世界のメタバースなど先端技術市場 30年に320兆円

電子情報技術産業協会(JEITA)は12月15日、仮想空間「メタバース」などの先端技術市場の2030年の世界需要見通しを発表した。これは、主要国政府の政策や海外先進企業の動向および公知情報の分析と、国内先進企業へのヒアリングをもとに推計したもの。
デジタルイノベーション市場は、2030年世界需要額が2兆3,525億ドル(約320兆円)に達する見込み。2021年の7,797億ドルから約3倍に成長する。年平均の成長率は13.1%を見込む。
以下、2030年の世界需要額は、Web3.0/ブロックチェーンで1,136億ドル、量子コンピューティングで607億ドル、メタバースで1,866億ドルと推計している。

ソニー 熊本県内に半導体新工場を検討 数千億円投資

ソニーグループは、熊本県内に半導体の新工場を建設する検討を始めた。同県合志市に数千億円を投じてスマートフォン向けの画像センサー工場を建設し、2025年以降に稼働させる。
ソニーは熊本に進出する半導体の世界大手、台湾積体電路製造(TSMC)からセンサーに使う半導体の供給を受ける計画。TSMCの新工場の近隣に工場を新設することでセンサーの一貫生産体制を構築するとともに、半導体の日本国内生産を強化する。

Meiji Seikaファルマ コロナワクチンの最終治験開始

明治ホールディングス傘下のMeiji Seikaファルマは12月13日、新型コロナウイルスワクチン「ARCT-154」の最終段階の臨床試験(治験)を国内で始めたと発表した。米バイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスが開発したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの国内の製造販売を目指す。2023年春にも承認申請する予定。アークトゥルスはすでにベトナムで緊急使用認可を申請している。

経産省 水素・アンモニア普及へ供給企業15年間補助

経済産業省は12月13日、総合資源エネルギー調査会の小委員会を開き、燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素とアンモニアの普及に向けた支援策の概要を示した。
水素やアンモニアを液化天然ガス(LNG)や石炭の代わりに使うことを想定しているが、現状ではいずれも価格が数倍以上高い。そこで、供給企業を原則15年間と長期間補助し、既存の化石燃料の販売価格との差を賄う。貯蔵タンクなどインフラ拠点も今後10年で8カ所程度を整備する。

第一三共ヘルスケア ベトナムで薬用スキンケアを販売

第一三共ヘルスケア(本社:東京都中央区)は12月13日、ベトナムで現地代理店を通じ、薬用化粧品「トランシーノ薬用スキンケアシリーズ」を12月20日に販売開始すると発表した。日本で発売中のシリーズの中から11品目を販売する。
同シリーズはトラネキサム酸を美白有効成分として配合し、”しみ”の根源にアプローチして、透明感のある明るい肌に導くスキンケアシリーズ。トラネキサム酸は第一三共が医療用薬品として開発した成分。2010年の発売開始以来、累計出荷本数は1,450万本に上る。

3社が廃プラガス化設備活用の水素製造の協業で合意

岩谷産業、豊田通商、日揮ホールディングスの3社は12月12日、廃プラスチックガス化設備を活用した水素製造事業の協業で基本合意書を締結したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業に採択されたもの。愛知県名古屋港近郊での協業を検討する。
早期に基本設計業務を開始し、2020年代中ごろでの水素製造開始を目標として取り組む。水素製造能力は年間1万1,000トン(廃プラ回収量:年間8万トン)。天然ガスからの水素製造と比較し、温室効果ガス排出量を85%削減できるとしている。

JAL 宇宙往還機の活用検討のパートナーシップに参画

日本航空(以下、JAL)は12月12日、大分県×Sierra Space×兼松による宇宙往還機Dream Cgaser(R)の活用検討に向けたパートナーシップに新たに参画したと発表した。これは大分空港を、宇宙ステーションと地球をつなぐ米国Sierra Space社の宇宙往還機Dream Chaserのアジア拠点として活用することを目指すもの。

日本出版販売 ローソン店舗で古着リサイクルの実証

日本出版販売は12月12日、都内のローソン店舗で同日より、返品物流を活用した古着のリサイクル事業の実証実験を開始すると発表した。日販グループを挙げて推進するESGの取り組みの一環。この実証実験は、ローソンが11月28日にオープンした「グリーンローソン」(所在地:東京都豊島区/ローソン北大塚一丁目店)で開始する。
不要となった洋服の回収ボックスを設置し、集まった洋服をローソン店舗に配送される商品の返品物流に乗せて回収する。回収した洋服は状態・アイテム・素材・色ごとに分類され、良質なものは「中古衣料」として海外へ出荷、リユースが難しいものは、軍手や工業用ウエスの原材料としてリサイクルされる。実施期間は2022年12月12日〜2023年1月20日。

