釣り場の水利用しマイクロ水力発電 千早赤阪村
自然エネルギーの普及を目指す市民団体「金剛・葛城自然エネルギーの会」が5月から、千早赤阪村の「千早川マス釣り場」でマイクロ水力発電の実験を始めた。
千早川にはかつて発電所が2カ所あり、付近の家庭に電力を供給していたが、約50年前に施設の老朽化とともに姿を消していた。6月10日の公開実験では88㍗の電力が得られた。LED電球を点灯させ、見学者から歓声が上がっていた。
マイクロ水力発電は一般的に、出力が100㌔㍗以下と定義されている。ダムなど大規模な設備を必要とせず、電力消費地の近くでつくれる「地産地消型」エネルギーだ。
10日の実験では、上流側の釣り場の水を下流側の釣り場にホース(直径5㌢)を通して落とした。高低差は18㍍。ホースの先端には発電用タービンが取り付けられており、1秒当たり2.2㍑の水を通すと、タービンが勢いよく回転した。
発電用タービンを製作した関西外国語大学(枚方市)青木豊明教授は「取水口とタービンの落差を大きくすれば、より多くの電力を得ることができる」と説明し、今回の実験が千早川での水力発電復活のきっかけになればと期待している。