シャープ 人材”流出”で大きな波紋 懸念の声も
台湾の鴻海精密工業傘下で経営再建を目指すシャープで、かつて経営の中枢を担った幹部たちが相次いで競合、関連業種の他社に転職していることが明らかになり、業界内に波紋を広げている。
再建を目指す中、大々的なリストラの一環として希望退職募集、人員整理は不可避で、今日の事態はある程度予想されたことだが、現実になってみると、極めてデリケートな問題で、当事者らにとって心中穏やかではないといったところだ。
主な動きをみると、三重・亀山の液晶工場を立ち上げ、液晶事業に携わった方志(ほうし)教和元専務が7月1日付で液晶大手ジャパンディスプレイの副社長に就任した。日本電産には片山元社長や大西元副社長が移っており、同社はシャープから300人規模の人材受け入れを表明している。アイリスオーヤマへも中堅技術者などが転職している。
6月下旬、大阪市内で開かれた株主総会でも、さながら”草刈り場”と化したシャープの人材流出を危惧する声が株主から相次いでいた。