『夕刊フジ』25年1月末で休刊 55周年で夕刊紙の役割終えた

産経新聞社は10月1日、公式サイトで発行するタブロイド判夕刊紙『夕刊フジ』を2025年1月31日発行(2月1日付)をもって休刊すると発表した。休刊の理由について、デジタル端末の普及、コロナ禍に伴う帰宅時の購読機会の減少、原材料費、配達コストの上昇ーなどを挙げている。
夕刊フジは1969年2月に創刊。通勤帰宅時の交通機関での読み物として新たな需要を掘り起こした。今回、創刊55周年の節目に、夕刊紙としての一定の役割を終えたと判断した。

京大と住友林業 世界初の木造人工衛星「LignoSat」完成

京都大学と住友林業は5月28日、2020年4月より取り組んできた「宇宙木材プロジェクト」で、約4年かけて開発した木造人工衛星(LignoSat)が完成したと発表した。6月4日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)へ引き渡す。
これは1辺が100mm角のキューブサットと呼ばれる超小型の衛星で、NASA/JAXAの数々の厳しい安全審査を無事通過。世界で初めて宇宙での木材活用が公式に認められた。今年9月に米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げ予定のスペースX社のロケットに搭載し、国際宇宙ステーション(ISS)に移送する。ISS到着から約1カ月後に「きぼう」日本実験棟より宇宙空間に放出される予定。

ispace 民間初の月面着陸に失敗 燃料切れで十分に減速できず 

宇宙スタートアップのispace(マイスペース)は4月26日、月面着陸船の月への着陸について、「着陸船の状態確認は困難と判断した」と発表した。この結果、成功すれば民間企業として世界初の快挙との期待があった月面着陸は失敗に終わった。
月面着陸失敗の原因について、着陸船は月面に対して垂直になり、最終着陸体制となったが、途中で想定以上に燃料を過剰に消費し、減速に使う燃料がなくなり、降下速度が急速に上がった後、通信が途絶えたことが判明した。
同着陸船は2022年12月に米スペースXのロケットで打ち上げられ、宇宙空間を4カ月半航行して月に到着。順調にいかべ26日午前1時40分ごろにソフトランディングし、着陸する予定だった。

古河市兵衛記念センター 旧足尾鉱業所を復元建設

古河機械金属(本社:東京都千代田区)は3月13日、古河三水会理事会社が共同で設立した一般社団法人 古河市兵衛記念センター(2022年11月18日設立)が、1912年に竣工し、その後移築・解体された古河機械金属旧足尾工業所を往時の場所に「足尾銅山記念館」として復元する建設工事に着手すると発表した。
同記念館の建設予定地は栃木県日光市足尾町。工期予定は2023年3月〜2025年3月。施工は古河林業、設計は古河林業・日本設計。木造2階建て(延床面積約1,242㎡、建物高さ約15.8m)。2025年5月開館予定。
古河市兵衛が創業した古河グループは2025年に創業50周年を迎える。1877年に経営を始めた足尾銅山(栃木県)は明治鉱業史に特筆される技術革新を行うことで、日本一の産銅量を誇るまで発展し、古河グループ発展の原動力の役割を果たした。

民間初月面着陸目指す 宇宙船打ち上げ成功

宇宙ベンチャー、ispece(マイスペース、所在地:東京都)は12月11日、独自開発した月面着陸船を搭載した米スペースXのファルコン9ロケットが、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙基地から打ち上げられたと発表した。ロケットから切り離された月面着陸船は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。月面への到着は約5カ月先で、成功すれば民間企業として世界初の快挙となる。

岸和田 コロナ禍で”だんじり”引き回し中止 神事のみ執行

大阪府岸和田市の「岸和田だんじり祭」は10月11日、新型コロナウイルスの感染防止のため、大勢の見物人が集まる名物の”だんじり”引き回しが中止され、五穀豊穣を願う神事のみが執り行われた。市によると、岸和田だんじり祭が中止になるのは昭和20年以来75年ぶり。
豪快かつ勇壮にだんじりを引き回すことで知られる同祭は、江戸時代に始まったと伝えられ、300年以上続く伝統の祭り。

大阪「うめきた」で1,500体超の人骨出土 江戸~明治期の埋葬跡

大阪市教育委員会、大阪市文化財協会は8月13日、江戸~明治時代に現在のJR大阪駅北側再開発区域「うめきた」(大阪市北区)にあった「梅田墓」について、発掘調査の結果、1,500体以上の埋葬人骨が出土したと発表した。
市内でこれほど多くの埋葬跡が一度に見つかるのは初めてで、全国的にも珍しい。これらは庶民階級の墓とみられ、今後は骨を調べ、葬送文化や生活環境などを詳しく分析する。発掘調査はうめきた再開発事業に伴って始まり、2017年2~6月の調査で墓地の南北端の石垣や約200体の埋葬人骨が見つかっている。
梅田墓は、江戸初期に天満周辺にあった墓を、現在の大阪駅の南側付近に集めたのが始まりで、その後、現在のうめきた南西部に再移転したとされる。大坂に7カ所あった「大坂七墓」の一つ。近松門左衛門の作品、浄瑠璃「曽根崎心中」や「心中天網島」などにも登場する。

