理研・インテル 量子計算機、スパコンを共同研究の覚書

理化学研究所と米インテルは5月19日、量子計算やスーパーコンピューター(スパコン)などの分野で共同研究を進める覚書を締結したと発表した。人工知能(AI)の高度化などに対応できる計算能力を確保する。理研は量子計算と従来のコンピューティング技術の掛け合わせなどにより、計算基盤を高度化する。インテルは量子コンピューターを動作させる制御チップや、ソフトウエアの開発キットなどを手掛ける。両者の協力により、求められる「ゼタ(ゼタは1兆の10億倍)」スケールの計算能力に必要な技術や応用の可能性などを探る。

パナソニックHD, 丸紅 商用EV普及,サポートサービスで合弁設立

パナソニックホールディングス(HD)と丸紅は5月19日、商用電気自動車(EV)向けフリートマネジメントサービスの提供を目的とし、合弁会社を設立することで合意したと発表した。合弁会社の所在地は東京都内で、折半出資により6月に設立する予定。
パナソニックグループが培ってきた電池関連の知見や技術と、丸紅のモビリティ・EV分野での知見や営業基盤を活かしながら、人々の暮らしを支える商用EVの普及を促す。多数の商用車を扱う事業者のEV導入から運用までを一元的にサポートし、EV普及を加速させ、脱炭素社会の実現に寄与する。

日立, 東芝インフラS 台湾高速鉄道車両144両 約1,240億円で受注

日立製作所および東芝、東芝インフラシステムズなどで構成されるHitachi Toshiba Supreme Consortium(以下、HTSC)は5月18日、台湾の高速鉄道事業者、台灣高速鐵路股份有限公司(以下、台湾高鐵)より、新型高速鉄道車両12編成(144両)を受注したと発表した。受注金額は約1,240億円。
HTSCは東海旅客鉄道の最新型N700をベースとした車両を2026年から順次納入する予定。1編成あたりの長さは約300mで、最高速度時速300kmで営業運転する。台湾高鐵は日本の新幹線システムを導入して2007年に開業し、台北と高雄間の350kmを結んでいる。

ルネサス 25年から高崎工場で次世代パワー半導体生産

ルネサスエレクトロにクスは5月19日、炭化ケイ素(SiC)を使い、電力損失を少なくした次世代パワー半導体の生産を2025年に開始すると発表した。投資額や生産規模は未定。シリコンを使うパワー半導体を手掛ける高崎工場(所在地:群馬県高崎市)で生産を予定する。電気自動車(EV)向けの需要を取り込む。
Sicを使ったパワー半導体は、従来のシリコン使いよりも耐熱・耐圧性に優れ、EVに採用すれば航続距離を伸ばせる。また、蓄電池など再生可能エネルギー分野で市場拡大が見込まれている。

中国1〜3月の自動車輸出107万台で世界首位に 日本を抜く

中国汽車工業協会(CAAM)がまとめた税関総署のデータによると、中国の2023年1〜3月の自動車輸出台数は前年同期比58.1%増の107万台となった。一方、日本自動車工業会のデータによると、日本の輸出台数は同5.6%増の95万4,000台だった。この結果、日本は前年同期の1位から2位に転落した。
中国の1〜3月自動車輸出額上位の仕向け先はロシア、米国、メキシコ、英国、ベルギー、日本、オーストラリア、ドイツ、アラブ首長国連邦(UAE)、韓国など。

山九 シンガポールに全温度帯管理の最大級高機能物流センター

山九(本社:東京都中央区)は5月18日、海外現地法人、山九シンガポール(私人)有限公司(SANKYU SINGAPORE PTE LTD)が、シンガポール西部のトアス地区にトアス物流センター(仮称)を建設すると発表した。既存倉庫の建て替えにより施設面積をこれまでの2.2倍に拡張し、東南アジア地域における同社最大級の物流センターとして2025年9月の開設を予定。バイオメディカルや医療・医薬関連の物流需要の取り込みを図る。
同センターは鉄筋コンクリート4階建て。敷地面積1万9,230㎡、施設面積3万7,975㎡(うち事務所1,253㎡)。全フロアに22℃±2℃の温度帯管理機能を完備し、保管効率の高いVNA(Very Narrow Aisle)型物流センターとする計画。屋上にソーラーパネルを設置し、CO2排出量を削減する。

