日本触媒 米Trevi Systemと次世代システムで海水淡水化

日本触媒(本社:大阪市中央区)は2月15日、Trevi System Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下、Trevi System社)と次世代の海水淡水化/水処理システムの正浸透(FO)システムの基幹部材である浸透圧発生剤(Draw Solution、以下、DS)を共同開発したと発表した。
Trevi System社は、米国エネルギー省から400万ドルの資金援助を受けてハワイ島で、共同開発したDSを用いて海水から淡水をつくるプロジェクトを2022年6月から開始し、すべてのデータ取得を2023年9月に完了している。

三菱自など4社 電動車のスマート充電サービスで実証事業

三菱自動車工業(本社:東京都港区)、MCリテールエナジー(本社:東京都千代田区)、Kaluza(本社:英国・ロンドン)と三菱商事(本社:東京都千代田区)の4社は2月15日、電動車のコネクティッド技術を活用した国内初となるスマート充電サービスの商用化に向けた実証事業を開始すると発表した。
三菱自動車が販売する「アウトランダー」(PHEVモデル)を保有する顧客を対象に、三菱商事の出資先のOVOグループのKaluzaが提供するEV充電制御プラットフォームを通じて、通常の家庭充電で顧客がスマートフォンのアプリ上で指定した時間までに、市場価格等が安い時間帯に充電が最適化されるサービスを提供する。

パナソニックHD系 電池負極材調達へカナダ企業に出資

パナソニックホールディングス傘下の電池事業会社、パナソニックエナジーは2月15日、電気自動車(EV)用電池の主要材料の負極材を製造するカナダのヌーボー・モンド・グラファイト(NMG)に出資すると発表した。出資額は2,500万ドル(約38億円)で、2023年度内に出資する。これにより、北米で製造するEV電池の材料の安定調達につなげる。

大阪メトロ「夢洲」駅 25年1月末開業 2ヵ月前倒し

大阪市の横山英幸市長は2月15日、2025年大阪・関西万博の会場の最寄り駅となる「夢洲(ゆめしま)」駅について、開業時期を当初計画より2カ月前倒しし、2025年1月末とするとの見通しを示した。大阪市役所で開かれた会合で明らかにした。開幕前は準備作業のためにスタッフらが会場を訪れることから、開催主体の国際博覧会協会は大阪市に対し、夢洲駅の早期開業を要請していた。

キリンHD 9年ぶり社長交代 南方氏にバトン 磯崎氏CEOに

キリンホールディングス(HD)は2月14日、9年ぶりに社長交代を発表した。3月28日付で南方健志取締役常務執行役員(62)が社長執行責任者(COO)に昇格し、磯崎功典社長(70)は代表権のある会長最高経営責任者(CEO)に就く。
南方氏はミャンマーの合弁会社社長、子会社の協和発酵バイオの社長を経て、2022年からキリンHDのヘルスサイエンス事業本部長を務めている。会見でも「ヘルスサイエンス事業の成長に強い使命感を抱いている」と抱負を語っている。

半導体ルネサス 米アルティウム社を約8,800億円で買収

ルネサスエレクトロニクス(本社:東京都江東区)は2月15日、米国の電子機器設計の有力企業、Altium Limited(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、アルティウム社)を買収すると発表した。買収金額は91億豪ドル(約8,879億円)。ウルティウム社が株式を上場しているオーストラリアの会社法の手続きにより、同社の全株式を取得する。2024年後半に買収完了を予定。

ニデック社長に岸田氏 永守氏はグローバルG代表に

ニデックは2月14日、岸田光哉副社長(64)が4月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に就く人事を発表した。創業者の永守重信氏(79)は会長兼CEOから、新設される代表取締役グローバルグループ代表に就き、業容の拡大に向けM&Aなどを担う。これにより、ニデックは今後、ソニー(現ソニーグループ)出身で営業や生産の経験が豊富な岸田氏を中心とする集団指導体制へ移行する。