大坂冬の陣図屏風 色鮮やかにデジタル復元 大阪城天守閣で展示

豊臣秀吉亡き後、豊臣秀頼を総大将とする豊臣家と、徳川政権を盤石なものとすることを願う徳川家康を総大将とする徳川家との最終決戦、大坂の陣(1614~1615年)。このうち冬の陣(1614年)を描いた屏風(びょうぶ)が、東京国立博物館に残されている模写本を使って、大手印刷会社の凸版印刷のデジタル技術で色鮮やかに想定復元され、大阪城天守閣(所在地:大阪市中央区)で展示されている。
展示されているのは縦1.7m、横3mの「大坂冬の陣図屏風」で、金箔や金銀泥(きんぎんでい)がふんだんに使われ、江戸時代初期、400年余前の戦乱の様子が色鮮やかに描かれている。この原本は行方不明となっている。
展示室には、大坂城が焼失、豊臣家が滅亡した夏の陣(1615年)を描いた重要文化財の屏風などが展示されている。この展示は10月7日まで。

世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」堺市が最新技術で紹介する施設整備

堺市は、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」を最新のデジタル技術を駆使して紹介する展示施設を整備することになった。同展示施設は、仁徳天皇陵とされる古墳近くにあるレストハウスを改修して、デジタル機器の導入などおよそ2億2,000万円をかけて整備し、2021年3月のオープンを目指すとしている。
同市は昨年、世界遺産に登録されたときから観光振興に役立てる計画だったが、古墳を俯瞰して見学できる場所がないなど課題もあり、古墳を空から見た映像を壁に映し出すなど、最新のデジタル技術を駆使して展示する施設を整備することになった。

2025年「大阪・関西万博」プロデューサー10人決定

2025年に開催される「大阪・関西万博」の実施主体、博覧会協会は7月13日、大阪市内で記者会見を開き、万博のプロデューサー10人を正式発表した。選ばれたのは建築家の藤本壮介氏、愛知万博でチーフプロデューサー補佐を務めた石川勝氏、映画監督の河瀬直美氏、メディアアーティストの落合陽一氏、生物学者の福岡伸一氏、アニメーション監督の河森正治氏、放送作家の小山薫堂氏、慶應大学医学部の宮田裕章教授、大阪大学の石黒浩名誉教授、音楽家の中島さち子氏の10人。
会場のデザイン・運営、8つのテーマ事業ごとに各1人が担当し、総合プロデューサーは決めない。アフターコロナの次代を見据え、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博が、いわば”司令塔”の10人のプロデューサーのもと開催に向けていよいよ始動する。

「岸和田だんじり祭」今年は新型コロナで75年ぶり引き回し中止に

大阪府岸和田市の「岸和田だんじり祭」を運営する団体は7月6日、新型コロナウイルス感染防止対策が困難として、今年は9月に行われる予定のだんじり祭の引き回しを中止し、神事だけを執り行うことを決めたと発表した。同市によると、岸和田だんじり祭が中止になるのは、終戦直後の昭和20年以来75年ぶりという。
岸和田だんじり祭は、五穀豊穣を願って江戸時代から300年以上続く伝統の祭りで、力強い掛け声とともに勇壮にだんじりを引き回すことで知られ、今年は9月19~20日に予定されていた。だんじり祭は2つの地区の団体が運営していて、別の地区の団体は6月に中止を発表していた。

「船渡御」奉納花火など「天神祭」46年ぶり中止 新型コロナで

日本三大祭りの一つで、大阪の夏の風物詩「天神祭」(7月24・25日)の関係者会議は4月13日、新型コロナウイルスの感染拡大のため、「船渡御(ふなとぎょ)」「陸渡御」、奉納花火など大半の行事を中止することを決めた。これらのメイン行事は観客の”密集”が避けられないと判断した。大阪天満宮・本殿での神事は神職のみで行うという。
天神祭の中止は、第1次石油ショックの影響を受けた1974年以来、46年ぶり。

文楽で80年ぶりの名跡「竹本錣太夫」復活

およそ80年前に途絶えた人形浄瑠璃の名跡が復活することになった。語り手の「太夫」を務める竹本津駒太夫さんが2020年1月、「六代目 竹本錣(しころ)太夫」を襲名する。襲名披露公演は2020年1月、大阪・日本橋の国立文楽劇場で行われる。竹本津駒太夫さんは広島県尾道市出身の70歳。                                                                             錣太夫は、人形浄瑠璃「文楽」で昭和初期にかけて活躍した先代の五代目が”艶物(つやもの)”と呼ばれる男女の恋愛を描いた作品の語りの名手として知られる名跡だが、およそ80年前に途絶えていた。

