岩谷産業 コスモHDを持分法適用会社に 水素事業で連携

岩谷産業は3月28日、コスモエネルギーホールディングス(HD)株の25万株を追加取得したと発表した。この結果、議決権株は保有比率は20.07%となり、コスモHDを持分法適用会社とする。
水素販売で国内トップの岩谷産業は、水素関連事業の拡大に注力している。今回の持分法適用会社化により、岩谷産業は水素ステーションの整備など水素事業での連携を強化。コスモHDが持つガソリンスタンド網を生かして、水素ステーションの整備などを加速させることが狙い。

王子HD ベトナムの紙器製造販売のSLP社を買収

王子ホールディングス(本社:東京都中央区)は3月27日、100%子会社、王子マネジメントオフィス(本社:東京都中央区)を通じて、イムラ(大阪本社:大阪市)と共同で、ベトナムの紙器等の製造販売を手掛けるSONGLAM TRADING AND PACKAGING PRODUCTION JOINT STOCK COMPANY(所在地:ハノイ市、SLP社)の発行済み株式を80%取得する契約を締結したと発表した。取得価額は非開示。株式譲渡実行日は5月下旬の予定。

三井物産 インド鶏肉大手スネハに出資 高まる需要に対応

三井物産(本社:東京都千代田区)は3月27日、インドのブロイラー(肉用鶏)大手スネハ・ファームズに出資すると発表した。出資額は300億〜400億円とみられ、持分法適用会社化する。2025年中に出資を完了する。
スネハ社は飼料製造から育成、加工、販売まで鶏肉供給を一貫して手掛ける。また、インド国内に精肉店を約2,500店を展開する。世界的な人口増加や健康志向の高まりを背景に伸びる需要を取り込む。

経産省 35年めどに次世代国産旅客機の開発を幅広く支援

経済産業省は3月27日、産業構造審議会を開き「航空機産業戦略」の新たな案を示し、2035年ごろをめどに官民で次世代の国産旅客機の開発を進めることを明らかにした。
国産旅客機の開発では、巨額の投資と年月をかけた三菱重工業の「三菱スペースジェット(MSJ、旧三菱リージョナルジェット=MRJ)」の撤退事例がある。この反省を踏まえ、業界として1社ではなく複数の企業による開発を促す。
こうした方針のもと経産省は①研究費用②技術の規格づくり③部材の安定調達ーなどを幅広く支援する。

東洋製罐 缶底耐圧強度向上技術で最軽量アルミ缶を開発

東洋製罐グループホールディングス(本社:東京都品川区)は3月26日、連結子会社、東洋製罐が飲料缶の底部をリフォームして強化し、軽量化を可能とする缶底耐圧強度向上技術を使用することにより、204径SOT(ステイオンタブ)缶で国内最軽量となるアルミDI缶を開発したと発表した。これにより、温室効果ガス(GHG)排出量のさらなる削減が期待される。
千歳工場・基山工場を皮切りに、全国の工場で350ml、500mlの最軽量アルミ缶の量産を、2024年4月から順次予定している。

中外製薬 血液疾患の治療薬「ピアスカイ」の承認取得

中外製薬は3月26日、厚生労働省から血液の希少疾患の抗体医薬品「ピアスカイ」の承認を取得したと発表した。ピアスカイの一般名はクロバリマブ。国の指定難病「発作性夜間ヘモグロビン尿症」の治療に使う。皮下注射で4週間に1回の投与すれば済むため、患者の負担軽減につながる。同社は同治療薬について、中国でも承認を取得しており、米欧などで承認申請している。

クラレ 620億円投じシンガポールにエバール樹脂の新工場

クラレは3月26日、4億1,000万ドル(約620億円)投じ、食品ロス削減につながる食品包装用樹脂の新工場をシンガポールで建設すると発表した。生産するのは同社が世界で初めて開発したエバール樹脂で、同新工場は2026年末に稼働を予定。東南アジア地域での生産は初めて。
エバール樹脂は酸素などの気体を通しにくく、食品の劣化を防ぎ鮮度保持に優れている。樹脂製造の前工程は年産3万トン、後工程は同1万8,000トンを計画。2026年度以降、需要動向を見据え後工程に再投資し生産能力を拡大する。

