GM 中国事業で7,500億円超の損失計上 工場閉鎖も 

米ゼネラル・モーターズ(GM)は12月4日、中国事業で2024年10〜12月期に50億ドル(約7,500億円)超の特別損失を計上すると発表した。工場閉鎖など一連の費用が含まれる。上海汽車集団(SAIC)との合弁で手掛ける中国事業は現地勢との価格競争で販売台数が落ち込み、赤字が続いていた。

サイバーダイン マレーシアのリハビリ施設に医療用ロボ65台

装着型医療用ロボット開発を手掛けるCYBERDYNE(サイバーダイン、本社:茨城県つくば市)は12月4日、マレーシアの政府系リハビリ施設に医療用サイボーグ型装着器具「HAL」(Hybrid Assistive Limb)をレンタル形式で納入すると発表した。契約額は約7億円。2025年1月開設予定の、東南アジア最大級のリハビリ施設「国立神経ロボット・サイバニクス・リハビリテーションセンター」に65台納入する。
同施設を運営するマレーシア社会保障機構との契約期間は最大5年間。2025年3月期から売り上げを計上、初年度は約5,500万円を見込む。

JTB SkyDriveと空飛ぶクルマ活用による地域活性化で連携

JTB(本社:東京都品川区)と空飛ぶクルマの開発を手掛けるSkyDrive(本社:愛知県豊田市)は12月2日、新しい観光体験による地域活性化促進を目的に同日、連携協定を締結したと発表した。
今回の連携により、次世代モビリティとして期待されている空飛ぶクルマの社会実装に向けて、空を活用した効率的な観光地巡りなどの新しい観光体験を創出し、企業や自治体を通して地域への導入を加速させ、地域活性化を推進する。

南海電鉄「通天閣」子会社化 難波・新世界一体で活性化

南海電気鉄道(本店:大阪市中央区)は12月4日、大阪・新世界の観光名所「通天閣」を運営する通天閣観光(本社:大阪市浪速区)を子会社化すると発表した。12月27日に通天閣観光の株式の70.8%(議決権ベース)を取得する。これにより、南海電鉄の主要沿線エリアの難波・新世界・新今宮の再開発に向け知名度の高い観光スポットと一体で活性化を目指す。

日立建機 インドに建設機械の開発・設計の新会社を設立

日立建機は12月3日、日立建機グループの製品開発力を強化するため、インドで建設機械の開発・設計を行う連結子会社Hitachi Construction Machinery Development Center India Private Limited(以下、日立建機開発センターインド)を12月下旬に設立すると発表した。インド国内における機械工学やIT分野の優れた人材を対象に、2027年度までに200名規模の開発・設計者を採用していく。

25年万博警備費総額255億円に 伊東万博相55億円増額表明

伊東万博相は12月3日、2025年大阪・関西万博の警備費を約55億円増額すると表明した。海外の要人の来場が当初の想定から増えたためで、総額は約255億円となる。国内外で要人の襲撃事件や雑踏事故が起こっていることを踏まえたもの。また、今ひとつ盛り上がりを欠く万博の機運醸成の費用も約29億円増額し、総額約69億円人することも明らかにした。前売り入場券の販売が低調なため、国内外へのPRを強化する。増額分はいずれも補正予算案に計上する。

JR各社「往復乗車券」の販売 26年3月に終了, 利用者減で 

JR各社は12月2日、同じ区間の行きと帰りがセットで長距離の場合、運賃が割り引きされる紙の切符「往復乗車券」の販売を2026年3月に終了すると発表した。
同乗車券は片道601km以上の区間を往復する場合、運賃が1割引きになる往復割引が適用される。このほか、例えばある駅まで行って、帰りは出発した駅まで戻らずに途中の駅で降りるケースなど往復にはならない場合に利用する「連続乗車券」も2026年3月に販売を終了するという。
JR各社はこれらの乗車券の販売を終了する理由について、販売枚数が減っているためとしている。

