独メルセデス 中国BYDとの中国合弁事業解消 提携不調

ドイツの高級車大手メルセデス・ベンツグループは9月17日、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)との中国合弁事業を解消したことを明らかにした。合弁会社は高級EVの開発・生産を手掛けいたが、提携は不調で、2021年に出資比率を当初の50%から10%に引き下げていた。今回、残りの10%分の株式もBYDに売却した。これにより合弁会社はBYDが全額出資する完全子会社となる。

H2Aロケット49号機 気象条件合わず2度目の打上げ延期

鹿児島県の種子島宇宙センターで9月16日午前打上げが予定されていたH2Aロケット49号機は、気象条件が合わず打上げが延期された。政府の情報収集衛星「レーダー8号機」を搭載したH2A49号機は、16日午後2時24分に打上げられる予定だった。
三菱重工はもともと9月11日に打上げ予定だったが、16日に延期されていた。打上げの延期は2度目。打上げの予備期間は9月17日から10月末まで。

建設クレーンのタダノ 141億円投じ米建設機械会社を買収

建設用クレーン大手のタダノ(本社:香川県高松市)は9月13日、米国の建設機械会社Manitex International,Inc.(本社:米国イリノイ州、以下、Manitex社)の全株式を、約141億円を投じ取得することで12日に契約を締結したと発表した。買収による完全子会社化は2025年1月の予定。Manitex社は現在ナスダックに上場しているが、完全子会社化後は上場廃止となる。

キリンHDのファンケルTOB成立 ビール偏重→健康産業に”舵”

キリンホールディングス(HD)は9月12日、健康食品関連産業に強みを持つファンケルへのTOB(株式公開買い付け)が成立し、同社を年内にも全額出資子会社化すると発表した。これにより、ビール事業偏重型から健康関連産業へ幅を広げる経営に”舵(かじ)”を切ることになる。
キリンHDは、まず2030年までにヘルスサイエンス事業で売上収益3,000億円を目指すとしている。

25年万博でCO2を大量に回収しメタンを生成する実証実験

2025年万博会場南東の敷地の期間限定のミニプラントで、「DAC」技術により、大気中の二酸化炭素(CO2)を大量に回収する実証実験が行われる。集めたCO2を水素(H2)と合成させてメタン(CH4)を生成。会場内の迎賓館で日本政府などが各国首脳や大使らに振る舞う食事の調理に活用するという。
実験は関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)に拠点を置く公益財団法人「地球環境産業技術研究機構(RITE)」(所在地:京都府木津川市)が、国立研究開発法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として、大阪ガス(本社:大阪市中央区)とともに実施する。

ホンダ インド工科大デリー・ボンベイ校とAI技術共同研究

ホンダは9月11日、人と分かり会える同社独自の協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence、以下、CI)」のさらなる進化を目指し、多くの優れた「IT技術者を輩出するインド工科大学デリー校およびボンベイ校(所在地:マハラシュトラ州ムンバイ)と、AI技術の共同研究を開始したと発表した。交通事故低減技術や自動運転技術への将来的な応用も視野に、共同研究を通じてCIの要素技術の進化に取り組んでいく。

松屋のすし店「すし松」関西進出 9/21吹田市に初出店

松屋フーズホールディングスは9月11日、自社で運営するすし店「すし松」を関西地区に出店すると発表した。松屋のすし店の関西出店は初めて。大阪府吹田市に21日、「すし松 江坂店」を開業する。吹田市への出店を皮切りに関西でも店舗を広げる。すし松は現在、東京など首都圏を中心に11店舗を構えている。

クボタ 米の農業スタートアップを買収 果樹農家にAI導入

クボタ(本社:大阪市浪速区)は9月11日、米国の農業スタートアップ、ブルームフィールドロボティクス(以下、ブルームフィールド社)を買収したと発表した。クボタと北米現地法人のクボタ・ノース・アメリカが、ブルームフィールド社の株式を100%取得した。買収額は非公開。
ブルームフィールド社は独自のカメラをトラクターの前方などに装着し、ブドウなど果実の色や成熟度などをAIで分析する技術を持つ。クボタは果樹農家向けに小型トラクターを販売しており、両社でサービスを拡大する。

