三菱重工 国産ジェット旅客機撤退 開発会社も清算

三菱重工業は2月7日、国産ジェット旅客機事業の開発を中止すると発表した。事実上の撤退となる。同社は2020年秋、「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発を事実上凍結していた。開発子会社の三菱航空機(所在地:愛知県豊山町)も清算する方針。
2008年事業化を決定。累計1兆円の開発費を投じ、納期も6度延期するなどしたが、座席が100未満の小型ジェット旅客機「リージョナルジェット」市場の成長は見通せないと判断、撤退を決断した。この結果、半世紀ぶりの国産旅客機の誕生は”幻”に終わった。

東レ 韓国のPPS樹脂 生産能力を年5,000㌧増設

東レ(本社:東京都中央区)は2月6日、韓国の100%子会社、東レ尖端素材(本社:大韓民国ソウル特別市)の群山工場でPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂「トレリナ(TM)」の生産能力を年間5,000トン増設し、2024年12月の稼働開始を目指すと発表した。
これにより、東レのPPS樹脂の生産能力は既存の東海工場(所在地:愛知県東海市)と合わせ年産3万2,600トンとなり、世界最大のPPS重合能力となる。
PPS樹脂は耐熱性、耐薬品性、強度、難燃性等に優れたスーパーエンプラで、需要用途が拡大している。

東南アの22年新車販売22%増 コロナ禍前に迫る

東南アジア主要6カ国(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、シンガポール)の2022年の新車販売統計を合算すると、年間販売台数は前年比22%増の341万台に上った。3年ぶりに300万台を超え、新型コロナウイルス禍前の2019年水準(346万台)に迫った。
各国における行動制限の緩和で景気は持ち直しており、中でもインドネシアやマレーシアは2019年実績を上回った。

ヤマハ発動機 シンガポールのロボ事業で新会社

ヤマハ発動機(本社:静岡県磐田市)は2月6日、シンガポールでロボティクス事業の新会社「Yamaha Robotics Solutions Asia Pte.Ltd.」を設立すると発表した。資本金は2億円。1月13日に登記を完了し、7月に稼働予定。需要が増大している東南アジア、インドにおける表面実装機・産業用ロボットの販売、アフターサービスを提供する。

エア・ウォーター 台湾で半導体ガスHK社を子会社化

エア・ウォーターは2月6日、グループの半導体関連製品、化学工業薬品等の専門商社、エア・ウォーター・マテリアル(本社:東京都港区、以下、AWマテリアル)が、台湾におけるガス供給事業を強化すると発表した。
2022年3月に出資(出資後の株式保有比率21.9%)した台湾で、半導体関連ガス事業を手掛ける「台湾宏廣新技股份有限公司(所在地:台湾竹北市、英社名:Hong-Kuang Hi-Tech Co.,Ltd.略称:HK社)に対して同年12月にHK社が実施した第三者割当増資を引き受け、同社株式を追加取得し、子会社化したと発表した。追加出資後のHK社の株式保有比率は50.1%(議決権割合)。出資額は1.8億台湾ドル(約8.3億円)。

脱炭素へ洋上風力発電のEEZ内設置へ法整備検討へ

日本政府は脱炭素社会の実現に向けて、日本のEEZ(排他的経済水域)内に洋上風力発電施設を設置できるようにするため、法整備を検討していくことになった。
洋上風力発電については、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、政府も主力電源の一つに位置付け導入を進めていく考えだが、経済界などから日本の領土・領海内だけでは十分な風力を得られる場所は多くなく、限界があると指摘されていることを受けたもの。
このため、EEZ内にも洋上風力発電施設を設置できるようにするため、国際条約に沿う形で法改正や新法制定を図る方針。内閣府によると、英国やオランダなど欧州各国では、EEZ内への洋上風力発電施設の設置が広がっているという。

手術ロボ遠隔操作実験に成功 メディカロイド,神戸大

メディカロイド(本社:神戸市)、神戸大学、NTTドコモなどは、高速通信規格「5G」を使い、手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を遠隔操作する実証実験に成功したと発表した。
東京にいる医師のロボットを使った模擬手術で、神戸にいる医師が手術映像を共有してロボットを代理で操作した。地域ごとの医療格差の是正を目指す「遠隔手術」の取り組みの一環。メディカロイドはシスメックスと川崎重工業が折半出資している医療機器開発企業で、手術支援ロボット、ヒノトリはその一つ。

