24年国内EV販売 日産 首位堅持も44%減, BYDトヨタ抜く

自動車販売2団体は1月9日、2024年の国内電気自動車(EV)販売台数を公表した。日産自動車が軽自動車「サクラ」などで首位を維持したが、台数は前年比44%減の3万749台にとどまった。日本でも積極的な販売促進活動を繰り広げつつある中国の比亜迪(BYD)が同54%増の2,223台となり、トヨタ自動車(同30%減の2,038台)を初めて上回り、日本国内でも中国勢の攻勢が強まっている。

24年介護事業者倒産 前年の1.4倍の172件で過去最多に

東京商工リサーチのまとめによると、2024年に確認された介護事業者の倒産は全国で前年の1.4倍の172件にに上り、介護保険制度が始まった2000年以降で最も多くなった。恒常的な介護職員の不足や物価の高騰が主要因。
倒産事業者の内訳は「訪問介護」が最も多く81件と全体の半数近くを占めている。次いでデイサービスを提供する「通所・短期入所」が56件、「有料老人ホーム」が18件などとなっている。負債総額は229億円余で、従業員数が10人未満の小規模な事業所が8割以上を占めている。

ゴールドウイン 中国・杭州市に1/10 本土4店舗目直営店

ゴールドウイン(本社・東京都港区)は1月9日、オリジナルブランド「ゴールドウイン(Goldwin)」の中国浙江省杭州市に4店舗目となる直営店「Goldwin Hangzhou(ゴールドウイン杭州)」を1月10日にオープンすると発表した。
同社は「ゴールドウイン」ブランドのグローバル成長を目指すプロジェクト「Gioldwin 500」を2024年4月に発表後、中国本土での出店を加速させ、同年8月から成都、上海、杭州と3店舗を出店してきている。
ゴルドウイン杭州の店舗面積は約47.5坪(157㎡)、営業時間は10時〜22時。取り扱いアイテムはスキー、アウトドア、アスレチック、ライフスタイルウエア、アクセサリー、バッグなど「ゴールドウイン」ブランドの全カテゴリーを扱う。

米NVIDIA ロボ向けAIの基盤技術を無償提供 AI経済圏拡大へ

米エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は1月6日、ロボットや自動運転向けの人工知能(AI)の基盤技術を無償で提供すると発表した。ヒト型ロボットなどの開発企業は同社の基盤技術を使うことで、開発加速が期待できる。データセンター向け半導体で築いたAI経済圏の拡大が狙い。

住友ゴム 欧米, オセアニア「ダンロップ」商標権を取得

住友ゴム工業は1月8日、米タイヤメーカーのグッドイヤーが欧米とオセアニア地域で手掛ける「ダンロップ」商標権を取得すると発表した。取得価額は5億2,600万ドル(約830億円)。5月に手続きを完了する予定。
これにより住友ゴム工業は、すでに販売展開中の日本やアジア、アフリカに加え、全世界で統一してダンロップブランドのタイヤ事業をを展開できることになる。

トヨタ モビリティ企業へ「ウーブン・シティ」今秋始動

トヨタ自動車の豊田章男会長は1月6日(米国時間)、静岡県裾野市で建設中の「ウーブン・シティ」を2025年秋にも始動すると発表した。同シティの一部に人が入居し、自動運転車やロボット、人工知能(AI)など様々な次世代技術を試す実証実験を実施する。
自動車メーカーの競争軸がこれまでの製造・販売から、多様なソフトウェア・サービスに広がっており、これらを網羅する”モビリティカンパニー”になれるか、の試金石になるとみられる。

