ベトナム1~6月貿易収支赤字 米国向けの黒字拡大

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ベトナム税関総局が公表した貿易概況では、2021年上半期(!~6月)の輸出は1,583億3,524万ドル(前年同期比29.0%増)、輸入は1,593億2,794万ドル(同36.3%増)で、貿易収支は9億9,270万ドルの赤字となった。輸出入とも大幅な伸びを記録したが、2020年上半期が前年比前年同期比ほぼ横ばいだったことで急増した。新型コロナ流行前の2019年上半期比では輸出が29.2%増、輸入が31.8%増だった。
主要国・地域別にみると、対米国では輸出が455億7,689万ドル(同44.7%増)で1位、輸入は76億2,777万ドル(同9.0%増)で5位。この結果、対米の貿易収支は397億4,912万ドルの黒字(同54.9%増)となった。
対中国では輸出が245億3,121万ドル(同24.8%増)で2位、輸入が529億2,143万ドル(同52.2%増)で1位。この結果、対中の貿易収支は283億9,022万ドルの赤字となった。対日本は輸出が100億6,359万ドル(同8.2%増)で4位、輸入が106億8,123万ドル(同13.2%増)で3位。この結果、対日の貿易収支は6億1,764万ドルの赤字だった。

アジア新興国 21年7.2%成長 変異株で下方修正

アジア開発銀行(ADB)は7月20日、2021年のアジア新興国の国内総生産(GDP)の前年比伸び率が7.2%になるとの見通しを発表した。4月の前回予想(7.3%)から小幅下方修正した。新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)がインドや東南アジアで感染が拡大しており、経済の回復が遅れていることを反映した。アジア新興国はアジア太平洋地域の46カ国・地域を指す。
地域別にみると、南アジアの成長率見通しは8.9%で、前回よりも0.6ポイント下方修正。変異株の感染拡大を受け、インドが前回比1ポイント下がり10%になったことが影響した。東南アジアは4%で、前回予想より0.4ポイント下方修正。インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイの成長率予想をそれぞれ下方修正した。中国は8.1%で前回予想を据え置いた。

阪急阪神不動産 ベトナムに現地法人 ASEAN事業強化

阪急阪神不動産(本社:大阪市北区)は7月15日、ベトナム・ホーチミン市に現地法人「Hankyu Hanshin Properties Vietnam Company Limited」を5月10日に設立し、8月1日より業務を開始すると発表した。ASEAN地域の不動産事業を強化する。新会社の資本金は84億ベトナムドン(約3,800万円)で、同社が全額出資する。
同社は現在、住宅分譲事業をベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアの5カ国で展開。そのプロジェクト件数は30件、供給戸数3万戸超に上っている。

スギ薬局 ベトナムのOmicareと業務提携で合意

スギ薬局(所在地:愛知県大府市)は7月16日、ベトナムで薬局型併設のドラッグストアで、EC事業を展開するOmicare Joint Stock Company(所在地:ベトナム・ハノイ市、以下、Omicare)と業務提携することで合意したと発表した。
スギ薬局グループで培ったトータルヘルスケアのビジネスモデルや商品供給に加え、互いの経営ノウハウの共有などを通して両社の事業展開を一層推進していく。

パンチ工業 コロナ禍でベトナム工場を一時操業停止

精密金型部品の製造販売のパンチ工業(本社:東京都品川区)は7月13日、ベトナム工場の取引先企業で新型コロナウイルス陽性者が発生。接触のあった従業員3名が濃厚接触者と認定され、その他の従業員がその接触者と見なされ、結局全員に対し病院または自宅での隔離の指示があったためベトナム工場を当面の間、操業停止とすると発表した。
ベトナム工場で製造したカタログ品はグループの国内工場および海外工場に振り分けるほか、協力工場で対応する。