家庭から排出される廃プラスチックを水素へ 官民の検討会発足

岩谷産業、豊田通商、日揮ホールディングスの3社は5月18日、廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造事業の実現に向けて、14の会員自治体と12のオブザーバーとともに、廃プラスチックのケミカルリサイクルによる水素製造検討会を発足し、第1回検討会を実施したと発表した。水素製造開始は2020年中ごろを目標とする。水素製造能力は1.1万トン/年(廃プラ回収量:8万トン/年)。
同検討会では、再商品化手法の一種であるガス化ケミカルリサイクルを用いた各地域の大規模プラスチック資源循環システムの構築と、中部圏での先進的な地産地消低炭素水素供給システムの確立を目的とし、各地域で発生する廃プラスチックの効率的な収集を検討していく、

核融合発電の京大発ベンチャーに17社が105億円を出資, 後押し

次世代のエネルギー減として期待される核融合発電の研究開発を手掛ける京都大学発ベンチャー企業に、政府系ファンドや電力会社、大手商社など17社が合わせて105億円を出資し、官民で実用化に向けた動きを後押しすることになった。
この企業は、京都大学エネルギー理工学研究所の研究者らが立ち上げた「京都フュージョニアリング」で、世界初と鳴る小規模な実験用の発電プラントの建設を進めている。出資するのは政府系ファンドのJICベンチャー・グロース・インベストメンツ、三菱商事、三井物産、関西電力のグループ会社など。

丸紅 ベトナム・ビングループVinESと蓄電池事業の共同開発で覚書

丸紅(本社:東京都千代田区)は5月18日、100%子会社のMarubeni Green Power Vietnam Co.,Ltd(所在地:ベトナム・ハノイ)が、ベトナムのVinES Energy Solutions Joint Stock Company(所在地:ベトナム・ハイフォン、以下、VinES)とベトナムにおける蓄電池事業実施に向けたプロジェクトの共同開発に係わる覚書を締結したと発表した。
VinESの親会社でベトナムのコングロマリット、Vingroup(ビングループ、所在地:ベトナム・ハノイ)と戦略的パートナーシップの強化を図るとともに、グループ傘下の事業者向けに、VinESが生産する蓄電池導入の事業性の検証・確立、さらに蓄電池を活用した脱炭素実現に向けた様々なソリューションを検証する。

PPIH シンガポールに「DON DON DONKI」6/1オープン

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)は5月18日、グループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(シンガポール)(本社:シンガポール)が、2023年6月1日に「DON DON DONKI
Paya Lebar Quarter(パヤレバクオーター)」をオープンすると発表した。
同店が出店する「Paya Lebar Quater Mall」はPaya Lebar駅および集合住宅に直結している利便性の高い商業施設。売場面積が約1,134㎡、営業時間は10時〜23時。

中越パルプと丸紅 CNF使用の化粧品用途向け原料の販売開始

中越パルプ工業(東京本社:東京都千代田区)と丸紅(本社:東京都千代田区)は5月17日、中越パルプが製造するACCセルロースナノファイバー(以下、CNF)「nanoforest(R)」を使用した化粧品用途向け原料の販売を開始したと発表した。中越パルプが製造するCNFは、原料に未利用竹材を含む国産竹100%の天然繊維を使用。用途に合わせた形態で提供できることに加え、これを配合することで増粘性や触感改良機能、顔料分散安定性、洗浄性、保湿性、乳化安定性などを付与できるという。

コマツとトヨタ 鉱山現場で自動走行するライトビークル開発で協業

コマツとトヨタ自動車は5月17日、鉱山現場のライトビークルの自動化を目指し、無人ダンプトラック運行システム(以下、AHS)上で自動走行するライトビークル(以下、ALV)の開発で協業開始すると発表した。現在、コンセプト車両で試験を実施しており、2024年1月ごろをめどに顧客現場での実証実験を開始する予定。
コマツはAHSの管制システム上にALV用管理プログラムを新たに開発し、トヨタは乗用車で培った自動運転技術を応用し、AHSの管制システムからの指令により自動で走行するALVを開発する。無人ダンプトラックとALVを、コマツのAHS管制下で協調制御して自動走行させることで、鉱山現場のさらなる安全性と生産性向上の実現を目指す。

関電不動産 EV充電器設置住宅を訴求 JR星田駅前開発物件で

関西電力傘下の関電不動産開発は5月17日、JR学研都市線の星田駅(所在地:大阪府交野市)近くで開発するすべての戸建住宅に電気自動車(EV)の充電器を設置すると発表した。分譲マンションには総戸数の半分弱にあたる159個の充電器を備える。
EV充電器を設置するのは、7月中旬の完売開始予定の「スマートエコタウン星田」の建売住宅98戸と、2024年以降の竣工を目指す全382戸の分譲マンション「シエリアシティ星田駅前」。脱炭素社会に向け、EVの所有者が住みやすい街とする。

