リサイクル樹脂・リユース電池使用のスマートベンチ開発

フクビ化学工業(本社:福井市)、長瀬産業(本社:東京都千代田区)、キャプテックス(本社:愛知県岡崎市)は4月23日、リサイクル樹脂、リユース電池を使用した環境配慮型のスマート電池を共同開発し、3月より実証実験を開始したと発表した。実証機は静岡県裾野市に設置され、利便性・安全性等の実証を経て、2025年度の実用化を目指す。
スマートベンチの設計および自治体を中心とした拡販はフクビ化学工業、搭載されるリユース電池の開発およびシステム化は長瀬産業とキャプテックスがそれぞれ担う。

ペットボトル再生工場完成 岡山・津山市で水平リサイクル

プラスチックのリサイクル事業を手掛けるヴェオリア・ジャパン(所在地:東京都)、三井物産(本社:東京都千代田区)、セブン&アイ・ホールディングス(本社:東京都千代田区)の3社は3月14日、共同で設立した合弁会社「サーキュラーペット」(所在地:岡山県津山市)の使用済みペットボトルを原料に戻す「水平リサイクル」工場を完成させ、竣工式を執り行った。本格稼働は今春を予定。
新工場は、これまで難しいとされてきた汚れやキャップが付いたままの廃ペットボトルの処理が可能。飲料業界が取り組む環境負荷の低減に向け、目標に掲げる「ボトルtoボトル」の加速が期待される。サーキュラーペットによると、国内で使われるペットボトル原料は年間約57万トン。工場では330ミリリットルボトル16億本相当の約2万5,000トンの生産を見込む。

くら寿司など 廃食用油のSAFへの再資源化で基本合意

くら寿司、日揮ホールディングス、レボインターナショナルおよび合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY(サファイア・スカイ・エナジー)の4社は12月12日、くら寿司の国内全店舗の廃食用油のSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)への再資源化を目的とする廃食用油の継続的な供給および利用に関する基本合意書を締結したと発表した。
今回の基本合意による廃食用油の供給量は年間およそ37万8,000リットルを見込む。2024年度下期から2025年度初めの生産開始を目指し、大阪府堺市で建設中の日本初となる国産SAFプラントで年間約32万リットルのSAFの製造を見込んでいる。これによるCO2削減量は年間約870トンとなる。

センコーG HD アパレルと協働 一体物流活用の資源循環事業

センコーグループホールディングス(本社:東京都江東区)は11月29日、大手アパレル3社と協働、12月1日から本格的に廃プラスチックの回収・再生する資源循環事業に本格的に乗り出すと発表した。
同社はこのため8月1日からグループの一体物流輸送網を活用し、効率的に廃プラスチックを回収し、再生する資源循環プラットフォームの実証事業を約4カ月間にわたり実施。この結果、推進した枠組みで事業としての採算性が確保できることを確認できたとしている。
協力するアパレル企業はオンワード樫山(本社:東京地中央区)、三陽商会(本社:東京都新宿区)、シップス(本社:東京都中央区)。参加企業はセンコー商事(本社:東京都江東区)、東京納品代行(本社:千葉県市川市)、アクロストランスポート(本社:東京都江東区)、テラレム(本社:東京都中央区)、豊通ケミプラス、ナクシス(本社:東京都渋谷区)など。回収対象は納品時のハンガーカバー、ニット・カットソーなど包装プラスチック(透明PE)。

商船三井と出光興産 海洋プラスチックの再資源化へ実証実験

商船三井と出光興産は9月26日、共同で海洋プラスチックの再資源化(油化ケミカルリサイクル)に向けた実証実験を開始すると発表した。商船三井グループの日本栄船が広島市営桟橋に設置した海洋浮遊ゴミ自動回収装置「Seabin(シービン)」で回収した海洋プラスチックを原料として、出光興産の子会社」、ケミカル・リサイクル・ジャパンが、油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産する。
この一連の取り組みを通じ、出光興産は石油化学製品や燃料油の原料として生成油が利用可能かを確認するとともに、海洋プラスチックの再資源化の実現可能性を検証する。

ホンダ 東レとナイロン6樹脂の水平リサイクルの実証開始

ホンダと東レは9月19日、使用済み自動車(ELV)から回収したナイロン6樹脂の水平リサイクルに関する共同実証を開始したと発表した。実証機関は2023年7月〜2026年3月の予定。この実証は環境省の脱炭素型循環経済システム構築促進事業の認定を受けており、樹脂処理量500トン/年規模のパイロット設備の導入と実証を行い、2027年ごろの実用化を目指す。