BIPROGY ライフの生鮮部門にAI需要予測で発注自動化

BIPROGY(本社:東京都江東区)は2月13日、生鮮・日用品スーパー大手、ライフコーポレーションの全304店舗の生鮮部門発注にAI需要予測による発注自動化サービス「AI-Order Foresight」の適用を決定し、2024年4月までに全店舗で稼働開始すると発表した。
同自動化サービスは販売実績・気象情報・特売企画情報などの各種データをもとに、小売店舗における日々の商品発注数をAIで自動算出するサービス。
ライフでは日配品に対して2022年2月から同サービスを導入している。今回新たに生鮮部門に広げる。自動算出期間を5日間から3週間に拡大し、作業負荷・難易度の高い業務の自動化で、従業員の経験やスキルに依存した店舗運営や販売機会、廃棄ロスの削減を実現する。

クレディセゾン インド子会社にみずほ銀行が210億円出資

クレディセゾン(本社:東京都豊島区)と、みずほフィナンシャルグループ(本社:東京都千代田区)の子会社、みずほ銀行(本社:東京都千代田区)は2月13日、クレディセゾンのインド子会社、Kisetsu Saison Finance(India)Pvt.Ltd.(以下、Credit Saison India)へ最大120億ルピー(210億円/持分15%相当)を、新株を引き受けることで出資することで同日合意したと発表した。
今回の出資を通じクレディセゾンとみずほはCredit Saison Indiaを1兆円規模のインド国内トップファイナンス会社に成長させることを目指す。みずほ銀行はこの出資に加え取締役1名を派遣し、Credit Saison Indiaはみずほ銀行の持分法適用会社となる予定。

世界初 宮崎・都農町で「クエタマ」の陸上養殖に成功

宮崎・都農町、岡山理科大、NTT東日本、NTT西日本の4者による養殖プロジェクトの中間成果報告が2月13日、都農町であった。これはICTと好適環境水を活用し、ハタ科で世界最大級の在来種「タマカイ」、タマカイと高級魚クエを掛け合わせた交雑魚の通称「クエタマ」の世界初の完全閉鎖循環式陸上養殖で、両魚種とも9割前後の生残率で、実験は成功した。タマカイの成長率は他県の約3倍を記録した。
この水産業夢未来プロジェクトは、4者により2022年12月からスタート。2023年4月から都農町に設置した試験養殖施設(7.4トン水槽2基)にタマカイの体長7〜8cmの稚魚224匹と、体長35cmのクエタマ53匹を収容して開始した陸上養殖。

SBロボ ChatGPT搭載の介護用Pepper向け会話アプリ

ソフトバンクロボティクス(本社:東京都港区)は2月13日、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」の介護向けモデルを対象とした会話アプリをリリースしたと発表した。生成AIのChatGPTを搭載し、自然な会話体験を提供する。同アプリは「Pepper for Care」契約する新規・既存の介護施設に提供される。

日精樹脂 中国浙江省の射出成形機の新工場が稼働開始

日精樹脂工業(本社:長野県埴科郡)は2月13日、グローバル生産体制強化の一環として、中国浙江省海塩県でかねてより建設中だった射出成形機の新工場が2023年12月に竣工、2024年1月より稼働開始したと発表した。中国新工場を運営するのは日精塑料机械(海塩)有限公司。資本金は27億円で日精樹脂工業が全額出資。敷地面積3万3,226㎡、建屋面積1万4,027㎡。同工場における生産能力は当面月間15台を予定。
同社は射出成形機のグローバルサプライヤーとして日本、中国、タイ、米国、イタリアの世界5極による生産体制を構築している。

