東京メトロ 三井住友カードなどとカードタッチ決済活用の実証へ

東京メトロ(本社:東京都台東区)と、三井住友カード(本社:東京都江東区)、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(本社:東京都千代田区)、ジェーシービー(本社:東京都港区、以下、JCB)、QUADRAC(本社:東京都港区)は8月7日、東京メトロ線内で2024年度中にクレジットカードのタッチ決済および、QRコードを活用した乗車サービスの実証実験を開始すると発表した。東京メトロにとって、交通系ICカードを主軸としつつ、新たな乗車サービスを検証するのが目的。

近畿7月倒産21%増の170件 10カ月連続で前年上回る 中小零細で

帝国データバンク大阪支社のまとめによると、7月の禁忌2府4県の倒産件数は前年同月比21%増の170件だった。前年同月を上回るのは10カ月連続。建設業(39件)、飲食業(16件)、運輸業(14件)で増加が目立った。
負債総額は112億8,700万円(前年同月は168億4,400万円)。負債額5,000万円未満(122件)の倒産が全体の7割を超え、中小零細企業の資金繰り悪化が顕著になっている。地域別では大阪府(88件)が7割増加したほか、京都府(33件)も2カ月連続で増えている。

東芝 国内連合が8/8からTOB開始 約2兆円で非公開化

東芝は8月7日、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中心とした国内連合が8日からTOB(株式公開買い付け)を始めると発表した。TOB価格は4,620円。全株取得を目指している。成立すれば東芝は上場廃止となり、74年間の上場の歴史はいったん幕を閉じる。見込まれる約2兆円の買収にはJIPほか、ローム、オリックス、日本特殊等業など国内20社が出資し、メガバンクなどが融資する。

トヨタ 中国のポニーと年内にも自動運転タクシーの新会社設立

トヨタ自動車は8月4日、中国で自動運転タクシーの商用化に向けて、2019年に自動運転技術開発で協業している中国の小馬智行(ポニー・エーアイ)と合弁会社を設立すると発表した。合弁新会社は年内にも設立し、2024年にも実用化を目指す。投資総額は10億人民元(約200億円)以上になる見込み。新会社にはポニーが50%出資し、トヨタの中国法人、トヨタの合弁会社、広汽トヨタなどが資本参加する予定。

日本製鉄 高炉水素還元技術の試験炉でCO2排出量22%削減を確認

日本製鉄は8月4日、東日本製鉄所君津地区の水素還元試験炉(内容積12㎥)で、世界最高水準となる高炉本体からのCO2排出量を22%削減する効果を確認したと発表した。さらに2023年内をめどに、30%以上のCO2削減を目指した試験を予定している。これらの実証試験を重ね、大型高炉でのSuper COUSE50技術(CO2排出量50%以上削減)確立の早期化に取り組んでいく。

シャープ4〜6月期 営業赤字に転落 液晶パネルの販売不振響く

シャープ(本社:大阪府堺市)が8月4日発表した2023年4〜6月期決算は、本業のもうけを示す営業利益が70億円の赤字(前年同期は61億円の黒字)に転落した。液晶ディスプレー事業のパソン向けパネルなどの市況低迷が響いた。また円安が進み、海外で生産する家電の国内販売への打撃となった。売上高は前年同期比3.7%減の5,412億円、純利益は同79.5%減の55億円だった。

花王 中国での紙おむつ生産終了 構造改革費用600億円計上へ

花王(本社:東京都中央区)は8月3日、中国・合肥工場(所在地:安徽省合肥市)で手掛けている紙おむつ「メリーズ」の生産を同日付で終了したと発表した。2023年12月期に、これに伴う構造改革費用600億円を計上する。
同社は2009年に中国で紙おむつの販売を開始。2012年に合肥工場が稼働、通気性や肌触りの良さで消費者に支持されシエアを拡大した。だが、ここ数年は現地企業の品質が向上し、シェアが低下し事業採算が大きく悪化していた。

7月もトヨタ「ヤリス」が首位 EV首位は日産「サクラ」

日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)のまとめによると、7月の車名別新車販売でトヨタ自動車の小型車「ヤリス」が、前年同月比1%増の1万8,854台で首位だった。同車の首位は2カ月連続。2位はホンダの軽自動車「N-BOX」で5%増の1万7,919台。3位はトヨタの「カローラ」で2%減の1万2,792台。電気自動車(EV)では日産自動車の軽EV「サクラ」が首位で、販売台数は3,174台だった。乗用車全体に占めるEVの割合は2%にとどまっている。