横浜で使用済みプラ容器の回収実験 セブン, サントリーなど12社

セブン&アイ・ホールディングス、サントリーホールディングス、カルビーなど12社は9月14日までに使用済みプラスチック容器の回収実験を開始した。横浜市内のイトーヨーカドー横浜別所店内に専用の回収箱を設置。12月6日まで実施する。調味料のボトルや洗った菓子袋などを専用箱で回収し、元のプラスチック原料に戻すことを目指す。実験に参加する12社が出資し、使用済みプラスチックの再資源化に取り組むアールプラスジャパン(本部所在地:東京都港区)が事業主体となる。

日産自など3社 EVの再生バッテリー利用のポータブル電源発売

日産自動車(本社:横浜市西区)、JVCケンウッド(本社:横浜市神奈川区)、フォーアールエナジー(本社:横浜市西区)の3社は8月31日、電気自動車(EV)「日産リーフ」の再生バッテリーを利用し、3社で共同開発したポータブル電源を発売すると発表した。日産は9月1日より全国の販売店舗で、JVCケンウッドは今年中に公式オンラインストアでそれぞれ発売する。

大日光・エンジ 台湾JMSと蓄電池再利用製品事業で業務提携

電子機器製造の大日光・エンジニアリングは8月28日、台湾のリチウムイオン電池製品メーカー、佐茂股份有限公司(JMS、所在地:台北市)と包括的業務提携を結んだと発表した。JMSの蓄電池製品に、大日光・エンジニアリングが得意とする電池システムを組み合わせることにより、EV(電気自動車)を含む様々な分野に向け蓄電池を再利用した製品の開発に取り組む。

凸版など3社 軟包材フィルムの水平リサイクルで共同実証開始

凸版印刷(本社:東京都文京区)、三井化学東セロ(本社:東京都千代田区)、三井化学(本社:東京都中央区)の3社は8月2日、印刷済みOPPフィルムを元の軟包材フィルムに水平リサイクルする共同実証試験を8月より開始したと発表した。これにより、3社は軟包材フィルムの水平リサイクル技術およびオペレーション基盤を確立し、普及・発展を目指す。また、2025年の社会実装を目指す。

ANA, 川崎重工 航空機の廃材, 端材, 余剰材使用のアップサイクル 

全日本空輸(ANA)と川崎重工は7月20日、ボーイング787のエンジンブレード廃材や航空機の製造過程ででる端材、余剰材を使用したアップサイクル商品を開発、同日12時より「ANA Mall」で発売すると発表した。これらの商品は航空・宇宙産業の盛んな中部地区の部品製造業各社の協力を得て製造されたもの。
エンジンブレードオブジェ(4万6,000円、本体のみ、送料別途、以下同)、キーホルダー(9,900円)、パスケース(1万1,000円)、名刺入れ(1万5,400円)、タブレットスタンド(8,800円)など。

大林組 100%バイオディーゼル燃料の活用で実証実験

大林組(本社:東京都港区)は7月13日、自社施設や一般家庭などから出た廃食用油を回収、100%バイオディーゼル燃料(以下、B100燃料)に精製し、同社が手掛ける2025年大阪・関西万博の建設工事で稼働する建設機械の燃料として活用する実証実験を行うと発表した。
この実証実験では松林(本社:京都府宮津市)、西尾レントオール(本社:大阪市)と協働し、大林組大阪本店および西日本ロボティクスセンターの食堂で使用した食用油を回収し、一般家庭などから出た廃食油とともに、製造委託先でB100燃料を精製、松林が配送を担当。大阪・関西万博の大林組が施工を担う工事で、西尾レントオールから借り受ける建設機械(油圧ショベル。発電機)に軽油に代わる燃料として使用する。

ファミマ 未開封食料品の回収ボックス 23年度に3,000店 ロス削減へ

ファミリーマートは未開封食料品を寄付用に持ち寄ってもらう「フードドライブ」の実施店を現在から4割増やす。店内に専用の回収ボックスを設置。捨ててしまう可能性があった食品を生かすことで、食品ロスの削減を進める。貧困家庭の支援にもつながる取り組みとして、2023年度に3,000店規模まで拡大する計画だ。日本経済新聞が報じた。

凸版印刷など3社 包装材料のマテリアルリサイクルで実証開始

凸版印刷(本社:東京都文京区)、三菱ケミカルグループ(本社:東京都千代田区)、共栄社化学(本社:大阪市中央区)の3社は6月22日、包装材料の製造工場から排出される廃プラスチックを水平リサイクルすることを目的とする、マテリアルリサイクル生産プロセスを共同開発する契約を3月15日に締結。6月より、生産実証プロセスの原理検証機の導入を含む、マテリアルリサイクルの生産プロセスの実証試験を開始する。
今回開発する技術は、プラスチック複合素材の包装材料を剥離・脱墨・分離し、素材別の樹脂として取り出すことが可能だ。取り出された各々の樹脂は品質劣化が少なく、洗剤やシャンプーなどのトイレタリー製品や食品の包装材に使用するフィルムの原料としての利用を検討している。3社は2027年度の社会実装を目指す。

