先端半導体支援へ改正法成立 国内での工場建設を後押し

先端半導体工場の国内での建設を後押しするための関連法改正案が12月20日、参院本会後で可決、成立した。生産施設の整備計画を申請した企業に対し、認定基準を満たせば助成金を出す仕組みをつくる。世界的な半導体不足の中、デジタル化の進展に伴い、高性能な半導体の確保は課題となっており、当該企業に積極的な投資を促す。

トヨタ 12/23から2人乗り小型EVをリース契約で個人向けに発売

トヨタ自動車は12月23日、2人乗りの小型電気自動車(EV)「C+pod(シーポッド)」を個人向けに発売すると発表した。同日から全国のトヨタ系列販売店などでリース契約のみで提供する。同商品は2020年12月から一部の自治体向けに販売していた。今後はすべての契約をリースに切り替える。

厚労省 エーザイの認知症新薬の承認判断は審議継続に

厚生労働省の専門部会は12月22日、エーザイと米バイオジェンが共同開発した認知症の新薬「アデュヘルム」の承認判断について審議を継続する方針を示した。現時点で得られたデータから有効性を明確に判断することは困難との見解を示し、今後実施される臨床試験(治験)の結果などをもとに、再度審議する必要があるとした。厚労省は今後の審議日程を明らかにしていない。
アデュヘルムは認知症の6~7割を占めるアルツハイマー病の治療薬候補。同薬は患者の脳内に蓄積して発症の原因になるとみられているたんぱく質「アミロイドベータ」を取り除く。エーザイ、米バイオジェン両社は早期に投与すれば、症状の悪化を一定程度抑えられるとの治験結果を示したが、米国のFDA(食品医薬品局)、欧州EMA(欧州医薬品庁)の薬事当局の判断は分かれていた。

東芝 発電効率8.4%を達成した透過型Cu2O太陽電池を開発

東芝(本社:東京都港区)は12月22日、低コストで高効率なタンデム型太陽電池の実現に向けて活用が期待されている透過型亜酸化銅(Cu2O)太陽電池で、発電層の不純物を抑制することで、世界最高の発電効率8.4%の実現に成功したと発表した。この透過型Cu2O太陽電池を発電効率25%のシリコン(Si)太陽電池に積層すると全体の発電効率が27.4%と試算することができ、同社はCu2O/Siタンデム型太陽電池が、Si太陽電池の世界最高効率26.7%を超えるポテンシャルを有することを確認した。さらに、この太陽電池を電気自動車(EV)に搭載した場合、充電なしの航続距離は1日当たり約35kmと試算することができるという。

ソニーG インド放送大手と子会社統合で合意 投資額1,370億円

ソニーグループは12月22日、インド放送大手のジー・エンターテインメント・エンタープライゼスと進めていた子会社との統合交渉で合意したと発表した。投資額は少なくとも約12億700万ドル(約1,370億円)。統合会社は放送事業でインド最大手となる見通しで、ソニーが株式の過半を握る。
米ソニー・ピクチャーズエンターテインメント(SPE)のインドの現地子会社が、ジー社と統合する。SPEは成長投資目的で現地子会社に10億6,000万ドル(約1,208億円)を拠出。ジー創業家株主はSPEから対価として1億4,700万ドル(約168億円)を受け取り、現地子会社の株式を取得する。

ウィラーとKDDI 配車のエリア定額乗り放題「mobi」開始へ

WILLER(本社:大阪市)とKDDI(本社:東京都千代田区)は12月22日、2022年1月からエリア定額乗り放題サービス「mobi」を共同で提供すると発表した。両社は合弁会社「Community Mobility」(議決権比率:WILLER51%、KDDI49%)を設立。2022年4月1日から事業を開始し、本サービスの全国展開を目指す。
新型コロナ禍に伴い、自宅周辺で過ごす時間が増えたことで、近距離移動の需要が高まっていることや、地方都市などで利用者の減少により毎年1,000km超の路線バスが廃止され、高齢者を中心に移動手段がなくなることへの不安が増加、持続可能なまちづくりの実現に向け、交通課題の解消が重要になっている。こうした現状を踏まえ、両社はこのサービスを通じて、ストレスのない移動により地域交通網の課題解決を図るとともに、外出の機会や家族・コミュニティとの交流が増え、街が活性化し暮らしが豊かになる移動サービスの提供を目指す。

