住友商事 中国山東省で水インフラ事業拡大へ 下水処理倍増

住友商事(本社:東京都千代田区)は12月17日、子会社の中国住友商事(所在地:北京市)、中国の水インフラ事業大手の北京首創生態環保集団股份有限公司(所在地:北京市、以下、北京キャピタル)とともに、山東省に合弁会社を設立し、連携を強化し水インフラ事業を拡大すると発表した。
合弁新会社は、Capital Summit Environment Investment Co.,Ltd.(以下、キャピタルサミット)。2010年から3社で共同運営している下水処理場3カ所に加え、北京キャピタルが保有する既存処理場29カ所を合わせ、計32カ所の下水処理場(下水処理水量約130万トン/日)を共同運営していく。キャピタルサミットの株主構成は北京キャピタル60%、住友商事40%。
キャピタルサミットは、水処理サービスと新規事業開発に関する3社の知見を生かし、山東省を中心に水インフラ事業の案件開発に取り組み、2030年までに下水処理量を現在の2倍(約260万トン/日)に拡大することを目指す。

ダイハツ 25年に100万円台軽EV 30年にHV含め全新車電動化

ダイハツ工業は12月20日、2025年までに軽自動車の電気自動車(EV)を国や自治体の補助金を活用して、実質負担額100万円台で販売すると明らかにした。その方策として、奥平総一郎社長は「トヨタと連携しバッテリーなどの調達コストを抑える」と説明した。また、2030年までにすべての国内新車販売をハイブリッド車(HV)を含む電動車にする目標も示した。
同社は軽で国内シェア首位だが、EVを販売していない。EVに先駆けて数年以内に軽のHVも投入する。軽より車体の大きい小型車「ロッキー」用に開発したHVシステムを活用する。

白物家電の11月国内出荷額 前年同月比2.5%減 6カ月連続減に

日本電機工業会(JEMA)がまとめた2021年11月の白物家電国内出荷額は、前年同月比2.5%減の1,964億円だった。巣ごもり需要の反動で減少は6カ月連続となったが。減少幅は縮小、改善している。家電量販店では年末商戦が本格化しており、12月以降の出荷額の回復が見込まれそうだ。
製品別にみると、洗濯機が11%増の342億円と5カ月ぶりに増加。11月単月としては過去最高。ドラム式洗濯機が好調だった。冷蔵庫は5.7%増の338億円と6カ月ぶりの増加。

NEC 物流倉庫の入出庫作業用次世代型自動搬送ロボット開発

日本電気(本社:東京都港区、以下、NEC)は12月17日、物流現場での入出庫作業の生産性向上に向け次世代型の自動搬送ロボットロボット(以下、AGV)を活用したソリューションを開発したと発表した。今後同ソリューションの商用化に向け、物流会社などとの実証実験を行い、2022年3月までに商用化を目指す。
同ソリューションは、複数ロボットの一括制御を実現するとともに、ネットワークの遅延がある場合でも高い制御精度を実現することができる。また用いる次世代型AGV「協調搬送ロボット」は、多様な形状のユニットロード(カゴ車、平台車等の荷物搬送機器)を人のサポートなしに自動搬送することが可能という。

大林組などドローン活用の屋内建設現場の効率管理の実証実験

大林組(本社:東京都港区)、NTTドコモ(本社:東京都千代田区)、エヌ・ティ・ティ・コムウェア(本社:東京都港区、以下、NTTコムウェア)の3社は12月17日、屋内の建設現場でドローンを活用し、効率的に工事の進捗管理をする実証実験に成功したと発表した。
実証実験は2021年7月15日~8月3日に、東京都品川区の建設現場の約500㎡の屋内空間で実施。116カ所の位置を記憶したドロンが建設現場の写真を最大10日間の間隔で計3回撮影し、天候および時間帯が異なる環境において、設定されたルートを正確に自動・自律飛行できることを確認した。
今回3社が実証実験を行ったドローン活用の進捗管理では、数日間隔で複数回、どろーんが建設現場の写真撮影を自動で実施。
撮影した各日の工事写真は3Dデータ上の任意の箇所をクリックすると、その場所の工事写真を閲覧することができる。これにより、同じ場所で撮影された写真の時系列での比較が容易となり、人手のかかる作業が自動化できるため、現場の負担を軽減できる。

