JR東海 太陽光路面発電とEVの廃バッテリーによる給電実証

JR東海は4月3日、MIRAI-LABO(本社:東京都八王子市)と共同で、太陽光路面発電装置とEVの廃バッテリーを組み合わせた自立給電システムの実証試験を、小牧研究施設で開始したと発表した。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた、同社の再生エネルギー活用の施策の一環。同システムは鉄道関連施設での利用のほか、災害時等の非常用電源への適用を目指す。

JR東海 太陽光路面発電とEVの廃バッテリーによる給電実証

JR東海は4月3日、MIRAI-LABO(本社:東京都八王子市)と共同で、太陽光路面発電装置とEVの廃バッテリーを組み合わせた自立給電システムの実証試験を、小牧研究施設で開始したと発表した。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた、同社の再生エネルギー活用の施策の一環。同システムは鉄道関連施設での利用のほか、災害時等の非常用電源への適用を目指す。

三井化学 廃プラン分解油によるケミカルリサイクル製品

三井化学(本社:東京都中央区)は3月22日、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、CFP(本社:広島県福山市)より調達した廃プラスチックを原料とした熱分解油を、2024年3月に同社大阪工場(所在地:大阪府高石市)のクラッカーへ投入し、マスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の誘導品(化学品・プラスチック)の製造・販売を開始したと発表した。
同社グループは、認証制度として欧州で広く採用されているISCC PLUS認証に基づき、マスバランス方式によるケミカルリサイクル製品を市場展開していく予定。

東京都 リコーと曲がる太陽電池の実証 都庁展望台で開始

東京都は3月19日、都庁の展望台で軽くて曲がるペロブスカイト型太陽電池の実証実験を開始すると発表した。リコー製のペロブスカイト型を搭載した、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」センサーを都庁展望台内5カ所に設置。2025年4月ごろまでの約1年間で太陽電池の発電性能や耐久性、センサーの有効性なども検証する。

テルモ, 京大iPS財団 再生医療普及へiPS細胞の培養自動化

テルモ(本社:東京都渋谷区)と京都大学iPS細胞研究財団(本部:京都市左京区)は3月19日、iPS細胞の培養を自動化する共同研究に乗り出すと発表した。財団が持つiPS細胞の知見とテルモが持つ細胞の増殖システム「カンタムフレックス」を組み合わせ、培養の効率化の向上を目指す。自動化することで省人化や、コスト低減による再生医療の普及につなげる。

花王 回収したCO2活用の植物工場「SMART GARDEN」

花王マテリアルサイエンス研究所は3月14日、佐賀市の清掃工場から排出されるCO2を回収・精製できる設備を利用し、独自の植物工場「SMART GARDEN(スマートガーデン)」を構築したと発表した。スマートガーデンでは使用電力や水使用量で環境負荷を低減しつつ、植物を効率よく栽培することが可能。
具体的には①スマートガーデンではCO2を光合成を促進させるほか、植物に与えることで生長速度が約20%向上することを確認②水を繰り返し循環利用することで、露地での栽培品と比較して水使用量は約40%にとどまっている③使用する電力すべて地熱、水力発電といった再生可能エネルギーにすることでCO2の排出を削減している。
さらに栽培した植物からエキスの抽出まで一気通貫で行い、高純度・高効率な植物エキスを得ることができる成分制御技術を開発した。

JFEエンジ さいたま市と電池交換式EVパッカー車の実証

JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は3月7日、さいたま市と2023年5月に締結した協力協定に基づき、廃棄物焼却施設で発電した電力の有効活用による地域の脱炭素化と、レジリエンス性向上に資するエネルギー循環型ごみ収集システムの構築に向けて同日、同システムの共同実証試験を開始したと発表した。これに伴い電池交換式EVパッカー車の出発式を執り行った。
さいたま市の廃棄物焼却施設クリーンセンター大崎から廃棄物発電による電力供給を受け、隣接する東部清掃事務所にEV電池を自動交換する電池交換ステーションを設置。電池交換式パッカー車は2台以上の複数台運用する。同ステーションではわずか約58秒で電池交換が可能で、EVの課題とされている充電時間に制約されず、ごみ収集を行うことができるとしている。

