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荏原 ロケット 電動ターボポンプで極低温流体試験に成功

荏原製作所(本社:東京都大田区)は11月8日、2022年から開発を進めているロケットエンジン用電動ターボポンプで、2024年9月にに実施した液体窒素による性能試験に成功したと発表した。今回、試験を実施した電動ターボポンプは、ロケットエンジンに液体メタンを燃料として供給することを想定。試験は9月6〜13日、宮城県のJAXA角田宇宙センター内の極低温ターボポンプ試験設備で実施された。
実際のロケットエンジンの燃料と同様に極めて低い温度の液体窒素(−196℃)を作動流体として使うことで、低温環境独特の課題に対する設計・製造条件を確認した。この試験の成功は荏原が目指す宇宙への低コストで自由度の高い輸送手段の確立に向けた大きな第一歩としている。

ヤマハ フィリピン・ダバオ市教育局と音楽教育協力の覚書

ヤマハ(本社:静岡浜松市)は11月8日、フィリピンの販売子会社、Yamaha Music Philippines Inc.(ヤマハ・ミュージック・フィリピン)が、フィリピン・ダバオ市教育局と音楽教育に関する協力の覚書を10月29日、ダバオ市で締結したと発表した。
今回の覚書締結により、ダバオ市内の3つの公立小学校の第5学年の音楽授業で、同社の音楽・楽器を使った活動の普及を目指す「スクールプロジェクト」の一環として、リコーダーを用いた音楽教育の試験導入を支援する。導入に先立ち、日本型音楽教育の知見を活かした教員研修を行い、年内の授業開始を目指す。

積水化学 タイに塩素化塩ビ樹脂コンパウンド第2工場新設

積水化学は11月11日、タイの連結子会社、SKISUI SPECIALTY CHEMICALS(THAILAND)CO.,LTD.(以下、「SSCT)が、タイ東南部マプタプットのへマラートイースタン工業団地内の工場敷地内に第2工場を新設すると発表した。今回SSCTが新設するのは塩素化塩ビ樹脂(以下、CPVC)コンパウンド工場で、稼働開始は2025年度下期を予定。これにより、SSCTのCPVCコンパウンドの「生産能力は現行の1.6倍強に増強する。
同社は、CPVCをコンパウンド化し「Durastream(デュラストリーム)」ブランドとして、樹脂配管などを成型する海外メーカーに販売している。

大阪ガスと鴻池運輸 インドの都市ガス事業で協業

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は11月11日、低炭素に向けた取り組みとして鴻池運輸(大阪本社:大阪市中央区)と、インドにおける都市ガス事業のさらなる成長を目指し、協業を開始すると発表した。
大阪ガスは、インドにおける全事業エリアで2024年4月現在約10万世帯の一般家庭に天然ガスを供給。ガスの輸送に必要なパイプラインは約9,900kmに延伸しており、日本企業が出資する都市ガス事業の中では最大規模を誇る。
今回の鴻池運輸との協業により、他の事業パートナーとともに、圧縮天然ガス(CNG)ステーションや天然ガス導管網など、天然ガスインフラのさらなる整備を進めていく。これにより交通用を中心に、家庭用・業務用・産業用と幅広い分野で天然ガスの利用拡大を見込む。

石破首相 半導体・AI分野に複数年度で10兆円超支援表明

石破首相は11月11日、2030年度に向け、半導体や人工知能(AI)分野に複数年度で10兆円以上の公的支援をする方針を明らかにした。11月にまとめる経済対策に盛り込む。2030年度までを見据えた新たな枠組み「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を打ち出す。
また、「今後10年間で50兆円を超える官民投資を引き出すための新たな支援フレームを策定する」と表明した。補助金のほか、政府機関を通じた出資や民間の金融機関からの融資への債務保証を想定している。

公取委 KADOKAWAに勧告フリーランス保護へ下請法違反で

公正取引委員会は11月12日、ライターやカメラマンの原稿料などを不当に引き下げたのは下請法違反にあたるとして、出版大手のKADOKAWAなどに再発防止などを求める勧告を出した。11月からフリーランス保護法が施行されたことを機に、公取委は買い叩きに遭いやすい小規模事業者に対する大手事業者の対応について、監視を強めている。

家電量販ノジマ 112億円で「VAIO」買収 ブランド名変えず

家電量販大手のノジマ(本社:横浜市)は11月11日、パソコンメーカーの「VAIO」(本社:長野県安曇野市)を買収すると発表した。2025年1月末までに投資ファンド、日本産業パートナーズ(JIP)およびVAIO株式を保有するVJホールディングス3(本社:東京都千代田区)から発行済み株式の約93%を取得する。買収額は112億円。車名やブランド名は変更しない方針。独占販売契約は結ばない。

光量子計算機 年内稼働へ 国内初 室温で高速度 理研,NTTなど

理化学研究所とNTTなどのチームは、次世代の計算機「光量子コンピューター」を年内にも稼働させると発表した。国内では初めて。
量子コンピューターは、ミクロの世界に特有な物理法則「量子力学」を利用して計算を行う。日本では昨年、理研や富士通、大阪大学などが相次いで国産の量子コンピューターを稼働させている。ただ、いずれも計算を実現させる素子「量子ビット」に超伝導回路を使う方式で、極低温の冷凍機内で稼働させる必要があった。
今回の光量子コンピューターは室温で稼働可能で、消費電力を抑えることができ、「光」を使うため計算速度が速く、高度な計算処理ができるという。インターネットのクラウドを介して、共同研究を行う大学や研究機関の研究者が利用できるとしている。

