Skydio ドローンの遠隔操作による目視外飛行の許可取得

自律飛行技術によるグローバルリーダー、米国のドローンメーカーのSkydio(スカイディオ、本社:米国カリフォルニア州)は6月7日、国土交通省航空局より無人航空機の飛行「カテゴリーⅡ」で、「無人飛行機の飛行に関する許可・承認」を得たと発表した。同飛行許可取得は、Skydioが日本国内で展開するすべてのドローン機体と、その搭載ソフトウェア種類を対象とするもの。一部例外を除いた日本全国で、場所・時間を問わず、運用規模を広げて、遠隔操作による目視外飛行を柔軟に行うことを可能にする。Skydioは米国最大のドローンメーカーで、自動飛行技術のグローバルリーダー。

クボタ 東京農工大と営農型太陽光発電で3年間の共同研究開始

クボタ(本社:大阪市浪速区)は6月6日、東京農工大学と営農型太陽光発電設備下での、最適な作物の栽培方法の確立を目指した共同研究を開始したと発表した。両者の共同研究の実施期間は2023年1月〜2025年12月。東京農工大学敷地内、約25aで行う。栽培作物はブルーベリーほか。

シスメックス 網膜疾患の原因特定へ試薬 販売承認取得

血液検査機器大手のシスメックス(本社:神戸市中央区)は6月5日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から、眼の網膜の働きが損なわれて物が見えにくく鳴る「遺伝性網膜ジストロフィ」の原因遺伝子を特定する試薬や解析プログラムの製造販売承認を5月31日に取得したと発表した。
遺伝性網膜ジストロフィとは、遺伝性変異で網膜の機能に障害が生じる疾患の総称。代表的な病気には徐々に視野が失われる「網膜色素変性症」がある。

丸紅と富山地鉄 黒部市内路線バスで顔認証決済の実証実験

丸紅(本社:東京都千代田区)と富山地方鉄道(所在地:富山市、以下、富山地鉄)は6月1日、富山地鉄が運行する黒部市内路線バスの生地循環線で、顔認証技術とアプリ型プリペイドカードを連携させた顔認証決済の実証実験を同日開始したと発表した。期間は6月1日〜8月31日。
今回の実証実験を踏まえて、公共交通機関や利用者の手ぶらニーズが高い分野で顔認証決済の早期事業化を目指す。

安川電機 米Oishii社と資本業務提携し植物工場を完全自動化へ

安川電機(本社:福岡県北九州市)は5月31日、Oishii Farm Corporation(本社:米国ニュージャージー州、以下、Oishii社)と30日に資本業務提携したと発表した。
Oishii社は米国ニュージャージー州を拠点に、いちごを製造・販売するベンチャー企業。将来的にいちごの完全自動生産の実現を目指している。
今回の両社の資本業務提携で、Oishii社が今後建設予定の工場で行う全行程(播種・育苗〜収穫・検査〜箱詰め・出荷)の自動化の取り組みに対して、安川グループが持つロボットなどの製品およびソリューションを提供していく。

双日 次世代再生可能燃料のNEXTに出資, SAF製造事業に参画

双日(本社:東京都千代田区)は5月29日、100%子会社の双日米国を通じて、米国で環境負荷の少ない次世代再生可能燃料の製造を目指すNext Renewadle Fuels,Inc.(本社:米国テキサス州、以下、NEXT)に出資したと発表した。
NEXTがオレゴン州ポートウエストワードに建設を計画するプラントでは廃食油、植物油、動物油脂などを燃料として進めている、SAF(サステナブル・アビエーション・フューエル)の製造事業に参画する。2026年に商業運転を開始する予定。

トヨタの液体水素エンジン車 24時間耐久レースに初参戦

トヨタ自動車は5月27日、液体水素を燃料とするエンジン車を24時間耐久レースに出場させた。これまでは気体水素で出場しており、液体としてのレース参戦は初めて。また、液体水素を燃料として搭載した車両のレース参戦は世界で初めてという。過酷な環境のレース参戦で課題の洗い出し、量産車の開発に生かしていく。液体は航続距離を伸ばすことができるが、充填や貯蔵で高い技術が求められる。

東芝テック 店舗DXを加速するスマートストアを期間限定で出店

東芝テック(本社:東京都品川区)は5月26日、AIカメラを用いた最新のチェックアウトや防犯対策システムを取り入れ、店舗運営の省人化や自動化を実現する次世代スマートストアを、2023年度に期間限定でパートナー企業と共同出店すると発表した。この次世代スマートストアで店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するための実証実験を計画している。