タイ、ベトナムで外出制限 デルタ株・変異株流入で

東南アジアで新型コロナウイルス感染者が急増中で、タイ・バンコク、ベトナム・ホーチミンでそれぞれ外出制限の措置が発表された。
タイでは7月9日、政府からバンコク首都圏に7月12日から夜間外出禁止令が出された。2週間にわたり実施される。5人以上の集会も禁止され、企業には在宅勤務の徹底が呼び掛けられている。ベトナムの最大都市、ホーチミン市当局は9日、市民の外出を食料の買い出しのみに制限する措置を始めた。期間は15日間。
タイではインド由来のデルタ株の流入により感染が拡大。9日の新規感染者が9,276人に上っている。外出禁止時間は午後9時~午前4時。7月末までの予定だった非常事態宣言の9月30日までの延長も決まった。延長は13回目。
ホーチミン市では5月から段階的に規制を強化してきたが、変異株の流入でコロナ流行が収まらず、不要不急の外出を止めることが必要と判断した。

JESCO ベトナム・オーシャンバレーインフラ工事受注

JESCOホールディングス(本社:東京都中野区)は7月7日、ベトナムの連結子会社JESCO HOA BINH ENGINEERING JOINT STOCK COMPANY(所在地:ホーチミン市タンビン区、以下、JHE社)が、DELTA-VALLEY BINH THUAN(ノバランド子会社)より、オーシャンバレーインフラ3期工事を受注したと発表した。
受注金額は839億ベトナムドン(4億円)。工事場所はNOVA WORLD PHAN THIET。工事内容は高圧受変電工事、道路街灯電気設備工事、給水設備工事。工期は2021年7月~11月(4カ月間)。

良品計画「無印良品」ベトナム・ハノイ1号店7/3開業

「無印良品」を展開する良品計画(本社:東京都豊島区)は7月3日、ベトナムの首都ハノイに1号店「ムジ・ビンコムセンター・メトロポリス」をオープンした。同店は商業施設、ビンコムセンター・メトロポリスの地下1階と地上1階に入居する。店舗では衣料品、家庭用品、家具、化粧品、食料品など5,000点余の商品を取り扱う。同国では2020年11月に開業したホーチミン市に次ぐ2店目。

アジア4カ国にアストラ製各100万回分提供 日本

日本の外務省は6月25日、国内で製造する英製薬大手アストラゼネカ社製の新型コロナワクチンについて、7月1日以降、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンの4カ国にそれぞれ約100万回分提供すると発表した。すでに提供している台湾とベトナムにも、各100万回分を追加で提供する。
また、政府は途上国へのワクチン提供の国際枠組み「COVAX(コバックス)」を通じ、7月中旬以降、東南・南西アジア、太平洋島嶼国に計約1,100万回分を提供する。

ディマージシェア ベトナムのハノイ工科大と連携

DXを通じて経営革新および事業創造を支援するディマージシェア(本社:東京都千代田区)は6月24日、ベトナムで大学ランキング理系1位のハノイ工科大との包括的連携を締結したと発表した。
同社は2011年に同大学内にスマートフォン関連で日本勢初となるラボを開設。早くからIT分野で同大学との積極的な取り組みを行ってきた。また、10年以上にわたり、同大学の卒業生を同社の日本およびベトナム現地法人で採用・雇用してきた。
これらの取り組み実績が高く評価され、今後IT技術の研究開発、産学連携による新規ビジネスの機会創出など推進していくことを企図して、今回の包括的連携の運びとなった。

イオンASEAN5カ国に総額3.5億円のワクチン支援

イオンは6月21日、グループが幅広く事業展開しているマレーシア、ベトナム、インドネシア、タイ、カンボジアのASEAN加盟5カ国政府に、新型コロナウイルスワクチンの接種促進のための支援金として総額3億5,000万円を寄付すると発表した。
同グループはこれらの国々で総合スーパー、スーパーマーケット、ディスカウントストア、ショッピングストアなどの業態で数多くの店舗を出店している。

ベトナム実習生送り出し機関4社からの受け入れ停止

日本の法務省と厚生労働省が所管する外国人技能実習制度の監督機関「外国人技能実習機構」は6月18日、ベトナムの実習生送り出し機関4社からの新規受け入れを8月18日から少なくとも半年間停止すると発表した。実習生の失踪が多いことが理由。ベトナム政府には通報済み。
受け入れ停止は今回初の試みで、実習生の失踪者の減少につなげたい考え。出入国在留管理庁によると、2020年に失踪した技能実習生は5,885人で、うち3,741人はベトナム人だった。

