米国、中国に次ぎ世界3位の日本の名目国内総生産(GDP)が4位に転落する可能性が出てきた。ロシアのウクライナ侵攻を契機に、新型コロナからの回復途上の世界経済がまたも減速を余儀なくされ、先行きは見通せないが、遅くとも5年以内に、早ければ2023年にもドイツに抜かれ4位に転落する可能性が出てきた。近年の円安に伴うドルベースの経済規模の縮小に加え、低成長が経済を蝕(むしば)んだためだ。
国際通貨基金(IMF)の経済見通しでは2022年の名目GDP(予測値)は、3位の日本が4兆3,006億ドル(約555兆円)。これに対し4位のドイツのGDPは4兆311億ドルで、ドイツが約6.7%増えれば逆転することになる。
IMFの予測では2023〜2027年も辛うじて逆転は免れる。だが、2023年時点(予測値)でその差は6.0%に縮小する。日本のエコノミストらは、企業の労働生産性や国際競争力を高める政策をテコ入れしなければ、遅くとも5年以内にはドイツに抜かれる可能性は高いと警鐘を鳴らしている。
サイバーダインのHALシリーズをインド大手病院IBSが6台導入
サイバーダイン(本社:茨城県つくば市)は11月18日、インドの大手病院、Institute of brain&Spine hospital(以下、IBS病院)に向けて、脳・神経・筋系機能を改善・再生する装着型サイボーグHAL(R)6台(下肢タイプ3台、単関節タイプ2台、腰タイプ1台)を同日出荷したと発表した。南アジアで初めてのHALの導入で、アジア太平洋におけるサイバニクス治療の普及が加速している。
JICA ネパールの地震に強い建物の建設推進 耐震強化へ技術協力
国際協力機構(JICA)は11月18日、ネパールの首都カトマンズで同国政府との間で、技術協力プロジェクト「都市強靭化のための建築物管理能力強化プロジェクト」に関する討議議事録に署名した。これは地震に強い安全な建物の建築推進に寄与し、耐震建築のための建築基準遵守メカニズムの改善を図るもの。対象地域はカトマンズ盆地。実施機関はネパール都市開発省都市開発建設局。
JICA カンボジアのコロナ感染症危機 緊急支援で250億円の円借款
国際協力機構(JICA)はこのほど、カンボジアの首都プノンペンで同国政府との間で、新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援として、250億円を限度とする円借款貸付契約に調印した。同事業はアジア開発銀行との協調融資による財政支援を通じて、カンボジア政府の新型コロナウイルス感染症への対応に協力するもの。同事業の実施機関はカンボジア経済財政省。
10月訪日外客数98.9%減 7カ月ぶり2万人超 制限緩和で今後に期待
日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2020年10月の訪日外客数は前年同月比98.9%減の2万7,400人にとどまり、13カ月連続で前年同月を下回ったものの、7カ月ぶりに2万人を超えた。日本政府がビジネス客を中心に入国制限を緩和し徐々に環境を整え、取引先企業の担当者の往来を促しているだけに、今後は段階的に訪日外客数の増加が見込まれる。
JNTOの推計によると、10月の訪日外客は中国人が4,500人(前年同月比99.4%減)、インド人が700人(同95.0%減)、香港人200人(同99.9%減)などとなっている。
三井住友銀行 インドニューデリー支店にチェンナイ出張所開設
三井住友銀行は11月18日、インド・タミルナドゥ州チェンナイ市に、ニューデリー支店チェンナイ出張所を開設し、同日より営業を開始したと発表した。
インドは13億人の世界第2位の人口を擁し、中長期的に成長力が大きい巨大市場。チェンナイ市はインド南部地域で、最大の人口を抱える主要都市。工業団地等の産業集積地や、インド有数の貨物取扱量を誇るチェンナイ港に近接している。
関空から入国した外国人 10月は5,381人で9月のおよそ2倍に
大阪出入国在留管理局関西空港支局によると、10月に関西空港から入国した外国人は5,381人で前年同月と比べると99.2%減となった。
ただ、日本政府が10月1日から入国制限を原則緩和し、中長期の在留資格を持つ外国人の新規入国を認めたことに伴い、9月と比べるとおよそ2倍に増えていることが分かった。
川崎重工 手術支援ロボット公開 国の製造販売承認を初取得
川崎重工業(本社:神戸市中央区)は11月18日、医療用検査機器メーカーと共同開発した手術支援ロボット「hinotori」を公開した。このロボットは、メスなどの手術用器具や内視鏡カメラが付いた4本のアームを備えていて、人の手先のように滑らかに動くことが特徴。手術台から離れたところにいる医師が操作することができる。厚生労働省によると、日本のメーカーが手術支援のロボットで、国から製造販売の承認を得たのは初めてという。