小林製薬の「紅麹」含む健康食品問題で入院確認70人余に

小林製薬(本社:大阪市中央区)は3月26日、「紅麹(べにこうじ)」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、新たに相次ぎ入院していたことが判明、この問題で入院を確認された人が合わせて70人余りになったことが分かった。また、2人が腎不全などで亡くなっていたことが分かった。
同社は、2023年一年間に製造した紅麹原料18.5トンのうち16.1トンを子会社を通じて取引先に販売したことを明らかにした。このうち6.9トンは。同社が自主回収を進めている健康食品に使用しているものと同じ紅麹原料という。
同社は予防的措置として取引先に対し、紅麹原料を使用したすべての製品の販売や使用を控え、回収措置に協力するよう要請しており、52の食料商社や食品メーカーなどが自主回収する動きが相次いでいる。

24年1/1時点の地価公示 大阪商業地2年連続上昇

国土交通省によると、大阪1715地点の今年1月1日時点地価の公示が公表された。商業地は平均プラス6%となり、2年連続で上昇した。商業地で上昇率が高かったのは大阪市中央区道頓堀1丁目で25.3%、ついで大阪市中央区難波2丁目「で22.1%となった。商業地で価格が最も高くなったのは大阪市北区大深町の「グランフロント大阪南館」で1㎡当たり2,360万円「だった。
住宅地は平均でプラス1.6%と3年連続の上昇となった。上昇率は箕面市船場西1丁目が8.7%で最も高く、次いで箕面市今宮4丁目が8.6%となるなど、北大阪急行電鉄の延伸に伴って新駅が建設されたことが主な要因。住宅地で最も高くなったのは、大阪市福島区福島3丁目で1㎡当たり125万円だった。

三井化学 廃プラン分解油によるケミカルリサイクル製品

三井化学(本社:東京都中央区)は3月22日、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、CFP(本社:広島県福山市)より調達した廃プラスチックを原料とした熱分解油を、2024年3月に同社大阪工場(所在地:大阪府高石市)のクラッカーへ投入し、マスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の誘導品(化学品・プラスチック)の製造・販売を開始したと発表した。
同社グループは、認証制度として欧州で広く採用されているISCC PLUS認証に基づき、マスバランス方式によるケミカルリサイクル製品を市場展開していく予定。

3月発売の首都圏新築マンション7,122万円 4カ月連続上昇 

不動産経済研究所によると、3月に首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で発売された新築マンションの平均価格は、前年同月比5.1%高の1戸あたり7,122万円だった。前年同月を上回るのは4カ月連続。
東京23区は前年同月比1%高の9,110万円、23区を除いた東京都内が同15.4%高の5,816万円、神奈川県が同20.6%高の6,096万円、千葉県が同14.9%高の5,079万円、埼玉県が同7.0%高の5,066万円だった。また、3月に首都圏で発売された新築マンションの戸数は同27.6%減の1,319戸にとどまった。

ダイハツ 4/10に主力の「タント」など2車種の生産再開

ダイハツ工業(本社:大阪府池田市)は3月21日、滋賀工場(所在地:滋賀県竜王町)で認証不正問題で停止していた主力車種の「タント」と、AUBARU(スバル)ブランドの「シフォン」の2車種の生産を再開すると発表した。国土交通省が安全や環境に関する性能の基準を満たしているとして3月11日に出荷停止指示を解除したことを受けたもの。

JAL 33年度までに新型機42機導入 低燃費・小型機に更新

日本航空(JAL)は3月21日、2025〜2033年度までに欧州エアバスと米ボーイングの新型機42機を国内線・国際線に導入すると発表した。低燃費の機材や小型機材に更新する。
国際線に30機、国内線に12機投入する。メーカー別ではエアバスが32機、ボーイングが10機。購入予定金額は明らかにしていない。新型コロナウイルス禍後の本格的な旅客需要の回復を見込み、大型投資に踏み切る。