フジテック シンガポールで遠隔監視メンテの規格認証取得

フジテック(東京本社:東京都港区)は9月10日、グループのFujitec Singapore Corporation Ltd.(フジテック・シンガポール)を通じて、シンガポール政府が推進する遠隔監視を用いたエレベータのメンテナンスの規格認証を、日系メーカーとして初めて取得したと発表した。
同規格には遠隔管理システムを用いて24時間稼働状況をモニタリングすることや、不具合の予兆を常時キャッチすることなどの高度な要件が定められている。

大阪メトロ 万博で小中高生専用車, 平日午前に最大18本運行

大阪メトロは9月10日、2025年大阪・関西万博に無料招待する小中高生らを輸送する車両の運行案を発表した。中央線の森ノ宮、長田から、2025年1月に延伸開業する夢洲まで、開幕から夏休み前にかけて平日午前9時半から11時半の約2時間運行する。
1日あたり最大8本走らせる「専用列車」は6両編成のうち、最大4両を小中高生らに充て、残りの車両を一般客に開放する。また、1日あたり最大10本走らせる「優先列車」は混雑状況に応じて一般客も乗せる。

月桂冠 低アルコール度数5%の日本酒「アルゴ」全国発売

月桂冠(本社:京都市伏見区)は9月10日、アルコール度数5%の日本酒「アルゴ」を23日から全国のコンビニやスーパーなどで販売すると発表した。一般的な日本酒のアルコール度数は15%程でおよそ3分の1に抑えている。ビールや缶チューハイでは低アルコールタイプの商品が増えているが、日本酒では珍しい。価格は瓶入り容量720ミリリットルが税抜き880円、300ミリリットルが同380円。

パナソニック 和歌山でテスラ向けEV新型電池生産開始

パナソニックホールディングスは9月9日、和歌山県紀の川市の工場で米国のEV(電気自動車)大手、テスラ向けに開発を進めていた新型バッテリーの生産を開始したと発表した。
これを担うのはパナソニックエナジー(本社:大阪府守口市)で、およそ100億円を投じて工場をリニューアルし生産体制を整備した。これにより、新たなバッテリーの容量従来の5倍で、EVに搭載するバッテリーぞ数を減らすことができるという。組み立ての効率化などによるEVの生産コストの削減につながることが期待される。

「ハワイアンズ」運営の常磐興産 米投資ファンドが買収へ

福島県いわき市の温泉リゾート施設「スパリゾート ハワイアンズ」の運営会社、常磐興産が、米国の投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに買収される見通しとなった。9月9日、常磐興産が発表した。同ファンドが持つ経営ノウハウや資金力を活用して、集客の強化につなげるのが狙いで、施設のブランドや雇用は維持される見込み。
ファンド側は今後、TOB(株式の公開買い付け)を行い、2025年3月ごろに完全子会社化したうえで、上場を廃止する方針で、施設のブランドや雇用は維持するとしている。

アップル 生成AI搭載の最新スマホ発表 価格は据え置き

米国のアップルは9月9日、カリフォルニア州の本社で生成AIの機能を搭載した最新のスマートフォン「iPhone16」の4機種を発表した。独自の生成AIのシステム「アップルインテリジェンス」を導入。AIが複数のアプリと連携し、メールの内容を要約するほか、返信の文案を作成したり、保存された家族や友人の写真から画像や絵文字を生成したりするとしている。国内直販価格は12万4,800円からに設定し、2023年9月発売の「iPhone15」から据え置いた。
すでに市場では米国のグーグル、韓国のサムスン電子など、IT大手の間で生成AI搭載のスマホ、端末を発表する動きが加速。新たな付加価値をつけようと競争が激化している。