グンゼ 中国のストッキング生産子会社の生産終了

グンゼ(本社:大阪市北区)は2月3日、中国山東省のストッキング生産子会社、山東冠世針織有限公司(以下、山東冠世)の生産を終了すると発表した。新型コロナウイルス禍の影響でストッキング需要が急激に減少しているため。
同社のレッグウエア事業の生産体制を見直し、ストッキング生産を国内工場へ集約する。山東冠世での生産品は国内生産子会社、九州グンゼ「に移管し、生産する。

日産自 新型EV試作車を初公開 全固体電池の搭載想定

日産自動車(本社:横浜市西区)は2月2日、新型電気自動車(EV)「マックスアウト」のコンセプト車を世界初公開した。2人乗りのオープンカー型で次世代の全固体電池の搭載を想定、小型化が可能という。ただ、現時点で商品化は未定。
同社は2024年度に全固体電池搭載の試作ラインをつくり、2028年度までにEV量産車を販売する目標を掲げている。

三菱ケミカルG メディカゴ社から全事業撤退を発表

三菱ケミカルグループは2月3日、グループの田辺三菱製薬(本社:大阪市中央区)の連結子会社、Medicago Inc.(所在地:カナダ・ケベック市、以下、メディカゴ社)の全事業から撤退すると発表した。
メディカゴは、植物に新型コロナウイルスの遺伝子を組み込み、茎からワクチン成分を抽出する仕組みの製品を開発。カナダで承認を取得し、同国政府と供給契約も締結していたが、量産化技術の課題を解消できず、商用生産に移行できなかった。このため同事業から撤退、メディカゴは清算する。

みずほリース インドのリースRent Alpha社を買収

みずほフィナンシャルグループ(本社:東京都千代田区)の持分法適用子会社、みずほリース(本社:東京都港区)は2月3日、関係当局からの許認可等を前提として、インドのエクイップメント(機器設備)リース会社のRent Alpha Pvt.Ltd.(以下、Rent Alpha社、所在地:ムンバイ、非上場)の51%の株式を、既存株主から取得することで合意したと発表した。これにより、Rent Alpha社はみずほリースの連結子会社になる予定。

出光興産と東レ 国内初のバイオマスABS樹脂で合意

出光興産(本社:東京都千代田区)と東レ(本社:東京都中央区)は2月2日、国内初となるバイオマスABS樹脂のサプライチェーンを構築し、製造販売することで合意した。両社はバイオマスナフサ由来のスチレンモノマー(以下、バイオマスSM)の製造並びに、バイオマスSMを原料としたアクリロニトリルブタジエンスチレン(以下、バイオマスABS樹脂)を製造する。製造開始は2023年10月を予定。
バイオマスナフサは植物由来の原材料などから製造されているため、石油由来のナフサと比べCO2排出量を抑制することが可能。

22年食品輸出 過去最高1.4兆円 2年連続で1兆円突破

農林水産省は2月3日、2022年の農林水産物・食品の輸出額は、前年から14.3%増え過去最高の1兆4,148億円に上ったと発表した。2年連続で1兆円を突破した。10年連続で過去最高を更新した。
各国で経済活動の正常化が進み、米国や中国で外食需要が回復したことや、円安が追い風になった。品目別で大きく伸びたのはホタテ貝で前年比42.4%増の910億円となったほか、ウイスキーが同21.5%増の560億円だった。
日本政府は2006年に食品輸出1兆円の目標を掲げ、2021年に初めて達成。その後は2025年までに2兆円に拡大する目標の前倒し達成を視野に入れて力を入れている。
22年の輸出先の最多は中国で25.2%増の2,783億円、2位の香港は4.8%減の2,086億円、3位は米国で15.2%増の1,939億円だった。

