「商都・大阪にTTP本部設置を」アジア太平洋研究所
一般財団法人「アジア太平洋研究所」(APIR、大阪市北区)は10月14日、日本を含む12カ国が大筋合意に達した環太平洋パートナーシップ協定(TTP)の実施に向け、同市内にTTP本部を創設するよう求める提言を発表した。
本部組織の規模を年間予算100億円、職員数300人程度と想定。東京一極集中の是正が必要とする一方、「大阪は歴史的にアジアとの文化的つながりが深く、経済的にもアジア貿易への依存度が高い」と関係の深さとメリットを強調している。
ガ退治に黄色LED 広島県・シャープが共同開発
広島県立総合技術研究所農業技術センターとシャープは10月13日、夜行性のガによる食害の防止を目的とし、キクなど光に敏感な農作物に使える照明を開発したと発表した。ガが嫌う黄色LED(発光ダイオード)を点滅させ、光が作物の生育に悪影響を与えないようにした。シャープが製品化し2016年春から販売しt、2017年度で売上高10億円を目指す。
シャープは広島県三原市にLED製造拠点の工場があり、06年度から県と共同開発。0.1秒点灯し、0.4秒消える点滅を繰り返すことで、キクの開花に影響せず、黄色の光を嫌うガを寄せ付けない効果を両立させた。
10㌃当たりの消費電力は黄色蛍光灯(40㍗)の約13分の1。キクのほか光に敏感なイチゴ、ホウレンソウなどにも活用できるという。シャープによると、電球タイプで1個5000程度を予定。農業だけでなく、イベント会場での活用も視野に、様々な形状の商品も検討する。
栄養素まるごと摂取 シャープ11/5から電気無水鍋発売
シャープは11月5日から、水や火を使わずに肉じゃが、おでんをはじめ煮物などを自動調理する業界初の電気無水鍋「ヘルシオ ホットクック」を発売する。水を加えず調理するため、食材の栄養素を十分に摂取でき、本来のおいしさを味わえるという。想定価格は6万円前後(税別)。訪日観光客による需要も見据えて月産4000台を計画。将来は東南アジアなど海外でも販売したい考えだ。
煮物のほか、カレー、ビーフシチュー、八宝菜など約100種類のメニューを用意。食材から出る蒸気を水分に変えるため水を加える必要がないうえ、メニューに合わせて最適なタイミングで具材を自動でかき混ぜ、煮崩れを防ぎながら調理する。電気で加熱し圧力も加えて調理する炊飯器の技術を応用した。
8月平均客室稼働率95%と好調続く 大阪主要ホテル
大阪市内の主要13ホテルの8月の平均客室稼働率は、前年同月比2.1%高い95%だった。12カ月連続で前年実績を上回り、比較可能な2008年度以降では2013年8月(93.6%)を上回り、単月の稼働率は最高となった。アジアを中心とする訪日外国人客が増え続けているうえ、天候が安定し国内のレジャー客の利用も好調だった。
稼働率は13ホテルのうち11カ所で前年を上回った。客室数900超の大阪新阪急ホテルは稼働率が1.1㌽上昇の99.1%に達し、ほぼ満室の状態だった。JR大阪駅に直結するホテルグランヴィア大阪の稼働率は98.3%で2.6㌽上昇した。
帝国ホテル大阪の稼働率は3.4㌽上昇し91.6%。客室単価も3割上がり、単月の売上高として過去最高を記録した。中国と韓国からの宿泊客が3倍超、台湾が7割増などとなり、外国人客の比率が44%と16㌽高まった。
商都のかたち巡り再び反維新・維新の2陣営が公約
11月22日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選で、自民党市議の柳本顕氏(41)は10月10日、市長選出馬を正式表明し、経済政策を第一に掲げる公約の概要を明らかにした。大阪維新の会も同日「施策を実現する手段が大阪都構想」としてダブル選の公約を公表した。柳本氏は「議論を掘り起こしに戻すのか」と批判し、大阪維新は「前回の設計図ではない」と強調するなど本格的な政策論争に突入した。
