ソニー タイの半導体工場新棟稼働 2,000人の雇用創出

ソニーセミコンダクタソリューションズは3月28日、タイ法人でイメージセンサー(画像センサー)の後工程などを手掛けるソニーデバイステクノロジー(タイランド)が、新工場の竣工式を執り行ったと発表した。ソニーデバイステクノロジー(タイランド)は、タイ中部パトゥムタニ県バンガディ工業団地の半導体工場に新棟「4号棟」を建設し、2月から生産ラインを稼働している。主な生産品目は車載用イメージセンサー、ディスプレイデバイス、データセンター向け半導体レーザー。
敷地内ではすでにスマートフォン向けの半導体施設があるが、ここを拡張する形で新工場(新棟)を整備したもの。今後、約2,000人の雇用創出を見込む。

日銀短観 大企業の製造業4期ぶりに悪化, 非製造業好調

日銀が4月1日発表した3月の短観(短期経済観測)によると、大企業の製造業は前回の昨年12月から2ポイント下落して「プラス11」と4期ぶりに悪化した。一方、大企業の非製造業は前回より2ポイント上昇して「プラス34」と8期連続で改善した。
製造業の悪化は、自動車大手のダイハツ工業などが認証不正問題を受け、一部生産を停止したことで、自動車や非鉄金属などの部門で景況感が大幅に悪化したため。非製造業好調の要因は、引き続き伸びるインバウンド需要や価格転嫁の進展。
日銀の短観は国内の企業およそ9,000社から景気判断を聞き取り、3カ月に1度発表しているもの。

23年の休廃業約5万社, 13年以降で最多 価格転嫁進まず

東京商工リサーチのまとめによると、2023年の休廃業・解散企業は前年比0.3%増の4万9,788社に上った。比較できる2013年以降で最多となった。燃料・原材料・副資材など諸物価の大幅な上昇、人手確保へ人件費が不可避となる中、新型コロナウイルス禍の企業支援、補助金もなくなり、コスト上昇分の価格転嫁が十分に進んでいない。こうした状況を受け、財務体質の弱い中小・零細企業を中心に、市場からの退出を選択せざるを得なくなった企業が増えているためだ。

明治 中国・上海市に新設のアイスクリーム拠点稼働開始

明治(本社:東京都中央区)は3月29日、中国事業を統括する100%出資子会社の明治(中国)投資有限公司を通じて増資して新設した明治制果食品工業(上海)有限公司(所在地:上海市)のアイスクリーム生産拠点が3月20日より生産を開始したと発表した。これにより、中国におけるアイスクリームの生産能力を約2倍に拡大する。同国におけるアイスクリーム市場の拡大に対応する。

小糸製作所 インド・グジャラート工場稼働開始 3拠点目

小糸製作所(本社:東京都品川区)は3月29日、子会社のインディア・ジャパン・ライティング・プライベート・リミテッド(以下、IJL)が、インドで3拠点目となるグジャラート工場を建設、3月より稼働を開始したと発表した。中長期的に成長が見込まれるインド自動車産業市場で自動車照明器の受注拡大につなげる。同社のインドにおける自動車照明機器の生産は、北部ハリヤナ州のバワール工場、南部のタミルナドゥ州のチェンナイ工場が担っている。
グジャラート工場の用地は約10万㎡、建屋は約2万6,700㎡、延床面積2万9,000㎡。生産能力は自動車用前照灯/標識灯各50万台(2025年度末予定)。投資金額は約37億円(2018〜2024年度合計)。主要納入先はマルチ・スズキ・インディア、タタ自動車など。

ヤマダホーム, ALSOK ホームセキュリティ標準搭載で提携

ヤマダホーム(本社:群馬県高崎市)とALSOK(本社:東京都港区)は3月29日、ALSOKの最新ホームセキュリティ「HOME ALSOK Connect」を標準搭載した住宅の販売に向けて、業務提携契約を締結したと発表した。ヤマダホームズが販売する「YAMADAスマートハウス」への全棟標準搭載および一部パッケージ商品で取り扱いを開始する。
急増する、そして凶悪化する新手の侵入犯罪に対応、”住まいの防犯対策”を強化し、両社協働で社会課題の解決に取り組んでいく。