EV充電なら一時退出OK 高速道路の乗り直しに課金せず 国交省

国土交通省は電気自動車(EV)を充電するために高速道路を一時的に出入りする場合、追加料金を徴収しない新たな課金制度づくりに着手する。EVの本格的な普及を見据え、利用者の利便性を考えた場合、避けては通れない措置と判断。2024年度の導入を目指す。

コスモ石油などの国産SAF大規模製造が東京都の事業に採択

コスモ石油、日揮ホールディングス(HD)、レボインターナショナルの3社は8月3日、東京都の廃食用油回収促進に係る事業に、3社の日本初の国産SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)大規模製造に向けた共同提案が採択されたと発表した。
当面3社がコスモ石油堺製油所で建設中のSAF大規模製造実証設備において、都内各所から回収した廃食用油がプラントで受け入れ可能か、サンプル調査を実施する。具体的には天かすなどの不純物、水分、金属分の濃度等が受け入れ許容範囲内となっているか確認を行う。
3社は今回の東京都の採択事業を弾みとして、SAFのサプライチェーン構築に向けた事業展開を加速させるとともに、2025年に国産SAFを供給できる体制を整えていく。

関西の23年度設備投資計画11%増 2年連続増 政策投資銀行調べ

日本政策投資銀行関西支店の調べによると、関西2府4県の全産業の2023年度の設備投資計画は前年度実績比11%増の1兆2,425億円の見通しだ。増加は2年連続。業種別にみると、製造業が12%増の4,675億円。非製造業は11%増の7,750億円。2025年の大阪・関西万博やインバウンド関連の投資が集中する運輸(52%増)や不動産(39%増)などで増加が目立つ。人手不足に伴う省力化投資や都心部の再開発案件が全体を押し上げている。

JR西日本 芸備線「再構築協議会」設置要請を表明 新制度で

JR西日本(本社:大阪市北区)は8月2日、広島県と岡山県を走る芸備線について、国、事業者、自治体で赤字路線の改善策や存廃を話し合う「再構築協議会」の設置を国に要請することを明らかにした。広島、岡山両県が芸備線の状況を把握するために岡山市内で開いたヒアリングの最後にJR西日本が表明した。
JR西日本が協議会の設置を要請するのは備後庄原(所在地:広島県庄原市)ー備中神代(同岡山県新見市)の区間。同社が協議会の設置を要請するのは初めて。協議会は、2023年4月に成立した改正地域公共交通活性化再生法に盛り込まれた新たな制度。10月1日の法施行後、速やかに要請する考え。

ANA 新ブランド「Air Japan」24年2月から成田ーバンコク線就航

ANAホールディングス(HD)は8月2日、低価格の新ブランド「Air Japan(エアージャパン)」で、2024年2月から成田ータイ・バンコク線を就航すると発表した。エアージャパンとして初の路線となる。最低価格が片道1万5,500円からの「シンプル」をはじめ、「スタンダード」(1万9,200円〜)、「セレクテッド」(2万3,800円〜)の3つのプランを用意している。2024年2月9日から週6便を運航する。

JDI 鳥取工場25年3月に生産終了 車載向け需要減で

ジャパンディスプレイ(JDI)は8月2日、車載向け液晶パネルをを生産する鳥取工場(所在地:鳥取市)の稼働を2025年3月に終了すると発表した。同工場は旧世代のアモルファスシリコン技術を用いた小型パネルを生産してきたが、同製品への需要が減少しているため。この結果、JDIの生産工場は茂原工場(同千葉県茂原市)と石川工場(同石川県川北町)の2カ所となる。

凸版など3社 軟包材フィルムの水平リサイクルで共同実証開始

凸版印刷(本社:東京都文京区)、三井化学東セロ(本社:東京都千代田区)、三井化学(本社:東京都中央区)の3社は8月2日、印刷済みOPPフィルムを元の軟包材フィルムに水平リサイクルする共同実証試験を8月より開始したと発表した。これにより、3社は軟包材フィルムの水平リサイクル技術およびオペレーション基盤を確立し、普及・発展を目指す。また、2025年の社会実装を目指す。

TSMC進出の熊本県とラピダスの北海道が半導体振興で連携

半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が進出する熊本県と、ラピダス(所在地:北海道千歳市)が次世代半導体の量産を目指している北海道の産官学が半導体産業の振興や集積に向けて連携する。北海道の鈴木直道知事らが8月2日、熊本県を訪れ協定を結んだ。人材育成や関連企業の誘致に向けた情報共有、国への要望などに取り組む計画。