川崎重工はこのロボット事業の展開を見据え、神戸市内に2~3年後をめどに同ロボットの生産工場を新設する方針。
新型コロナの日本国内新規感染者2,384人 2日連続で最多更新
全国の自治体のまとめによると、日本国内で11月19日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者は2,384人となり、18日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者2,191人に続き、1日の新規感染者が2日連続で過去最多を更新した。
東京都で過去最多の534人が確認され、18日の493人を上回り2日連続で過去最多を更新した。大阪府でも過去最多の338人が確認された。この結果、累計感染者数は東京都が3万6,256人、大阪府が1万6,374人、神奈川県が1万779人などとなった。
直近の特徴は重症化する患者が増えていることで、11月17日時点で276人と、この2週間で1.7倍近くに上っている。
三菱ケミカル 軽金属事業を中国のKFMI社・TCPR社に譲渡
三菱ケミカル(本社:東京都千代田区)は11月17日、軽金属事業を中国の2社に譲渡すると発表した。譲渡先は寧波江豊電子材料股份有限公司(本社:中国浙江省余姚市、以下、KFMI社)およびKFMI社グループの同創普潤(上海)机電高科有限公司(本社:中国・上海市、以下、TCPR社)。2021年4月をめどに譲渡する。
KFMI社およびTCPR社は、半導体や液晶用のスパッタリングターゲット材メーカーで、とくにアルミ製ターゲット材では世界トップという。
PPIH 香港に縁日「屋台」コンセプトの新業態12/18オープン
総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)グループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(香港)(本社:香港)は11月17日、香港にDON DON DONKIの新業態店舗となる「情熱笑店(じょうねつしょうてん)ピークギャレリア」を2020年12月18日にオープンすると発表した。
新業態のコンセプトは、日本の縁日で並ぶ「屋台」。このため、商品構成は屋台メニューのたこ焼き、寿司、おでん、焼き鳥、揚げ物、どら焼き、りんご飴など。
同店舗は香港を代表する観光名所Victoria Peak(ヴィクトリア・ピーク)に位置するショッピングモール「ピーク・ギャレリア」内に出店する。売場面積は147.39㎡。
住友ゴム レベル4自動運転車のタイヤ空気圧 岐阜で実証実験
住友ゴム(本社:神戸市中央区)は11月16日、レベル4自動運転車を対象に、空気圧データ取得から異常時タイヤメンテナンスまでのシステムを構築し、11月12日に岐阜市内の公道で実証実験を実施したと発表した。
これは昨年から行っている群馬大学の次世代モビリティ社会実装研究センターとの共同研究によるもので、車両が無人の場合でもタイヤ空気圧のリモート監視を可能とするもの。
日本ピグメント シンガポール子会社の解散・清算を発表
各種着色剤、インキなどの製造販売の日本ピグメント(本社:東京都千代田区)は11月13日、シンガポールで樹脂コンパウンドおよび樹脂用着色剤の製造販売を手掛けている子会社Nippon Pigment(S)Pte.Ltd.を解散すると発表した。同国内の市場動向や事業環境等に基づき総合的に判断した。現地の法令に従い、必要な手続きが完了次第清算結了となる予定。
三井物産 インド貨物専用鉄道向け保線機器を180億円で受注
三井物産(本社:東京都千代田区)は11月18日、インド鉄道省傘下の貨物専用鉄道公社から、インド最大の産業集積地帯、デリー-~ムンバイ間貨物専用鉄道プロジェクト(以下、DFC西回廊プロジェクト)における軌道・架線保守用の保線機器供給契約を約180億円で受注したと発表した。これにより、DFC西回廊プロジェクトにおける同社の累計受注額は土木軌道敷設工事、信号、通信設備工事と合わせ約1,820億円となる。
全農・農林中金 日清製粉Gに出資 国産農産物の販路拡大
全国農業協同組合連合会(JA全農、所在地:東京都千代田区)は11月17日、農林中央金庫(本店:東京都千代田区)と共同で、日清製粉グループ本社(本社:東京都千代田区)の発行済み株式の約1%を取得し、業務提携すると発表した。約53億円を農林中金と折半出資し、国産農産物の販路を拡大する。
JA全農と日清製粉グループは現在、国産小麦を取引しているが、今後は他の農畜産物に取引を広げる。
新型コロナで延期の日越フェス 21年3/6~7日に共同開催決定