日鉄 USスチール買収 法廷闘争へ 米大統領らを提訴

日本製鉄は1月6日、USスチールの買収計画へのバイデン米大統領の禁止命令は違法な政治介入だとし、同大統領ら米政府に対し、命令と審査の無効を求める訴訟を米連邦控訴裁判所に起こしたと発表した。USスチールも原告に加わっている。日本の大企業が米大統領を訴えるのは異例。
日本製鉄、USスチールの両社はまた、USスチールと競合する米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスと、両社の従業員が加わる全米鉄鋼労働組合(USW)の会長に別の訴訟を米連邦地裁に起こした。今回の買収計画に対する「違法な妨害」をやめさせる命令のほか、損害賠償を求めている。
日本製鉄の橋本英二会長は7日記者会見し、今回の大統領令について「違法な政治的介入により、CFIUS(対米外国投資委員会)の審査手続きも適正に実施されないまま行われたのであり、到底受け入れることはできない」とし、「決して諦めることはない」と、あくまでも買収の実現を目指す方針を改めて強調した。

ソニー・ホンダEV「アフィーラ」米国で1,400万円で先行受注

ソニーグループとホンダが設立したソニー・ホンダモビリティは1月6日(日本時間7日)、開発中の電気自動車(EV)ブランド「アフィーラ」の第1弾の先行受注を開始すると発表した。価格はセダンの「アフィーラ1(ワン)」で8万9,900ドル(約1,423万円)から。ソニー・ホンダモビリティのウェブサイトを通じて販売する。2026年から出荷し、その後、日本でも販売する方針。同社の水野泰秀会長が明らかにした。

富士通 富士通ゼネラルをパロマ・リームHDに売却

富士通は1月6日、エアコンなどを手掛けるグループ会社の富士通ゼネラルを、給湯器や空調の大手を傘下に持つパロマ・リームホールディングス(HD)に売却すると発表した。富士通はITやAI関連事業に経営資源を集中させ、事業の拡大を目指す。
パロマ側は7月上旬をめどに株式の公開買い付けをするなどして完全子会社化する。買収総額はおよそ2,500億円になる見通し。

バイデン米大統領 米USスチール買収阻止, 日鉄は提訴

バイデン米大統領は1月3日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を中止するよう命じた。かつての米製造業医の象徴であり、製造業を支える鉄鋼メーカーが海外企業に買収されれば、安全保障上の懸念が生じると判断。原則として30日以内に買収計画を「完全かつ永久に放棄」する措置を講じるよう求めた。
これに対し、USスチールの本拠、地元自治体を含め買収計画に合意している日本製鐵とUSスチールは、今回の決定について「失望している。決定はバイデン氏の政治的な思惑のため下されたものであり、法令に明らかに違反している」と批判。さらに「法的権利を守るため、あらゆる措置を講じる」との声明を発表した。

24年EV世界販売 米テスラに中国BYDが2.4万台差に肉薄

2024年の電気自動車(EV)の世界販売台数で米テスラと中国の比亜迪(BYD)が熾烈な競争状態にあることが明らかになった。米メディアによると、テスラの2024年の世界販売台数は前年比1%減の178万9,226台だった。テスラが前年実績を割り込んだのは初めて。これに対し、中国EV最大手BYDが2024年に販売したEVは12%増の176万4,992台。EV販売でこれまで世界首位を誇ってきたテスラに、約2万4,000台差まで迫った。

ニプロ 中国四川省の透析用RO装置の純潔科技を買収

ニプロ(本店:大阪府摂津市)は12月26日、連結子会社の尼普洛貿易(上海)有限公司(本社:中国・上海市、以下、尼普洛貿易)が、中国四川省の透析用RO装置製造会社、純潔科技有限公司(所在地:中国四川省、以下、四川純潔)を10月16日付で同社の発行済株式の70%を取得、買収し、連結子会社としたと発表した。これによりニプロは、透析関連製品の品揃えを拡充し、拡大基調にある中国市場におけるプレゼンスの向上およびマーケットシェアの獲得につなげる。

東芝ES インドネシア・パトハ地熱発電所向け発電設備受注

東芝エネルギーシステムズ(本社:神奈川県川崎市幸区、東芝ES)は12月25日、インドネシア国営企業、PT.Geo Dipa Energi(Persero)(以下、GDE社)が拡張を計画するジャワ島西部のPatuha(パトハ)地熱発電所の2号機向け蒸気タービン・発電機(最大連続負荷60.3MW)を、この拡張工事のEPC契約者の東洋エンジニアリング(本社:千葉県習志野市)の子会社、PT. Inti Karya Persada Tehnik(イカペテ社)から受注したと発表した。2号機の運転開始は2027年中を予定。
インドネシアの地熱発電所向け発電設備では、10月に公表したワヤン・ウィンドゥ地熱発電所3号機向けに続いて2件連続の受注となる

