日本 国産量子コンピューター22年度中整備が目標

日本政府は4月12日、量子技術に関する新たな戦略案を公表した。この骨子は①2022年度に国産量子コンピューターの初号機を整備する②2030年に量子技術の利用者を1,000万人に増やす③量子分野でユニコーン企業の創出やベンチャー企業の参入により活性化を図る④政府系ファンドを活用して起業環境を整備する-など。

富士フィルム AI技術用いMCIからADへの進行を予測

富士フィルム(本社:東京都港区)と国立精神・神経医療研究センター(所在地:東京都小平市)は4月13日、アルツハイマー病(AD)の進行予測AI技術を用いて、2年以内に軽度認知障害(MCI)患者がADへ進行するかどうかを最大88%の精度で予測することに成功したと発表した。
今後両者は、AD治療薬の臨床試験の患者選定にAD進行予測AI技術を適用することを目指して、この技術の有用性のさらなる検証を進めていく。

花王 インドネシア小規模パーム農園を支援

花王(本店:東京都中央区)は4月13日、油脂製品製造および販売会社のアピカルグループ、農園(プランテーション)会社のアジアンアグリの2社とともに、パーム油の持続可能なサプライチェーンの構築を目指し、インドネシアの小規模パーム農園の生産性向上、持続可能なパーム油に対する認証の取得を支援するプログラム「SMILE」を実施していると発表した。また、同じくインドネシアの小規模パーム農園を対象として、2022年夏のグリーンバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)の稼働を目指している。

クレディセゾン インドネシアのJULOに8,000万米㌦投資

クレディセゾン(本社:東京都豊島区)は4月13日、シンガポールの子会社を通じて、インドネシアで金融サービスを十分に享受できないアンダーサーブド層の人々を対象に、デジタルレンディング事業を行うJulo Holdings Pte.Ltd.(本社:シンガポール、以下、JULO)に対し、8,000万米ドルの資金提供を行ったと発表した。8,000万米ドルの内訳は、3,000万米ドルの出資と5,000万米ドルの融資の組み合わせによるもの。
両社は他の新興国市場への共同進出についても検討していく。

アイ・シー・ネット ベトナム「KiddiHub」と提携

学研ホールディングス(本社:東京都品川区)のグループ会社で、学研のグローバル戦略を推進するアイ・シー・ネット(本社:さいたま市)は4月8日、ベトナム最大級の園・習い事口コミサイト、教育情報サイトを運営するKIDDIHUB EDUCATION TECHNOLOGY JOINT STOCK COMPANY(本社ベトナム・ハノイ市、以下、KiddiHub)と資本提携契約を締結したと発表した。この提携は将来、KiddiHub社の学研グループ入りを想定した第一歩と位置付けている。
両社は今回の資本提携を機に、学研グループのコンテンツ力と、KiddiHub社の顧客基盤・IT開発力を掛け合わせ、ベトナムにおける幼児教育事業を強化、展開を加速する。

大阪ガス 豪州のグリーン水素製造Pで共同開発

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は4月12日、オーストラリアの水素関連企業、AQUA AEREM Pty Ltd(以下、アクアエアレム社)と同日、オーストラリア北部準州における「デザートブルームハイドロジェンプロジェクト」に関する共同開発契約を締結したと発表した。
同プロジェクトは、アクアエアレム社の独自技術により大気中から回収した水と、送電網と接続されていない太陽光由来の電気を原料として、グリーン水素を製造し、オーストラリア国内の発電所への供給や国外への輸出を目指しているプロジェクト。オーストラリで最も期待されている水素開発プロジェクトの一つ。
両社は共同でまず、2023年中の年間約400トンの水素を製造するプラントの建設を目指して、プラントの設計や製造した水素の供給先に関する検討などを進める予定。

小野薬品「オプジーボ」台湾で尿路上皮がん治療で承認取得

小野薬品(本社:大阪市中央区)は4月12日、台湾の現地法人、台灣小野薬品工業股份有限公司が、ヒト型ヒトPD-1モノクローナル抗体、OPDIVO(R)(一般名:ニボルマブ)点滴静注(以下、オプジーボ)について、2022年4月11日に「根治切除後の再発リスクが高い尿路上皮がん患者の術後補助療法」に対する効能または効果の追加承認を台湾食品薬物管理局(TFDA)から取得したと発表した。
がんを攻撃するに身体の免疫系を利用するオプジーボは、日本で2014年7月に悪性黒色腫で承認を取得以降、複数のがん腫で重要な治療選択肢となっている。現在、日本、台湾、韓国、中国、米国およびEUを含む65カ国以上で承認されている。