日本電産 イタリア工作機械PAMAの株式取得を完了

日本電産(本社:京都市南区)は2月2日、イタリア工作機械メーカー、PAMA社および関連会社の全株式の取得を完了したと発表した。これにより、同社はグループを挙げて工作機械事業を拡大していく方針だ。
日本電産マシンツール、ニデックオーケーケー、PAMA3社合算の年間売上規模は約870億円。これを2025年度における売上高を2,600億円超、2030年度に5,000億円へ拡大していく計画だ。いずれもグループ他社との相乗効果や新たなM&Aの実行分を含む。

ホンダ カーボンニュートラルに向け水素活用を拡大

ホンダ(本社:東京都港区)は2月2日、カーボンニュートラル社会の実現に向け、次世代燃料電池システムの外販により、水素事業の拡大を目指す方針を発表した。
再生可能エネルギーを起点とする「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」で構成される水素の循環リサイクルのそれぞれの途で、コア技術の燃料電池技術の適用先を自社のFCEV以外にも拡大していくことで、2020年代半ばまでに次世代燃料電池システムのモジュールの外販を開始する。販売当初は年間2,000基レベルを想定し、段階的に拡大することで、2030年年間6万基、2030年後半に年間数十万基レベルの販売を目指す。

40歳以上の53.4%「フレイル」新田ゼラチンが調査

新田ゼラチン(本社:大阪府八尾市)は2月1日、全国の40歳以上の男女600人を対象に行ったアンケート調査の結果を発表した。「フレイル」とは、健康な状態から要介護状態に陥るまでの中間的な段階で、運動機能や認知機能等の低下により生活に支障が出ること。
調査結果の要点は①コロナ禍で在宅時間が増えた人が感じている課題は「運動不足」が56.5%で1位②1年前より68.7%が「体の健康を意識」、59.7%が「心の健康を意識」するようになった。③40歳以上の53.4%が「フレイル」または「プレフレイル」に該当④「フレイル」の認知度はわずか11.0%⑤地域別で「フレイル」が最も多かったのは「関西」。「フレイルフリー」が多いのは「九州・沖縄」⑥40歳以上の70.2%が適切な運動を実施できていない⑦「フレイル」の86.5%が「将来の体の健康に不安」、79.0%が「将来の心の健康に不安」⑧将来「誰にも頼らず自分で何でもできる」ことを理想とする人が50.8%−−など。

住友林業 インドネシアでマングローブ保全事業開始

住友林業(本社:東京都千代田区)は1月31日、インドネシア・カリマンタン島で9,738haのマングローブの森林を保有・管理するPT.BINA OVIVIPARI SEMESTA(本社:インドネシア・西カリマンタン州クブ・ラヤ県、以下、BIOS社)の株式を2022年12月28日、100%取得し、完全子会社としたと発表した。
住友林業グループは長期ビジョン「Mission TREEING 2030」で、「循環型森林ビジネスの加速」を掲げ、2030年までに国内外で保有・管理する森林面積を50haまで拡大することを目標にしている。今回の事業を加えると、同社が保有・管理する森林面積は約29万haとなる。

住友林業 ジャカルタ近郊で戸建分譲住宅開発・販売

住友林業(本社:東京都千代田区)は2月1日、インドネシア、ジャカルタ近郊のデポック市で戸建分譲住宅と店舗併用住宅を開発・販売すると発表した。現地不動産開発会社PT.Graha Perdana Indah(以下、GPI社)と協業し、販売総戸数346戸(戸建分譲住宅305戸、店舗併用住宅41戸)、総投資額39億円を見込む。敷地面積5万6,935㎡、鉄筋コンクリートラーメン・2階建て。2023年4月販売開始予定、2024年1月着工、2026年竣工予定。

ライオン 中国・上海市に全額出資の研究開発子会社

ライオンは1月31日、中国・上海市に100%出資の研究開発子会社「獅王上海 創新科技有限公司(英文社名:Lion Innovation Center(Shanghai)Co.,Ltd.)」を設立すると発表した。新会社の資本金は250万米ドル(約3.3億円)。2023年5月に設立する予定。
中国における同社グループの製品開発力および製品開発スピードの向上を目的とし、生活者研究を基軸とした研究開発を加速させる。