関西エアポート 初決算は黒字 独自色はこれから
関西国際空港と大阪空港(伊丹)を運営する関西エアポートは、2つの空港の運営を引き継いでから、初めてとなる決算(2015年12月~2016年9月の10カ月間)を発表した。売り上げにあたる営業収益は891億円で最終利益は73億円だった。
関西エアポートは、2つの空港を昨年度まで運営していた新関西国際空港会社に対し、44年間の運営権を取得した対価として、今回は180億円を負担する必要があったが、これを支払ったうえで黒字を確保し、順調なスタートを切った。
同社は、オリックスとフランスの空港運営大手バンシ・エアポートがそれぞれ株式の40%ずつを出資して2015年12月に設立された。社員のほとんどを新関西国際空港会社から引き継いでいるが、日仏企業の合弁のため、言葉や文化の違いで融合があまり進んでいない。
平成28年度からの5年間で総額932億円の投資を計画しているが、この多くがターミナル改修など新関西国際空港会社からの引き継ぎ案件で、独自色を出すのはこれからだ。神戸空港の運営権取得に名乗りを上げたことを含め、関西の空港経営安定化のためにも、世界35空港の運営に参画するバンシのノウハウをいち早く取り入れ、目に見える形で民営化のメリットを出すことが求められる。