近畿商連が知名度高まる「関西」に名称変更
近畿商工会議所連合会は7月21日、福井市内で総会を開き、「関西商工会議所連合会」(関西商連)への名称変更を決議した。変更は同日付。外国人観光客の増加で関西国際空港などの国際的な知名度が高まっており、「関西」ブランドへの統一によるPR効果が大きいと判断した。
関西商連は、近畿2府4県と福井県にある計71の商工会議所の佐藤茂雄会頭(京阪電気鉄道最高顧問)が引き続き務める。
関空15年上期の旅客数は最多1096万人 年間2320万人
新関西国際空港会社は7月17日、2015年上半期(1~6月)の航空旅客数が半期ベースで過去最多の1096万人(前年同期比19%増)になったと発表した。中国人を中心に訪日外国人が急増しているためで、同社は年間旅客数も2320万人を見込んでおり、これまで最多だった2085万人(00年)を大幅に更新するとの見通しを示した。
国際線の外国人旅客数は、過去最多の458万人(前年同期比58%増)と大幅に伸びた。これにより年間でも開港以来初の1000万人台に迫る勢いとなっている。新関空会社は、関空は24時間運用で格安航空会社(LCC)などの増便余地が大きいことや、訪日客の間で関西の人気が高いためとみている。貨物便を含めた総離着陸回数は、半期ベースで過去最多の7万6816回(同12%増)となった。
関西訪日客1000万人ならホテル満室 増える外国人客
日本政策投資銀行は7月15日、関西を訪れる外国人観光客が2014年の約2倍の1000万人に増えた場合、ホテルの定員に対する宿泊客の割合を示す定員稼働率が82%に達するとの推計を発表した。部屋の定員を下回る人数で泊まることも多く、稼働率が8割を超えると「ほぼ満員の状態になる」という。
14年は海外から479万人が関西を訪れたと推計されている。平均で2日間宿泊すると仮定すると、ホテル平均稼働率は68%だった。関西経済連合会は20年に800万人に増やす目標を掲げているが、800万人での稼働率は77%、1000万人に増えると8割を超える。さらに平均宿泊日数が1日延びると94%に達する。特に大阪府では119%、京都府では104%となり、客室が足りなくなる。
USJ 記録ずくめの「ハリー・ポッター」万人魅了
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市此花区)に大ヒット映画「ハリー・ポッター」の魔法の世界を再現した襟が開業してから7月15日で1年を迎えた。この間、全国各地や海外からの集客の起爆剤となり、運営会社ユー・エス・ジェイの好調な業績をけん引。USJはエリアの魅力強化や新規アトラクション導入、新イベント開催などの策を打ち出し続け、一層の集客力アップを目指している。
ハリポタエリアは450億円を投じ、開業1年の入場者は前年同期比3割増の1350万人に上った。このうち外国人は同8割増の96万人。その結果、ユー・エス・ジェイの2015年3月期決算は売上高、営業利益ともに過去最高を記録した。今年度も観光ビザ発給の要件緩和や円安も追い風となって外国人の一段の伸びが見込まれ、14年度を上回ると期待される。
経済波及効果も大きい。関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、USJの14年度の経済波及効果は全国で6032億円に上り、13年度の5043億円より2割増えた。JTBが販売するUSJの宿泊ツアーは昨夏、首都圏からの申し込みが前年の5倍に達し、さらに今年は昨夏の2割増しという。
ホテルも満室状態が続いている。帝国ホテル大阪(大阪市北区)は昨年8月に稼働率が過去最高の88.2%を記録。今夏は昨年より予約スピードが早く、稼働率は90%を超えると予測している。