日立造船, 丸紅 UAEでごみ焼却発電設備 建設・運営も

日立造船(本社:大阪市住之江区)と丸紅(本社:東京都千代田区)は3月29日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでごみ焼却発電設備の建設や運営を始めると発表した。2027年に稼働させて、30年間の運用を担う。
日立造船のスイス子会社、イノハ社がアブダビの一般・産業廃棄物排出量の約4割に相当する年間90万トンのごみ処理が可能な設備を手掛ける。焼却時に発生するエネルギーで発電し、現地企業のエミレーツ水電力公社に売電する。

鴻池運輸 NLJと共同で全長25mダブル連結トラック運行

鴻池運輸(本社:大阪市中央区)は3月29日、NEXT Logistics Japan(本社:東京都新宿区、以下、NLJ)と共同で全長25mダブル連結トラックの運行を開始すると発表した。2024年5月末から関東・関西間で導入開始を予定。
これは2021年に鴻池運輸が参入したNLJが推進する「ドライバー不足によりモノが運べなくなる社会課題の解決」に向けた取り組みの一環。鴻池運輸の25mダブル連結のトラックの運行は今回が初。

マツダとパナソニックE リチウムイオン電池供給で合意

マツダ(本社:広島県安芸郡府中町)とパナソニックエナジー(本社:大阪府守口市)は3月29日、車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に向けた合意書を締結したと発表した。両社は2023年6月21日に車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に関する中長期的パートナーシップ構築に向けた協議を開始することを公表、その後も協議を進めていた。

JR東海 27年のリニア開業断念 静岡区間未着工メドたたず

JR東海は3月29日、リニア中央新幹線の東京ー名古屋間について、最速で2027年としている開業目標を断念する方針を明らかにした。トンネル掘削により川の水量減少などを懸念して静岡県が県内区間の工事に反対しているため。着工のめど立たず、早期開業は困難と判断した。
リニア中央新幹線は最高時速500kmで走行し、品川−名古屋間を最速40分、品川ー大阪間を1時間強で結ぶ計画。品川ー名古屋(約286km)の総工費は約7兆円で、静岡工区を除く約9割の区間は契約済みの工事が進んでいる。

エア・ウォーター 神明HDと提携 農作物供給網で4社協業

エア・ウォーターは3月28日、コメ卸大手の神明ホールディングス(HD)と資本業務提携したと発表した。エア・ウォーターが29日付で神明HD株の発行済み株式総数の4.7%(60万株)を取得する。取得価額は非開示。エア・ウォーターが青果物流通の効率化に向けて野菜卸大手(ベジテック、デリカフーズホールディングス)と協業する枠組みに神明HDが加わる。
この結果、4社の青果物取扱量は業界最大規模の年間約90万トン(国内青果出荷量の7%)、売上高は合計7,000億円と国内最大規模の連合体となる。

住友林業など3社 ベトナム6,700戸大規模住宅開発に参画

住友林業(本社:東京都千代田区)、熊谷組(本社:東京都新宿区)、NTT都市開発(本社:東京都千代田区)の3社は3月29日、現地不動産開発会社Kim Oanh Group(以下、KOG)との協業で、ベトナム・ビンズン省トゥアンアン市でのタウンシップ開発に共同参画すると発表した。
同プロジェクトは約41haの敷地に低層分譲住宅約1,200戸、高層分譲住宅5,500戸の大規模タウンシップの開発。総事業費は約1,400億円で、2034年までに全区画の完成を予定。同開発地はホーチミン市中心部より北東に約25kmで、隣接する幹線道路でホーチミン市中心部まで車で約45分の立地にある。

京セラDS ベトナム工場の太陽光発電本格稼働でCO2削減

京セラドキュメントソリューションズ(本社:大阪市中央区、京セラDS)は3月28日、ベトナム工場の建屋に設置された太陽光発電システムが29日より本格稼働すると発表した。これにより、年間4,210トン(30万694本の植樹相当)のCO2削減を見込んでいる。また、ベトナム工場の使用電力の約41%をカバーすることができるとしている。