訪問介護の24年1〜10月倒産72件で過去最多 小・零細業者

東京商工リサーチのまとめによると、訪問介護事業者の2024年1〜10月倒産は72件に上り、2023年の年間67件を上回り、過去最多を記録した。報酬改定に伴い、訪問介護の報酬が引き下げられたことも経営を圧迫し、倒産増つながった。2024年は80件を大幅に上回るペースとなっており、小規模事業者の淘汰が加速している。
1〜10月倒産72件のうち、資本金1,000万円未満が61件(構成比84.7%、前年同期48件)、従業員10人未満が68件(同94.4%、同41件)と小・零細規模の事業者が大半を占めている。

伊藤忠 カワサキ株20%取得 米国で販売金融などで協業

伊藤忠商事(本社:東京都港区)は11月8日、川崎重工業の完全子会社で二輪大手のカワサキモータースの株式20%を第三者割当増資で取得し、資本業務提携すると発表した。取得額は800億円。
共同で米国で販売金融を手掛ける新会社を2025年4月に折半出資で設立。北米を中心にアウトドア需要の高まりで販売が伸びている二輪車に加え、オフロード四輪車の販売金融事業に乗り出す。

キオクシア 金融庁に25年6月までに東証上場方針を届け出

半導体大手のキオクシアホールディングス(HD)は11月8日、金融庁に2024年12月から2025年6月までに東京証券取引所へ上場する方針を届け出た。証券取引所から上場の承認を受ける前に、金融庁に有価証券届出書を提出する「承認前提出方式」を国内で初めて利用する。承認から株式公開までの機関を短縮できるのが利点。

JFEエンジ 横浜市発注の橋梁工事で「グリーン鋼材」を採用

JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は11月8日、横浜市発注の橋梁工事でJFEスチール(本社:東京都千代田区)が手掛ける「グリーン鋼材『JGreeX(ジェイグリークス)』」を採用すると発表した。対象工事は「都市計画道路桂町戸塚遠藤線(上倉田戸塚地区)街路整備工事」。
グリーン鋼材は二酸化炭素(CO2)排出量を削減した鋼材で、橋梁工事の環境負荷低減の取り組みの一環。同社が受注した橋梁工事でグリーン鋼材を採用するのは今回が初。工期は2024年7月〜2025年3月。鋼量は250トン。

TOYO インドでLNG受入基地用桟橋のトップサイド設備を受注

東洋エンジニアリング(TOYO、本社:千葉県習志野市)は11月7日、インド子会社、Toyo Engineering India Private Limited(以下、Toyo-India)が、Petronet LNG Limited(ペトロネット エルエヌジー、以下、PLL)より、インド・グジャラート州ダヘジのLNG受入基地用の3つ目の桟橋のトップサイド設備建築プロジェクトを受注したと発表した。
Toyo-Indiaは設計、調達、建設工事を一括で受注し、2027年の完工を予定。PLLはインドの国営企業4社が中心となって1998年に設立されたインド最大のLNG輸入会社。

カネカ 北海道・苫東工場の医療用カテーテル生産能力倍増

カネカ(本社:東京都港区)は11月7日、2024年8月に竣工した血清浄化器プラントに次いで、北海道の苫東工場内にカテーテルの新プラントを建設することを決めたと発表した。グループ会社のカネカメディックス(本社:大阪市)が出資し、2027年3月の稼働を予定。投資額は約100億円。今回のカテーテルプラントの新設により、生産能力は現状の約2倍になる。
陸・海・空のアクセスが良好な北海道の苫東地域から競争力のある製品をグローバルに提供することで業容を拡大し、医療用カテーテル事業は2030年にヘルスケア・ソリューション・ユニットで売上高3,000億円を目指す。

デブリ採取に初成功 本格回収へ分析 東電福島第1原発2号機

東京電力は11月7日、福島第1原子力発電所2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しに成功したと発表した。原発事故から13年半を経て、初めてデブリを回収した。今後の本格的な取り出しのために分析される。
福島第1原発事故では1〜3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起こり、核燃料が炉内の構造物と混ざって推計880トンのデブリが発生。その回収作業は政府と東電が2051年までの完了を目指す廃炉工程で最難関とされる。

KADOKAWA下請法違反 公取委が勧告フリーランス買い叩き

公正取引委員会は近く、出版大手、KADOKAWA(本社:東京都千代田区)と、生活情報誌『レタスクラブ』を制作している子会社、KADOKAWA Life Design(本社:東京都千代田区)の下請法違反(買い叩き)を認定し、再発防止を求める勧告を出す方針を固めた。雑誌の製作に携わるライターやカメラマンに支払う原稿料などを著しく低く抑えたため。国がフリーランスの保護を進める中で、立場の強い発注者による不当な圧力に対する厳格な姿勢を示すもの。

関西の4百貨店増益 24年度中間決算 3社は過去最高益

関西に店舗を構える百貨店大手4社の2024年度中間連結決算が11月6日、出揃った。エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング、Jフロントリテイリング、高島屋、近鉄百貨店の全4社が増益となったほか、近鉄以外の3社は最終利益が過去最高だった。訪日客や国内の富裕層向けが好調でだった。

JAL 電動キックボードLimeと業務提携 100円利用で1マイル

日本航空(JAL、本社:;東京都品川区)は11月6日、電動キックボードなどのシェアリングサービスを手掛けるLime(ライム、所在地:東京都港区)と業務提携したと発表した。Limeのサービスを100円利用するたびに、JALの1マイルが付与される。電動キックボードの貸し出し拠点であるポートの設置にJALが協力し、観光地などで手軽な交通手段としての電動車両を普及させる。
11月7日から両社で沖縄県・那覇市内に設置した40ポートと電動車両180台を使ってレンタルサービスを始める。