新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されたベトナム最大の日越交流イベント「第7回ジャパンベトナムフェスティバル(JVF)」は、2021年3月6、7の両日、ベトナム会場、日本会場(中継基地)、オンラインの3点を結ぶハイブリッド型で開催することが決まった。ベトナム会場はホーチミン市1区9月23日公園、日本側中継会場はSHIBUYA STREAM Hallを予定。このイベントは当初2020年2月末の開催を予定していた。
6社が分散型エネルギーリソース活用の経産省「VPP実証事業」
日産自動車、東北電力など6社が11月16日、分散型エネルギーリソースを活用したパワープラント構築に向けた経済産業省資源エネルギー庁補助事業「VPP構築実証事業」を共同で、同日から2021年3月31日まで実施すると発表した。参画するのは日産自動車、東北電力のほか三井物産、三菱地所、リコージャパン、エフィシエント。
様々な分散型エネルギーリソースを高度なエネルギーマネジメント技術により、遠隔・統合制御する技術の構築および電気自動車の蓄電池を活用し、蓄電池を電力系統に接続して充放電する技術の構築に取り組む。昨年度まで取り組んでいたV2G補助事業がVPPアグリゲーション事業に統合されたことから、これまでの取り組みを拡張して、電力需給調整バランス調整機能としての実現可能性を、さらに詳しく検証することを目的として取り組むもの。
鹿島 壁面吹付塗装ロボットを実工事に初適用 約3割の労務削減
鹿島(本社:東京都港区)は11月16日、竹延(本社:大阪市)と壁面吹付塗装ロボットを共同開発し、実工事に初適用したと発表した。同ロボットの適用により、熟練塗装工と同等の塗装品質を確保しながら、塗装作業全体に要する人工を、従来の人々による作業と比べて約3割削減したという。
習中国主席 ハイテク産業育成強化を指示 核心技術の砦を築け!
中国国営通信の新華社によると、習近平国家主席は11月12日、半導体や医薬、人工知能(AI)などの分野で、世界レベルの産業クラスターをつくり、「核心技術の砦を築く必要がある」とし、産業チェーン強化や科学技術の向上を指示した。ハイテクで覇権を争う米国を念頭に置いた発言。
コロナ関連倒産小規模合わせ718件に 10月105件で単月最多更新
東京商工リサーチのまとめによると、11月13日16時時点で、新型コロナウイルス関連による経営破たんは負債額1,000万円以上で累計683件(倒産620件、準備中63件)に上った。このほか、負債額1,000万円未満で累計35件が確認されており、これを合わせると718件となっている。負債額1,000万以上の経営破たんを月別にみると、6月の103件を皮切りに、7月80件、8月67件、9月100件、10月105件で単月の最多件数を更新した。11月は13日までで、37件が判明している。
スパコン「富岳」2期連続で世界一獲得 4部門で輝く
理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳」が11月17日に公表された計算速度を競う世界ランキングで世界1位を獲得した。富岳が世界一になるのは今年6月に続いて2期連続。今回1位に輝いたのは①演算速度、②シミュレーション計算、③AIの学習速度、④ビッグデータの処理性能-の4部門。
野口さん搭乗「クルードラゴン」宇宙ステーションに到着
日本人宇宙飛行士、野口聡一さん(55)ら4人が乗ったスペースX社の新型宇宙船「クルードラゴン」が日本時間11月17日午後1時すぎ、宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。同午後3時すぎに野口さんら4人はISSに入り、滞在中の米国、ロシアの3飛行士と対面した。野口さんは約6カ月間ISSに滞在し科学実験などを行う。
北陸銀行 ベトナム・ホーチミン市に駐在員事務所を開設
ほくほくフィナンシャルグループの北陸銀行(本店:富山市)は11月12日、ベトナム・ホーチミン市に駐在員事務所を開設すると発表した。開設時期は2021年8月の予定。現地の政治経済、金融等の情報収集および取引先企業の海外進出、海外展開および各種業務のサポートを行う。
なお、限りある経営資源を中国・アジア地域に集中させるため、ロンドン駐在員事務所を廃止する。
国分G本社 マレーシアKL郊外の4温度帯物流センター稼働
国分グループ会社(本社:東京都中央区)はこのほど、グループ企業でマレーシアで物流事業を展開するKokubu Food Logistics Malaysia Sdn.Bhd.(本社:セランゴール州)が、クアラルンプール近郊シャー・アラムに低温物流センターを開設、稼働させたと発表した。