“やりまわし”に歓声 大阪・岸和田「だんじり祭」

高さがおよそ4m、重さがおよそ4トンのだんじりを法被、ねじり鉢巻き姿の男たちが、力強い掛け声とともに、豪快に引き回す大阪府岸和田市の「だんじり祭」が9月14、15の両日行われた。今年は市内の各地区から34台のだんじりが参加。最大の見どころは交差点で、だんじりが勢いよく走りながら直角に向きを変える”やりまわし”。だんじりの屋根の上でうちわを持って舞う「大工方」の合図で、引手たちが息を合わせて、勢いよくだんじりを曲げる。そのたびに見物客からは歓声が上がる。                                              岸和田だんじり祭は、江戸時代、当時の岸和田藩主が五穀豊穣を願って始めたと伝わる、300年以上続く伝統の祭。

天神祭「船渡御」浪速の夜空彩る5,000発の花火

大阪の夏の風物詩、大阪天満宮(所在地:大阪市北区)の天神祭は7月25日、本宮を迎え市内の中心部を流れる大川でおよそ100隻の船が行き交う「船渡御」が営まれた。そして、日暮れとともにクライマックスの、令和初の約5,000発の奉納花火が打ち上げられ、家族連れやカップルなど多くの見物客を魅了した。

14の学術団体が世界遺産の古墳群公開求める声明

日本考古学協会など14の学術団体は7月23日、世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」を地域や社会に公開していくことなどをもとめる声明を出した。この中で同古墳群のうち、宮内庁が管理する古墳が原則、非公開となっていることについて、陵墓であることに配慮しながら一般への公開を進めることや、国と地元自治体が協力して史跡への指定などの保護を進めることを求めている。

百舌鳥・古市古墳群 世界文化遺産に登録、23件目

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は、アゼルバイジャンの首都バクーで会議を開き、日本時間の7月6日午後5時半すぎに、大阪府の「百舌鳥・古市(もずふるいち)古墳群」を新たに世界文化遺産として登録することを決めた。百舌鳥・古市古墳群は大阪府堺市、羽曳野市、藤井寺市にまたがる、4世紀後半から5世紀後半ごろに造られた、合わせて49基の古墳で構成される。この中には宮内庁が「仁徳天皇陵」として管理し、「大山古墳」とも呼ばれる国内最大の前方後円墳も含まれている。これらの古墳は、当時の高い築造技術を示しているほか、日本の古代国家の成り立ちを研究するうえで、貴重なものとされる。今回の登録によって日本の世界遺産は23件目で、文化遺産が19件、自然遺産が4件になる。大阪府の世界遺産の登録は今回が初めて。

「大坂夏の陣図屏風」など大阪城天守閣で企画展

大阪城天守閣で5月22日から、「サムライたちの躍動」と銘打った重要文化財の屏風などを展示する企画展がスタートした。7月17日まで。同展では大阪城天守閣で収蔵しているコレクションの中から屏風や甲冑(かっちゅう)など合わせて71点展示されている。中でも目を引くのが重要文化財「大坂夏の陣図屏風」で、慶長20(1615)年の大坂夏の陣の戦いを描いたもの。屏風は左右一対で、右側には徳川家康率いる徳川連合軍と真田幸村らが主導した豊臣軍が激突する様子が躍動感あるタッチで描かれ、左側には民衆たちが川を渡って逃げ惑う様子が描かれている。6月28、29日、日本で初めて開催される「G20大阪サミット」に合わせて、これから一段と増加が見込まれる訪日外国人にもサムライ文化の一端を紹介しようと企画されたもの。

日本遺産 今年度は全国で16件認定、近畿で西国巡礼など

文化庁が認定する「日本遺産」に今年度は全国で16件が認定された。このうち「1300年続く日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼」は、近畿2府4県と岐阜にある33カ所の観音信仰の霊場を巡礼で訪れた人々に、日本人の優しさや心遣いといった豊かな心を伝えるきっかけになるとして認定された。滋賀県内の大津市の三井寺や石山寺など3つの市にある6つの寺の観音像や建物が含まれる。このほか近畿では兵庫県赤穂市の塩づくりが選ばれた。赤穂の塩づくりは江戸時代、入浜塩田と呼ばれる干満の差を利用して海水を引き入れる製塩法を確立し、国内の著名ブランドとして名を馳せたことなどが評価された。日本遺産は2015年、文化庁が各地に点在する有形、無形の文化財を地域のつながりや特徴ごとにまとめ、観光資源としてその魅力を国内外に発信しようと設けたもの。