米バイオジェンのALS治療薬 承認へ 特定遺伝子変異が対象

厚生労働省の専門部会は12月2日、米製薬大手バイオジェン(本社:マサチューセッツ州)が開発した難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」治療薬「トフェルセン」について、製造販売を承認することを了承した。SOD1と呼ばれる遺伝子に変異がある患者が対象で、ALS患者全体の約2%が該当する。
ALSは神経に障害が起き、筋肉が痩せて徐々に体が動かせなくなる病気。国内の推定患者数は1万人以上とされる。原因は解明されておらず、まだ根本治療法はない。

船井電機会長が民事再生法申請 破産手続き不服の即時抗告

破産手続き中のAV機器メーカー、船井電機(本社:大阪府大東市)の会長、原田義昭氏は12月2日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。同社は10月24日に創業家出身の取締役が「準自己破産」を東京地裁に申し立て、破産手続きの開始決定を受けた。ただ、原田氏はこの取締役は同15日に解任されており、申し立てを行う法的根拠がないと主張。原田氏は同29日付で、破産手続き開始決定の判断を不服として、東京高裁に即時抗告を申し立てている。

コニカミノルタ ベトナム子会社設立でASEAN調達機能拡大

コニカミノルタ(本社:東京都千代田区)は12月2日、複合機、デジタル印刷機器および関連消耗品等の生産統括機能を持つKonica Minolta Business Technologies Manufacturing(HK)Limited(本社:香港)の100%子会社としてKonica Minolta Consulting Vietnam Co.,Ltd.をベトナム・ホーチミン市に12月1日付で設立したと発表した。
新会社の資本金は50万米ドル。ASEANにおける取引先選定、取引価格交渉、納入・検査仕様提案、ASEANで調達する製品・部品の生産管理および品つ管理対応、調達業務委託などを担う。これにより、競争力のある部品調達を持続的に実現するサプライチェーンマネジメントを強化する。

エクイニクス タイに10年間で約5億米ドルを投資

グローバルなデジタル員フィラストラクチゃー企業、エクイニクスは11月29日、企業や大手クラウドサービスプロバイダによるニーズの高まりに応えるため、今後10年間でタイに約5億米ドルを段階的に投資する計画を発表した。この投資額には7月16日にバンコクで締結した約3,400万米ドルの土地取得契約が含まれている。これはエクイニクスのタイを含む東南アジアにおけるデジタル能力の強化の重要な一環。

広州汽車 ファーウェイと新エネ車で協業 新ブランド設立

中国の国有自動車大手、広州汽車集団は11月30日、通信大手の華為技術(ファーウェイ)と電気自動車(EV)など新エネルギー車の新ブランドを設立すると発表した。同日、両社首脳出席のもと戦略提携を結んだ。広州汽車は、すでに傘下の既存ブランドでファーウェイの技術を活用しており、今回の戦略提携で協業関係を強化する。

タカラバイオ タイに拠点置くNSI社と業務提携 業容拡大へ

タカラバイオ(滋賀県草津市)は11月29日、タイに拠点を置くNomura Siam International Co.,Ltd.(以下、NSI社)と、東南アジア地域における同社研究用試薬の非独占的な販売代理店契約を同日付で締結したと発表した。ライフサイエンス分野で強力なネットワークを持つNSI社と提携することで、東南アジア市場でのプレゼンスを一層強化し、研究用試薬の売上高の大幅な拡大を目指す。

住友ファーマ iPS網膜シート 25年度米で移植 臨床試験

製薬大手の住友ファーマ(本社;大阪市)は11月29日、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から光を感じる網膜のシートをつくり、目の難病「網膜色素変性症」に患者に移植する臨床試験を米国で開始すると発表した。
米マサチューセッツ州の病院と協力し、網膜シート(直径約1ミリ)を患者12人に移植。国内の研究よりも細胞数を増やし、安全性や視機能の改善などの有効性を確認する。視細胞を含むシートを国内で作製して米国に空輸し、2025年度に1例目の移植を目指す。
網膜色素変性症は、暗いところでものが見えにくくなったり、視野が狭くなったりする難病。光に反応して神経に情報を伝える「視細胞」が減少して発症する。国内に約3万人、米国では約8万人の患者がいると推定されている。