塩野義 コロナ飲み薬「ゾコーバ」100万人分追加購入

加藤厚生労働相は12月13日、塩野義製薬の新型コロナウイルス治療薬(飲み薬)「ゾコーバ」を追加で100万人分購入する契約を、同社と結んだと発表した。感染拡大の”第8波”による需要の増加に備える。承認前から契約していた100万人分に加え、新たに100万人分を調達する。塩野義製薬は年内に追加分を納品する予定としている。

民間初月面着陸目指す 宇宙船打ち上げ成功

宇宙ベンチャー、ispece(マイスペース、所在地:東京都)は12月11日、独自開発した月面着陸船を搭載した米スペースXのファルコン9ロケットが、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙基地から打ち上げられたと発表した。ロケットから切り離された月面着陸船は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。月面への到着は約5カ月先で、成功すれば民間企業として世界初の快挙となる。

商工中金 中小・中堅企業向け融資26万件・15兆円

商工中金は12月9日、昨今の新型コロナウイルス禍や、円安の影響も加わった資源高・物価高等により窮迫状況にある中小企業および中堅企業への融資実績を公表した。これによると、2022年11月末現在、危機対応で26万425件・15兆1,536億円に上り、うち新型コロナウイルス感染症関連では3万9,817件・2兆7,935億円となっている。
このうち中小・中堅企業の内訳をみると、中小企業向けが大半を占め、25万7376件・14兆3,372億円、うち新型コロナ関連で3万9,687件・2兆7,239億円。
対象期間は2008年10月〜2022年11月末、新型コロナ関連は2022年3月19日〜11月末。

JR西日本 うめきた新駅に特急はるか・くろしお停車

JR西日本は12月9日、大阪駅北側の再開発「うめきた2期」で建設中の地下駅、2023年春の開業を予定する、うめきた新駅=新生・大阪駅の運行体系を発表した。これまでは大阪駅に停車しなかった京都方面から関西国際空港を結ぶ特急「はるか」や和歌山方面行きの特急「くろしお」が停車し、海外観光客のアクセスニーズに応える。また、新大阪ー久宝寺駅間で運転する「おおさか東線」の列車は、新大阪から新駅まで乗り入れる。

コーセー,花王 化粧品プラボトルリサイクル協働拡大 

コーセー(本社:東京都中央区)と花王(本社:東京都中央区)は12月7日、持続可能な社会の実現を目指し、化粧品事業のサステナビリティ領域で包括的に協働することに合意し、両社によるプロジェクトチームで検討を進めていると発表した。
この第1弾として今年2月から、花王が推進する「化粧品プラスチックボトル水平リサイクルへの取り組み」と、コーセーがモーンガータ(本社:東京都練馬区)に協力し「絵具などへの化粧品再生利用の取り組み」で協働している。
今回コーセーはスキンケア『プレディア』と『雪肌精』の一部のボトル容器にJEPLAN(本社:川崎市)のグループ会社のペットリファインテクノロジーが製造するケミカルリサイクルPET素材を採用し、2022年12月より順次、新ボトルを使用した商品の生産を開始する。また、同素材をファンデーションの樹脂皿にも採用、メイクヅランド『エスプリーク』や『ヴィセ』などに使用する予定。ケミカルリサイクルPET素材は製造過程におけるCO2排出量の削減につながるという。

横浜ゴム インドネシア天然ゴム農家支援へサプライヤーと覚書

横浜ゴム(本社:東京都港区)は12月9日、持続可能な天然ゴムの調達方針に基づき、インドネシアのゴム農家支援に向けて、同国の大手天然ゴムサプライヤー、PT Kirana
Megatara Tbkと協力していく覚書を締結したと発表した。また覚書締結に合わせて、PT
Kirana Megataraと提携する小規模ゴム農家約50名や地域政府が参加する、天然ゴムの品質および生産性工場に向けたセミナーイベントを開催。タッピングコンテストや農業技術に関するクイズ大会を実施し、農家の方々に肥料と天然ゴム凝固剤を無償提供した。

