米エヌビディア5〜7月利益9,000億円 生成AI向け好調で過去最高

米半導体大手エヌビディアの2023年5〜7月期決算の最終利益は、前年同期の9.4倍の61億8,800万ドル(約9,000億円)だった。生成AI向け半導体の需要好調で過去最高となった。売上高は同2倍の135億700万ドルだった。この結果、時価総額は1億ドルを超えており、メタ(旧フェイスブック)や電気自動車(EV)大手のテスラを上回った。

クレハ 700億円投じフッ化ビニリデン樹脂の生産設備増強

クレハ(本社:東京都中央区)は8月22日、総額700億円を投じ、いわき事業所(所在地」:福島県いわき市)でフッ化ビニリデン樹脂(以下、PVDF)の生産設備を増強すると発表した。
PVDFはリチウムイオン二次電池(以下、LiB)用バインダーおよび一般産業用エンジニアリング・プラスチックとして使用されているが、近年は各国の環境保護意識の高まりなどにより、車載用LiB向け需要の拡大が続いている。
新規生産施設は2026年3月に完工予定。増強規模は年産8,000トン。同社グループは現在、いわき事業所(年産6,000トン)と中国子会社(年産5,000トン)の生産設備を保有しており、供給増要請に応え増強後は1万9,000トンに拡大する。

帯広ガスとエア・ウォーター バイオメタン活用の都市ガスで実証

帯広ガス(本社:北海道帯広市)とエア・ウォーター(本社:大阪市中央区)は8月22日、北海道十勝地方の未利用バイオマス、家畜ふん尿から製造した液化バイオメタン(以下、LBM)を、帯広ガス供給区域の都市ガスとして利用する実証を行ったと発表した。7月19日に帯広市全域(大空町を除く)で実施した。
都市ガス利用の個人・一般顧客にLBMを供給するのは国内初の試み。LBMは、バイオガスをメタンと二酸化炭素に分離し、そのメタンを液化したものであり、既存の供給システムをそのまま活用することが可能という。

香川県 高松ー上海線 9/28から運航再開 3年7カ月ぶり

香川県は9月28日から、高松ー上海線が運航再開すると発表した。上海線は3年7カ月ぶりの再開となる。中国の格安航空会社(LCC)大手の春秋航空が火・木・土・日曜日の週4往復で運航する。使用機材は約180席もしくは240席の予定。高松空港の国際線はソウル便が2022年11月、台北・香港線が2023年1〜4月に再開している。

三菱地所 インド・チェンナイのビジネスパーク開発に初参画

三菱地所は8月22日、シンガポール屈指の大手デベロッパー、CapitaLandグループの投資運用会社、CapitaLand,Investment Limitedが推進するインド・チェンナイにおけるビジネスパーク開発「International Tech Park Chennai Radial Road」(2棟構成)に参画すると発表した。同案件は、2棟とも地上11階、地下3階、敷地面積約5.25ha、総延床面積約24万㎡。
これはインドのビジネスパーク開発で初のネット・ゼロビル認証を取得するプロジェクトで、三菱地所グループとしてインドで初の投資事業となる。総事業費は約200億インドルピー(約350億円)。すでに着工済みで、竣工はタワー1が2023年秋、タワー2が2024年末〜2025年初を予定。

三菱重工, 日本触媒 アンモニア分解システムで共同開発契約

三菱重工業(本社:東京都千代田区)の日本触媒(本社:大阪市中央区)は8月21日、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解システムの共同開発契約を締結したと発表した。
アンモニア分解技術はアンモニアから水素を取り出すために不可欠であり、サプライチェーン構築の実現において重要な役割を担う。

東レなど 循環型漁業目指す「漁網to漁網リサイクル」拡大

東レ(本社:東京都中央区)、日東製網(本社:東京都港区)およびマルハニチロ(本社:東京都江東区)グループの大洋エーアンドエフ(本社:東京都中央区)は8月21日、2022年11月に発表した循環型社会の実現と海洋プラスチック問題の解決を目指す「漁網to漁網リサイクル」に、今回新たに使用済みの漁網(廃棄漁網)を回収原料の一部とするナイロン原糸を使用した漁網を追加し、取り組みを拡大すると発表した。
2023年11月には廃棄漁網をリサイクルした原糸を使用した漁網を用いて、沖合まき網漁業での試験操業・実証を予定している。廃棄漁網をリサイクルした漁網が実際の漁業で使用されるのは業界で初めてという。

