近畿の貿易収支 10月は2カ月ぶり黒字に 金額は過去最高
大阪税関は11月20日、近畿2府4県の10月の貿易概況(速報)を発表した。貿易収支は原油の輸入額が大幅に減り40億円の黒字となった。黒字は2カ月ぶり。原油の輸入額は前年同月比24.9%減り1213億円。輸入額全体では1.7%増の1兆4213億円。輸出額は10.9%増の1兆4253億円だった。輸入額、輸出額とも10月としては過去最高の金額だった。
外国人観光客増が収益増に寄与 新関空中間決算
新関西国際空港会社が11月18日発表した2014年4~9月期連結決算は、格安航空会社(LCC)の増便などで外国人の利用が好調だったことから、売上高は前年同期比32%増の741億円、営業利益は27%増の217億円で増収増益を確保した。最終(当期)利益は39%増の96億円。関西国際空港の今年9月末の有利子負債残高は9350億円で、3月末に比べて113億円減少した。大阪(伊丹)空港の大阪ターミナルビルを運営する「大阪国際空港ターミナル」(大阪市)を13年12月に完全子会社化したことも売上高の増加に貢献。関西空港は14年4~9月の外国人旅客数が過去最高となり空港の使用料収入や、免税店など商業事業収入が大幅に伸びた。
「回復兆しある」森関経連会長 成長戦略の実行を
関西経済連合会の森詳介会長は11月17日、7~9月期の実質GDPが年率1.6%減となったことについて「個人消費がプラスに転じるなど、回復の兆しが表れてきている」と楽観的な見方を示した。安倍政権を「最初の金融政策、財政政策はそれなりに成果を上げてきた」と評価。解散総選挙について「やるのであれば、速やかに実施し、新態勢の下で成長戦略を全力で実行してほしい」とした。一方、大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭は「プラス局面に復帰させるため、思い切った法人税減税や、中小企業の投資を後押しする補助金、消費喚起策などを盛り込んだ補正予算を急いでほしい」と要望するコメントを出した。
道頓堀川を「泳げるぐらいの川に」高度濾過技術を導入
大阪市は11月14日、道頓堀川などへの下水排出を止め、中浜下水処理場(大阪市城東区)に高度な濾過技術を導入すると発表した。橋下徹市長は「泳げるぐらいの川にしたい」と意気込んでおり、京都の鴨川と同程度、渓流にいるヤマメなどが生きられる水質の実現を目指すという。大阪市内では現在、処理能力の問題から一定量の雨が降ると薄まった汚水の一部を川に排出、汚れの一因となっている。
水質時浄化のため市は「平成の太閤下水」と名付けた下水道管(約4.7㌔)を新設。今年度末までに供用を始め、汚水をためて下水処理場に送る。老朽化した中浜下水処理場は改修し、細菌などを分離する濾過膜を処理槽に設置。透明度が高くて大腸菌ゼロの下水にし東横堀川に送る。施設は平成32年度完成を目指す。
三越伊勢丹の名消える「 ルクア1100(イーレ)」に
JR西日本SC開発は11月13日、JR大阪駅ビルの百貨店「JR大阪三越伊勢丹」の来春の改装後の名称を「ルクア1100(イーレ)」とすると発表した。百貨店部分は従来の4割に縮小し、幅広い価格帯の専門店約150店が入る。隣接する専門店街「ルクア」と合わせて「ルクアOSAKA」と総称する。新名称は専門店街の「専(千)」と百貨店の「百」を合わせ、ドイツ語で「あなたの」を意味する「イーレ」と読ませる。
ルクアの対象は20代後半~30代前半だが、イーレは30~40代を中心に幅広い男女の取り込みを図る。専門店には関西初出店の高級セレクトショップ「ナノ・ユニバース ライブラリー」やファストファッション大手の「フォーエバー21」などが入る。
近畿の10月の倒産負債額は過去20年で最少 懸念は円安
東京商工リサーチのまとめによると、近畿2府4県で10月に倒産した企業(負債額1000万円以上)の件数が前年同月比11.3%減の212件、負債総額は同18.8%減の239億円で過去20年で最も少なかった。同社では「金融機関の貸し出し姿勢が積極的で、企業にとって融資が受けやすい環境が続いている」と分析。ただ、円安を背景に原材料の高騰などに苦しむ業種で”円安倒産”が増える可能性があるとみている。
府県別でみると、件数は大阪、兵庫、奈良で減ったが、京都、滋賀、和歌山で増えた。負債額は、大阪、京都で減少したが、他の4県で増えた。産業別では燃料の高騰などで厳しい経営環境にある運輸業が件数、負債ともに増えている。