理研 AIとロボットがiPS細胞を自動で培養する技術

理化学研究所などのチームは6月27日、ロボットとAI(人工知能)がiPS細胞から自動で培養までを行う技術を開発したと発表した。
AIと、人の腕のようなアームを持ったロボットを組み合わせ、AIの指示に従ってロボットが薬剤の濃度や薬剤を注入する速度など、7項目の条件を少しずつ変えながら自動的に培養を行い、試行錯誤しながら、AIが最適な手順を探し出していく。
その結果、今回は目の網膜の細胞をつくり出す最適な条件を見つけ出し、自動で培養までを行った。144通りの条件の組み合わせの中から、AIが適切だとした手順でロボットが培養を行うと、iPS細胞の91%が目の網膜の細胞に変化したという。
これまでこうした作業は、限られた熟練の専従職員が担っていただけに、画期的な成果となる。

村田製作所 高速応答性と測定精度両立 電流センサー量産

村田製作所(本社:京都府長岡京市)は6月27日、高速応答性と世界最高クラスの測定精度を両立したコアレス電流センサー「MRDシリーズ」を開発し、量産を開始したと発表した。
近年、脱炭素化やカーボンニュートラル実現に向けて、産業機器のモーター駆動や太陽光発電システム開発などの分野で、電力変換を担うインバータやDC-CDコンバータの高率化のニーズが高まっている。すなわち、高い電力変換を制御するために電流を高精度で高速に測定できる電流センサが求められている。MRDシリーズは、このニーズに応える製品として量産する。

ユーグレナ,理研 マレーシア泥炭地から耐酸性の新規藻類

ユーグレナ(本社:東京都港区)、理化学研究所微細藻類生産制御技術研究チームは6月27日、マレーシア工科大学、マレーシア日本国際工科院の研究チームとの共同研究により、マレーシアの泥炭地で採取した微細藻類の中から、脂質を生産する耐酸性の新規藻類、テトラスティココッカスの同定・単離に成功したと発表した。
テトラスティココッカスは酸性および弱アルカリ性のpH条件下で高い増殖率を示し、炭素数が16から18の長鎖脂肪酸を多く蓄積することを確認した。
この研究成果は学術雑誌『Journal of Applied Phycology』(2022年5月22日付)に掲載された。

KDDI,ローソン,menu デリバリー事業拡大で連携

KDDI(本社:東京都千代田区)、ローソン(本社:東京都品川区)、menu(本社:東京都新宿区)、三菱商事(本社:東京都千代田区)は6月27日、デリバリー事業の拡大に向け業務提携を締結したと発表した。提携の第一弾として、auスマートプレミアム会員を対象に、デリバリーアプリ「menu」内のローソンで利用可能な500円分割引クーポンを7月から毎月プレゼントする。

シャープ 大型液晶パネル工場買い戻し完全子会社に

シャープ(本社:大阪府堺市)は6月27日、大型液晶パネルパネル工場「堺ディスプレイプロダクト(SDP)」(所在地:大阪府堺市)を完全子会社化したと発表した。SDPの株式80%を保有する海外ファンドから買い戻した。費用は非公表だが、直近の株価から試算すると約400億円相当とみられる。パネル事業を強化する。

企業の3月末債務469兆円 20年以来の高水準 日銀

日銀が6月27日発表した1〜3月期の資金循環統計(速報)によると、3月末時点で民間企業(金融機関除く)の借入残高は、簿価ベースで前年同期比1.6%増の469兆円となった。増加は2四半期連続で、不良債権問題が深刻化していた2000年3月(480兆円)以来の高水準となった。新型コロナウイルス禍を契機に、2020年に企業債務が膨張し足元でも高止まりしている。

非正規雇用の給与・待遇「上げた」企業5割超え

マイナビ(本社:東京都千代田区)が全国の20〜69歳の男女を対象に実施した「非正規雇用の給与・待遇に関する企業調査によると、直近半年間でアルバイトの給与を「上げた」企業の割合は50.8%と半数を超え、前年より10.8ポイント増加した。
業種別では「ホテル・旅館」が64.0%で最も高くなり、前年比で28.2ポイント増えた。次いで「飲食・フード」で、17.6ポイント増え58.8%だった。
正社員と非正規社員の待遇差の是正について、「改定済み」の状況は「基本給」が最も高く、大企業で50.8%。同一労働・同一賃金の導入から1年が経過した中小企業では30.7%という結果となった。
コロナ禍で変化した採用基準の内容は「シフト変動に柔軟に対応できるか」がトップで56.3%だった。給与を引き上げた理由は「人材確保が難しくなったため」が42.1%と最も高く、前年より3.1ポイント増加した。
調査は、非正規雇用のアルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託を対象に実施。2021年12月〜2022年5月に、採用業務に」携わった人に聞いた。調査は今回が4回目。

コベルコ建機 中国・成都市に油圧ショベル生産集約

コベルコ建機は6月24日、中国四川省成都市の拠点に油圧ショベルの生産を集約すると発表した。浙江省杭州市にある生産子会社、杭州神鋼建設機械を成都市の製造・販売子会社の神鋼建機(中国)に集約する。移管は段階的に進め、2023年1月をめどに完了する予定。拠点集約に伴う費用は60億円。
これにより、中国拠点の油圧ショベルの生産・組み立て能力は現在の1万5,000台から5,500台へと半分以下に縮小する。中国の油圧ショベル市場がピークで、今後経済が減速していくとの見立てによるもの。