日本郵船 株式25%取得,インドネシア自動車ターミナル事業に参画

日本郵船は8月21日、インドネシア・パティンバン港の自動車ターミナル事業会社、PT.Patimban International Car Terminal(以下、PICT社)の株式25%を6月30日に豊田通商から取得し、8月18日にインドネシア国内での登記を完了したと発表した。
パティンバン港はジャカルタ市中心部から120km東に位置し、2018年から段階的に建設が進められており、2022年に年間22万台の自動車が取り扱えるターミナルが整備された。現在さらに拡張工事が行われており、完了後は年間60万台の取り扱いが可能になる予定。

7月コンビニ売上高5%増 17カ月連続プラス, インバウンドで

日本フランチャイズチェーン協会(所在地:東京都港区)が8月21日発表した7月のコンビニエンスストアの既存点売上高は、前年同月比5.1%増の1兆48億円だった。17カ月連続で前年実績を上回った。既存店客数は3.8%増の13億9,117億円と7カ月連続でプラスだった。既存店客単価は1.3%増の722円だった。10カ月連続で前年実績を上回った。平均気温が高く、アイスクリームや日焼け止めほか、インバウンド需要が回復し、観光地を中心におにぎりなども売れた。

厚労省 アルツハイマー病新薬「レカネマブ」承認 初の治療薬

日本の製薬大手エーザイと米国バイオジェンが共同開発した早期アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、厚生労働省の専門部会は8月21日、国内での製造販売承認を了承した。今後、厚労相が正式承認する。正式承認されれば、脳内にたまる認知症の原因物質「アミロイドβ(Aβ)」を除去し、進行を抑える初めての治療薬となる。
ただ、この認知症薬も万能ではない。対象は軽度認知症と、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人。壊れた神経物質の再生は難しいため、症状が進んだ人は対象となっていない。

シャープ 早期退職 9月から55歳以上の一般社員にも対象拡大

シャープ(本社:大阪府堺市)は4月に導入した、グループを含め55歳以上の一部の管理職およそ700人を対象にした早期退職制度について、9月から55歳以上で、勤続10年以上の一般社員にも対象を広げることになった。
この制度を利用する場合、管理職に対しては退職金に最大で6カ月分の給与を加算してきたが、一般社員に対しては最大で12カ月分の給与を加算するとしている。このほか、60歳以上の再雇用社員も対象とし、特別慰労金として最大で12週分の給与を支給するとしている。

関電と東芝ESS EVリユース電池活用の蓄電池Sの実証開始へ

関西電力と東芝エネルギーシステムズ(以下、東芝ESS)は8月18日、使用済みのEV(電気自動車)電池(以下、EVリユース電池)を用いた蓄電池システムを新たに構築し、2023年度冬頃から実証を開始すると発表した。この実証では、蓄電池システムの利活用に関する各種サービスを検証し、2024年度中の提供を目指す。これは両社が2022年11月から取り組んでいる蓄電池事業の提携に向けた検討の一環として行うもの。

JBIC, 三井住友銀 インドの廃棄物発電事業に総額18億円協調融資

国際協力銀行(JBIC)、三井住友銀行は8月18日、インドの政府系金融機関、Power Finance Corporation Limited(以下、PFC)との間で、融資総額約18億円(うちJBIC分約11億円、三井住友銀行約7億円)を限度とする貸付契約を締結したと発表した。
この融資は2022年7月にPFCとの間で締結済みの再生可能エネルギーおよび省エネルギー発電・熱供給事業を対象としたクレジット・ラインに基づく個別契約で、両行の協調融資により実施されるもの。