福島第1原発デブリ取り出しに試験的取り出しに着手 東電

東京電力ホールディングスは9月10日、福島第1原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)の試験的取り出しに着手した。8月22日に初の着手を試みたが、ミスが見つかり作業を中断していた。今回は取り出し装置が午前7時20分に原子炉につながる貫通部手前の弁を通過した。今後2週間程度かけて3グラム以下の少量のデブリを取り出す。
デブリは1〜3号機でおよそ880トンあると推計されている。デブリは極めて強い放射線を出し続け、人が近づくことができない。このため遠隔操作での作業となり、作業は難易度が高い。そして途方もない時間がかかるとみられている。

米エミー賞 真田広之さん『SHOGUN 将軍』14部門で受賞

米国の優れたテレビ番組などに贈られるエミー賞の9月15日の主要部門の発表に先立ち、ロサンゼルスで8日、技術系・美術系部門の表彰者が発表された。様々な賞に輝いたのが俳優・真田広之さんがプロデュース・主演を務めた『SHOGUN 将軍』で撮影賞、編集賞、キャスティング賞など14部門で受賞する快挙を達成した。
SHOGUN 将軍は、戦国時代が舞台で、武将とその家臣となったイギリス人航海士などをめぐる物語。

丸紅 タイで廃タイヤ熱分解リサイクル事業へ出資参画

丸紅(本社:東京都千代田区)は9月6日、タイで廃タイヤの熱分解リサイクル事業を展開するGreen Rubber Energy Company Limited(所在地:タイ・サムットプラカーン県、以下、GEE、処理能力:廃タイヤ年間約1万トン)に出資参画したと発表した。
GREは廃タイヤの熱分解により、再生カーボンブラック(以下、iCB)や再生油などを取り出す技術開発に10年以上取り組んできた。その結果、GREはタイヤ用途に利用可能なrCBの安定的な生産を実現した。丸紅は今回の出資参画により、タイにおける廃タイヤの回収からrCB・再生油などのリサクル原料の生産・販売に至る、タイヤのリサイクルサプライチェーンの構築を目指す。
現在世界では年間3,000万トン以上のタイヤが廃棄され、相当量の廃タイヤが環境負荷の高い埋め立て地や焼却により処理されている。このため環境負荷を低減する方法として、廃タイヤをタイヤ原料に再利用するリサイクル技術への注目が高まっている。

コメダHD シンガポールで外食運営会社の株式70%を取得

喫茶店「コメダ珈琲店」をチェーン展開するコメダホールディングス(本社:名古屋市東区)は9月6日、シンガポールでカフェやタイ料理店などを運営するPOON RESOURCES PTE.LTD.(以下、POON)の株式70%を1,680万シンガポールドル(約18億5,400万円)で取得すると発表した。株式譲受実行日は10月1日の予定。
POONはカフェやタイ料理店など計30店を病院内、公共施設、ショッピングモールなどへ出店している。

西鉄 タイ・バンコクにホテル「CROOM」ブランド初出店

西鉄グループ(本社:福岡市博多区)は9月9日、タイ・バンコクに「CROOM」ブランドで海外初となる「西鉄ホテル クルーム バンコク シーロム」をオープンする。同グループのバンコクへのホテル出店は「ソラリア西鉄ホテル バンコク」に続き2店舗目。客室数はダブルとツインをメインに6タイプ・全172室。所在地のバンコク・シーロム地区は日系企業も多数進出する市内有数のビジネス街。

トヨタ EV市場減速で26年150万台→100万台へ生産縮小

トヨタ自動車が、世界的に減速傾向にあるEV(電気自動車)販売を踏まえ、2026年のEVの世界生産台数を100万台程度へ縮小することが分かった。このEV生産縮小方針を9月6日までに部品メーカーに伝えた。
同社は佐藤恒治社長が就任直後の2023年4月、EVの販売台数を2026年までに年間150万台とする計画打ち出していたが、その後のEV市場の動向に合わせ約3割縮小する。こうした一方で、需要に合わせてプラグインハイブリッド車(PHV)の生産を拡大するなど柔軟に対応していく構え。
トヨタ自動車のEV世界販売実績は2023年が約10万台、2024年は7月までで約8万台にとどまっている。