柳本氏は公約の5本柱の1つ目に「まずは経済を強く、都市を強くと経済政策重視の姿勢を打ち出した。これに対し大阪維新は「副首都”大阪”の確立」を掲げ、「施策を実現する手段が都構想」と説明した。
「強い経済」実現へ成長戦略の加速を 関西財界が期待
第3次安倍改造内閣の発足を受け、関西財界からは10月7日、アベノミクスの新たな「三本の矢」の具体化や、成長戦略の加速に期待する声が相次いだ。
関西経済連合会の森詳介会長は、主要閣僚の多くが留任した点を「引き続きアベノミクスを果断に推進するという総理のメッセージだと心強く感じる」と評価した。大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭は「総力を挙げ、1億活躍社会を実現してもらいたい」と要望。新三本の矢の一つ「強い経済」の実現が最重要課題とし、補正予算の編成も求めた。
関西経済同友会の村尾和俊代表幹事は「税と社会保障の一体改革を中心に、国民に痛みを伴う改革にも取り組んでいただきたい」と語った。
がんこフード すしに合うワイン開発 自店で提供
「がんこ寿司」などを展開する外食チェーンのがんこフードサービス(大阪市淀川区)は、11月末からすしに合わせて開発したスパークリングワイン「すしcham(しゃん)」を自社店舗で提供する。カタシモワインフード(大阪府柏原市)との共同開発で、地産地消の取り組みを進める。消費税抜き価格はハーフボトルで1280円。初年度5000本の販売を目指す。
すしchamは大阪府柏原市で生産されるデラウエアを使用し、カタシモワインフードが醸造、すしとの相性を意識した、さわやかで飲みやすい味に仕上げた。がんこは他社製のスパークリングワインを提供してきたが、今後はすしchamに全面的に切り替える。
あいりん地区の紙芝居劇団が結成10年の記念誌発行へ
日雇い労働者の街「あいりん地区」(大阪市西成区)で活動する紙芝居劇団「むすび」が結成10年を迎え、これまでの活動を記録した記念誌が発行されることになった。
昨年亡くなった元団員が、自分が生きたことを忘れないでほしい-と口にしていたことがきっかけ。むすびの活動の中で撮った、生き生きとした表情を捉えた写真をたくさん収録する予定で、年内の発行を目指している。
むすびは2005年、50~90代の男性ら7人で結成した。初期メンバー7人のうち5人はすでに亡くなり、現在は60~70代の6人が活動を続けている。路上生活経験者や身寄りがない人など、一人暮らしの男性ばかりだ。
昔話の「桃太郎」や「ぶんぶく茶釜」などの紙芝居に合わせ、団員の歌と踊りで盛り上げる。オリジナル演目も4作あり、商店街のイベントや保育園など年30回ほど公演している。
07年にはロンドンで開かれた「国際ホームレスアートフェスティバル」で上演。世界各地の路上生活経験者らが集う芸術祭で、あいりん地区を視察したフェスティバルの実行委員会から招待された。
USJ 16年春から翼竜コースター開業
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)は10月2日、米映画「ジュラシック・パーク」をテーマにした新型ジェットコースター「ザ・フライング・ダイナソー」を2016年春に開業すると発表した。
翼竜のプテラノドンに背中をつかまれ、空を飛ぶイメージで、客はうつぶせの体勢で背中からコースターに固定され、パークを眼下にして高速で走行、スリルを楽しむ。
新型コースターは現在あるジュラシック・パークのポート型アトラクションの近くに設置。投資額は約100億円。コースは全長1124㍍で、客をうつぶせに乗せて空を飛ぶように進む「フライング・コースター」では世界最長という。また、最初の降下の高低差は37.8㍍で世界最大としている。