阪急阪神百貨店 大阪府創設「CO2森林吸収量」認証第1号に

エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O、本社:大阪市北区)は8月18日、グループの阪急阪神百貨店8階「GREEN AGE(グリーンエイジ)」のオープンと紳士服洋品売場の改装にあたり、環境装飾や什器の一部で進めた大阪産木材活用の取り組みが、大阪府の「CO2森林吸収量・木材固定量認証制度」の第一号に認証されたと発表した。
脱炭素社会の実現に向け、森林は大気中の温室効果ガスの吸収源としての役割のほか、森林から供給される木材は炭素を長期的に貯蔵が可能で、建築物等への利用は「第2の森林づくり」と呼ばれている。

東京23区の7月分譲マンション賃料0.8%高で2カ月ぶり最高更新

東京カンテイ(本社:東京都品川区)のまとめによると、7月の分譲マンション賃料は東京23区が前月比0.8%高の1㎡当たり4,170円だった。2カ月ぶりに過去最高を更新した。首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)が同0.1%高の3,519円。このうち23区外も含めた東京都全体では同0.7%高の4,043円。
近畿圏は同1.4%安の2,202円で、6カ月ぶりに下落した。中部圏は同1.8%高の1,971円だった。分譲マンション賃料は、マンションの住戸の持ち主が貸す際に設定する賃料。

農水省 23年一番茶・荒茶生産で静岡県が主産地でトップ

農林水産省がまとめた2023年の一番茶の統計によると、荒茶(摘んで蒸した後で乾燥させた茶葉)生産量で、静岡県、鹿児島県、三重県、京都府、埼玉県の主産地でトップだった気候が安定し、比較的恵まれていた2022年と比べ、2023年は主産地全体での生産量は減少した。ちなみに静岡県の荒茶生産量は前年比14%減の9,060トンだった。

中国・恒大集団が米NYで破産法適用申請 負債総額48兆円

中国の大手不動産開発会社、中国恒大集団は8月17日、米国・ニューヨーク連邦破産裁判所に、米連邦破産法15条の適用を申請した。
恒大が7月に発表した2022年末時点の負債総額は2兆4,374億元(約48兆円)に上り、債務超過に陥っている。また、恒大が2022年末時点で抱える訴訟案件は計1,519件で、金額にして3,953億元(約7兆9,000億円)に上る。

7月首都圏マンション平均価格55.8%高の9,940万円 過去最高

不動産経済研究所(本社:東京都新宿区)のまとめによると、7月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンションの1戸あたりの平均価格は、前年同月比55.8%高の9,940万円となり、7月単月としては過去最高だった。このうち東京23区は同84.8%高の1億3,340万円。23区で売り出された物件の約半数が1億円を超え、全体価格を引き上げた。
首都圏の発売戸数は同14.2%増の2,591戸で、9カ月ぶりにプラスに転じた。地域別にみると、東京23区が同49.3%増の1,542件と全体をけん引した。初月の契約率は74.8%と好・不調の目安である70%を2カ月ぶりに上回った。23区はは同21.2%上昇し81.5%と高水準だった。

阪急電鉄 新大阪ー関西空港の直通運行を検討 31年連絡線開業で

阪急電鉄は8月17日、「なにわ筋線」が2031年に開業するのに合わせ、新大阪と関西国際空港を直接結ぶ列車の運行を検討していることを明らかにした。同社は新大阪と十三をつなぐ「新大阪連絡線(仮称)」、十三と大阪をつなぐ「なにわ筋連絡線(同)」の2つの連絡線について、2031年の開業を目指している。これにより、南海電鉄とJR西日本の路線の双方、またはいずれかに乗り入れたい考え。

凸版印刷 水素エネルギー市場へ独自方式で電極部材の生産参入

凸版印刷(本社:東京都文京区)は8月17日、水素エネルギー市場への参入に向けて、世界初となる独自の製造方式による、触媒層付き電解質膜(CCM)/膜電極接合体(MEA)の生産設備を高知工場(所在地:高知県南国市)へ導入したと発表した。これにより、高性能、高品質なCCM/MEAの量産が可能となり、8月より販売開始する。
CCM/MEAは、水素を製造する水電解装置、水素の貯蔵や運搬に関する電解槽、そして水素を利用する燃料電池において中核となる重要な部材で、水素社会の実現には不可欠なエネルギー変換デバイス。同社は今後、同事業の成長とともにCCM/MEA設備の増強を図り、2028年に同事業で年間売上高100億円を目指す。