ファイザー 日本政府と経口抗ウイルス薬候補の供給で合意

ファイザー(所在地:東京都渋谷区)は12月17日、ファイザー社と日本政府との間で、厚生労働省の承認が得られた場合、新形コロナの経口抗ウイルス薬候補の供給に関する合意書を締結したと発表した。同薬は新型コロナの治療を目的に創製された経口薬で、現在臨床試験を実施中だ。日本で薬事承認された場合、200万人分の治療薬を日本政府が確保する。

王子HD セルロースを補強した減プラ素材をサンプル提供

王子ホールディングス(本社:東京都中央区)は12月16日、植物原料由来のセルロースを補強繊維としたマット(以下、セルロースマット)を開発し、サンプル提供を開始したと発表した。このセルロースマットは不織布を製造する同社独自の技術を活用して製造されており、これを熱加工することで、プラスチックより変形に強く、割れにくいセルロース樹脂成形体になる。さらに同社が手掛けるCNFシートなどの機能性素材を貼り合わせることで、剛性などの性能向上が可能という。
このセルロース樹脂成形体は従来のポリプロピレン樹脂(プラスチック)成形体との比較で、石油由来のプラスチックの使用量を最大で約70%削減することができ、自動車部材などへの適用を想定している。

大和ハウス 中国江蘇省蘇州市に不動産開発で子会社設立

大和ハウス(本社:大阪市北区)は12月15日、中国江蘇省蘇州市に100%出資する子会社、和宝(南通)房地産開発有限公司が全額出資する不動産開発を手掛ける子会社を同日設立したと発表した。新会社は「玖心(蘇州)房地産開発有限公司」で、資本金は13億7,250万人民元(237億4,400万円)。

日揮HD フィリピンで100MW級のメガソーラー発電所受注

日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)は12月17日、フィリピン現地法人JGCフィリピン社が、フィリピンの財閥系企業グループのAboitiz(アボイティス)グループより、メガソーラー発電所建設プロジェクトを受注したと発表した。
契約先はアボイティスが100%出資する特別出資会社、PV SINAG Power,Inc.(PVシナグパワー社)で、建設場所はフィリピン・パンガシナン州ブガロン(首都マニラから北西約200km)。役務内容は出力94MW(直流)のメガソーラー発電所および送配電設備に関わる設計、機材調達、建設工事(EPC)。受注金額は非公表。納期は2022年末。

三井不動産 クアラルンプールに22年1/20「ららぽーと」開業

三井不動産(本社:東京都中央区)は12月16日、マレーシア・クアラルンプールで商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと ブキッ・ビンタン シティセンター」(以下、ららぽーとBBCC)を、2022年1月20日に開業すると発表した。
ららぽーとBBCCは、クアラルンプール中心市街地において開発が進む、商業施設、オフィス、住宅、ホテル等が融合した、全体敷地面積約7万8,500㎡の大規模街づくりプロジェクト「ブキッ・ビンタン シティセンター」(以下、BBCC)の中心的存在。ららぽーと事業としては、東南アジア初、海外では2021年4月に開業した中国・上海の「三井ショッピングパーク ららぽーと上海金橋」に続く2施設目となる。日本国内の施設を含めても最大規模(店舗面積約8万2,600㎡)のフラッグシッププロジェクト。2022年1月20日に開業し、約400店舗が順次オープンする。

