三菱重工 インドネシアの火力発電所向けGTCCが運転開始

三菱重工業は10月28日、インドネシアの国営電力会社PLNに納入したムアラカラン火力発電所の50万KW級天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備が完工、商業運転を開始したと発表した。コロナ禍で様々な制限があったが、納期を1カ月以上前倒しして契約達成した。
ムアラカラン発電所は、首都ジャカルタの北西約10kmに立地しており、GTCC設備はインドネシア政府が進める3,500万KWにおよぶ電源整備計画を受けたプロジェクトの一環として同発電所の既存設備に隣接して完成したもの。同設備はジャカルタを中心とする西ジャワ地域一帯の電力需要に応える。

トヨタ初の量産EV 航続距離は最長500km 先行組を猛追へ

トヨタ自動車は10月29日、初の量産電機自動車(EV)「bZ4X(ビーズィーフォーーエックス)」の仕様を発表した。航続距離(1回の充電で走行可能な距離)は460~500kmと、先行する米テスラ「モデル3」の448~580kmや日産自動車「アリア」の430~610kmに迫る。世界のEVメーカーの中では先頭集団に入り、先行組を猛追する構え。
bZ4Xは、多目的スポーツ車(SUV)で価格は未定。2022年半ばから世界販売を始める。車台はEV専用の設計としてSUBARU(スバル)と共同開発した。スバルの四輪駆動や衝突安全、トヨタの電動化や「つながるクルマ」のノウハウを反映させた。出力が最大150KWの「急速充電器」に対応し、30分でフル充電の80%分の電気を貯めることが可能だ。外装に太陽光パネルも設置できるようにし、1年間で1,800km走行する電力を生み出すことができる。アウトドアや災害時に住宅に給電することも可能にした。
トヨタは「TOYOTA bZ」シリーズとして位置付けられるEVを2025年までに7車種発売する方針。今回はその第一弾にあたる。日本と中国で生産するが、既存車両の製造ラインを活用し、専用の拠点は設けない。

オートバックスセブン HW ELECTROへ出資しEV市場へ参入

オートバックスセブン(本社:東京都江東区)は10月28日、小型EV商用車ELEMO(エレモ)の販売およびELEMO軽の開発を手掛けるHW ELECTRO(本社:東京都江東区)へ出資し、EV市場へ参入すると発表した。両社は将来的に、オートバックスセブン店舗でのELEMOの販売・メンテナンス、新規サービスの共同開発の分野で連携・協業していくことで検討を開始している。

ルネサス イスラエルのアナログ半導体企業Celeno社を買収

ルネサスエレクトロニクスは10月28日、主にイスラエルで事業運営を行う半導体会社Celeno Communications Ltd.の持株会社Celeno Communications Inc.(以下、Celeno社)の株式すべてを取得し、完全子会社化すると発表した。この買収はルネサス社が米国デラウェア州に設立する完全子会社とCeleno社の合併による方法で実施する。買収額は総額約3億1,500万米ドル(約350億円)の予定。
Celeno社は、イスラエルに本社機能を置くアナログ半導体企業で、ホームネットワーク、スマートビルディング、通信、産業分野向けに、先端Wi-Fiチップセット/ソフトウェアなど幅広い無線通信技術を提供している。

日野自など6社 次世代車載通信機の技術仕様の共同開発に参画

日野自動車など国内自動車大手6社は10月29日、次世代の車載通信機の技術仕様の共同開発および通信システムの共通化に参画すると発表した。車載通信機および通信システムの開発効率化を図り、物流の社会課題解決に貢献するデジタルソリューションの早期実装を目指す。参画するのはスズキ、SUBARU、ダイハツ工業、トヨタ自動車、マツダを含めた6社。各社が保有する技術を盛り込みながら開発を進めることで、さらに安全・利便・快適なコネクティッドサービスの提供を目指す。

マクニカ モビと「自動運転の観光ロボットタクシー」実験

半導体、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス/ソリューション・プロバイダーのマクニカ(本社:横浜市)は10月28日、モビ(本社:東京都千代田区)とアウトソーシングテクノロジー(本社:東京都千代田区、以下、OST)と共同で、「遠隔型自動運転の観光ロボットタクシー」運行の社会実験を、平城宮跡歴史公園スマートチャレンジで実施すると発表した。
この実証実験でマクニカは運行企画立案、運用サービス検証を担い、モビでは自動運転車両・自動運転システム・遠隔監視・車両予約・AI音声観光ガイドシステムの提供、OSTは社会実験車両とシステムを連携させるためのエンジニアリング支援と実証実験オペレーションを担う。この実証実験を通して、マクニカは遠隔監視システムを使用した自動運転における運用面、技術面の課題を検証し、自動運転の実用化に向けて、より実運用を意識したサービスモデルの検討を進めていく。