ニトリ 22年1月マレーシア,3月シンガポールへ出店 東南ア進出

ニトリホールディングス(本社:札幌市)はこのほど、東南アジアへの出店計画を明らかにした。まずマレーシア・クアラルンプールとシンガポールに出店する。アジアでの第1号店はマレーシアに初出店する「ららぽーと」に「ブキット・ビンタンシティセンター店」を2022年1月に、次いでシンガポール・オーチャード通りに「オーチャード店」を同年3月にそれぞれオープンする。
また、マレーシアの第2号店は同年夏季にオープンする予定。これを機に、今後5年間にマレーシアで20店舗、シンガポールで10店舗の出店を予定。ニトリグループは日本に692店舗、中国、台湾、米国に88店舗を有している。

「東急ハンズ」カインズ傘下に 東急不動産HD 22年3月に売却

東急不動産ホールディングス(HD)は12月22日、完全子会社の生活雑貨店「東急ハンズ」を2022年3月末にホームセンター大手のカインズ(本社:埼玉県本庄市)に売却すると発表した。売却額は非公表。売却後も当面、「東急ハンズ」として営業を続ける見通し。
東急ハンズは1976年に創業。現在は国内外で86店舗を運営。最近はインターネット通販の普及やコロナ禍で業績が悪化。2021年連結決算の売上高は631億円で、71億円の最終赤字だった。主力店舗の閉鎖が続いていたため、東急不動産HDが売却にあたり入札を実施した。

日産自など 福島県浪江町でオンデマンド配車,貨客混載の実証

日産自動車(本社:横浜市西区)、イオン東北(所在地:秋田市)、日本郵便東北支社(所在地:宮城県仙台市)、長大(本社:東京都中央区)、ゼンリン(本社:福岡県北九州市)の5社は12月21日、2022年1月7日から同年2月4日までの約1カ月間、福島県浪江町でオンデマンド配車サービスと、人とモノの移動ニーズをマッチングさせ人流と物流の効率化を検証する、貨客混載の実証実験を実施すると発表した。
この実証実験は、昨年度2月に協定締結した「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」のもと、11月開始した「なみえスマートモビリティ」実証実験の第2フェーズとなるもの。配車サービスの対象エリアを町中心部から、避難解除区域を含む浪江町全域へ拡大するほか、買い物支援サービスによる荷物配達を組み合わせた貨客混載の実証実験も実施する。

アリアケジャパン 中国山東省に現地法人 3カ所目の工場

天然調味料などを手掛けるアリアケジャパン(本社:東京都渋谷区)は12月20日、中国山東省日照市に現地法人「日照有明食品有限公司」を設立したと発表した。設立は2021年11発18日付。同市に中国3カ所目の工場を設け、生産を拡大する。第3工場の稼働は2024年初めを予定。現地法人の資本金は1,350万ドル。天然調味料の製造および販売を手掛ける。

兼松 インドネシアの国営プルタミナと脱炭素へ共同実証実験

兼松(本社:東京都港区)は12月20日、子会社のデータ・テックおよびインドネシア国営石油プルタミナとともに、脱炭素社会の実現に向けた、運送トラックの燃費改善による物流効率改善への共同実証実験を開始したと発表した。
データ・テックが開発した端末「インドネシア版セイフティレコーダ(ISR)」を、プルタミナの下流部門子会社の車両計130台に取り付け、車両データを収集・分析し、燃費や物流効率の改善につなげる。この共同実証実験は、日本の環境省の「コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業」の一環。

パラマウントベッド 介護福祉士養成課程で講座を共同で開始

パラマウントベッド(本社:東京都江東区)は12月20日、学校法人三幸学園(所在地:東京都文京区)と、同校が運営する全国7カ所の福祉専門学校の必修科目「介護支援技術(睡眠)」において、介護ロボット「眠りSCAN(スキャン)」を用いた見守り支援システムを利用し、睡眠の分析からケアまでを考える講座を2022年2月に開始すると発表した。
同講座は、これまで行っていた高齢者の睡眠の特徴などを学ぶ座学の内容に「なぜ介護ロボットが現場に必要とされているのか」等を加えたもの。見守り支援システムを実際に使用することで高齢者の睡眠ケアにどのように介入できるか実習を通して学べる内容となる予定。こうした必修事業は国内初で、全国7校(札幌・仙台・東京2校」・名古屋・大阪・福岡)で実施する。