エーザイ 認知症新薬「アデュヘルム」承認 米欧で分かれる

エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病新薬「アデュヘルム」の承認について、米欧で分かれた。欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)の評価委員会は12月17日、販売承認の見送りを勧告した。6月に条件付きで、先行して承認された米国でも有効性への見方は割れている。バイオジェンは当局に対し、再審議を要求する予定。エーザイも同日「再審議を請求する方針」とコメントしている。
増え続けるアルツハイマー病患者の病気の進行を抑制すると期待される同薬だが、広く使われるまでには、まだ時間がかかりそうだ。

年末年始航空予約 ANA,JAL国内線はコロナ前の7~8割に回復

全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は12月17日、2021年度年末年始(2021年12月25日~2022年1月4日)の予約状況を発表した。国内線の予約状況については両社とも前年を上回り、コロナ前の2019年度の70~80%の水準まで回復している。
ANAの国内線予約数は前年比12.3%増の108万1,252人で、2029年度比で71%まで回復。予約率は前年比15.7ポイント増の65%となっている。JALの国内線予約数は前年比64.8%増の97万8,693人で、2019年度と比べると84.3%まで回復。予約率は前年比23ポイント増の66.1%。
国際線予約数については、ANAが前年比101.9%増の3万3,859人(2019年比90%)で予約率36.6%(前年比16.7ポイント増、2019年比42.9ポイント減)。JALが前年比124.3%増の3万9,774人(2019年比13.5%)で予約率36.9%(前年比14.5ポイント増、2019年比48.9ポイント減)。

中外製薬 コロナ飲み薬の開発断念 親会社ロシュの撤退受け

中外製薬(本社:東京都中央区)は12月16日、軽症から中等症の新型コロナウイルス患者を対象とする飲み薬候補の国内開発を中止すると発表した。厚生労働省への申請も断念する。
開発中止を決めたのは飲み薬候補の「AT527(開発番号)」。米バイオ企業アテア・ファーマシューティカルズと中外製薬の親会社のスイス・ロシュが共同開発していたが、臨床試験(治験)で有効性が示せず、両社は11月、提携を解消すると発表していた。
中外製薬は国内で開発を続けることもできたが、検討の結果、中止を決めた。厚生労働省はAT527の開発に関し、中外製薬に4億5800万円の補助を決めていたが、申請断念により一部返金を求める。

商船三井とVopak 香港洋上LNG受入基地向けFSRUを共同保有

商船三井(本社:東京都港区)は12月16日、Royal Vopak N.V.(本社:オランダ、以下、Vopak社)との間で、商船三井が保有する世界最大のFSRU「MOL FSRU Challenger」の船主会社株式の49.99%をVopak社が取得することで合意したと発表した。これにより、今後船名を「Bauhinia Spirit」(バウヒニア スピリット)に変更予定。
また、両社が共同保有することになる新たな合弁会社は、Hong Kong LNG Terminal Limited(以下、HKLTL社)との長期傭船契約に基づき、このFSRUを香港洋上LNG受入基地に投入するとともに、桟橋の保守・操業サービス、および港湾関連サービスを提供することも発表した。

三菱自 新型「アウトランダー」PHEV1カ月半で6,915台受注

三菱自動車(本社:東京都港区)は12月16日、新型クロスオーバーSUV「アウトランダー」のプラグインハイブリッドEV(PHEV)モデルを、同日から販売開始すると発表した。これに先駆け10月28日より先行注文を受けていたが、同日までの1カ月半で受注台数は、月販売目標台数1,000台の約7倍に上る6,915台となった。
同モデルは、力強く存在感のあるエクステリア、上質で先進的なインテリアとし、同社の電動化技術と四輪制御技術の粋を集めたフラッグシップモデル。従来モデルにない3列7人乗りを実現し、SUVとしての居住性と利便性を高めた。

経産省 水素・アンモニア燃料の火力発電所への投資を支援

経済産業省は、脱炭素、そしてカーボンニュートラルに向け、燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素やアンモニアを燃料とする火力発電所の新設を支援する。温暖化ガスの排出量を実質ゼロにすることを条件に、民間企業独自では投資規模に制約が出てくるだけに、10年以上にわたって収入を保証し、企業の投資を後押しする制度を設ける検討に入った。電源の抜本的見直しに伴い、不足が懸念される電力の確保と、脱炭素の両立を狙う。