同センターは冷凍(-18℃~-25℃)、冷蔵(0℃~8℃)、エアコン(15℃~20℃)、常温の4温度帯対応の物流センターで、これによりマレーシア国内で低温加工食品のコールドチェーン物流機能を発揮していく。シャー・アラムには3つの主要高速道路があり、マレーシア半島全域への配送が可能となる。
野口聡一さん搭乗の宇宙船「クル-ドラゴン」打ち上げ成功
米国の民間企業、スペースXが開発した宇宙船「クル-ドラゴン」1号機が11月16日、野口聡一さんら4人の宇宙飛行士を乗せて米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから、日本時間午前9時27分に打ち上げられた。宇宙船は12分後に予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。
宇宙船は日本時間17日午後1時ごろに国際宇宙ステーションにドッキングする計画で、宇宙の商業利用が本格化する時代の始まりとして注目される。野口さんは宇宙ステーションに6カ月滞在し、科学実験などを行うことになっている。
菅首相 IOCバッハ会長と東京五輪開催実現へ緊密な連携確認
菅義偉首相は11月16日、来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と首相官邸で会談し、2021年夏に延期された東京五輪・パラリンピックの開催実現に向け連携していくことを確認した。
菅首相は会談後、「観客の参加を想定した検討を進めていると説明し、安全・安心な大会の実現に向け今後も緊密に連携していくことで一致した」と語った。バッハ会長は「東京大会を必ず実現し、成功させる」と述べたという。
RCEP 15カ国が協定に署名 世界人口の3割占める巨大自由貿易圏
RCEP(東アジア地域包括的経済連携)は11月15日、日本、中国、韓国、ASEAN諸国を含めた15カ国がオンライン形式で開かれた首脳会議で正式に合意し、協定に署名した。この結果、アジア太平洋地域で世界人口やGDPのおよそ3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生した。これはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を上回る規模となる。また、日本にとって最大の貿易相手国の中国と、3番目の韓国との間で結ぶ初めてのEPA(経済連携協定)となる。
今回署名を見送ったインドについては、協定の発効後、参加を受け入れるとし、要請があり次第、速やかに交渉を始めるなどとする担当閣僚の宣言をまとめた。
日本の7~9月期GDP年率21.4%増 4四半期ぶりプラス成長
内閣府が11月16日発表した2020年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動を除く実質で前期比5.0%増、年率換算で21.4%だった。4四半期ぶりのプラス成長となった。比較可能な1980年以降で最大の伸びとなったが、これは、比較時期の4~6月期がコロナ禍で大幅な落ち込みとなっていたためで、規模としては感染拡大前の水準には戻っておらず、政府が目標としていた「V字回復」はならなかった。7~9月期はGoToトラベルキャンペーンにより個人消費、輸出が大きく伸びた。
ブックオフG KL郊外のラワンにマレーシア6号店オープン
ブックオフグループのマレーシア法人BOK MARKETING SDN.BHD.は11月9日、首都クアラルンプール(KL)北郊外のRawang(ラワン)にリユース店舗「Jalan Jalan Japan(ジャラン・ジャラン・ジャパン)、以下、JJJ」の6号店を11月2日にオープンしたと発表した。
2016年11月に同国1号店をオープン以来、年2店舗のペースで出店を続け、今回6店舗目となった。6店舗合わせ延べ3,000坪以上の売場面積、100万点以上の商品を常時陳列する規模となった。2~3年後の10店舗体制を目指している。
東芝 石炭火力の新規受注・建設から撤退 再生エネに経営資源集中
東芝が石炭火力発電所の新規受注・建設から撤退することが分かった。世界的な環境規制の高まり、低炭素・脱炭素社会への取り組み強化の動きを受けたもの。二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電所の計画見直しを含め需要・案件は減少している。
今後は再生可能エネルギー分野に経営資源を集中し、2022年度までに1,600億円程度を投入する。再生可能エネルギー事業の売上高は30年度に6,500億円を見込む。ちなみに19年度は太陽光発電設備の供給などで1,900億円だった。
東芝の石炭火力発電設備の世界シェアは11%(中国を除く)と高い。今後は関わった石炭火力発電関連部品の供給は続け、国内外での受注済みの発電所は完成させる。