森永乳業 バングラデシュで育児用ミルク販売開始

森永乳業(本社:東京都港区)は12月8日、バングラデシュで12月から育児用ミルクの販売を開始すると発表した。首都ダッカ・チッタゴンを中心に販売を開始し、順次全土へ展開する予定。
バングラデシュは2021年の人口が約1億6,500万人、年間出生数が約289万人に上る大きな育児用ミルク市場のポテンシャルを持ち、実質GDP成長率年平均6%台と大きく経済成長している国の一つ。
森永乳業グループは2029年3月期までに「海外売上高15%以上」を目標に掲げ、海外事業方針の一つとしてアジアを中心に栄養インフラの構築に貢献することを目標としている。

東南ア新車販売 10月は11%増 13カ月連続プラス

東南アジア主要6カ国(インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、シンガポール、マレーシア)の10月の新車販売台数は、前年同月比11%増の29万251台だった。前年同月を上回るのは13カ月連続。
新型コロナウイルス禍からの回復により、全体では堅調だった。ただ、タイとマレーシアは半導体不足などの影響で伸び悩んだ。

ホンダ 軽バンベースの新型軽商用EV 24年春に発売

ホンダ(本社:東京都港区)は12月7日、軽バン「N-VAN(エヌバン)」をベースとした、新型商用EV(電気自動車)を2024年春に発売すると発表した。同EVはN-VANの使い勝ってを踏襲しながら、EVならではの高い静粛性やストップ&ゴ−の多い交通環境に適した力強い加速を実現する。
同社は四輪車では2030年までに、グローバルで30種類のEV展開を予定している。

介護事業者の倒産1〜11月で135件と過去最多に

東京商工リサーチ(本社:東京都千代田区)のまとめによると、全国の介護サービス事業者の倒産が1〜11月で135件に上り、過去最多だった2020年の年間倒産件数をすでに上回ったことが分かった。このうちデイサービスや訪問介護など、高齢者の日常生活を支援する事業者が8割を占めた。
135件の内訳はデイサービスやショートステイの「通所・短期入所」が65件、「訪問介護」が46件、「有料老人ホーム」が12件、特別養護老人ホームなどが12件となっている。

ホンダ 中国CATLよりEVバッテリーを長期安定調達

ホンダ(本社:東京都港区)は12月8日、中国現地法人、本田技研工業(中国)投資有限公司(本社:北京市)が、CATLより2024年から2030年までの7年間で合計123GWh分のEV(電気自動車)「e:N(イーエヌ)」シリーズ用バッテリーを安定的に調達すると発表した。
ホンダとCATLは2020年に新エネルギー車用バッテリーに関する連携契約を締結し、バッテリーの共同開発、安定供給、リサイクル・リユースの幅広い領域を対象に協業。2022年11月、中国でe:Nシリーズ向けのバッテリーをCATLから一括調達する新会社「衆鋭(北京)貿易服務有限公司」を設立している。ホンダに供給するバッテリーはCATLが現在建設を進めている宜春工場で集中生産される予定。

デンソー ベトナムで地場企業と低温物流で協業の覚書

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、デンソー(本社:愛知県刈谷市)はこのほど、ベトナムでコールドチェーン構築を目指し、ベトナム法人が現地の電動バイク製造や充電バッテリーのサブスクリプション事業を展開するスタートアップ企業のセレックスモーターズ(以下、セレックス)と、実証事業を実施することで覚書を締結した。
今回の実証では、デンソーがヤマト運輸と開発した小型モバイル冷凍機をセレックス製の配送事業者向け電動バイクに提供し6カ月間、低温物流に関する需要の確認やデータ収集を行う。今回搭載される小型モバイル冷凍機は、電動バイクのバッテリーを電源として活用できる点が強み。

トヨタ 26年までに欧州でEV6車種販売 ZEV規制呼応

トヨタ自動車は、2026年までに欧州で電気自動車(EV)を計6車種販売することを明らかにした。欧州連合(EU)は脱炭素に向け、2035年にガソリン車など内燃機関車の販売を禁じ、走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」にすることを決めており、この規制に沿って対応する。
ただ、同社はEVのみには絞らず、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)との組み合わせで展開する従来の方針は維持するとしている。

IATA 23年の航空旅客42億人に コロナ前水準に回復

世界の航空会社が加盟する国際航空運送協会(IATA)は12月6日、2023年の航空旅客が2022年比10%増の42億人に回復する見通しだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大前の水準にほぼ戻る。これに伴い収益も改善し、2023年には世界の航空会社の最終損益が新型コロナ後初めて黒字化する見通し。