ダイキン 茨城・つくばみらい市に関東初の拠点工場建設へ

大手空調メーカー、ダイキン工業(本社:大阪市北区)は8月2日、空調機の新たな生産拠点を設立するため、茨城県がつくばみらい市で造成している工業団地に用地を確保、エアコンなどの工場を設けることは明らかにした。同日、十河政則社長らが茨城県庁を訪れ、大井川知事と面会し、茨城県への進出を報告した。
同社は同工業団地のうちおよそ10haの区画を取得し、工場を整備し2028年までにエアコンの生産を開始する計画。工場稼働に伴い300〜400人の雇用を見込んでいる。
同社は現在、世界約90カ所で空調機や関連部品を生産。日本国内では生産拠点はこれまで創業地の関西圏に集中、立地している。

第一三共 初の国産コロナワクチン承認取得 供給はせず

第一三共(本社:東京都中央区)は8月2日、同社が開発した新型コロナウイルスワクチン「ダイチロナ」の国内での製造販売承認を取得したと発表した。国内企業が開発した初の国産ワクチンとなる。これはメッセンジャーRNA(mRNA)タイプで、従来型ウイルスに対応した1価ワクチン。同タイプの米ファイザーや米モデルナのワクチンが冷凍が必要なのとは異なり、2〜8度の冷蔵で流通・保管できるという。ただ、様々な変異型が横行している中、同クチンは出荷せず、同社も変異型ワクチンの開発を進める。

村田製作所 112億円投じフィリピン子会社の新生産棟の建設開始

村田製作所(本社:京都府長岡京市)は8月1日、フィリピンの生産子会社Philippine Manufacturing Co.of Murata,Inc.が約112億円(建屋のみ)を投じ、8月から新生産棟の建設を開始したと発表した。積層セラミックコンデンサの中長期的な需要増加に対応できる体制を構築する。新生産棟はRC造地上2階、延床面積7万7,981㎡、建築面積3万2,454㎡。2025年9月末の竣工予定。

アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」厚労省8/21に承認判断

厚生労働省が、日本のエーザイと米国のバイオジェンが共同で開発を勧めてきたアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」について、8月21日に開く専門部会で承認するかどうかを判断することが分かった。承認されれば、国内初の薬となる。
レカネマブは最終段階の治験で、この薬を投与された患者は偽の薬を投与された患者と比べて、1年後の認知機能の低下がおよそ27%抑えられ、症状の進行を緩やかにする効果が確認されている。米国では7月上旬、日本に先駆けて治療薬として正式承認されている。

ライオン 中国で次世代ヘルスケア製品視野に合弁新会社

ライオンは7月31日、連結子会社ライオンハイジーン(所在地:東京都台東区)が、シンガポールの大手アグリビジネス企業のWilmar International LimitedグループのYihai Kerry Arawana Holdings Co.,Ltd.(所在地:中国・上海市)の子会社とともに、合弁新会社「Yihai Kerry Lion(China)Clean Technologr Co.,Ltd.」(所在地:中国・上海市)を設立すると発表した。
新会社の資本金は1,000万人民元(約2億円)で、出資比率はライオンハイジーン49.0%、Yihai Kerry Arawana Holdings51%。2024年1〜6月に設立する予定。次世代ヘルスケア製品のリーディングカンパニーを視野に、業務用洗浄製品、衛生サービスの販売およびマーケティング、同製品群の研究開発および生産委託先管理を担う。

トヨタ 中国市場での競争力強化で知能化・電動化の現地開発を加速

トヨタ自動車は7月31日、電動車の普及が進む中国市場で競争力を強化するため、その根幹である知能化・電動化技術の現地開発を加速すると発表した。
そのため①中国トヨタ最大のR&D拠点「トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社」の社名を、8月1日付で「トヨタ知能電動車研究開発センター(中国)有限会社」に改称する②中国における合弁会社のR&D3カ所のエンジニアなどをIEM by TOYOTA主導の開発プロジェクトに投入する③電動化では、マルチパスウェイを軸にしたカーボンニュートラルを実現するために、電動車全般(BEV・PHEV・HEV・FCEV)の現地開発を強化。デンソーとアイシンもIEM by TOYOTAに参画し、電動パワートレーン開発を加速する④知能化では、空間設計やAI活用を通じたよりよいユーザーエクスペリエンスのため、スマートコックピットやより中国の実情に合った自動運転・先進安全機能の現地設計・開発を加速、推進する⑤電動化・知能化について、「サプライヤーの開拓」「部品設計の見直し」「生産技術・製造モノづくり改革」の3分野で、製造コストの大幅削減に挑戦する。