三菱電機 台湾電力から初の電力系統用STATCOMを受注

三菱電機は5月26日、台湾電力公司(所在地:台湾・台北市)から台湾で電力系統安定化用途としは初めて、自励式静止型無効電力補償装置(以下、STATCOM)を受注したと発表した。台湾電力公司南科変電所に新たに設置されるSTATCOM変電所へ納入する。台湾で最大の定格容量となる±200MVA(メガボルトアンペア)を実現することで、半導体工場やディスプレイ工場などが集積する台南サイエンスパークの安定稼働に貢献する。納入時期は2025年上期の予定で、2026年上期中の運用開始を予定。

「ジャパンモビリティショー」に変更 今秋4年ぶりに開催

日本自動車工業会は5月24日、「東京モーターショー」を今回から「ジャパンモビリティショー」に変更し、4年ぶりに今秋開催する、その概要を発表した。今回の最大の特徴は、モーターショーでは表現しきれない、”モビリティ”とうたうことで、幅広く異業種との連携によって新たな車づくりを進めようと100社以上のスタートアップ企業の参加を目指している点。開催は10月26日からの11日間。メイン会場は東京都江東区の東京ビッグサイト。スタートアップ企業が投資家にアピールしたいビジネスプランやPR用スペース、空を移動する未来のモビリティを体感できるスペースなどを設ける。

3社が次世代バイオディーゼル燃料使用し西鉄バスを実証運行

スターフライヤー(本社:福岡県北九州市)、西日本鉄道(本社:福岡市、以下、西鉄)、ユーグレナ(本社:東京都港区)の3社は5月24日、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用した西鉄バスの実証運行を、6月から行うと発表した。実証期間は6月1日から11月30日まで。
3社は西鉄が運行する路線バスの燃料に、ユーグレナ社の「サステオ」を試験的に導入し、スターフライヤーの運航する福岡空港へ乗り入れる路線で実証運行する。
サステオは持続可能性に優れたバイオマス原料を使用した燃料で、既存のディーゼルエンジンに加工処理などを行わずに、そのまま使用できることが特徴。原料である植物や藻類が成長過程で光合成する際のCO2を吸収するため、燃料を使用した際に発生するCO2の排出量が実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されている。

福井・永平寺町で国内初の自動運転レベル4運行サービス ソリトン

ソリトンシステムズ(本社:東京都新宿区)は5月22日、産業技術総合研究所、ヤマハ発動機、三菱電機と共同で開発を進めてきた自動運転システムにより、21日から福井県永平寺町で遠隔監視のもと、自動運転レベル4の運行サービスを国内で初めて開始したと発表した。このシステムは経済産業省から、上記の4法人が2021年度から開発を受託しているもの。自動運行の区間は永平寺町内「永平寺参ろーど」の南側約2kmの区間。運行は「まちづくり株式会社ZENコネクト」が担当。
今回開発の遠隔監視システムは、一人の遠隔オペレーターが、必要に応じ標準最大4台の自動運転車両を監視できる。さらに複数車両の運行管理制御を行う管制システムとのシステム連動を行うことで、効率的かつ的確な監視と、異常発生時における安全確保その他必要となる措置の迅速化を図っている。

コマツとトヨタ 鉱山現場で自動走行するライトビークル開発で協業

コマツとトヨタ自動車は5月17日、鉱山現場のライトビークルの自動化を目指し、無人ダンプトラック運行システム(以下、AHS)上で自動走行するライトビークル(以下、ALV)の開発で協業開始すると発表した。現在、コンセプト車両で試験を実施しており、2024年1月ごろをめどに顧客現場での実証実験を開始する予定。
コマツはAHSの管制システム上にALV用管理プログラムを新たに開発し、トヨタは乗用車で培った自動運転技術を応用し、AHSの管制システムからの指令により自動で走行するALVを開発する。無人ダンプトラックとALVを、コマツのAHS管制下で協調制御して自動走行させることで、鉱山現場のさらなる安全性と生産性向上の実現を目指す。

国内二輪4社 脱炭素へ「水素エンジン」の研究開発で協業

カワサキモーターズ、スズキ、ホンダ、ヤマハ発動機の国内二輪4社は5月17日、二酸化炭素(CO2)を排出しない「水素エンジン」について、二輪車向けの研究開発で協業すると発表した。すでに5月11日に、小型モビリティ向け水素エンジンの基礎研究を目的とした「水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合(所在地:東京都中央区、HySE:Hydrogen Small  mobility & Engine Technology)」の設立に向け、経済産業省の認可を得た。
HySEの特別組合員として川崎重工業とトヨタ自動車が参画する。HySEは2023年6月設立予定。活動期間は5年間。二輪車では各社が電動化の取り組みを進めているが、航続距離が短いなどの課題がある。4社が中心となって、電動化以外の脱炭素の選択肢として水素エンジンの実現性を探る。