関西スーパー H2O傘下に 争奪戦に決着 薄氷の可決

関西スーパーマーケットの臨時株主総会が10月29日開かれ、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)傘下の食品スーパー2社と統合することが決まった。総会では3分の2以上の賛成が必要な株式交換議案に対し、賛成比率が66.68%という薄氷の可決だった。この結果、2022年2月に経営統合する予定。3社合わせた売上高は4,000億円規模となり、共同仕入れや物流効率化などで収益力を高める。

ANA 今期一転最終赤字1,000億円 25年度までに9,000人削減

ANAホールディングスは10月29日、2022年3月期の連結最終損益が1,000億円の赤字(前期は4,046億円の赤字)になるとの見通しを発表した。これまでの35億円の黒字予想をから一転、2期連続の大幅赤字となる。新型コロナウイルスにより航空需要が激減し、回復が予想より大幅に遅れているため。このため、2025年度末までに航空事業の人員を、2020年度末比で約9,000人減らす計画を明らかにした。
今期の連結売上高の予想は前期比45%増の1兆600億円と、従来予想から3,200億円下振れする。営業損益は1,250億円の赤字(前期は4,647億円の赤字)と1,530億円下方修正した。売上高は2020年3月比で46%減の見込み。

自動車8社 9月の国内生産半減 半導体不足と部品調達難で

国内の自動車大手8社が10月28日発表した9月の国内生産台数は、前年同月比49.7%減の計39万8,075台となり、コロナ禍で大打撃を受けた2020年5月(61.8%減)以来の下落幅となった。世界的な半導体の供給不足に加え、一時より緩和したものの、コロナ禍により生産活動の停滞が深刻化し、東南アジアにおける部品調達が引き続き滞っているため。

タカラバイオ 変異株P681R,P681H変異を検出するPCR試薬

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は10月28日、新型コロナウイルス変化株のP681R変異およびP681H変異を検出するPCR試薬(研究用試薬)を同日より販売開始すると発表した。この試薬はすでに発売している変異検出用試薬シリーズと同様に、RNAを精製することなくダイレクトPCRが可能で、コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)と組み合わせて使用する。また、反応確認のための陽性コントロールも発売する。

Facebook 社名を「メタ」に変更 仮想空間の構築に注力

米フェイスブックは10月28日、同日付で社名を「Meta (メタ)」に変更したと発表した。同社は2004年に発足。SNS(交流サイト)を軸に成長してグループ全体の利用者は世界で36億人に達しているが、企業体質や管理体制への批判が高まっている。今回の社名変更によってイメージを刷新し、「メタバース」と呼ぶ仮想空間の構築に注力する。

日立造船など NEDO「次世代船舶の開発プロジェクト」に採択

日立造船、商船三井、ヤンマーパワーテクノロジー(以下、YPT)の3社は10月27日、グリーンイノベーション基金における国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「次世代船舶の開発プロジェクト」において、日立造船を幹事会社として「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」を提案し、採択されたと発表した。
同事業では、2021年度から2026年度までの6年間でメタン酸化触媒とエンジンの改良を組み合わせることでLNG燃料船のメタンスリップ削減率70%以上を実現し、LNG燃料船のさらなる環境負荷低減を目指す。また、YPTは名村造船所に委託し、日立造船、商船三井とともに、この研究で開発するシステムの実船搭載技術の確立を行う。

自動車部品マレリ インドのマザーサンGと照明の金型工場

自動車部品を手掛けるマレリ(本社:さいたま市)は10月26日、インドのマザーサン・グループと同国で自動車用照明器具を生産する合弁会社を設立し、金型の生産拠点を新設すると発表した。これにより、自動車用照明を生産するための金型を輸入から同国内生産に切り替え、顧客メーカーの注文に迅速に対応、納期の短縮につなげる。

PPIH 香港で10/29初のすし専門店「鮮選寿司」オープン

総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)グループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(香港)(本社:香港)は10月29日、香港にグループで初となるすし専門店「鮮選寿司」をオープンする。
鮮選寿司の1号店は新界地区・荃湾(せんわん)の「ドンドンドンキ 海の恋本店」に併設する。香港鉄路(MTR)荃湾西駅に隣接する大型商業施設「海之恋商場(OPモール)」内の好立地。海外における新業態として、複数店舗の展開を視野に入れている。同社が店内飲食のすし専門店を出すのは初めて。