三菱商事 ラオスでMonsoon陸上風力発電へ出資参画

三菱商事(本社:東京都千代田区)は6月16日、100%子会社のDiamond Generating Asia Limited社(以下、DGA社)を通じ、Earth Power Investment Limited社、BCPG Public Company Limited社と共同で、ラオスでMonsoon陸上風力発電所の開発を行うImpact Energy Asia Development Limited社(以下、IEAD社)に出資参画すると発表した。
IEAD社が開発を進めるMonsoon陸上風力発電所(設備容量600MW)は、ラオスで初めての、東南アジア最大の陸上風力発電所。同発電所はラオス南部セコン県とアッテプー県に位置し、ベトナムに向けて送電設備を敷設したうえで、ベトナムの国営電力会社、Vietnam Electricity社へ25年間売電することを予定している。

ベトナムなど東南ア5カ国へワクチン提供を発表 茂木外相

茂木敏充外相は6月15日、新型コロナウイルスワクチンをベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアの5カ国に提供すると発表した。ベトナムには16日におよそ100万回分を届ける、英アストラゼネカ社製ワクチンが対象で、他の4カ国には7月上旬から送る。

ベトナム大手5社の技能実習生受け入れ停止へ OTIT

外国人技能実習機構(OTIT)が、ベトナムの大手送り出し機関5社からの技能実習生の新規受け入れを停止する方針を、ベトナム政府に文書で伝えたことが分かった。5社が日本に送り出した実習生の中から、多数の失踪者が出たことが理由とされている。
OTITは6月1日付で、技能実習生を所管するベトナムの労働・傷病兵・社会問題省の海外労働管理局(DOLAB)に通知。近くこの方針を公表した後、2カ月後をめどに実行するとしている。ベトナムの送り出し機関は政府の認可に基づき、日本に実習生を送り出す人材派遣会社。6月現在で約460社ある。朝日新聞が報じた。
ベトナム人実習生は2020年6月末時点で約22万人に達し、実習生全体の過半数を占めている。通常、実習生は、日本円で平均100万円近い借金を背負い来日。早く借金を返済しようと失踪するケースも少なくないという。

日本 6/4からベトナムなどからの水際対策強化 新たな変異株で

日本政府は6月1日、ベトナムで新型コロナウイルス変異株が見つかったことを受け、ベトナムなどからの水際対策を強化すると発表した。これまでベトナムからの入国者に対しには自宅などで14日間の待機を求めていたが、最初の6日間は検疫所が指定した宿泊施設での待機とし、入国後3日目と6日目に検査を求める。4日から適用する。

ASEAN6カ国1~3月自動車販売7.8%増の72.9万台 ベトナム著増

日本貿易振興機構(ジェトロ)のまとめによると、ASEAN主要6カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、シンガポール)の2021年1~3月自動車販売台数の合計は、前年同期比7.8%増の72万9,818台だった。国別にみると、前年同期比21.1%減少したインドネシアを除き、5カ国が増加した。中でもベトナムが35.6%増となったほか、マレーシアも32.5%増えた。
一方、2021年1~3月のASEAN5カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)の自動車生産台数の合計は、前年同期比1.0%減の93万5,529台だった。国別にみると、ベトナムが47.3%、マレーシアが35.7%それぞれ大幅に増えたが、インドネシアとフィリピンが2ケタの減となった。

マツオカコーポレーション ベトナム・ゲアン省に子会社設立

縫製メーカー大手のマツオカコーポレーション(本社:広島県福山市)は5月24日、ベトナムのゲアン省に子会社設立すると発表した。新会社の資本金は860万米ドルで同社が全額出資する。6月に設立する予定で、アパレルOEM製造を手掛ける。ベトナムを含め15カ国の「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」合意を受け、貿易上のメリットを活用する。