クボタなど フィリピンの水田由来メタン排出削減で実証

クボタ(本社:大阪市浪速区)、クレアドゥラ(本社:東京都港区)、東京ガス(本社:東京都港区)の3社は2月28日、水田由来のメタン排出削減が期待される水管理手法Alternate Wetting Drying(以下、AWD)のフィリピンにおける普及および民間JCMプロジェクト登録に向けた実証事業に取り組むと発表した。
メタンは二酸化炭素の28倍の温室効果を持ち、稲作が盛んなフィリピンでは全企業で排出される音質効果ガスのうち約20%が水田由来のメタンと推定される。AWDにより水田由来のメタン排出量を約30%、灌漑用水の使用量を6−47%削減できるとされている。このため、AWDは農業分野における温室効果ガス削減の有効な手段として注目されている。

日産自 27年度に自動運転を事業化「レベル4」も視野に

日産自動車(本社:横浜市西区)は2月28日、日本国内において自社開発のドライバーレス自動運転によるモビリティサービスの事業化に向けたロードマップを発表した。
2024年度に横浜市・みなとみらい地区でミニバン「セレナ」をベースに自動運転車両での走行の実証実験を開始。2025〜2026年度は桜木町や関内を含む横浜市のより広いエリアで最大20台規模で実証実験を実施。2027年度めどに事業化させ、横浜を含む複数の市町村で数十台規模での事業化を目指す。
また、将来的には特定条件下で運転を完全自動化する「レベル4」での対応も視野に入れる。

KDDI ソニーG・ホンダのEVに高速通信回線提供 で協業

KDDIは2月26日、ソニーグループとホンダが折半出資するソニー・ホンダモビリティと協業すると発表した。2025年に発売予定の電気自動車「(EV)「AFEELA(アフィーラ)」に、KDDIは車内で高画質の映画やゲームなどのエンタメを楽しむための高速の通信環境を提供する。日本では同社の高速通信規格「5G」、海外では同社と連携する各国の通信キャリアの回線を使えるようにする。

アボットと量研機構 認知症の血液診断で共同研究

米医療機器大手のアボット・ラボラトリーズ日本法人と量子科学技術研究開発機構(QST)は2月21日、血液から認知症診断する共同研究に合意したと発表した。進行の度合いを判断する目安の指標を開発する。血液による認知症診断が可能になれば早期の治療につながるとみられる。

ウーバー 東京都心で3月からロボットによる料理宅配開始

料理宅配サービスのウーバーイーツジャパン(所在地:東京都港区)は2月21日、歩道を自動走行するロボットによる配送事業を、東京都心の一部で3月中に開始すると発表した。この配送ロボットは米スタートアップのCartken(カートケン)社が設計し、三菱電機が日本仕様にしたもので、長さ71cm、幅46cm、高さ60cm。最大積載量は20kg、時速5.4km。サービス提供エリアの利用者が専用アプリで注文すると、ロボットが待機場所から店まで商品を取りに行き、指定場所まで配達する。ウーバーイーツのロボット配送サービスは米国に続き2カ国目。

オリックス 会津・東山温泉でアバター接客の実証実験

オリックス・ホテルマネジメント(本社:東京都港区)は2月16日、運営する旅館、会津・東山温泉 御宿東鳳(所在地:福島県会津若松市)で、2024年2月17〜3月17日の1カ月間、遠隔操作されたアバターが接客する実証実験を行うと発表した。
オリックス・ホテルマネジメントと会津若松市が連携し、AVITA(本社:東京都品川区)が提供するアバターオンライン察客サービスの「AVACOM」を活用した実証実験。実証期間中は会津・東山温泉 御宿東鳳と鶴ヶ城の2カ所にアバターが映し出されるモニターを設置。顧客がアバターに話しかけると、会津・東山温泉 御宿東鳳と会津若松駅観光案内所の2拠点にいるオペレーターがアバターを操作し、遠隔応対する。

野村不動産 分譲マンション販売でメタバース空間初導入

野村不動産(本社:東京都新宿区)は2月16日、三越伊勢丹が提供するメタバースプラットフォーム「REV WORLDS(レヴワールズ)」を野村不動産が販売する分譲マンション「プラウドタワー相模大野クロス」(所在地:神奈川県相模原市)の販売で導入したと発表した。相模大野駅北口からプラウドタワー相模大野クロスまでのエリアを、メタバース空間で再現している。
野村不動産の分譲マンション販売で、物件単体で販促ツールとしてメタバース空間を導入するのは初めて。