関電, オリックス 国内最大級「紀の川蓄電所」12/1運転開始

関西電力(本社:大阪市北区)は、オリックス(本社:東京都港区)と共同で設置する「紀の川蓄電所」(所在地:和歌山県紀の川市)の開所式を開いた。関電が蓄電所事業に断乳するのは初めてで、12月1日に運転開始する。
同蓄電所はリチウムイオン電池を採用、容量は約1万3,000世帯の1日分の使用量に相当する113メガ・ワット時(MWh)。関電子会社の関西電力送配電の送電線に接続し、稼働する系統用蓄電所では国内最大級となる見込みだ。
蓄電所は主に日中の余った電気を貯めておき、電力需要に応じて系統に放電する。安定的に電力を供給する”調整弁”としての活用を見込む。

公取委 イトーキに物流業者への残業代不払い巡り警告

公正取引委員会は11月28日、オフィス家具大手イトーキに対し、商品の配送などを委託している物流業者に残業代を支払わなかったなどの行為が独占禁止法違反にあたるおそれがあるとして、警告した。
公取委によると、イトーキはオフィス用の机やイスの配送や取り付け作業などを全国の物流業者およそ20社に委託しており、年度末の繁忙期などに委託先の運転手が納品場所以外で働いた残業代を支払っていなかった。

12/2から「SUMINOE」に 住江織物が社名変更 非繊維増で

住江織物(本社:大阪市中央区)は11月28日、12月2日付で社名を「SUMINOE」に変更すると発表した。自動車の内装材など非繊維部門の比重が増えており、事業内容とそぐわなくなったため、社名から「織物」を外すことになった。また、北中米やアジアなど海外展開を強化していくことから、ローマ字表記にする。住江織物は1883年、大阪・住吉で創業。

”経営の神様”松下幸之助をAIで再現 理念伝承へ

パナソニックホールディングス(HD)は、”経営の神様”と呼ばれた創業者、松下幸之助の理念を次の世代に伝えようと、AIで再現した。これはパナソニックとPHP研究所などが共同で開発したもの。松下幸之助の孫で、パナソニックHDの元副会長、松下正幸特別顧問は、AI版について「実写かなと思うほどで懐かしく思い出しました。幸之助の理念の継承に役立つように使ってもらいたい」と話している。
200以上に上る生前の音声や著作物、講演での発言など大量のデータをAIに学習させることで幸之助氏の考え方や話し方などを再現したとしている。この”AI版松下幸之助”、グループ内の研修などで活用されるという。

デンソー, 富士電機 パワー半導体で協業 2,100億円投じ増産

自動車部品大手のデンソーと半導体大手の富士電機は、脱炭素化で需要が高まるパワー半導体の生産で協業することになった。両社は合わせて約2,100億円を投じ、電気自動車(EV)などパワー半導体を共同で増産する。経済産業省は両社に最大約700億円を補助し、国内勢の生産基盤強化を後押しする。
今回の協業で、デンソーは省エネ性能の高い炭化ケイ素(SiC)向けウェハーなどの半導体基板を、富士電機はSiC半導体の生産をそれぞれ分担する形で集約化を図る。

日立 台湾MRT設置用昇降機147台受注 地震時 検知機能搭載

日立製作所は11月28日、台湾で建設中の都市高速鉄道(MRT)に設置されるエレベーターなど昇降機147台を受注したと発表した。受注額は非公表。昇降機関連では台数、金額ともに台湾では過去最大規模。昇降機の内訳はエレベーター41台、エスカレーター106台。同社の子会社、日立永大電梯を通じて受注した。すべてのエレベーターには、地震時、閉じ込めを防ぐ検知機能が搭載される。