JBICなどインド国営NHPCの太陽光発電に200億円融資

国際協力銀行(JBIC)などは3月28日、インド国営水力発電公社(NHPC)と最大200億円の融資契約を締結したと発表した。JBICが三菱UFJ銀行、横浜銀行と協調融資として実施する。総額200億円のうち120億円をJBICが担う。
インドは発電の多くを石炭火力に依存しており、グローバルな気候変動や大気汚染への対応が求められており、NHPCが進める太陽光発電事業を支援する。

トヨタ 2月世界販売13カ月ぶり減 不正響き国内33%減

トヨタ自動車が3月28日発表した2月の販売・生産・輸出実績(レクサス含む)によると、世界販売台数は前年同月比7%減の71万9,630台と、2023年1月以来13カ月ぶりに前年を下回った。ダイハツ工業と豊田自動織機の認証不正による出荷停止措置に伴い、国内で大幅に販売が減少したことが響いた。国内販売は前年同月比33%減の10万3,946台にとどまり、2カ月連続の前年割れとなった。

岩谷産業 コスモHDを持分法適用会社に 水素事業で連携

岩谷産業は3月28日、コスモエネルギーホールディングス(HD)株の25万株を追加取得したと発表した。この結果、議決権株は保有比率は20.07%となり、コスモHDを持分法適用会社とする。
水素販売で国内トップの岩谷産業は、水素関連事業の拡大に注力している。今回の持分法適用会社化により、岩谷産業は水素ステーションの整備など水素事業での連携を強化。コスモHDが持つガソリンスタンド網を生かして、水素ステーションの整備などを加速させることが狙い。

王子HD ベトナムの紙器製造販売のSLP社を買収

王子ホールディングス(本社:東京都中央区)は3月27日、100%子会社、王子マネジメントオフィス(本社:東京都中央区)を通じて、イムラ(大阪本社:大阪市)と共同で、ベトナムの紙器等の製造販売を手掛けるSONGLAM TRADING AND PACKAGING PRODUCTION JOINT STOCK COMPANY(所在地:ハノイ市、SLP社)の発行済み株式を80%取得する契約を締結したと発表した。取得価額は非開示。株式譲渡実行日は5月下旬の予定。

三井物産 インド鶏肉大手スネハに出資 高まる需要に対応

三井物産(本社:東京都千代田区)は3月27日、インドのブロイラー(肉用鶏)大手スネハ・ファームズに出資すると発表した。出資額は300億〜400億円とみられ、持分法適用会社化する。2025年中に出資を完了する。
スネハ社は飼料製造から育成、加工、販売まで鶏肉供給を一貫して手掛ける。また、インド国内に精肉店を約2,500店を展開する。世界的な人口増加や健康志向の高まりを背景に伸びる需要を取り込む。

経産省 35年めどに次世代国産旅客機の開発を幅広く支援

経済産業省は3月27日、産業構造審議会を開き「航空機産業戦略」の新たな案を示し、2035年ごろをめどに官民で次世代の国産旅客機の開発を進めることを明らかにした。
国産旅客機の開発では、巨額の投資と年月をかけた三菱重工業の「三菱スペースジェット(MSJ、旧三菱リージョナルジェット=MRJ)」の撤退事例がある。この反省を踏まえ、業界として1社ではなく複数の企業による開発を促す。
こうした方針のもと経産省は①研究費用②技術の規格づくり③部材の安定調達ーなどを幅広く支援する。

東洋製罐 缶底耐圧強度向上技術で最軽量アルミ缶を開発

東洋製罐グループホールディングス(本社:東京都品川区)は3月26日、連結子会社、東洋製罐が飲料缶の底部をリフォームして強化し、軽量化を可能とする缶底耐圧強度向上技術を使用することにより、204径SOT(ステイオンタブ)缶で国内最軽量となるアルミDI缶を開発したと発表した。これにより、温室効果ガス(GHG)排出量のさらなる削減が期待される。
千歳工場・基山工場を皮切りに、全国の工場で350ml、500mlの最軽量アルミ缶の量産を、2024年4月から順次予定している。