東レ 廃水再利用へ高耐久性逆浸透膜を開発 耐薬品性2倍

東レ(本社:東京都中央区)は3月21日、工場廃水の再利用、下水処理等での厳しい条件のもとで、これまでの除去性を維持したまま、長期間安定して良質な水を製造できる高耐久性逆浸透膜を開発したと発表した。今回の開発品は、膜の洗浄時の薬品に対する耐久性を従来品の2倍に向上させたほか、交換頻度を半減させている。
現在、量産準備を進めており、2024年上期に市場が急拡大する中国での販売を目指し、日本を含むその他の国・地域に向けた製品開発に活用していく計画。

2月電子機器出荷額23.1%減 AVC機器11カ月連続減少

電子情報技術産業協会(JEITA)のまとめによると、テレビや車載機器など民生用電子機器の2月の国内出荷額は前年同月比23.1%減の782億円だった。カーナビなどのAVC機器の出荷額は同38.2%減の373億円にとどまった。前年同月を下回るのは11カ月連続。映像機器全体の出荷額は同1.0%減の362億円だった。

北大阪急行 延伸区間3/23開業「箕面萱野」駅で式典

阪急電鉄や大阪府などが出資する第三セクターの北大阪急行電鉄は3月23日、北側の終点の千里中央駅からおよそ2.5km延伸し、「箕面船場阪大前」駅と「箕面萱野」駅の区間が開業した。新たな終点となる箕面萱野駅で同日朝、記念式典が行われ、鉄道会社の関係者がテープにはさみを入れ、開業を祝った。
今回の延伸に伴い、箕面萱野駅から新大阪駅までを最速19分、梅田駅までを最速25分で結ぶことになり、大阪市中心部へのアクセスが大幅に向上することになる。

核融合発電実現へ 3月中に約50社参加の産業協議会発足

内閣府は3月22日、核融合発電の実現を目指し、3月中に約50社が参加する「一般社団法人フュージョンエネルギー産業協会」を発足すると発表した。核融合発電は2030年代の実現を目指すスタートアップが、海外で出てくるなど研究が活発になっており、日本の関連企業が集まって開発や販路開拓に弾みをつける。

SUBARUとパナソニックE 車載用円筒形電池の供給で協業

SUBARU(本社:東京都渋谷区)とパナソニックエナジー(本社:大阪府守口市)は3月19日、車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に関する協業基本契約を締結したと発表した。両社は2023年7月31日に結んだ、バッテリーEV(電気自動車)並びに車載用電池への需要に対応するため、中長期的パートナーシップの構築を通じて協議。その結果、今回の協業基本契約に至ったもの。
両社はカーボンニュートラル社会の実現に向けた社会的使命の遂行、自動車産業と電池産業の持続可能な発展や地域の雇用維持や人材育成など、様々な社会課題の解決に共同で貢献していく。

自動車総連 賃上げ平均1万3,896円 約50年ぶり高水準獲得

自動車業界の労働組合でつくる自動車総連(所在地:東京都港区)は3月20日、2024年の春季労使交渉について、経営側から回答を得た186組合の同日時点の回答集計結果を発表した。
基本給のベースアップ(ベア)相当の賃金改善分と、定期昇給(定昇)に相当する維持分を合わせた賃上げ獲得額の平均は1万3,896円だった。これは1975年以降で最高の水準。

東京都 リコーと曲がる太陽電池の実証 都庁展望台で開始

東京都は3月19日、都庁の展望台で軽くて曲がるペロブスカイト型太陽電池の実証実験を開始すると発表した。リコー製のペロブスカイト型を搭載した、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」センサーを都庁展望台内5カ所に設置。2025年4月ごろまでの約1年間で太陽電池の発電性能や耐久性、センサーの有効性なども検証する。