第一交通産業など 再生エネ活用の次世代タクシー営業所の運用開始

第一交通産業(本社:福岡県北九州市)、三菱オートリース(本社:東京都港区)、三菱商事(本社:東京都千代田区)は7月31日、第一交通産業の子会社、北九州第一交通の門司営業所と門司港営業所を中心に電気自動車(EV)、太陽光発電設備およびエネルギーマネジメントシステムを導入し、EV中心の次世代型タクシー営業所の運用を開始したと発表した。
3社は門司営業所にEV12台、充電器、太陽光発電システムおよびエネルギーマネジメントシステムを、門司港営業所にはEV6台と充電器を導入する。同事業は地域交通の維持・発展、並びにタクシー事業の低・脱炭素化に向けた取り組みの一環。

スズキ インドの車生産効率化へ子会社マルチ・スズキに集約化

スズキは7月31日、インド子会社のマルチ・スズキに、インド国内の自動車生産を集約すると発表した。スズキの全額出資子会社で四輪車生産を手掛けるスズキ・モーター・グジャラート(SMG)をマルチ・スズキの完全子会社とする。生産効率化が狙いで、2024年3月までに子会社化を完了する予定。これにより、スズキグループがインド国内に持つ3工場は、すべてマルチ・スズキの傘下に入ることになる。

パナソニックHD 届出制に基づく自動配送ロボの運用開始

パナソニックホールディングスは8月1日、2023年4月1日施行の改正道交法に規定された遠隔操作型小型車における届出制に基づく自動配送ロボットの運用を2カ所で開始したと発表した。これは、ラストワンマイル配送の課題を解決するためのサービスの実証。
7月31日から神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンで、8月1日から東京都千代田区丸の内でそれぞれ開始した。届出性に基づく自動配送ロボットの運用は日本初。

観光庁 6月の旅行宿泊者4,626万人 コロナ禍前の19年上回る

観光庁が7月31日発表した宿泊旅行統計(速報値)によると、6月にホテルや旅館に宿泊した日本人と外国人の合計は延べ4,626万人で、2019年同月比1.0%増だった。新型コロナウイルス禍以降、初めて単月で2019年を上回った。
日本人宿泊者数は3,683万人で2019年同月比で1.7%増。外国人宿泊者数は943万人で、2019年同月の98.4%まで回復した。宿泊施設全体の客室稼働率は54.2%だった。前年同月比9ポイント高まり、2019年同月比では6.4ポイント低かった。

アステラス製薬 胃がん治療薬を中国で承認申請 当局が受理

アステラス製薬は8月1日、開発中の胃がん治療薬「ゾルべツキシマブ」について、中国国家薬品監督管理局(NMPA)の医薬品評価センターが承認申請を受理したと発表した。海外では米国や欧州でも申請しており、日本では6月に厚生労働省に製造販売承認を申請している。
同社はゾルベツキシマブを重点戦略製品と位置付け、世界でのピーク時の売上高を最大年2,000億円と見込んでいる。ゾルベツキシマブは胃腺がん、食道胃接合部腺がんの治療薬として開発されたもの。
胃がんは世界中で5番目に多く診断されるがん。同社によると世界で新たに診断される胃がん患者数のほぼ半数を中国人患者が占め、2020年には47万8,000人以上が胃がんと診断されているという。

パナソニックエナジー スバルへのEV電池供給へ協議開始

パナソニックホールディングス(HD)の電池子会社、パナソニックエナジー(本社:大阪府守口市)とSUBARU(スバル、本社:東京都渋谷区)は7月31日、バッテリーEVならびに車載用電池への需要に対応するために中長期的パートナーシップ構築に向けて協議を開始したと発表した。
パナソニックエナジーがスバルにEV用の次世代の円筒形リチウムイオン電池を供給することで協議。スバルが群馬県に建設予定のEV専用工場へ、2020年代後半の供給を目指す。

戸田建設 シンガポールに新会社 アジア・オセアニア事業を統括

戸田建設は(本社:東京都中央区)は7月31日、シンガポールに海外子会社を設立すると発表した。新会社「Toda Asia Pacific Pte.Ltd.」の資本金は5,800万シンガポールドル(約62億200万円)で、同社が全額出資する。現在の現地法人(タイ、ベトナム、インドネシア)と今後拡大するアジア・オセアニア地域における事業を統轄管理する。8月に設立する予定。