新型エンジンのタービンの一部に見つかった不具合の解消に時間がかかっており、延期は2回目。
H3は全長約63mで、いまの主力ロケット「H2A」の後継機として開発が進められている。汎用品を使うことなどで、打ち上げ費用を約50億円と現在より半減させる目標を掲げている。当初の計画では2020年度の打ち上げを目指していた。