三菱自など4社 電動車のスマート充電サービスで実証事業

三菱自動車工業(本社:東京都港区)、MCリテールエナジー(本社:東京都千代田区)、Kaluza(本社:英国・ロンドン)と三菱商事(本社:東京都千代田区)の4社は2月15日、電動車のコネクティッド技術を活用した国内初となるスマート充電サービスの商用化に向けた実証事業を開始すると発表した。
三菱自動車が販売する「アウトランダー」(PHEVモデル)を保有する顧客を対象に、三菱商事の出資先のOVOグループのKaluzaが提供するEV充電制御プラットフォームを通じて、通常の家庭充電で顧客がスマートフォンのアプリ上で指定した時間までに、市場価格等が安い時間帯に充電が最適化されるサービスを提供する。

BIPROGY ライフの生鮮部門にAI需要予測で発注自動化

BIPROGY(本社:東京都江東区)は2月13日、生鮮・日用品スーパー大手、ライフコーポレーションの全304店舗の生鮮部門発注にAI需要予測による発注自動化サービス「AI-Order Foresight」の適用を決定し、2024年4月までに全店舗で稼働開始すると発表した。
同自動化サービスは販売実績・気象情報・特売企画情報などの各種データをもとに、小売店舗における日々の商品発注数をAIで自動算出するサービス。
ライフでは日配品に対して2022年2月から同サービスを導入している。今回新たに生鮮部門に広げる。自動算出期間を5日間から3週間に拡大し、作業負荷・難易度の高い業務の自動化で、従業員の経験やスキルに依存した店舗運営や販売機会、廃棄ロスの削減を実現する。

JR西日本子会社 大阪・岬町でサーモン, トラフグ陸上養殖

JR西日本の子会社、JR西日本イノベーションズは大阪府堺市のベンチャー企業に出資し、岬町でサーモンやトラフグの陸上養殖に参入することになった。4月ごろにはサーモンを、11月ごろにはトラフグを出荷する計画で、将来的には2つの魚種で合わせて3万尾を出荷したいとしている。
JR西日本イノベーションズはこれまで九州や山陰で現地の企業と協力して陸上養殖を手掛けてきた実績がある。今回大阪府のベンチャー企業と資本業務提携を結び、岬町の陸上養殖の施設を共同で建設・運営することになった。同社では消費地の大阪で養殖に取り組むことで鮮度保持するとともに、人手不足が深刻な物流への負担を抑えたいとしている。

千代田化工とトヨタ 大規模水電解Sの共同開発で協業

千代田化工建設(本社:横浜市西区)とトヨタ自動車は2月5日、大規模水電解システムの共同開発および戦略的パートナーシップを構築していくことで合意し、協業基本合意書を締結したと発表した。トヨタが持つ燃料電池技術を用いた水電解セル・スタックの生産や量産技術と千代田化工が持つプロセスプラント設計技術や大規模プラントの建造技術を融合し、競争力のある大規模水電解システムを開発する。これにより、急激に拡大する国内外の水素製造市場に対応していく。
世界最小レベルのサイズでありながら、水素の製造効率が高い水電解システムの開発を目指す。5MW級を原単位として開発し、それらを組み合わせて標準パッケージとすることで、大規模水電解システムを構築する。

川崎重工 4月から「水素プラットフォーム」実証開始

川崎重工業は1月30日、水素流通を一元化し、国内外の水素取引を支援するデジタル管理システム「水素プラットフォーム」の開発を進めており、4月より大林組が取り組む「大分県九重町 地熱由来水素利活用事業」を対象に実証試験を開始すると発表した。
同社は①水素の所在地や炭素集約度等の属性情報管理によるトレーサビリティの確保②GHG(温室効果ガス)排出量および炭素集約度評価および管理③低炭素水素の認証取得支援④水素取引の支援ーなどサービスから提供を開始し、将来的には市場の要請に応じてサービスを拡充していく。

ホンダ・GM合弁会社 燃料電池の生産開始 製造コスト1/3

ホンダは(本社:東京都港区)は1月25日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と折半出資し、米国ミシガン州に設立した合弁会社、フューエルセルシステムマニュファクチャリング(FCSM)が、燃料電池システムの生産を始めたと発表した。従来の燃料電池に比べて製造コストを3分の1に抑え、燃料電池車(FCV)はじめ、建設機械や非常用の発電用途などに販売する。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素を使った電力源を幅広い用途に広げる。