JAL シェル・アビエーションと25年からSAF調達で契約

日本航空(以下、JAL)は6月16日、Shell(シェル)社の航空燃料部門、Shell Aviation(シェル・アビエーション)と、2025年から米国・ロサンゼルス国際空港でSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)を調達する契約を締結したと発表した。これによりJALは、GX戦略の目標の一つ、「2025年度に全燃料搭載量の1%をSAFに置き換え」を達成する見込み。

オギノ PET「ボトルtoボトル」サントリーG,アサヒ飲料と連携

オギノ(本社:山梨県甲府市)は6月5日、サントリーグループ、アサヒ飲料(本社:東京都墨田区)と「ペットボトルリサイクルの実施に関する協定書」を締結し、オギノの29店舗を対象に、店舗で回収した使用済みペットボトルを、新たに両社のペットボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」水平リサイクルを同日開始すると発表した。
今回の取り組みで回収されたペットボトルの6割にあたる約16万2,000kgがリサイクル施設で両社のペットボトルに水平リサイクルされる。残りの4割は食品トレーやプラスチック製品の便料としてリサイクルされる。

武田薬品, オリックス環境, JR貨物 廃材再利用, 環境負荷低減で連携

武田薬品(本社:大阪市中央区)、オリックス環境(本社:東京都港区)、日本貨物鉄道(JR貨物、本社:東京都渋谷区)の3社は5月25日、武田薬品が製造する医療用医薬品の製造過程で生じるPTP包装廃材のリサイクルとその輸送における環境負荷低減に取り組むことで連携すると発表した。
オリックス環境が、国内で初めてPTP包装廃材などの剥離に伴う産業廃棄物処分業の許可を取得し、武田薬品のPTP包装廃材を再生利用(マテリアルリサイクル)する。JR貨物はPTP包装廃材の輸送でCO2排出量がトラックよりも少ない貨物鉄道輸送サービスを提供する。6月1日より開始する。武田薬品の光工場(所在地:山口県光市)から排出される年間約101トンのPTP包装廃材のうち約95%にあたる約96トンを再生利用する。

島津製作所 梱包材のポリ容器へのリサイクルで龍谷大と包括連携

島津製作所(本社:京都市中京区)は5月23日、日本で初めて推進する梱包材をポリエチレン容器に再生して利用する取り組みで龍谷大学と同日、包括連携協定を締結したと発表した。同社が推進している循環型社会づくりの一環。
同社はプラスチックの一種、ポリエチレンの使用量を減らすために、使用済みの梱包材をペレット化し、新品のペレットに混ぜて再生材配合率30%のポリ容器をつくっている。すでに社外の協力先で量産しており、本社工場に導入している。今回の連携により、龍谷大学内の使用済み梱包材もリサイクルして、同大学の研究開発施設でもポリ容器を利用していく。

花王とライオン 洗剤容器のリサイクルで連携 詰め替えパック

花王(本店:東京都中央区)とライオン(本社:東京都台東区)は5月16日、洗剤容器のリサイクルで連携すると発表した。使用済み詰め替えパックを共同で回収し、詰め替えパックに再生して販売する。対象商品の、花王の「アタックZERO」、ライオンの「トップスーパーNANOX」を5月29日から順次、イトーヨーカドーやウエルシア薬局の一部店舗で数量限定販売する。
同パックは複合素材でリサイクルが難しく、現状では4割程度の自治体で焼却処分されている。今回、不純物を取り除く技術開発にめどがついたとしている。

ダイエー イオンの「ボトルtoボトル プロジェクト」へ参画

ダイエー(本社:東京都江東区)は5月9日、イオンの「ボトルtoボトル プロジェクト」へ5月12日より参画すると発表した。回収したペットボトルは再生PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂となり、これを原材料に使用したペットボトル飲料を、イオントップバリュが商品化し、ダイエーを含めたイオングループの各店舗で販売する予定。
このプロジェクトは顧客から店舗へ持参したペットボトルを、クローズドリサイクルで再商品化して、資源循環体制の構築を目指す取り組み。イオンは脱炭素型、資源循環型社会の実現に向けて、使い捨てプラスチックの使用量を、2030年までに2018年比で半減する目標を掲げている。