ダイハツ井上新社長 再生へ「まず社員と直接会話する」

ダイハツ工業の3月1日付の新たな経営体制が2月13日発表された。親会社のトヨタ自動車の佐藤恒治社長と、ダイハツの新社長に就く中南米本部長の井上雅宏氏が同日会見した。
井上氏は「就任後に最初に取り組みたいのは社員と直接会話することだ。販売の第一線の人たちとコミュニケーションを取り、新しいダイハツの再生を進めたい」と語った。そのため「ワンチームで改革を進めたい」とし、新たに就任する桑田正規副社長、柳景子取締役、留任する星加宏昌副社長とともに「一丸となってダイハツを再生することがミッションだ。3月1日からフルスピードで走っていく」と明言した。
佐藤氏は予想されたトヨタとの経営一体化について、「不正が発覚した当初はトヨタへの一体化も含めて検討した」。ただ、ダイハツの従業員や地域の声を聞いたところ、応援や叱咤激励の声が多かったという。そのため、海外ではダイハツの負荷を考慮しつつ、「引き続き軽自動車を軸とした事業領域の役割を任せる結論になった」とした。

大正製薬HD 4月に上場廃止へ オーナー家のTOB成立

大正製薬ホールディングス(HD)は2月13日、3月の臨時株主総会を経て4月9日に上場廃止になる見通しだと発表した。オーナー家の上原茂副社長が代表を務める会社が実施していたTOB(株式公開買い付け)が1月に成立していた。大正製薬HDは今後、上原茂氏が社長に昇格する予定。

太陽光パネルなど再利用促す 国がリサイクルを一括認可へ

使用済み太陽光パネルからレアメタル(希少金属)やガラスを取り出す次世代リサイクル事業について、環境省は廃棄物処理業の認可を自治体ごとではなく、一括で認可し事業者が全国展開しやすく支援する方針を固めた。廃棄物処理法に特例を設ける新法を今国会に提出する。現行法では処理業者は事業をする自治体ごとに認可を得る必要がある。

ダイハツ 3/1付で経営刷新 新社長にトヨタの井上雅宏氏

トヨタ自動車の佐藤恒治社長は2月13日、子会社のダイハツ工業(本社:大阪府池田市)の奥平総一郎、松林淳会長が3月1日付で退任し、親会社のトヨタ自動車の中南米本部長の井上雅宏氏が3月1日付で社長に就任すると発表した。ダイハツは経営体制を刷新、新生、井上氏のもとで、不正を再発させない組織風土の確立および社会からの信頼回復を目指す。ダイハツは今後、国内の軽自動車に限定、これまで推進してきた海外事業の企画、開発はトヨタ自動車の受託を担う。

日野自 ライン再稼働 豊田自動織機不正で停止の羽村工場

日野自動車は2月12日、羽村工場(所在地:東京都羽村市)で停止中の生産ラインを13日朝から再稼働することを明らかにした。同ラインでは自社製のほか、エンジン認証不正問題が発覚した豊田自動織機のエンジンを使いトラックを生産していることから、1月29日から生産を停止していた。

明大発スタートアップ ヒトへの臓器移植用ブタ誕生

明治大学発スタートアップのポル・メド・テック(所在地:神奈川県川崎市)などのグループは2月13日、ヒトに臓器移植する「異種移植」を想定した3頭のブタが11日に誕生したと発表した。これは米バイオテクノロジー企業のイージェネシスがゲノム編集技術で開発したブタの細胞の提供を受け、同社がクローン技術を使って生産したもの。
このブタは臓器移植しても免疫による拒絶反応が起きにくいように、ブタの遺伝子を改変済みという。ポル・メド・テックグループは動物で安全を確認して、2025年度にも臨床試験の開始を目指す。ヒトへの臓器移植を想定したブタが国内で生まれたのは初めて。

ダイハツ京都工場 約1カ月半ぶり一部車種の生産再開

ダイハツ工業(本社:大阪府池田市)は2月12日、京都工場(所在地:京都府大山崎町)で、国土交通省が安全基準への適合を確認したバンタイプの2車種の生産を再開した。生産再開したのはトヨタ自動車が販売する「プロボックス」とマツダが販売する「ファミリアバン」の2車種。ダイハツは認証試験の不正問題で、2023年12月20日に国内の4工場での全車両の生産を停止しており、生産再開は約1カ月半ぶり。
このほか、ダイハツは2月26日からダイハツ「ミライース」や「ハイゼット」、トヨタの「ピクシスエポック」など大分工場で生産されている計10車種についても生産を再開する予定。