アスエネ フィリピン・セブ市にグローバル開発センター

二酸化炭素(CO2)排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスゼロ」などを手掛けるアスエネ(本社:東京都港区)は5月17日、フィリピン・セブ市に5月中にプロダクトと機能開発を強化するためのグローバル開発センターを立ち上げると発表した。アジアの脱炭素、ネットゼロ推進に向けて、グローバルな人材採用を進める。
同社は現在、海外現地法人、Asuzero Singaporeを通じ、シンガポールを中心に東南アジア各国への「アスゼロ」、ESG評価サービス「ESGクラウドレーティングECR」を展開している。

スズキ, ダイハツ,トヨタ共同開発のBEV商用軽バン試作車を公開

スズキ、ダイハツ、トヨタ自動車は5月17日、3社で共同開発してきたBEVシステム搭載の商用軽バン電気自動車(以下、BEV商用軽バン)のプロトタイプを、「G7広島サミット」に際し5月18〜21日に、一般社団法人 日本自動車工業会の行う自動車業界のカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを紹介する展示イベントで公開すると発表した。車両はダイハツが生産し、スズキ、ダイハツ、トヨタ自動車がそれぞれ2023年度内に導入する予定。一充電当たりの航続距離は200km程度とする。

JR大阪駅西側の新駅ビル「イノゲート大阪」24年秋開業

JR西日本(本社:大阪市北区)は5月16日、大阪駅の西側に建設する新ビルの上棟式を行うとともに、同ビルの名称を「イノゲート大阪」とすると発表した。革新を意味する「イノベーション」と、入り口をなどを示す「ゲート」を組み合わせたもの。地上23階建てで、2024年秋に開業させる、大阪駅西口改札に直結する駅ビル。
2024年夏には大阪駅南側に、大阪中央郵便局跡地にできる「JPタワー大阪」も開業する予定で、大阪駅前・周辺にはさらににぎわいが生まれる。

国内二輪4社 脱炭素へ「水素エンジン」の研究開発で協業

カワサキモーターズ、スズキ、ホンダ、ヤマハ発動機の国内二輪4社は5月17日、二酸化炭素(CO2)を排出しない「水素エンジン」について、二輪車向けの研究開発で協業すると発表した。すでに5月11日に、小型モビリティ向け水素エンジンの基礎研究を目的とした「水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合(所在地:東京都中央区、HySE:Hydrogen Small  mobility & Engine Technology)」の設立に向け、経済産業省の認可を得た。
HySEの特別組合員として川崎重工業とトヨタ自動車が参画する。HySEは2023年6月設立予定。活動期間は5年間。二輪車では各社が電動化の取り組みを進めているが、航続距離が短いなどの課題がある。4社が中心となって、電動化以外の脱炭素の選択肢として水素エンジンの実現性を探る。

ファストリ パキスタン縫製産業労働者の健康と安全協定に署名

ファーストリテイリングは5月16日、新たに発足した「パキスタンの繊維・縫製産業労働者の健康と安全のための協定(パキスタンアコード)」に署名したと発表した。これはパキスタンで生産業務を行うブランド各社と労働組合の協力により発足した法的拘束力を伴う協定で、独立した管理体制のもと、パキスタン労働者の安全性工場を実現する。パキスタンアコードは2025年末まで継続し、その後も更新される見込み。

花王とライオン 洗剤容器のリサイクルで連携 詰め替えパック

花王(本店:東京都中央区)とライオン(本社:東京都台東区)は5月16日、洗剤容器のリサイクルで連携すると発表した。使用済み詰め替えパックを共同で回収し、詰め替えパックに再生して販売する。対象商品の、花王の「アタックZERO」、ライオンの「トップスーパーNANOX」を5月29日から順次、イトーヨーカドーやウエルシア薬局の一部店舗で数量限定販売する。
同パックは複合素材でリサイクルが難しく、現状では4割程度の自治体で焼却処分されている。今回、不純物を取り除く技術開発にめどがついたとしている。

全国のタワマン計画 23年以降に11万戸供給見通し 地方へも広がる

不動産経済研究所(所在地:東京都新宿区)の調査によると、2023年以降に完成予定のタワーマンション(20階以上)が、全国で約11万7,000戸に達する見通しだ。1年前と比べ約1万5,000戸増える。
全国で2023年以降に完成が予定されているタワーマンションは3月末時点で287棟で、前年同期比23棟増となっている。地域別にみると、首都圏は8万4,671戸と全体の7割強を占めている。このうち東京23区は5割強の6万166戸。近畿圏は3,296戸の1万6,578戸。このほか、地方の中核都市でも大規模開発や複合開発プロジェクトが予定され、タワーマンションの供給が進む見通し。2026年までは年間1万7,000〜2万数千戸が完成する見込み。