資生堂 中国・上海の新研究開発拠点で本格的な活動開始

資生堂は10月27日、中国・上海で美容・健康産業の発信地「東方美谷(The Oriental Beauty Valley)」で展開する様々な企業・機関との協働を目的とした中国イノベーションセンターの新施設「資生堂(中国)研究開発中心有限会社 上海奉賢分公司(以下、新研究開発拠点)」での本格的な研究活動を同日より開始すると発表した。同施設の所在地は上海市奉賢区、明遺跡は1,575㎡。
新研究開発拠点は、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」に掲げる主要戦略の一つ「他社との協業によるイノベーション強化」を中国で実現するために設立した。最先端の化粧品技術や、有用性評価法の研究開発を行いビューティーに関わる新分野を開拓し、資生堂グループ全体の成長に貢献する。

川崎重工など3社 舶用水素エンジン開発がNEDO事業に採択

川崎重工業、ヤンマーパワーテクノロジー、ジャパンエンジンコーポレーションの3社は10月26日、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発プロジェクト」に「舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」を提案し、採択されたと発表した。
川崎重工が中速4ストロークエンジン、ヤンマーパワーテクノロジーが中・高速4ストロークエンジン、ジャパンエンジンコーポレーションが低速2ストロークエンジンの開発に同時並行で取り組み、様々な用途に対応可能なエンジンラインアップを2026年ごろに完成させるとともに、船社、造船所と協力し、実船での実証運航を行うことで社会実装につなげる予定。
さらに川崎重工は、この実証の中で舶用水素燃料タンク・燃料供給システムの開発を担当し、各社と共同で水素燃料推進システムの実現を目指す。

トヨタ9月世界販売 減産響き16%減 13カ月ぶりマイナス

トヨタ自動車(グループのダイハツ工業、日野自動車分含む)が10月28日発表した9月の生産・販売・輸出実績によると、世界販売台数は前年同月比16.4%減の70万122台にとどまった。2020年8月以来、13カ月ぶりのマイナス。同社は東南アジアからの部品供給難を受けて、8月以降減産を余儀なくされており、販売にも影響が表れた。世界生産は同39.1%減の51万2,765台と2カ月連続で前年実績を下回った。
国内販売は同36.5%減の9万5,035台、海外販売は同12%減の60万5,087台だった。

富士薬品 調剤併設型薬局で11/1~コロナの抗原検査キット

医薬品の研究開発から製造・販売までを手掛ける富士薬品(本社:埼玉県さいたま市)は10月26日、グループが展開する調剤併設型ドラッグストア258店舗で、11月1日から新型コロナウイルスの医療用抗原検査キットの販売を開始すると発表した。これは、厚生労働省が9月27日に発出した通知により、新型コロナウイルスの流行下の特例として、薬局での医療用抗原検査キットの販売が認められたことを受けたもの。同キットはロシュ・ダイアグノスティックス製、販売価格は1キット1,650円(税込)。

オムロン 台湾のテックマン・ロボットに出資 共同開発へ

オムロン(本社:京都市下京区)は10月25日、台湾EMS(電子機器の受託製造サービス)大手の広達電脳(クアンタ・コンピューター)傘下で、アーム型協調ロボットを手掛ける達明機器人(テックマン・ロボット)に出資すると発表した。テックマン・ロボットが実施する第三者割当増資を引き受ける。出資比率は10%。2021年12月に手続きを完了する予定。出資額は非公表。
オムロンとテックマン・ロボットは2018年5月に戦略的提携を締結。テックマンの協調ロボット「TMシリーズ」を両社のブランドとしてオムロンのネットワークで販売。オムロンのモバイルロボットとTMシリーズを組み合わせた移動型作業ロボット「モバイルマニピュレーター」も共同開発している。今回の出資により提携を強化し、製造現場の人手不足解消につながるロボットを共同開発する。

大阪ガス,Sky Solar Japan 太陽光発電所の共同開発・保有で合意

大阪ガス(本社:大阪市中央区)と、事業用太陽光発電所はじめ再生可能エネルギーの開発を全国で手掛けるSky Solar Japan(本社:東京都港区、以下、SSJ)は10月26日、中小型を中心とした事業用太陽光発電所の継続的な共同開発および共同保有に関する合意書を締結したと発表した。これにより、両社は今後数年間にわたって年間数万KWの規模で太陽光発電所の共同開発を進めるとともに、SSJが開発済みの太陽光発電所の一部についても共同保有化を進めていく。
両社は今後も、再エネの電源開発および再エネ電気の供給を通じて脱炭素社会の実現に取り組んでいく。