JFEエンジ, JOIN 印DPJの4道路運営子会社へ出資, 合弁設立

JFEエンジニアリング(本社:東京都千代代田区)と海外交通・都市開発事業支援機構(本社:東京都千代代田区、以下、JOIN)は12月24日、インドのDP Jain& Co.Infrastructure Pvt Ltd.(本社:マハラシュトラ州ナグプール市、以下、DPJ)の4つの道路運営子会社への出資、およびそれらの会社運営を支援する合弁会社を設立することで合意したと発表した。。JFEエンジニアリングとJOINは、日本で新たに設立する投資SPV「日印道路合同会社」を通じ、DPJが保有する4路線の道路PPP事業会社に出資および事業参画する。
日本の建設会社として、インドの道路PPP事業への出資および事業参画は初めてとなる。

スズキ元会長 鈴木修氏 死去94歳 中小企業を世界企業に

スズキの社長や会長を40年以上務め、世界的な自動車メーカーに育てた同社相談役の鈴木修(すずき・おさむ)氏が12月25日、悪性リンパ腫で死去した。94歳だった。葬儀は近親者で済ませた。喪主は、長男で社長の俊宏氏。後日、お別れの会を開く。
鈴木氏は岐阜県出身。1953年に中大法学部を卒業後、銀行勤務を経て、1958年に鈴木自動車工業(現スズキ)に入社。2代目社長・鈴木俊三氏の娘婿で、1978年に3代目社長に就いた。以後、約40年間で、3,000億円規模だったスズキの売上高を、会長退任後の2022年3月期に3兆5,600億円と10倍以上に拡大させた。そして、同社は2024年3月期に初めて5兆円を突破している。
鈴木修氏は約40年間に、軽自動車市場で「アルト」「ワゴンR」など人気車種を生み出し、軽自動車の隆盛を牽引した。また、海外にも目を向け、将来の市場性を見込み、国内自動車大手ではいち早くインド事業に着手。1983年から生産を開始し、現在同国でのスズキのシェアは約4割を占め、No.1ブランドとなっている。

金融庁 イオン銀に業務改善命令マネロン疑い取引を放置

金融庁は12月26日、マネーロンダリング(資金洗浄)対策で不備があるとして、イオン銀行に対し、銀行法に基づく業務改善命令を出したと発表した。同庁はイオン銀行に、2025年1月末までに業務改善計画を提出するよう求めた。マネーロンダリングを巡っては、国際機関から日本の取り組みが不十分と指摘されたことを受け、金融機関に検査や実施を求めてきたが、イオン銀行は取引を監視するシステムで異常を検知した取引の少なくとも1万4,639件について、マネーロンダリングの怖れがある”疑わしい取引”かどうかを判定せずに放置していた。また、疑わしい取引を同庁に届け出ておらず、必要な人員も配置していなかった。マネーロンダリングを巡る、金融機関に対する一連の検査を通して銀行に行政処分を出すのは初めて。

年末年始 ANA, JALとも国内・国際線予約好調 9連休で

航空各社のまとめによると、年末年始(12月27日〜25年1月5日)の予約状況が好調だ。最大9連休となる曜日配列やインバウンド(訪日外国人)需要の高まりも加わって、国内・国際線ともに前年を上回っている。
国内線の予約状況は全日本空輸(ANA)が前年比17.2%増の146万6,091人、日本航空(JAL)グループは同8.8%増の108万239人だった。国際線は、ANAが同16.2%増の24万1,323人で、JALグループ同24.2%増の22万6,089人となっている。
関西空港では期間中、国際線の1日あたりの予約は約7万5,200人で、コロナ禍前の2019年を上回り、過去最高となる見込み。