宇宙スタートアップのスペースワン(本社:東京都港区)が3月13日午前11時すぎ、和歌山県串本町のロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げた小型ロケット「カイロス」初号機が打ち上げ直後5秒ほどで爆発、打ち上げは失敗した。発射場近くに設けられた見学会場には、朝早くから発射を待ちわびる人たちが続々と集まって見守っていたが、打ち上げ失敗のアナウンスに悲鳴が漏れた。
日本の民間ロケットで初めて人工衛星を宇宙空間の軌道に投入する計画だった。同社は詳細については調査中とするコメントを発表、原因究明を急いでいる。カイロスの全長は18mで、H2Aロケットの3分の1程度。重さは23トン。
スペースワンにはキヤノン電子、IHI子会社のIHIエアロスペース、清水建設などが出資している。
「書店」10年間で764社が倒産・廃業 厳しさ増す経営環境
アデランス 米ステムソン社と毛髪再生でライセンス契約
毛髪・美容。健康のウェルネス事業をグローバルに展開するアデランス(本社:東京都品川区)は3月11日、iPS細胞の再生力を活用した毛髪再生の研究を手掛ける米ステムソン・世羅ピューティクス(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、以下、ステムソン社)と、細胞培養による毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を2月22日に締結したと発表した。同社が毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を結ぶのは今回が初めて。
これによりステムソン社は、アデランスのグループ会社、アデランス・リサーチ・インスティチュート(本社:米国ジョージア州アトランタ、以下、ARI)がフェーズ2の臨床試験として取り組んでいた「細胞治療毛髪再生プログラム」の実施を再開し、既存の脱毛細胞治療開発パイプラインに統合することが可能となる。両社が協力することで、脱毛患者や毛髪再生を望む多くの方に対する毛髪再生治療薬の開発、商品化の実現に繋げていく。
東レ 次世代電池用イオン伝導ポリマー膜を創出
空飛ぶクルマの有人飛行実証実験 パイロット搭乗せず
みずほ銀行 インドで循環型廃棄物処理手掛けるi3Xへ出資
みずほ銀行は3月8日、インドで循環型廃棄物処理事業を手掛けるシンガポールのIdeation3X Pte.Ltd.(以下、i3X)に500万米ドルを出資したと発表した。
インドではモディ政権が各都市の環境改善を目指す「クリーン・インディア・ミッション」を推進しており、2030年までにインド全域に3,000カ所余りある廃棄場に高く積み上げられたごみの山をなくし、同時にごみを原材料として再利用する循環型廃棄物処理事業モデルの確立を目指している。
みずほ銀行は、インドの社会課題を解決するためのテクノロジーとソリューションを提供することを目指すi3X並びに横河電機の協業を後押しするため、価値共創の取り組みの一環として出資する。
TOTO ベトナム・ビンフック省の水栓金具工場稼働開始
伊藤忠 核融合エネルギー米スタートアップBLF社と提携
伊藤忠商事(本社:東京都港区)は3月7日、核融合エネルギー関連スタートアップのBlue Laser Fusion Inc.(本社:米国カリフォルニア州パロアルト、以下、BLF社)の第三者割当増資を引き受けるとともに、フュージョンエネルギー関連ビジネス、およびBLF社が開発するレーザー技術を応用した関連ビジネスにおける戦略的業務提携契約を締結したと発表した。
BLF社は、高輝度青色発光ダイオードの発明でノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が共同創業者の一人として2022年11月に設立されたスタートアップ企業。自社で開発を進めるハイパワーレーザーを用いたレーザー方式核融合炉の商用化を目指している。
コマツ ナトリウムイオンバッテリー搭載フォークリフト
コマツは3月7日、ナトリウムイオンバッテリーを搭載した電動式フォークリフトのコンセプトマシンを開発し、3月から取引先顧客の現場で実証実験を開始すると発表した。ナトリウムイオンバッテリーを搭載するのは同社として初めてで、フォークリフトへの搭載は世界でも先駆的な取り組み。
ナトリウムイオンバッテリーは①エネルギー密度は低いものの、急速充電が可能②サイクル寿命(充放電を繰り返せる回数)が長いことから、ランニングコストの低減が期待できる③地球上に豊富に存在するナトリウムを用いるため、安定した調達が可能で、将来的にコスト削減が見込まれるーなどが利点。
同社は電動式フォークリフトの選択肢を増やすことで、あらゆる現場の電動化を加速させ、環境負荷低減とカーボンニュートラルの実現に貢献する。
23年の国際特許出願 前年比1.8%減 減少は14年間で初
JFEエンジ さいたま市と電池交換式EVパッカー車の実証
JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は3月7日、さいたま市と2023年5月に締結した協力協定に基づき、廃棄物焼却施設で発電した電力の有効活用による地域の脱炭素化と、レジリエンス性向上に資するエネルギー循環型ごみ収集システムの構築に向けて同日、同システムの共同実証試験を開始したと発表した。これに伴い電池交換式EVパッカー車の出発式を執り行った。
さいたま市の廃棄物焼却施設クリーンセンター大崎から廃棄物発電による電力供給を受け、隣接する東部清掃事務所にEV電池を自動交換する電池交換ステーションを設置。電池交換式パッカー車は2台以上の複数台運用する。同ステーションではわずか約58秒で電池交換が可能で、EVの課題とされている充電時間に制約されず、ごみ収集を行うことができるとしている。
日商会頭 日産の下請法違反「トップに説明責任」強調
パナソニックIS 飲食・物販両店舗に対応の施設用POS開発
パナソニックインフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)は3月7日、同日より飲食店舗と物販店舗のどちらの運用にも対応した施設POSシステムを発売すると発表した。従来のPOSシステムは飲食店舗用、物販店舗用などの業態に特化した製品が一般的。しかし、両方の店舗を抱える集客施設にとっては「POSシステムの管理運用に手間がかかる」「売上データの分析がし辛い」などの課題が発生していた。
こうした課題を受け、飲食、物販店舗の両方のどちらにも使い勝手の良い集客施設に向けPOSシステムを開発したもの。導入費用は、POS端末一式費用1台あたり30万円から、導入支援サービス費用は1施設あたり225万円から。別途月額ライセンス費用、サーバー利用料が必要。
西松建設 アサヒ飲料と協業しカーボンネガティブコン開発
西松建設は3月6日、アサヒ飲料とともに製造過程でのCO2の排出量がマイナスとなるコンクリートの開発に着手したと発表した。これはアサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」により、大気中のCO2を吸収した特殊材を活用し、コンクリートに練り混ぜることによって、CO2排出量がマイナスとなるカーボンネガティブなコンクリートを実現するもの。両社は十分な強度を持つコンクリート材料となることを確認し、今後実施工への適用に向けた取り組みへ進める。
日本国内での生コンクリート年間出荷量は約7,500万㎥(2022年度)とされる。例えばこのうちの0.1%を開発中のコンクリートに置き換えるだけで、毎年27万本の杉の木と同等のCO2削減効果が見込まれる。これは森林の広さで東京ドーム約77個分に相当する。