堀場製作所 北京でガス制御機器25年までに3倍の10万台へ

堀場製作所(本社:京都市南区)は12月16日、中国・北京市のグループ会社、HORIBA Precision Instruments(Beijing)Co.,Ltd.を北京首都国際空港近くの工業団地へ移転・拡張し、半導体製造装置向けに供給するガス制御機器「マスフローコントローラー」を増産すると発表した。年間生産能力を2025年までに現行の約3倍の10万台に拡大する。
同社は現在、世界のマスフローコントローラー市場で約60%のシェアを占めている(2021年12月現在)。中国では再生可能エネルギーやパワー半導体市場などの需要拡大に対応し、マスフローコントローラー市場での一段のシェア拡大を図る。

PPIH バンコクに「ドンドンドンキ」タイ4号店 12/21開業

総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、本社:東京都目黒区)は12月21日、タイでアジア地域で運営する業態「ドンドンドンキ」4号店を開業した。売場面積は2,146㎡で、タイ最大となる
同地は、1月にタイから撤退した東急百貨店が入居していた首都バンコクの商業施設「MBKセンター」の跡地。メイド・イン・ジャパンやジャパン風など、”ジャパンタウン”をコンセプトに、都心の消費者を呼び込む。

ラウンドワン 12/18上海1号店が開業 中国本土3店目

ボウリングやカラオケなど複合レジャー施設を運営するラウンドワンは12月18日、中国・上海市宝山区の商業施設「日月光中心」に上海1号店を開業した。中国本土では3店目となる。店舗面積は約7,000㎡、ボウリング場やカラオケのほか、入場料を払えば一定の時間内に複数のスポーツやアミューズメントを自由に楽しめる。
店舗の運営は2019年、中国企業の北京恵君文化発展と北京市に設立した合弁会社、朗元(中国)文化娯楽(出資比率ラウンドワンが99%以上)が担う。同合弁会社は2021年5月に広東省広州市に中国本土1号店、同10月に同省深圳市で同2号店をそれぞれオープンしている。

大阪ガス インドの都市ガス事業参入 73億円出資 日本企業初

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は12月20日、子会社のOSAKA GAS SINGAPORE PTE.LTD.を通じて、海外交通・致死開発事業支援機構(以下、JOIN)とともに、インドの都市ガス事業に参入すると発表した。
現地で都市ガス事業を手掛けるシンガポール企業、AG&P LNG CGD HoldCo Pte.Ltd.(以下、AG&P都市ガス会社)に計6,500万米ドル(約73億7,500万円)を出資し、参画する。これにより、日本の国土の75%に相当する広大な地域の都市ガス事業に携わることになる。日本企業として初めてのインド都市ガス事業への参画になる。

米バイオジェン エーザイと開発の認知症新薬 50%値下げ

米バイオジェンは12月20日、エーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」について、米国での価格を従来比約50%値下げすると発表した。これまでは年間5万6,000ドル(約630万円)と高額だった。価格は半額に下げることで同新薬の普及を促す。2022年1月から値下げする。エーザイも「価格の改定により、新薬が使いやすくなる」としている。

トヨタ 1月も国内5工場で稼働停止 影響約2万台 部品調達難続く

トヨタ自動車は12月20日、2022年1月に休日稼働の取りやめを含め国内5工場7ラインで一時稼働を停止すると明らかにした。これによる影響台数は約2万台になる見込み。1月操業からは正常化の思惑を含めた見通しは外れ、引き続き滞っている部品調達、半導体確保ににらみ合わせ、さらに国内の物流ひっ迫状況をみながらの操業となる。

村田製作所 22年1/1からフィリピン工場を100%再エネに転換

村田製作所(本社:京都府長岡京市)は12月20日、フィリピン・バタンガス州の工場の使用電力をすべて2022年1月1日から再生可能エネルギーに転換すると発表した。同工場は主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)を生産する基幹工場の一つ。
生産棟の屋根に6,768枚の太陽光発電パネルを設置し、工場全体の消費電力の3~4%程度を賄う計画。残りは地熱発電など再生可能エネルギー由来の電力を購入して対応する。再エネ100%とした海外生産拠点は初めて。

INPEX インドネシア西スマトラ州の地熱発電事業に参入

INPEX(本社:東京都港区、国際石油開発帝石)は12月16日、インドネシア西スマトラ州南ソロク県のムアララボ地熱発電事業に参入したと発表した。同社の地熱発電事業子会社INPEX地熱開発を通じ、インドネシアの地熱発電事業デベロッパー、シュプリーム・エナジーの子会社で、この地熱発電事業の権益30%を保有するシュプリーム・エナジー・スマトラの33.333%の株式を取得し、ムアララボ地熱発電事業に参入する。
この事業は2019年12月の商業運転開始から30年にわたって、インドネシア国営電力会社(PT PLN(Persero))に地熱で発電した電力を販売する計画。