JA全農,クボタ,BASFジャパン 営農支援システム連携の実証実験

全国農業協同組合連合会(所在地:東京都千代田区、以下、JA全農)、クボタ(本社:大阪市浪速区)、BASFジャパン(本社:東京都中央区)は5月15日、JA全農とBASFが国内で開発・推進する栽培管理システム「xarvio(R)FIELD MANAGER(以下、ザルビオ(R)フィールドマネージャー)」と、クボタが開発・推進する営農・サービス支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」のシステム連携の実証実験を開始したと発表した。
この実証実験は、人工衛星センシング画像からザルビオ(R)フィールドマネージャーが作成した可変施肥マップのデータをKSAS経由で取り込んだクボタ製田植機で施肥作業を行い、システム機能や操作性を確認する。担い手の減少、高齢化の進行等による労働力不足が課題となっている中、スマート農業の導入による生産性向上を探る一環。

住友林業 米国で10階建て木造ビルの振動台実験を開始 世界初

住友林業(本社:東京都千代田区)は5月12日、参画する米国の「NHERI Tallwood Project」で4月20日、世界初となる10階建て木造ビルの振動台実験を開始したと発表した。
米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)で実施する本実験は、第1フェーズ(4月20〜6月6日)を米国研究者が米国西海岸の耐震基準で実施する。第2フェーズは、第1フェーズ終了後、同社オリジナル試験体に改修し、日本の耐震基準を検証する。NHERI Tallwood Projectはコロラド鉱山大学を中心とする米国科学財団(NSF)および米国森林局(USFS)の助成プロジェクト。
米国では各州の建築基準の規範となるIBC(米国の建築基準)が2020年に改正され、18階建てまでの木造建築が可能となった。この改正に伴い、第1フェーズの実験は米国研究者によりポストテンション構造という中大規模木造建築の新たな構法の耐震性検証を目的として実施される実大振動台実験。

カカクコムとDG 次世代技術でスマートEC事業で合弁会社

カカクコム(本社:東京都渋谷区)とデジタルガレージ(本社:東京都渋谷区、以下、DG)は5月10日、カカクコムが運営する購買支援サイト「価格.com」を軸とした合弁会社設立を含む、次世代テクノロジーを融合したスマートEC事業の共同開発企画の検討を開始することで基本合意したと発表した。両社は双方の強みを活かして、次世代技術/パスワードレス認証とワンクリック決済を実装したスマートEC事業を展開していく予定。

ファミマ 脱炭素で25年度までにFC小型トラック30台導入へ実証

ファミリーマート(本社:東京都港区)は5月10日、物流部門での脱炭素化を目指し、FC小型トラック(水素燃料電池小型トラック)の実用化に向けた走行実証を、2023年5月15日から福島県郡山市、同16日から東京都府中市・調布市を中心とした店舗の商品配送で実施すると発表した。
6月以降は、東京都八王子市・日野市と、江戸川区葛西を中心とした店舗配送でも開始し、車両台数は2025年度までに東京都と福島県で約30台まで拡大する予定。導入するFC小型トラックはいすゞ自動車の「エルフ」をベースとした最大積載量3トン。2室2温度帯(3〜8℃/18〜22℃)。航続可能距離は約260km。軽油使用の内燃車と比較してトラック1台あたり年間約23トンのCO2削減効果が見込まれるという。
ファミリーマートは商品の店舗配送において、トラックから排出されるCO2を2030年度までに2017年度比30%削減することを物流部門の目標としている。

JALと米Wisk 安全な「空飛ぶクルマ」の社会実装で連携

日本航空(所在地:東京都品川区)と米Wisk Aero(本社:米国、以下、Wisk)は5月10日、パイロットが搭乗しない無操縦者航空機(=空飛ぶクルマ)の整備管理などの制度の確立に向けた検討に関する基本合意書を締結したと発表した。無操縦者航空機の制度設計や整備に関する連携・協力に関しては、JALグループのJALエンジニアリング(所在地:東京都大田区)が進めていく。
JALの安全運転に関わるノウハウと、eVTOL型無線操縦者航空機(=空飛ぶクルマ)の開発を進めるWiskの技術力を、ともに活かし連携することで空飛ぶクルマの社会実装の実現に寄与していく。

大阪ガス シェルと海外のCCSバリューチェーン構築で連携

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は5月9日、Shell Singapore Pte.Ltd(以下、シェル)と、国内工場などのCO2排出源からCO2を回収し、海外の貯留地にCCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)することを目指したCCSバリューチェーン構築でに関する共同検討を開始する契約を締結したと発表した。
CO2の排出削減に課題を抱える国内の鉄鋼・セメント・化学産業の工場などのCO2排出源から回収したCO2を集約・液化した後、アジア太平洋地域の貯留地まで船舶輸送し、地中に圧入・貯留することを想定したCCSバリューチェーン全体の事業性評価を2023年5月から実施する。