JFEエンジ ベトナムでTT社と共同で大型廃棄物発電事業

JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は12月16日、ベトナムのトゥアンタインエンバイロメント社(本社:バクニン省、以下、TT社)と共同で、T&Jグリーンエナジー社(本社:バクニン省、以下、T&J社)を設立し、バくニン省で廃棄物発電事業を開始することに合意したと発表した。
TT社は、廃棄物焼却をはじめ各種リサイクル事業を総合的に展開するベトナムの大手リサイクル会社。T&J社設立後、JFEエンジがプラントの設計・建設・運転を、TT社が許認可の取得やプラント用地確保、焼却する廃棄物の収集・運搬および焼却灰処理を担当する新設する廃棄物発電プラントは2022年1月に建設が開始され、2024年1月に完成予定。
同プラントは日量500トンの一般廃棄物・産業廃棄物を焼却し、発電出力は11.6MW、年間想定発電量は9万1,872MWhで、発電された電力は固定価格買取制度(FIT)を活用して、ベトナム電力公社に売電する。

三井不動産 中国で12/22「ららステーション上海蓮花路」開業

三井不動産(本社:東京都中央区)は12月22日、中国・上海地下鉄1号線蓮花路(レンファールー)駅に、海外における同社初の駅ビル商業施設「三井ショッピングパーク ららステーション上海蓮花路」(以下、ららステーション上海蓮花路)をグランドオープンする。同施設は12月10日に地下鉄駅とバスターミナルとの連絡通路開放に合わせて1F・2Fの一部店舗が先行オープンしている。
同施設は、同社が同事業を推進するため100%出資して設立したプロジェクト会社、上海閔三商業管理有限公司を通じて進めているもの。立地的に交通・買い物・就業がワンストップで完結する、同社初の駅ビル型商業施設。約90店舗が出店している。

ゼンリンなど大分県で遠隔医療Sとドローン組み合わせ実証

離島・へき地を支える医療現場の課題解決へ、地図情報・位置情報をベースにした日本初のオンライン診療・ドローン配送システムの実証実験が行われた。
ゼンリン(本社:福岡県北九州市)、オーイーシー(本社:大分市)、KDDI(本社:東京都千代田区)、大分県の4者は、2021年10月および12月の2度にわたり、大分県佐伯市で、遠隔診療システムとドローン配送を組み合わせた実証事業を実施したと12月15日発表した。この実証では、ゼンリンが提供する地図プラットフォーム「ZENRIN Maps API」をベースにゼンリンとオーイーシーが開発した「遠隔診療システム」を用いた、離島と本島間におけるオンライン診療・服薬指導から、KDDIの「スマートドローンプラットフォーム」を活用したドローンによる医薬品配送までのオペレーションを展開し、一元管理する検証を行った。

京大と大阪ガス 中長期気象予測に関する共同研究を開始

京都大学防災研究所(以下、京大防災研)と大阪ガス(本社:大阪市中央区)は12月14日、さらなるエネルギー供給の安定に向けた取り組みとして、中長期気象予測に関する共同研究を同日開始したと発表した。エネルギー事業は、気温によりガス・電力の需要に変化が生じたり、天候により太陽光発電の発電量に影響を受けたりするなど、気象条件と密接に関係している。
今回の共同研究では、京大防災研の地球規模の気象力学や数値天気予報に関する知見と、大阪ガスの気象シミュレーションと機械学習を組み合わせた気象予測のノウハウなどを融合して、極寒や猛暑などエネルギー事業に影響を及ぼす可能性がある現象を、地球規模の大気の状態を解析することで、2週間から数か月前に予測することを目指す。2021年度は北半球の気象パターンを分析することで、大陸から日本への寒波到来の予兆を早期に把握する手法に関する研究を行う予定。