シャープ 新CEO呉柏勲氏 真のグローバル企業へ導く

シャープの副会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した呉柏勲(ご・はくくん)氏(44)は4月12日、海外事業の拡大などを通じて「シャープを”真のグローバル企業”へ導くのが私の使命と考えている」などの抱負を語り、欧米や中国などでの事業展開を加速していく考えを示した。また、家電などを通じて健康状態をモニタリングする「デジタルヘルス事業」新たな分野として注力していく方針を掲げた。
台湾出身の呉氏は、2016年、シャープが台湾の鴻海精密工業の傘下に入って以降、経営にあたっていた戴正呉氏の後任として、4月1日付でCEOに就任した。

積水化学”ごみ” をエタノールに変換 実証プラント

積水化学、INCJ、積水バイオリファイナリーは4月11日、積水化学と米国ベンチャー、Lanza Tech NZ,Inc.(以下、ランザテック社)が共同開発した、微生物を活用して可燃性ごみをエタノールに変換する技術の実証事業の実施、技術検証および事業展開を行うことを目的として、岩手県久慈市で建設を進めていた10分の1スケールの実証プラントがこのほど竣工したと発表した。
実証プラントでは、BRエタノール技術の実用化・事業化に向けた最終段階の検証を行うため、スケールアップ時の技術検証、システム最適化、安定稼働の確認、事業性の確認などを行う計画。
同プラントの敷地面積は約2万5,000㎡、処理能力:一般廃棄物(可燃性ごみ)約20トン/日、製造量:エタノール1~2kL/日。

NIMS,金沢大 磁気冷凍システムで水素の液化に成功

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)、金沢大学および大島商船高等専門学校からなる研究チームは4月11日、磁気冷凍システムの極低温における駆動を実現し、このシステムによる水素の液化に成功したと発表した。これにより、磁気冷凍法による実用的な水素液化が実証され、低コストで省エネルギーな水素液化プラントの開発に一歩前進した。
今回研究チームは、最適化された超電導磁石の磁場中に磁性体を出し入れすることで、高効率で発熱の少ない磁場変化を与える機構を開発。さらに能動的蓄冷式磁気冷凍(AMRR)に最適化した熱交換器を開発するとともに、磁性体形状の改良を実施。これらにより、冷却動作温度範囲の拡大と極低温で安定したAMRRサイクルを実現し、世界で初めてAMRRによる水素の液化に成功した。
今後この技術を高めることで、より高出力、高効率の磁気冷凍機を開発し、低コストで省エネルギーな水素液化プラントの実現を目指す。

21年分譲マンション1位野村不,2位三井不,3位大和ハウス

不動産経済研究所(本社:東京都新宿区)は4月12日、2021年の供給実績をもとに、売主・事業主別の供給占有面積ランキングを公開した。
全国でトップとなったのは2年連続で野村不動産だった。供給占有面積は28万9,222㎡で、前年と比べると1万4,946㎡(5.4%)増えている。2位は前年4位の三井不動産レジデンシャルで、前年比60.9%増の28万8,524㎡。3位は同78.1%増の大和ハウス工業、4位は三菱地所レジデンス、5位プレサンスコーポレーションとなった。
調査対象は全国の新築分譲マンションで、投資用ワンルームマンション、定期借地権マンションも含んでいる。調査は2018年に開始し、今回が4回目。

新田ゼラチン 世界初のコラーゲン人工腱研究開発へ

新田ゼラチン(本社:大阪府八尾市)は4月11日、世界初となる靱帯再建術用コラーゲン製人工腱の研究開発を目的に、北海道大学産学・地域協働推進機構内に「バイオマテリアル構造設計部門」を2022年4月1日より開設したと発表した。
同部門で、靱帯断裂や損傷等を受傷したスポーツ選手をはじめ一般患者への靱帯再建術で使用するコラーゲン人工腱研究開発を行う。この靱帯再建治療により、従来の自家腱移植術等による患者の負担を減らし、多くの患者が元の運動機能を取り戻せるよう北海道大学と協働する。

帝人フロンティア ゴム補強用Pナノファイバー開発

帝人フロンティア(本社:大阪市北区)は4月11日、タイや、ホース、ベルトなどに使用される従来のゴム補強材よりも補強性能に優れ、環境負荷低減に貢献するゴム補強用ポリエステルファイバー短繊維を開発したと発表した。
ゴム補強用短繊維の断面をポリエステルナノファイバーとポリエチレンの2種類のポリマーを配した海島複合断面とすることで、少量の添加であっても従来品と同等以上の補強効果を発現し、環境負荷低減を実現するという。