フォスター電機 中国・孫会社の南寧工場を停止

音響機器のフォスター電機(本社:東京都昭島市)は6月24日、モバイルオーディオ製品の製造を手掛ける広西チワン族自治区南寧市の孫会社、豊達電機(南寧)有限公司の操業を6月28日に停止すると発表した。製品の需要動向を踏まえた判断で、生産体制の最適化を図る。
これにより人員削減を実施。解雇による経済補償金1億7,000万円を2023年3月期第1四半期で特別損失として計上する。

日本企業2社 中国・海南島にがん放射線治療法導入

住友重機械工業(本社:東京都品川区)とステラファーマ(本社:大阪市中央区)は6月24日、中国企業2社と協力し、がん放射線治療「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」を中国・海南島医療特区に導入すると発表した。
住友重機械工業はBNCT治療システム・放射線の線量計算プログラムの販売契約、ステラファーマはBNCT用ホウ素医薬品の供給に冠しる基本契約をそれぞれ結んだ。導入に向け、中国生物科技服務控股有限公司および同社傘下の鵬博(海南)●中与医療科技有限公司の協力を得た。

トヨタとスズキ インドでの開発・生産で協業深化

トヨタ自動車とスズキは6月24日、インドでの開発・生産面での協業を深化すると発表した。両社は2017年に締結した業務提携に基づく協業の一つとして、グローバルでの車両のOEM相互供給を進める中、今回スズキが開発した新型SUVを初めてトヨタ・キルロスカ・モーター(以下、TKM)で、8月より生産開始することになった。
インド国内のマルチ・スズキ・インディア、TKMでそれぞれスズキ、トヨタのモデルを販売する。また、両社とともにアフリカを含めたインド国外への輸出も計画している。インド発売の両モデルには「マイルドハイブリッド」「ストロングハイブリッド」がパワートレインとして搭載される。

PSS 7/1よりサル痘ウイルスのPCR検査キット販売

プレシジョン・システム・サイエンス(本社:千葉県松戸市、以下、PSS)は6月24日、サル痘ウイルスの日本国内への侵入と伝播防止に向け、CerTest Biotec,S.L.(本社:スペイン・サラゴサ市、以下、セルテス社)のサル痘ウイルスDNA PCR検査キットを7月1日より販売開始すると発表した。
これはヒトユライ試料中のサル痘ウイルスDNAをリアルタイムPCR法により検出する研究用試薬。凍結乾燥試薬でであり、常温保管できる。

トヨタ 電池供給網の国際競争力強化へBASCに加入

トヨタ自動車は6月24日、電池サプライチェーン(電池の材料、部品およびその原料に関わる産業)の国際競争力強化を推進する団体「電池サプライチェーン協議会」(以下、BASC)に加入すると発表した。
BASCは2021年4月、脱炭素社会実現に向けて電池サプライチェーンの国際標準化や電池エコシステム構築等の活動をするため設立された一般社団法人。電池サプライチェーンの健全な発展を図る。2022年5月末現在、BASC会員企業は85社。

村田製作所と三菱商事 脱炭素で協業の枠組みに合意

村田製作所(本社:京都府長岡京市)と三菱商事(本社:東京都千代田区)は6月24日、カーボンニュートラル社会の実現に向けた協業の枠組みに合意したと発表した。
協業の内容は①村田製作所による、再生可能エネルギー由来の電力調達②村田製作所国内工場での水素製造・利活用③自立分散型コミュニティの構築による地域社会との共生事業④蓄電池活用による調整力事業ーの4点。
この協業により村田製作所グループは2050年度の再エネ導入比率100%化に向け、三菱商事から2025年度までに7万KWの再エネ由来の電力を調達することで合意しており、具体的条件の最終協議中。

PPIH 香港「DONKI」店内で精米,できたておにぎり提供

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)は6月24日、グループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(香港)(本社:香港)が、香港1号店「DON DON DONKI Mira Place2(ミラプレイス2)」店内に「安田精米Mira Place2」をオープン。精米したての米と、できたておにぎりの提供を開始したと発表した。
同店は香港事業で初となる、精米したての新鮮な米や玄米を販売する日本産の米専門店。

日立 時速1200㌔輸送実現へシミュレーションS開発

日立製作所は6月24日、最高時速1200kmでの走行を目指す次世代高速輸送「ハイパーループ」のシミュレーションシステムを開発したと発表した。信号や運行管理などをデジタル上で試験する。
鉄道子会社の日立レールがハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(TT)と組んで開発した。高速で移動するカプセルの制御をシミュレーションする。トンネルの内部をほぼ真空にすることで、空気抵抗をできるだけ少なくし、磁石でカプセル上の車体を浮かして前進する。
ハイパーループは、米テスラ創業者のイーロン・マスク氏が2013年に構想を明らかにし、欧米企業などが開発を競っている。欧州共通の列車制御システム「ERTMS」の信号技術に準拠し、新たな規格づくりが不要になる。

メルカリ インド・ベンガルール市に開発拠点設立

メルカリは6月24日、インド・カルナタカ州ベンガルール市に技術開発拠点として、現地法人「Mercari Software Technologies India Private Limited」を6月23日、設立したと発表した。新会社の資本金は3,000万ルピー。
ソフトウェアエンジニアをはじめとした技術系人材を中心に、メルカリの日本国内事業の開発に携わっていくほか、メルカリUS事業の開発にも携わる予定。

自動車部品大手マレリHD 民事再生で再建へ

経営再建中の自動車部品大手、マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)は6月24日、法的整理で民事再生の一種、簡易再生に向けた手続きを申し立てたと発表した。私的整理の一つ、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の成立を目指していたが、一部金融機関の合意を得られなかった。負債総額は1兆円を超える見込み。