ヤマハ 中国・広汽乗用車2車種にスピーカーS採用

ヤマハ(本社:静岡県浜松市)は12月6日、車載オーディオ事業で、中国の自動車大手、広汽乗用車有限公司の「M8」と「EMKOO」の2車種に、同社のスピーカーシステムが初採用、搭載されたと発表した。両車種とも車両の音響特性に合わせたチューニングをすることで、スピーカーシステムの持つ音質の良さを十分に引き出している。この2車種は中国で販売される。

三井物産 台湾「ららぽーと台中」23年春全面オープン

三井不動産(本社:東京都中央区)は12月6日、台湾で初となる「三井ショッピングパークららぽーと台中」のグランドオープンが2023年春に決定したと発表した。なお、これに先駆け同施設の南館(約40店舗)は2023年1月17日にプレオープンする。
同施設全体では約300店舗の規模で構成され、出店店舗には日本国外第1号店となるスーパーマーケット「LOPIA」や、「UNIQLO」「GU」の大型店舗など日系店舗も多く含まれる。

東レ 漁網由来のケミカルリサイクル繊維製品を販売

東レ(本社:東京都中央区)は12月5日、再資源化事業を手掛けるリファインバースグループ(本社:東京都千代田区)が回収漁網からつくる再生樹脂などを原料に、東レ独自の解再重合技術を活用したナイロン6ケミカルリサイクル(以下、N6CR)繊維製品(原糸、テキスタイルなど)の国内販売を開始すると発表した。
2023年3月から販売開始し、2023年度で約8億円、2025年度で約12億円の売上高を目指す。東レは2022年に名古屋事業場で新たに漁網由来再生樹脂の原料投入設備や、再生ラクタムの貯留槽などを導入、石油由来バージン原料と識別する生産体制を整えている。

日本製紙 CNF配合天然ゴムのサンプル提供開始

日本製紙(本社:東京都千代田区)は12月5日、繊維幅がシングルナノサイズのTEMPO酸化セルロースナノファイバー(CNF)を、同じく木材成分由来の天然ゴム中に均一分散することで、タイヤ用途で弾性率と燃費性能を両立させたゴムマスターバッチ「Cellenpia Elas(TM)(セレンピアエラス)(TM)」の開発に成功し、サンプル提供を開始したと発表した。セレンピアエラスは直接、各種ゴムとドライ混練することができ、ハンドリングよくゴム製品の物性を向上させることができるという。
CNFは、木を構成する繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで生まれる最先端のバイオマス素材で、様々な分野・用途で用途開発が進められている。

タカラバイオ 等温増幅法に最適化した検査用酵素発売

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は12月5日、遺伝子の等温増幅法による検査の際に使用される酵素を同日より発売すると発表した。等温増幅法は、一定温度で遺伝子を増幅できる方法で、遺伝子検査試薬や体外診断用医薬品として実用化されている。等温増幅法の利点は、新型コロナウイルス検査として一般的なPCR法のような精緻な温度制御が不要のため、検査装置の小型・簡易化が容易なこと。このため、クリニック、食品検査、野外検査など現場検査(オンサイト検査)における活用が期待されている。

三菱重工 インドネシアPGE向け地熱発電設備を受注

三菱重工業(本社:東京都千代田区)は12月5日、インドネシアの国営石油・ガス関連企業PT Pertamina(Persero)社の地熱発電子会社、PT Pertamina Geothermal Energy(PGE)社向けに、出力5万5,000KW級の蒸気タービンおよび発電機などを含む発電設備1系列を受注したと発表した。
このプロジェクトは三菱商事、中国の建設会社SEPCOⅢおよび現地の大手土建会社PT Wijyaya Karya(Persero)Tbkとともに、フルターンキーで遂行する。スマトラ地方に建設されるルムット・バライⅡ地熱発電所に納入する。商業運転開始は2024年の予定。

PPIH シンガポール・チャンギ空港に「DONKI」開業

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)は12月5日、グループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(シンガポール)(本社:シンガポール)が2022年」12月20日にシンガポールの玄関口であり、世界のハブでもあるチャンギ国際空港の大型商業施設「Jewel(ジュエル)」内に「DON DON DONKI Jewel Changi Airport」をオープンすると発表した。
同店ではフードコートを設置し、買い物とともに日本食を楽しんでもらう。シンガポール初導入の和食定食屋「選楽食堂(せんらくしょくどう)」では精米したての日本産の米と味噌汁、焼き立ての出汁巻き卵をベースに主菜と副菜を選べる和定食をはじめ、人気の「和牛串」、たこ焼きを揚げたてで、フルーツジュース&スイーツなどを提供する。