ホンダ EVに世界で30年までに30車種,年産200万台超

ホンダ(本社:東京都港区)は4月12日、2030年度までの10年間で電気自動車(EV)やソフトウエアに5兆円を投資するとのEVのグローバル戦略を発表した。EV以外も含めた研究開発全体では約8兆円を投じる。
EV普及に注力、2030年までに世界で30車種を展開し、EVの年間生産200万台超を計画する。この裏付けとなる全固体電池の実証ラインに着手、約430億円を投じ、2024年春に立ち上げを予定。これにより、2024年に商用EV軽自動車を100万円台で市場投入する。
同社は脱炭素を強力に推進し、2040年に新車販売をすべてEVか燃料電池車(FCV)とし、ガソリン車から撤退する方針を掲げている。

NXHD 中国-ラオスを鉄道輸送の複合輸送サービス提供

NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は4月12日、中国のグループ会社、NX国際物流(中国)有限公司(以下、NX中国)が中国-ラオス間を鉄道で輸送し、そこからタイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国にトラックで運ぶ複合輸送サービスを4月1日から開始したと発表した。
2021年12月に中国・昆明とラオス・ビエンチャンを結ぶ中国ラオス鉄道が開通したことで、大量輸送が可能な鉄道とトラックの組み合わせによる複合輸送が、それまで主流だったトラック輸送に取って代わった。
これにより、トラックのみでの輸送よりも早く安定した輸送日数となり、中国とラオスの国境の混雑も回避することができる。また、鉄道を使うため二酸化炭素(CO2)排出量も少なくて済む。このため、NXHDは鉄道を利用した複合輸送などを拡充、強化していく方針だ。

マツダ 国内2工場を2日間停止 中国の都市封鎖で

マツダは4月12日、本社工場(所在地:広島市)と防府工場(所在地:山口県防府市)のについて、14日と15日の稼働を停止すると発表した。中国・上海市などの新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖の影響で、取引先の工場が停止して一部の部品が調達できないため。減産になる台数は明らかにしていない。
同社は4月4日、5日にも同じ理由でこの両工場の稼働を停止している。

トヨタ 5/12~新型BEV「bZ4X」発売 サブスクで提供

トヨタ自動車は4月12日、新型BEV(Battery Electric Vehicle)「bZ4X」を顧客の不安解消と環境への配慮のため、5月12日よりリース販売すると発表した。利用期間を通して顧客に寄り添ったサービスを提供していくことを目指し、サブスク「KINTO」(定額サービス)で提供する。
5月12日より第1期として3,000台分の申し込み受け付けを開始する。秋口に第2期、以降順次申し込みを受け付け、初年度は5,000台分の生産・販売を予定。充電インフラの拡充にも取り組む。今後のBEV普及進度を踏まえつつ、2025年度をめどに、全国のトヨタ販売店に急速充電器を設置していく計画。まず2022年はBEV需要が高い地域を中心に順次設置を進めていく。

川崎重工 エアバスと水素航空機で連携 インフラ整備へ

川崎重工業(本社:東京都港区)と航空機大手、欧州のエアバス(本社:フランス・トゥルーズ)の日本法人は4月12日、水素を燃料とする航空機の商用化に向けて、水素の供給インフラの整備などで連携すると発表した。覚書を締結し、水素の生産から空港への輸送、航空機への補給まで、様々な段階における水素サプライチェーンのの構築を調査する。将来は水素航空機の開発を共同で進める可能性も示した。
空港の水素の供給網を整備し、航空機やトラックなど様々な交通インフラにも広げるためのノウハウを1年間に積み上げる。
川崎重工は2016年から取り組んできた水素の商用化に向けた技術実証をこのほど終え、水素の調達のめどを立てた。エアバスは2035年までに水素航空機の商用化を目指している。

大阪メトロ 万博に向け9駅の新デザイン案公表

大阪メトロは4月11日、3年後に開かれる大阪・関西万博に向けて改装する9つの駅の新しいデザイン案を公表した。公表されたのは御堂筋線や中央線の淀屋橋や大阪港駅など合わせて9つの駅。
同社は4年前、老朽化に伴って改装を進める15の駅のデザイン案を発表したところ、ネット上などで”派手すぎる”などと批判の声が相次ぎ、デザインの再検討を進めていた。
今回の新たなデザイン案では、大阪港駅は近くに水族館があることや、海が見える地上駅でもあることから、クジラなど海の生き物をイメージした駅舎となっていて、駅構内に展望デッキをつくる計画となっている。また、森ノ宮
駅は天井が木に覆われる森をイメージした当初のものから、柱などで木の枝を表現したシンプルなものに変わっている。